WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

児童虐待について発信を続けるフリーライター

杉山春さん

  • 2013.06.25
  • 聞き手…大森順子
  • 撮影…谷口紀子

杉山春さん

今できることから もう一歩を

 大阪市西区で2010年に起きた2幼児置き去り死事件の裁判で、毎回杉山春さんをお見かけした。やっぱりこの事件を追いかけてるんだ、とちょっと心強い気持ちになった。  春さんと初めて出会ったのは9年前。2000年12月に愛知県半田市で起きた、両親の養育放棄によって亡くなった安田真奈ちゃんの事件について書かれた『ネグレクト』という本を読み、講演をお願いした。『ネグレクト』では、3歳の真奈ちゃんを段ボール箱の中に入れ、なかったことにしていく両親の様子が克明に描かれている。彼ら自身が追い詰められていく様子や、その背景にある社会のまなざしもしっかりと書かれていて、激しく心を揺さぶられた。その後、春さんの話を直にお聴きして、子育てをめぐる当時の社会のあり方を深く考え、私は子育て支援に関わるようになったのだ。  もともと雑誌の編集者として働き始めた杉山春さんは、たまたま仕事で残留孤児の女性の話を聞く機会があり、初めての本『満州女塾』を書いた。開拓のために海を渡った男たちの妻になることを強要された女性たちの物語だが、彼女たちの「行ったことのない満洲という所へ行ってみたかった」という思いに共感した。そして、この本を書く中で、社会の仕組みの中での女性の位置というものを考え始める。  子どもを産み、子育て真っ最中の頃、ちょうど「虐待」という言葉がニュースなどで聞かれるようになった。  「仕事でお母さんたちの子育ての話を募集したら、みんな子育てがつらい、しんどい、という本音がたくさんきたの。私自身は、子育ては結構楽しいと思っていたから、そのギャップは何かな、って考えてた」。社会の生きづらさは誰もが持っている。自分には、周りに頼れる人たちがいた、それはたまたまラッキーだっただけだと思えた。そんな時、愛知県半田市の事件を知った。 続きは本誌で...


すぎやま はる

1958年東京都生まれ。子育てや親子問題、子殺し事件、外国人定住者問題などをテーマにルポを執筆。現在は、大阪市西区で起きた事件の背景を描いた著作を準備中。また、NPO職員として、生活保護家庭で育つ子どもたちの支援を行っている。

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