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ふぇみんの書評

説教したがる男たち

レベッカ・ソルニット 著 ハーン少路恭子 訳

    説教したがる男たち
  • レベッカ・ソルニット 著 ハーン少路恭子 訳
  • 左右社2400円
 著者はこのエッセイでman(男)とexplain(説明する)の合成語、「マンスプレイニング=説教したがる男たち」を世に広めた。フェミニストとして多くの著作やブログを発表する著者の文章は勢いがあり、女など何物でもないと錯覚する傲慢な男たちを批判する。  所収9編中の表題作では、著者がある男から「これを読みなさい」と説教されたのが著者の著作で、男をギャフンと言わせる。だが、そんな著作を持たない我々は歯ぎしりしながらも、鼻で笑い逆襲を狙おう。  IMF専務理事がニューヨークの豪華ホテルでアフリカ移民のメイドを暴行した「陳腐な」事件。圧倒的な力の差だが、彼女は訴え出てIMF氏(実は常習犯)を法廷に引きずり出した。女性嫌悪者による殺人事件から、社会の根っこもえぐる。  「そんな男ばかりじゃない」と、男たちは他人事にしてないか、と著者は言う。女はそれでも世界を変えようと、苦しい闘いをしている。(三)

プッシー・ライオットの革命 自由のための闘い

マリヤ・アリョーヒナ 著 aggiiiiiii 訳 上田洋子 監修

  • プッシー・ライオットの革命 自由のための闘い
  • マリヤ・アリョーヒナ 著 aggiiiiiii 訳 上田洋子 監修
  • DU BOOKS 2000円
「プッシー・ライオット」は、「まんこの暴動」と訳せるか。ロシアのフェミニスト・パンク集団で、即興抗議パフォーマンスを行う。2011年に政権と癒着するロシア正教会内で反プーチン・ソングを演奏して逮捕され、実刑判決を受けた。映像はネットを駆け巡り、世界中の有名人が彼女らを擁護した。本書は、ライオット創設メンバーの一人である著者(1988年生まれ)が、逮捕、獄中体験を通じた、強大で理不尽な権力との闘いの日々を綴る。  刑務所は「ルールとは決して破ることができない」と教え込む場と著者。看守の虐待と嫌がらせ、人間扱いしない処遇と環境…ハンガーストライキで著者は抗議し、一部裁判で待遇改善を勝ち取る。抵抗をやめたら自分でなくなる―。  「自由は、あなたがそのために日々闘わない限り、決して存在しえない」「一歩でも引き下がったなら、敗北である」。彼女の言葉は今の日本を生きる私たちの心に突き刺さり、大きな火を放つ。(登)

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

イ・ミンギョン 著 すんみ、小山内園子 訳

  • 私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない
  • イ・ミンギョン 著 すんみ、小山内園子 訳
  • タバブックス1700円
韓国ソウルで2016年に起きた「江南駅殺人事件」を契機に書かれた本。繁華街の駅出口付近のビルのトイレで、女性が面識のない男性に殺害された事件。加害者が「女たちに無視されていたから」という供述が報道されると、「女性嫌悪殺人事件」と女性たちによって名付けられた。多くの女性がこのような犯罪を糾弾し、堕胎罪の廃止や性暴力の根絶を訴え、数万人が街に繰り出す#MeToo運動へと広がった。本書は韓国の#MeToo運動の一端を感じる熱い一冊だ。  著者は「女性嫌悪」の正体を探り、性差別発言に対し女たちが話の通じない男と無理に話したり、男が自らの無知を認めただけで立派だとほめるのをやめようと説く。どんな時に会話が成り立ち、どんな対話なら有効かを提案。気軽に読めるフェミニズム実践マニュアル。お薦めサイトにイルダの名も!   女性が傷つかないだけでなく、不要なエネルギーを使わずに済む会話術を身に付け、私たちも街に繰り出そう!(よ)
【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月750円、3カ月2,250円
 6カ月4,500円、1年9,000円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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