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ふぇみんの書評

老楽暮らし入門 終の住みかとコミュニティづくり

沢部ひとみ 著

  • 老楽暮らし入門 終の住みかとコミュニティづくり
  • 沢部ひとみ 著
  • 出版社:明石書店 価格:1,600円
「老いて楽しい暮らし=老楽(おいらく)暮らし」の土台は終の住みか探しであると著者は考え、そのために必要な情報と経験談をまとめたのが本書。
 「老後の不安」の最大要因は資金。しかし「老楽」には人とのつながり、コミュニティ、ハコ、ケア、そして自分はどんな人生を送りたいのかというビジョン、死への覚悟の持ち方が必要となる。住み慣れた家があり、ケアサポート体制が近くにあればいいが、そうはいかない。ケア付き高齢者住宅の決定的な不足、医療と介護の連携不足など早急な解決が必要。著者はハコとケアを支えるヒトの力が試されているという。
 コミュニティネットワーク協会が進める「100年コミュニティ」プロジェクトによる入居者参加型の高齢者住宅の取り組み、「ふぇみん」の元編集長の湯浅芳子さん、熟年離婚を選んだ女性、シングルの男性らの選択を読めば、終の住みかは探すものではなくつくるものなんだ!と勇気がでる。(竹)



原発スキャンダル

木原省治 著

  • 原発スキャンダル
  • 木原省治 著
  • 出版社:七つ森書館 著 価格:2,000円
 広島在住の著者が、中国地方の原発立地工作について、事業主である電力会社が地元企業を巻き込んで反対の声を封じ、国会議員選挙には会社ぐるみで応援するなど、想像以上の悪どさを詳細に報告。一方、島根原発の反対運動や、候補に挙がった何カ所かの原発建設計画に対して、漁師や女性が中心となり、町民や、時には電力会社労働組合までも動かし、町長や市長に原発建設は許可しないと言わせるなど、利害関係なしの純粋な行動の強さを知ることができる。
 建設予定の上関原発では、各地で建設計画がつぶされた経験から、町議選で中国電力の社員の住民票を移すなどして議会に推進派を送り込み、町議会で「原発推進の請願」を強行採決し、上関町側から中国電力に建設を要請するよう工作までやったという。
 終章にある原爆詩人、栗原貞子さんの上関原発反対集会に送られた長編詩「ヒロシマからのメッセージ」には核と原発を結ぶ問題点が凝縮されている。(泰)



大人になる前のジェンダー論

浅野富美枝、池谷壽夫、細谷実、八幡悦子 編著

  • 大人になる前のジェンダー論
  • 浅野富美枝、池谷壽夫、細谷実、八幡悦子 編著
  • 発行=はるか書房 発売=星雲社 価格:1,500円
10~20代前半の人たちに向け、日常生活の中でぶつかる何げない問題を発端に、ジェンダー論を分かりやすく解説する書。セクシュアリティーとは何か、男/女らしさの縛りや、性的快楽についての誤解など、学校では触れられることのないテーマが多岐にわたって書かれている。
 とりわけ妊娠や性感染症、デートDVなどの性暴力については知っておくべき内容が、実例などを基に詳しく解説され、分かりやすい。相談先機関なども掲載されていればもっとよいかもしれない。
 恋愛について書かれた章では少々物足りない感もあった。見た目は重要でないというのは分かるが、大切なのは“恋愛をスタートさせ、プロデュースして、持続させるスキルや態度 etc…”とあるのは私には何だかフツーの自己啓発本と変わらない気がした。実際の若者たちの感想はどうだろうか。ぜひ聞いてみたい。(梅)



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