有事立法ニューススクラップ帳
4/1〜4/30

★「4/8島根県が有事法制の先取り! 不審船想定で自衛隊などと協議」の見出しは鳥取県の間違いでした。
訂正しお詫び申し上げると共に今後ともより一層ミスがないように注意したいと思います。

4/30

米政府、防衛庁の省への昇格、軍事力強化を執ように後押し

・「防衛省に昇格すれば、日本も国連安保理の常任理事国入りの資格を得やすくなるだろう」――。アーミテージ米国務副長官が29日の与党3幹事長との会談で、国連の常任理事国入り問題と絡めて、防衛庁の省昇格を後押しする考えを示した。保守党の二階俊博幹事長が同党の安全保障政策について、防衛庁の「省」昇格法案を提出していると説明したのに対し、アーミテージ氏は「正しい方向に進んでいると思う。スピードが大事だ。省昇格をやるべき時期に来ているのではないか」などと語ったという。

・米国防総省は30日、高度な防空能力を持つ最新鋭のイージス武器システムを日本に売却することを決めたという。現在、日本が保有しているイージス艦に搭載されているシステムよりも高性能で、売却総額は約5億7800万ドルにのぼる。日本側は今回購入するシステムを自前の艦船に搭載する。米国がイージス技術を供与しているのは日本だけで、同省は「アジア地域での軍事バランスを保つのが狙い」と説明しているという。

4/29

米軍への日本の支援について、感謝と更なる支援を。米高官発言相次ぐ 

・自民、公明、保守の与党3幹事長は29日午後ワシントンにて、アーミテージ国務副長官、ウォルフォビッツ国防副長官とそれぞれ会談した。ウォルフォビッツ氏は、アフガニスタンでの米軍の軍事行動になお時間がかかるとして、米軍の後方支援活動にあたる自衛隊の派遣を定めた基本計画の延長を求めたうえで、偵察能力の高い自衛隊のイージス艦、P3C哨戒機を派遣するよう要請した。与党側は慎重な姿勢を示したという。

・アーミテージ米国務副長官は会談で、「日本は現在、ペルシャ湾、インド洋で『ショー・ザ・フラッグ』をまさに地で行っている」と、アフガニスタンでのテロ掃討作戦に対する自衛隊の協力に触れて「ショー・ザ・フラッグ」の言葉を自ら発したという。

・中谷防衛庁長官は29日、来日中のマイヤーズ米統合参謀本部議長と防衛庁で会談した。今国会で議論が始まった有事関連法案に米軍支援法制を盛り込まなかったことに関連し、中谷長官は「現実に米軍の行動に支障がないよう、制服組同士の話し合いも含めて日米間で意見交換をしていかなければならない」と述べた。マイヤーズ議長は「大変重要なことでよろしくお願いしたい」と応じ、緊密に協議していくことを確認したという。マイヤーズ議長はまた、テロ対策特別措置法に基づく自衛隊の米軍支援について「卓越した支援に感謝し、高く評価したい。日本の貢献を非常に重要に感じている」と述べ、5月19日で期限が切れる派遣期間の延長に期待感を示したという。

・テロ特措法による自衛隊派遣に続けて、有事関連立法に邁進する小泉政権の軍事政策が、ブッシュ政権にとっていかに満足いくものであるかが、これら高官発言から読み取れるであろう。

4/27

自由党、有事法案の対案を連休明けにも提出。憲法違反においては同じ。

・自由党は27日、政府の有事関連3法案に対し、「安全保障基本法案」「危機管理基本法案」(いずれも仮称)の2法案を対案として連休明けにも国会に提出する方針を固めたという

・安全保障基本法案は、「我が国が武力による急迫不正の侵害を受けた場合に限り、国民の生命及び財産を守るため、武力による阻止または反撃を行う」「それ以外の場合、自衛権の名の下に武力による威嚇または武力の行使は一切行わない」など、同党が結党時から掲げている「安保3原則」をもとに作成される。

・危機管理基本法案は、「テロや自然災害などに対応できる法体系、制度を」(小沢党首)との認識から、武力攻撃やテロ、生命にかかわる疾病などが発生した際の行政機構の対処法を軸に、危機管理のあり方を示すものとなる見通し。

・詳細は不明だが、平和憲法を踏みにじる点では同じと言わなければならない。

4/26

衆議院審議入りに各地で抗議

・審議入りする26日の午前、国会内で「有事法制を考える市民と議員による緊急集会」が開かれ、社民党・共産党から徹底反対していく決意が表明され、市民団体や労働組合から連帯の訴えがなされた。夜には、奈良や金沢など全国各地で審議入り抗議の集会などがもたれた。

4/26

有事3法案の今日の質疑 あいまいでうわべだけの答弁に終始

 有事法制関連3法案の衆院本会議での趣旨説明と質疑が行われたが、与野党質問と政府答弁での論点はいくつか拾ってみる。

武力攻撃事態の定義
 首相は「事態の判断は、国際情勢、相手国の意図、軍事的行動などを総合的に勘案してなされる」と終始あいまいな答弁。また、武力攻撃事態と周辺事態との関係について「事態の進展によっては両者が並存することはあり得る」と。この2つの答弁の中に本法案の隠された目的――イラク・北朝鮮などへ米の軍事攻撃への支援・加担――が垣間見える。

憲法との関係
 首相は「法案の対処措置が憲法の枠内で行なわれることは当然だ」「権利の制限は『公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする』との憲法13条等の趣旨にそったものだ」と答弁。「公共の福祉」を口実に、国民の権利の制限を押し通すつもりである。

首相の指示権・代執行権
 総務相は「避難勧告で住民を移送する時、自治体の態度が決まらなければ国が直接やる場合もある」「住民避難で受け入れる自治体が複数あって決まらない時に、国が責任もって指示し(ある地方自治体に)引き受けてもらうこと」など、鎧を衣に隠して当たり障りのない答弁に終始した。

国民の協力・保護・罰則
 首相は「(国民に戦争への協力を義務づけるという)指摘はあたらない」と答弁し、防衛庁長官は「罰則は主として積極的な行為、義務の履行を確保するためのものではない。妨害等を行わないという不作為を要求し違反する行為に課すなど公共の福祉を確保するための必要最小限の制限として憲法上許される」と答弁した。

テロ・不審船について
 与党内部でも自由党・民主党もテロ・不審船について後回しになっているという不満に対して、首相は待ってましたとばかりに「武力攻撃事態以外の緊急事態への対処についても、一層、改善強化するための施策を講じることとしている。後回しにするとの指摘は当たらない」

・まだ論戦は始まったばかりである。本法案の危険性を具体的に暴露する事実と質問を政府・与党に突きつけ、それを広く世論に訴えていくことがこれからの課題となろう。

4/26 有事法制関連3法案、本日午後に衆院で審議入り。総力をあげて廃案に追い込もう!

・武力攻撃事態法案など有事法制関連3法案の趣旨説明と質疑が26日午後、衆院本会議で行われ、審議入りした。大型連休明けの7日から衆院の有事法制特別委員会で本格的な論戦に移ることになる。・憲法に反する法律は制定が許されないにもかかわらず、憲法の基本的機能を停止させる法律が平然と政府から提出されるという異常事態。平和、民主主義、基本的人権を擁護し守り抜こうという人々は直ちに立ち上がって、廃案に追い込むためにできることは何でもやろう!

4/24

「我々は皆、対テロ戦下にいる。傍観できぬ」。沖縄からフィリピンへ米軍派遣。

・朝日新聞によると、近く訪日する米統合参謀本部のマイヤーズ議長は24日、ワシントンで記者会見し、フィリピン軍のテロ掃討作戦を支援する目的で、沖縄の米軍基地からフィリピンヘ米軍部隊を派遣したことに触れ、「我々は皆、対テロ戦下にいる。それを傍観できるような状況ではない」と述べ、沖縄を含む日本も対テロ戦から逃れられないとの見方を示したという。

・議長は沖縄と対テロ戦との関連について、同時多発テロで米経済が失速すれば、沖縄を含む日本経済に悪影響を及ぼすと指摘。そのうえで、「派遣したからと言って、沖縄が特にテロの標的になるとは思わない」と述べた。

・また、有事法制関連3法案に関連し、同時多発テロをあげ、「21世紀の安保環境は冷戦時代とは非常に異なる」と述べ、さらに、日韓共催のサッカーのワールドカップ開催に伴う警備についても、日本政府が要請すれば、「出来ることは何でもする」と述べ、米軍の協力に前向きな姿勢を示したという。

・米軍が、とくにアジアにおける「対テロ戦」への日本の支援を期待し、有事法制関連法がそれに貢献することの期待の表明と見られる。

4/24

民主党、有事法案に修正案を検討

・民主党は24日の拡大役員会で、有事関連3法案への対応を協議し、「政府案に無条件で賛成はできない」との認識で一致した。そのうえで、法案反対を前提とした対案作りはせず、政府の答弁を見極め、修正案の作成などを検討する方針を確認したようである。

・拡大役員会には鳩山代表や衆院武力攻撃事態対処特別委員会の伊藤英成理事らが出席した。政府案について、〈1〉住民の避難誘導や被害復旧など、国民の生命、財産の保護についての関連法整備が2年以内を目標に行うとして先送りされた〈2〉現実性の高い大規模テロや、不審船への対処が含まれていない――の2点が重要な問題との指摘が出された。岡田政調会長は、「この2点は賛否を考える大きな要素だが、これが満たされていないから入り口から『ノー』という議論は避けてほしい」と述べ、了承された。今後、政府・与党の出方次第で、法案の修正協議にも応じる構えだ。

・2点の問題点の指摘は、いずれも法案の危険性の本質を避けており、与党の対応次第で賛成にまわる可能性を多分に持っている。強力な反対運動と横路をはじめとする党内反対派との強い連携が要請されている。

4/23

民主部会、有事法制政府案への反対論相次ぐ

・民主党は23日夕、参院議員会館に党所属の国会議員を集め、政府提出の有事法制関連3法案について議論した。出席者からは、緊急事態法制の必要性は認めつつも、政府案については「武力攻撃事態、指定公共機関の定義など、すべてあいまいで賛成しかねる」(田並胤明衆院議員)などの反対論や慎重論が相次いだという。

・会合には、旧社会党系の議員を中心に約40人が出席。12人が発言したが、「自衛隊を動きやすくするだけで、国民の権利を後回しにした法律だ」(生方幸夫衆院議員)、「地方自治体の権利などをはっきりさせる必要がある」(小林守衆院議員)など積極的な賛成意見はなかったらしい。

・ところで、有事法制関連3法案を審議する「武力攻撃事態への対処に関する特別委員会」が23日、衆院に設置されたが、民主党の特別委筆頭理事は有事法制の必要性を主張する伊藤英成・党外交・安保政策責任者。伊藤氏は「緊急事態法制の必要性は民主党も言っている。地方自治体や国民の権利との関係を議論したい」と、上記の民主党部会とはかけ離れた見解を語っている。

4/22

有事法案に批判相次ぐ 沖縄で憲法調査会公聴会

・琉球新報によると、衆議院憲法調査会の沖縄地方公聴会が22日、名護市の万国津梁館で行われ、一般公募により選ばれた六氏が意見を述べた。憲法九条と有事法制に関して、4氏が護憲的立場、2氏が改憲的立場を明確にして意見が分かれた。調査会委員から陳述者への質疑も安全保障関連に集中し、沖縄の抱える基地問題の根深さをあらためて示した。

・戦力の不保持などを定めた憲法9条の改定について、4氏は、「悲惨な地上戦、米軍統治の苦難をくぐり抜けた県民は、平和を切実に求めている。国際紛争の解決は武力に頼るのではなく、平和的な手段を模索するべきだ」などと主張。9条と密接につながるとして取り上げられた有事法制の問題には、「沖縄戦で軍隊は住民を守らなかった。有事法制ができれば、同じように基本的人権が否定される」と反対を表明。他の2氏は改憲および有事法制賛成を表明した。


4/21

W杯のテロ対策を口実に、警察と自衛隊が共同で治安出動体制整備

・日経新聞によると、サッカー・ワールドカップ(W杯)のテロ対策に絡んで警察庁は21日までに、自衛隊の治安出動を前提に各地の警察と自衛隊の間で具体的な協力体制などを取り決める「現地協定」を陸上自衛隊の方面部隊や各師団と結ぶよう、全国の警察本部に指示したという。

・現地協定の締結で、武装ゲリラの襲撃など想定されるケースごとの任務マニュアルの作成や、戦後、一度も行なわれていない合同訓練の実施などが可能になり、制度上は治安出動に向けた体制が整うことになるという。

・中谷防衛長官が20日ソウルでW杯の期間中、会場となる10道府県の全競技場10か所の上空に空中警戒管制機(AWACS)やヘリコプターなどの自衛隊機を飛ばし、テロやゲリラの警戒を強化する方針を明らかにしたが、すでに警察庁と防衛庁の間で、W杯をチャンスに着々と治安出動計画が進んでいることを示している。

4/20

W杯は有事体制の訓練か? 自衛隊が10会場を陸海空から警戒すると防衛長官表明。

・韓国訪問中の中谷防衛長官は20日夜、ソウルで5月31日から6月30日のサッカー・ワールドカップ(W杯)の期間中、会場となる10道府県の全競技場10か所の上空に空中警戒管制機(AWACS)やヘリコプターなどの自衛隊機を飛ばし、テロやゲリラの警戒を強化する方針を明らかにした。海上についても、不審船対策として、P3C対潜哨戒機などによる監視を強める方針という。

・また、<1>生物化学兵器によるテロ対策を強化するため、陸上自衛隊の化学衛生部隊の人員を増強し、装備の刷新を図る<2>自衛隊の駐屯地や在日米軍基地などの警備の強化策として、陸自部隊を新たに配置したり、増員する――としている。

・中谷長官は近く、陸海空自衛隊に対し、一連の警備強化を命令する。さらに、防衛庁は、こうした体制について、近く関係自治体に説明し、理解と協力を求める予定という。

・W杯という国民の関心を引く場で、有事に備える自衛隊の存在感を示して有事関連3法国会通過をアピールし、さらに有事体制のミニ訓練も兼ねられれば、政府は一挙両得ということか。

4/20

日本側、有事法制を説明するも韓国の反応肩すかし。日韓防衛首脳会談

・歴史認識問題で中断し、ほぼ2年ぶりに開催された日韓防衛首脳会談で、日本側は有事法制を取り上げ、中谷元・防衛庁長官が「専守防衛、憲法の範囲内で行う」と理解を求めたが、韓国側は「丁寧なご説明に感謝する」(金東信・国防相)など慎重な言葉づかいに終始し、5月に開かれる日韓高級事務レベル会合で引き続き協議するとして判断を先送りしたという。

・朝日新聞の報道によると、韓国与党関係者は「どちらかといえば法案への憂慮の方が大きい」という。韓国主要紙は「日本、戦争放棄の足の鎖をほどく」などと報じた。韓国政府とすれば、国内世論や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への配慮をないがしろにするわけにはいかず、意図的にあいまいな態度に終始したというのが実情だという。

・韓国では、日本の有事関連法案に反対する運動が高まってきている。「つくる会」教科書反対運動のように、韓国・中国・アジアの運動と連帯して闘っていくことが日本の反対運動に求められている。

4/20

米軍に武器、弾薬提供も。政府が有事法制の一環として支援法案の骨格固める。

・政府は有事法制の一環として整備する「米軍支援法案」(仮称)の骨格を固めた。日本防衛のために行動する米軍に油や水などの補給、兵員や装備品の輸送、修理・整備、医療などの支援活動を行うのが柱。日本への武力攻撃が発生した場合は、米軍への武器・弾薬などの提供を可能にするという。

・政府は米軍支援に関する法整備について、17日に国会に提出した武力攻撃事態法案に「法案の施行後、2年以内に実施する」と明記。来年の通常国会での成立を目指す方針で、日米共同訓練や周辺事態に限定している日米物品役務相互提供協定(ACSA)を武力攻撃事態にも適用する改定案を同時に提出するという。

・今国会で上程されている3法案では、米軍については抽象的表現に止まっているが、すでに具体的な武器弾薬の提供も含む支援ができる法案が準備されているということである。

4/19

有事法制反対集会が日比谷野外音楽堂で5000人。翌日も芝公園で集会。

・19日夜、日比谷公園野外音楽堂にて、日本山妙法寺、平和を実現するキリスト者ネット、陸海空港湾労組20団体主催の、「STOP!有事法制4・19大集会」が開催された。参加者は主催者発表では5000人で、野外音楽堂を埋め尽くすほどの集まりで、首都圏での有事法制反対集会としては最大のものとなった。

・政党、労働組合、市民団体、宗教団体、婦人団体、高校生を含む学生など、有事法制反対の諸団体・諸個人が総結集する、盛り上がった集会となった。「有事関連法案をなんとしても廃案に追いこまなければならない」という一点で一致した、いろいろな団体からつぎつぎと幅広い反対の立場が表明された。社民党・共産党からは全力をあげて廃案に追い込む決意表明、運輸・医療労働者からは戦争協力拒否の立場、NGOからはパレスチナ攻撃を続けるイスラエルへの非難の立場、婦人団体からは戦前の銃後での加担反省、日弁連からは護憲と人権擁護の立場(20日に反対決議採択)、などなど。

・主催者からも挨拶者からも、この集会が第一波であり、これから全国に拡大させていく意志が表明され、集会アピールが採択された。集会後、国会コースと銀座コースにわかれて、デモが行なわれ、プラカードやゼッケンなどで有事法制反対を家路に向かう労働者や市民に訴えられた。

・20日午後にも、有事法制に反対する市民団体役1000人が、東京都港区の芝公園で「世界の人びととともに戦争を止めよう! 有事法制に反対全国集会」を開いた。同じ日に米国・ワシントンで開かれる10万人規模の「平和大行進」集会に呼応した催しで、沖縄のほか、フィリピン、韓国などの市民団体の代表らも参加し、「軍事依存を強める日本」に批判の声をあげた。

4/18

田中知事が有事法制を痛烈批判 「極めて時代遅れ」

・長野県の田中康夫知事は18日の定例会見で、有事法制関連3法案について「冷戦時代の攻撃を想定し、極めて時代遅れだ」と強く批判した。首相の地方自治体への指示権を盛り込んでいる点にも「国と都道府県の関係を踏みにじろうとしている」として、法案阻止に向けた行動を呼びかけた。

・田中知事は法案について「古文書が宝物として見つかったかのように提案された」と指摘。「一国の首相が、『すべての有事に対応できる』などとおっしゃるに至っては噴飯もの以外の何物でもない」と語気を強めた。さらに、「個人としても知事としても同じ思いの多くの人と行動を起こしていきたい」と語ったという。

・県知事としてはじめて、有事法制に明確な反対を表明したもので注目される。

4/18

米潜艦入港拒否の那覇市条例について、首相権限優先の法整備の必要性を内閣審議官表明

18日の衆院安全保障委員会で、内閣官房の村田内閣審議官は、米潜艦の入港を拒否している那覇市の条例と有事法制の関連について、「今後、個別の法制を整備していく中で、整理されないといけない問題」と述べつつも、首相の権限が優先する法整備の必要性を指摘した。赤嶺政賢氏(共産)の質問に答えた。
・赤嶺氏は、武力攻撃事態となった場合、条例の規定にも、首相の指示などの権限が及ぶのかを追及。村田審議官は「国にとっての緊急事態時に、仮にそれに従った行動がなされない時は、国の責任において、指示の行為が行われるなどの仕組みが必要」との考えを示した。


4/18

各地方・各団体から有事関連法案反対の声明・談話

・沖縄タイムスは 「あらゆる基地の建設・強化に反対するネットワーク」が17日午後、県庁内で会見し、閣議決定された有事関連三法案に抗議したと伝えている。メンバーは「法案は新たな侵略戦争への参加を正当化するもので、戦前の国家総動員体制の再来だ。二度と同じ過ちを繰り返さないため、沖縄から反対運動を盛り上げたい」と決意を語った。今月二十一日に浦添市内で反対集会を開くという。

・広島では、16日平和団体などからは強い反対の声が上がった。県被団協(金子一士理事長)などが原爆ドーム付近で行ったデモ行進には200人以上が参加、「有事法制反対」「テロを口実に戦争拡大するな」などとシュプレヒコールを上げた。
 また「第九条の会ヒロシマ」などの平和市民団体で作る「有事立法はイケン(違憲)!県市民連絡会」は、中区の百貨店前でビラを配布。「ピースリンク広島・呉・岩国」の湯浅一郎世話人は「実際に想定されるのは、台湾海峡や朝鮮半島での有事で、米国の敵と戦うために周辺事態法と有事立法が発動されれば、事実上参戦できることになる。日本列島も含めて戦場になり、交戦権を否定した9条や基本的人権を定めた日本国憲法を吹き飛ばしてしまう」と批判していたという。

・共産党赤旗によると、労働・婦人・平和・法曹団体など多数が、有事関連法案国会提出に抗議して声明や談話を発表したという。


4/18

「『動員強制』悩む自治体」と朝日が報道

・朝日新聞18日朝刊は、「国と市民の板挟みとなる各地の自治体の間には戸惑いや反発が広がりつつある。」と伝えている。

・横浜の中田新市長の「緊急時に備えて法整備を図ることは必要」という発言とともに、全横浜港湾関係労働組合協議会事務局長の「朝鮮動乱でも港湾労働者が駆り出された。有事であおりを受けるのは労働者だ。不景気の時代、なぜ有事法制を先行させる必要があるのか」という声を伝えている。

・また、97年以来2度米空母が寄港した小樽市では、2度目には「接岸バースがない」と随伴艦の入港を断ったが、法案が通ればそうした入港拒否もでなくなるかもしれず、市の担当者は「有事でも港への影響を最小限に食い止めるよう国に求めたい」と考えているという。

4/17

有事関連法案を巡る諸政党の動きは不透明。強い反対世論が是非とも必要。

・自民党は17日、有事法制関連3法案を審議する特別委員会の委員長に、瓦力・元防衛庁長官を充てる人事を内定した。87〜88年と99〜00年の2度も防衛庁長官を務め、自民党安保調査会長も務めた防衛族幹部。

・公明党の神崎武法代表は、有事法制関連3法案に関する首相と官房長官の談話について「国民の理解と支持を得ることが大事なので、もう少し国民にわかりやすい言葉で訴えた方がよかった」と述べ、同法案が憲法解釈の変更をせず、国民の権利制限は最小限にとどめることなどを政府見解で示すよう求めてきたが、こうした点への言及が不十分だという認識を示したという。

・民主党の鳩山代表は、有事関連3法案への対応について、「修正にするか、対案にするかは決めていない。その可能性はある」と述べ、修正案もしくは対案を提出することもあり得るとの考えを示した。その理由として、鳩山氏は「今のままではあまりにも解決しなければならない問題が多すぎる」と述べたうえで、〈1〉テロや不審船への対処の法整備の時期が明示されていない〈2〉武力攻撃事態の対象となる状況が不明確〈3〉国と地方自治体の役割分担が不透明――などと指摘したという。

・自由党の小沢党首も記者会見で、「体系的、思想的なものに基づいて一貫したものと思えない」と述べ、来月中に対案を提案する考えを改めて示した。

・社民党の土井党首は記者会見で、「憲法を有名無実化する恐れがある。廃案以外にない」と述べ、3法案を廃案にするよう求めた。

4/16

有事関連3法案に、昼も夜も反対運動

・陸海空港湾労組20団体、日本山妙法寺、平和を実現するキリスト者ネット主催の「有事法制閣議決定抗議4・16国会行動」が衆参議員会館前で昼おこなわれた。

歩道には「有事法制に反対」などのプラカードや旗を掲げた労組や市民団体、宗教団体の人々約500人が並んだ。集会には、民主党や社民党の国会議員らもかけつけた。民主党の佐々木秀典代議士は「小泉氏は備えあれば憂いなしと言っているが、こんな備えをすれば憂いは増すばかりだ。今度の法案には、全党一致で反対できるように努力したい」と話すと、参加者らから大きな拍手が起きた。

・夜には、フォーラム平和・人権・環境、原子力情報室などの主催による「異議あり有事法制!4・16集会」が日比谷野外音楽堂でおこなわれ、労働組合員や市民ら約3000人が参加した。「フォーラム平和・人権・環境」の太田敏夫・事務局長代行は「地域や職場で関心を高め、法制に反対する広範な運動にしなければならない」とあいさつした。集会の後デモ行進がおこなわれた。

4/16

閣議決定を米は歓迎、中国は懸念、韓国メディアは警戒。

・日米両政府は16日、日米安保高級事務レベル協議(SSC)の審議官級会合を、米国務省で開いた。日本政府が閣議決定した有事法制関連3法案について、米側から「懸案であった有事法制を今回法案として出したことは肯定的に評価する」と発言があった。また米側は、5月19日で期限が切れるテロ対策特別措置法に基づく基本計画について「アルカイダとの戦いは今後も続く。現在自衛隊が行っている支援に対する米側の必要は存在し続けるだろう」として、アラビア海、インド洋上での洋上補給の継続を要請した。

・中国政府は日本の有事法制化の動きに対して、「日本が専守防衛政策を厳格に守り、平和と発展の道を進むことを希望する」(外務省報道官)と強い関心を示している。当局者からは「武力行使の範囲拡大」への懸念の声も聞こえる。ある当局者は目下の対日関係の焦点として、小泉純一郎首相の靖国神社参拝を含む日本内政の動き、経済動向、有事法制化の3点を挙げる。不審船問題を巡っては、「軽率な武力使用」(唐家セン外相)との反発があり、有事法制化の動きによって国民感情がさらに刺激されると危惧(きぐ)する。中国紙は「有事法制は日本の軍事潜在力を活性化させる」(中国青年報)といった論調を伝え始めている。

・韓国メディアは「『戦争できる普通の国家』へまた一歩踏み出した」(17日付の朝鮮日報早版)などと強い警戒感を示し、東亜日報も東京発で「日本の武力使用の可能性がさらに大きくなり、憲法改定と集団的自衛権確保への道を開くと憂慮される」と解説した。

4/16

有事関連3法案を閣議決定。17日国会提出、26日にも審議入り。各党・各紙では慎重論も少なくない。

・政府は16日夜の臨時閣議で、有事法制関連3法案を閣議決定した。17日に国会提出する。与党3党は26日の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行う方針。連休明けから、45人規模の特別委員会で本格審議に入り、今国会中の成立を目指すというデタラメ審議日程を目論んでいる。

・小泉純一郎首相は16日夜、有事法制関連3法案の閣議決定に伴って談話を発表し、テロと不審船対策の推進に全力を挙げる方針を表明。談話では今後の課題として(1)武装不審船に対する効果的で安全な対処態勢の整備(2)出入国管理、テロ資金監視、重要施設の警備、ハイジャック対策、NBCテロ対策の強化等のテロ対策の推進――などを挙げ、ブッシュの戦争への協力という目的をカムフラージュするかのように、法案からは除外されている「テロ・不審船対策」を強調した。

・自民党内では野中氏が「国民の生命・財産を守るのが政治家の役割だ。分かりましたと了承するわけにはいかない」と述べるなど慎重論も根強い。野党各党は、16日発表した談話によると、社民党・共産党は明確に反対表明、自由党は有事法制推進の立場から「有事法制の名に値しない」と批判、民主党は党内の深刻な亀裂により対応が決められず、「政府案は基本的人権の尊重、民主的統制の観点などから検討すべき課題が山積している。党の『緊急事態法制に対する基本方針』に照らし、慎重かつ徹底的に検証していく」

・17日朝刊における各紙の社説では、朝日・毎日が問題点をあげて慎重審議を要求し(「これではあいまいすぎる」「あいまいな法制許されぬ」)、読売・産経はさらなるエスカレーションを要求し(「これを足場に幅広い備え急げ」「安保基本法作りの一歩に」)、日経は社説では扱っていない。

4/16

有事法制3法案、本日夜の臨時閣議で決定。いよいよその危険性も表舞台に。 幅広い批判を結集していこう!

・政府は16日午前、有事法制関連3法案の全文を自民党の国防、外交、国土交通などの合同部会に提示し、了承された。公明党の党内手続きも同日夕までに終了する見通しで、政府は16日夜の臨時閣議で、関連3法案を閣議決定する。

・国会での諸混乱を隠れ蓑するかのように着々と準備されてきた有事法制関連法案がいよいよ政治の表舞台に登場することになる。すでに社民党や共産党、労組、市民団体の反対運動が動きはじめている。本法案のもつ危険性もまた明らかにならざるを得ない。

4/15

有事法制推進の超党派議員団が、首相に右から突き上げ。

・与党3党と民主、自由の国会議員でつくる「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」(代表世話人・武見敬三参院議員、104人)のメンバーが15日、首相官邸に小泉純一郎首相を訪ね、テロや不審船の対策などを念頭に置いた法整備に早急に着手するよう求める緊急アピールを提出した。有事法制への国民の責務の明記、緊急時に民間人を守るための民間防衛法制の整備なども求めたという。推進派も動きを活発化させていることに要注意。

4/14

有事法制成立めざす会期延長に、自民党内に意見対立。

・中国訪問中の野中自民党元幹事長らは13日夜、有事法制関連3法案の成立のために今国会の会期を延長することについて、そろって慎重な考えを示したという。

・野中氏は「国家の安全にやや焦り気味になり過ぎているのではないか。もっと先に経済問題など国家の根幹にかかわる問題の議論を静かにする場が欲しい」と述べ、景気対策を優先すべきだとの考えを示し、古賀誠前幹事長も「延長してでもやるというのは性急すぎる」と指摘、保守党の二階俊博幹事長も「デフレ対策での延長ならともかく、別のことでは反対だ」と述べたという。

・与党内の意見対立を恐れた中谷防衛長官は、14日のテレビ番組で、「有事法制は50年前に出来てないとおかしい法律だ。いわゆるシビリアンコントロールを定めて(自衛隊を)運営することは当たり前。今まで政治家の怠慢でやるべきことをやってなかった」と傲慢な意見を述べ、野中氏らを批判したという。

・この意見対立が、今後どのように拡大していくかはまだ分からないが、首相・内閣官房・外務省・防衛庁そして防衛族の独走に対して、与党内に慎重姿勢をとろうとする部分が 声をあげ始めてことは重要。反対運動と反対世論がもっと高まれば、与党内の意見対立は一層深刻なものになる可能性をもっている。

4/12

不審船の対応マニュアルを初動段階から自衛艦派遣へ改訂。北朝鮮挑発を。

・政府は12日、不審船事件が発生した際の防衛庁と海上保安庁の初動段階の連携などをまとめた「共同対処マニュアル」を今月中に改訂する方針を決めたという。具体的には、〈1〉武装工作船の可能性が高い場合には海保艦艇と同時に自衛艦を派遣する〈2〉不確実でも早い段階から内閣官房、防衛庁、海上保安庁間で情報を共有する――などを盛り込む方針。

・昨日の記事「 『不審船』に対して当初から自衛艦派遣の方針。北朝鮮挑発をさらにエスカレート」を時を移さず実施しようとするもの。

4/11

「不審船」に対して当初から自衛艦派遣の方針。北朝鮮挑発をさらにエスカレート。

・内閣官房と海上保安庁、防衛庁、外務省が共同でまとめた「不審船事案対処の検証結果」が11日、明らかになった。政府の方針として「工作船の可能性の高い不審船については当初から自衛隊の艦艇を派遣」することを打ち出した。

・さらに、海上自衛隊の護衛艦の艦橋などに防弾措置を講じた新型ミサイル艇の導入や、不審船へ発射した味方の砲弾が不規則に跳ね返るのを防ぐため「平頭弾」と呼ばれる特殊な弾丸の使用など、この機に乗じて装備強化を求めている。

・不審船事件が発生した海域が排他的経済水域(EEZ)だったため、与党内にはEEZ内で発見した不審船への武器使用の要件緩和を求める声が出ているが、政府方針では、それが国際法に違反するため「慎重に検討」の表現にとどめている。

・領海警備が国際紛争に直接つながることを避けるために、各国は軍とは異なる警備隊(海上保安庁)を持っているのに、今回の方針は、それと逆行しわざわざ国際紛争を起こすための措置と言えるであろう。

4/10

政府の修正案 国民は「必要な協力をするよう努めなければならない」 

・政府は10日、武力攻撃事態法案に、他国から武力攻撃を受けた場合、国民が国や地方公共団体に協力する努力義務規定を盛り込む方針を固めた。また、次期国会以降に先送りする「国民保護のための法制」など関連個別法の提出期限は「2年以内」とする方針を固めた。

・政府の修正案によると、自衛隊の武力行使や米軍への物品、役務の提供、被災者の救助などに取り組む国や地方公共団体、指定公共機関に対して、国民は「必要な協力をするよう努めなければならない」との規定を新たに盛り込む。協力により損失が生じた場合は「必要な財政上の措置を講ずる」とした。罰則はない。

・政府がこれまで与党に示した案では、「国民の協力」は、次期国会以降に提出する個別法で「必要な措置を講ずる」との方針を示しただけだった。これに対し、保守党などから「国や地方公共団体の責務と同様に規定を設けるべきだ」との意見があり、修正したという。

4/10

有事法制の今国会成立目指す方針、与党が確認。 許してはならない!

・10日朝の与党3党幹事長・国会対策委員長会談にて、後半国会の運営について協議し、重要法案の有事法制と個人情報保護法案の会期内成立を目指し、連休前に審議入りさせる方針を確認した。有事法制は審議を円滑にするため、衆院に40人程度の特別委員会を設置することも確認したという。

・米の戦争に国をあげて参加するための法案が、「テロ対策特措法」のようにまともな審議もしないで1ヵ月程度で、通してしまおうと目論まれている。

4/9

「有事」の指定公共機関に民放も検討。報道統制へのエスカレートの恐れも。

・政府は9日の与党3党安全保障プロジェクトチームの会合で、有事法制関連法案に規定する指定公共機関に、民放を含める方向で検討する考えを示したという。武力攻撃事態(有事)の際、国民への避難警報などを放送することを義務づけるもので、求めに応じない場合は強制的に実施させる可能性もある。法案の原案では、指定公共機関は「武力攻撃事態への対処に関し、必要な措置を実施する責務」をもつとしており、報道機関では日本放送協会(NHK)が明記されている。

・非難警報にとどまらず、報道統制までエスカレートしかねない危険を含んでいる。

4/8

鳥取県が有事法制の先取り! 不審船想定で自衛隊などと協議。

・鳥取県は8日、不審船や大規模テロを想定した危機管理について、自衛隊や海上保安本部などと実務者協議を進めていることを明らかにしたという。

・有事法制関連3法案に絡んだ動きで、有事の際の速やかな情報伝達が目的。将来的にはガイドラインも策定する。消防庁防災課によると、有事法制を巡る自治体の取り組みは全国に例がないという。

・県は住民を安全に避難させるには、事前に国の関係機関と連絡体制を整えて情報を共有することが必要と判断。県内の陸上自衛隊や航空自衛隊、第8管区海上保安本部、県警警備課の実務者が参加し、不審船対策や大規模テロ、炭疽(たんそ)菌事件など具体的なケースを想定して意見交換しているという。既に今年2月に第1回協議を開いた。片山善博知事は「県民の生命と財産を守るために必要なことを講じるのは当然」と話しているという。

・この報道が事実とすれば、国政レベルでこれから議論が始まるというのに、県レベルですでに有事法制準備が進んでいるという、とんでもないことを意味する。東京都が防災に名を借りて「ビッグレスキュー2000/2001」という有事体制訓練を公然と行なったが、今回の鳥取県の動きはそれに勝るとも劣らないものである。

4/7

有事の「民間防衛」組織に関する法を政府検討。戦前の「国家総動員法」「隣組」の復活?


・政府は有事法制の整備の一環として、住民主体で相互連絡や物資配給などを実施する「民間防衛」に関する新法を制定する方針を固めたという。有事の際の避難や復旧を迅速にし、国民生活への被害を最小限にとどめるのが狙いで、次期国会での成立を目指す。救護組織は任意の民間団体で、編成を強制するものではないが、政府は設置を促すために助成金を給付することも検討している。

・民間防衛は自衛隊や米軍による軍事活動とは別に、国民が主体的に(1)食糧・燃料・医薬品の備蓄(2)負傷者の救援(3)公共施設の復旧――などに取り組み、社会秩序を維持・回復する非軍事的な活動。国民の強い防衛意思を示すことで「侵略行為に対する抑止力を持つ効果がある」という。

・「国家総動員法」や「隣組」によって、民間でも戦争遂行体制が築かれていったが、それの戦後版を政府は考えていることを意味する。恐ろしいことである。

4/7

自由・小沢氏、有事の対案を出す意向。さらに危険なものを目指すのか。

 自由党の小沢一郎党首は7日、那覇市内で、「危機管理の際の国の統治・行政機構はどのようにあるべきか、基本法的なものを出したい」と述べ、有事法制政府案への対案を、5月の連休明けにも具体的な法案として出す意向を明らかにしたという。超タカ派の小沢党首は、政府の法案をさらに危険なものに右から突き上げていこうとしている。

4/6

有事法制3法案の原案判明。米軍支援明記など新たな問題点判明。

・有事法制関連3法案の原案が明らかになったとして、報道された。要旨しか入手できていないため詳細は不明だが、本スクラップ帳で指摘していない項目について、いくつかあげてみる(全面的批判は別途行ないたい)。

・武力攻撃事態への対処措置として、国や地方自治体が米軍に物品や施設、役務を提供することも規定している。3日の与党へ示した概要にはなかったものである。米軍が行なう北朝鮮などへの戦争に協力・加担するための有事法制という性格が条文の中にも明記されていることになる。

・対策本部の名称や所管区域、設置の場所や設置期間を規定し、所管区域には対策本部の事務の一部を実施する組織として「現地対策本部」を設置、それらを国会に報告することは、今回の原案で初めて明らかになった。

・基本理念の中では、「憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限することがあってはならない」と規定しながら、国民の権利については、「制限が加えられる場合は、必要最小限のものであり、公正かつ適正な手続きのもとに行われること」として、いくらでも拡大解釈できるようになっている。

4/4

「周辺事態」にも有事法制を適用、と防衛庁長官が狙いの本音を。

・中谷防衛庁長官は4日の衆院安保委員会で、有事(武力攻撃事態)法制の対象に、日本への直接の武力攻撃ではない周辺地域での「周辺事態」も適用されるとの見方を示した。

・政府が提出する有事法制関連法案は、日本への外部からの武力攻撃事態への対処を目的としているが、武力攻撃事態の定義には「武力攻撃が予測されるに至った事態」も含まれている。長官は「周辺事態はわが国にとって武力攻撃の事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態だ。当然、周辺事態のケースは、この一つではないかと思う」と述べた。

・日本が攻撃を受けなくとも、米国が「悪の枢軸」論で北朝鮮に軍事行動を起こした場合は、日本は「周辺事態」とみなし、有事法制を発動し戦争体制をとるという「有事法制」の最大の狙いを防衛庁長官は公言したことになる。

4/3

有事関連3法案を与党へ提示。多くの注文が出て、閣議決定は1週間ずれ込み。

・政府は3日、今国会に提出する有事法制関連3法案の概要を与党協議会に示した。与党側は「法案要綱もなく内容を議論できる状況にない」として、改めて政府側の説明を求めた。政府は当初、9日に関連3法案を閣議決定する方針だったが、16日にずれ込む見通しになったという。

・「武力攻撃が予測される事態といった表現が盛り込まれているが、どのような事態を指しているのか明確ではない」「武力攻撃事態以外のテロなどの緊急事態は今回の法案に盛り込まず、別に扱うべきだ」「国民の権利義務に関する法制が、いつできるか分からないのは画竜点睛(がりゅうてんせい)を欠く」「(国会承認についての)規定が複雑でわかりにくい」という批判などが出た模様。

・政府は法案要綱を8日までにとりまとめ、与党側の了解をとったうえで、16日に閣議決定するという。

4/2

有事関連3法案が明らかに。問題点が山のよう。

・政府が今国会に提出する有事法制関連3法案の概要が2日、新聞各紙から報道された。まだ法案はごく一部しか入手できていないが、その範囲で見てみる。

包括法案について――名称:「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」(略称・平和安全法)

@「武力攻撃事態」(有事)を「外部からの武力攻撃が発生した事態または事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態」と位置づけ、いかようにでも言える攻撃予測だけで、有事の発動が可能となっている。

A地方公共団体の責務について、「武力攻撃への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する」とし、さらに首相の指示に従わない場合や緊急を要するときは、首相自らが対処措置を実施する、事実上の「代執行」が明記されているという。

B国会の関与では、対処基本方針の閣議決定後、「対処措置の実施前に国会承認を求める必要はない」と規定、事前承認は不要との方向を示している。ただ、自衛隊法に盛り込まれている防衛出動の場合は、原則として事前承認の規定を順守するとしている。

C包括法案には、国民の避難誘導や捕虜の取り扱いなど、今回提出が間に合わない事項に関する法整備の期限を明記し、具体的な期限は政府・与党間で国会提出までに調整するとしている。また、「武力攻撃事態以外の緊急事態への対処を実施するために必要な施策を講じる」との規定を設け、テロや不審船侵入などへの対策も今後、検討することを明示しているという。

自衛隊法改正案について

@物資の保管命令に従わなかった民間人に対して、「6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金」などの罰則を明記。

A防衛長官は防衛出動命令の発令が予想される場合、あらかじめ地域(展開予定地域)を定め、自衛隊に陣地構築などを命じることができると定め、この場合、自衛官は自らを防護するため、「合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる」と規定しているという。これまでは防衛出動命令後に限定されていた武器使用の権限を拡大するものである。

 4/1

政府、有事認定を国会の承認事項とする方針。PKF参加と同じ扱い。

・政府は、有事法制において、有事の認定を国会の承認事項とすることが1日、明らかになったという。自衛隊の防衛出動の場合と同様、原則的には事前、緊急時は事後の承認とする。基本的な枠組みを定める「包括法案」の中に規定する。

・自衛隊の行動と国会の関与については、防衛出動のほか、周辺事態法に基づく米軍への後方地域支援、国連平和維持軍(PKF)の本体業務への参加が、いずれも事前承認が原則となっている。昨年成立したテロ対策特措法は事後承認としたが、「恒久法である有事法制を、時限立法であるテロ特措法と同列には扱えない」(政府筋)としている。

・本スクラップ帳3月26日では、国会への報告で済ませるという報道を紹介したが、政府の内部調整の結果、本報道のようになったと見られる。実際上は緊急時の事後承認が通常になると考えられ、国会軽視には変わりない。

     
 3/17〜3/31       5/1〜5/.31      6/1〜