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まぐまぐ メールマガジン 週刊『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
再録版 Vol.5 2003.10.16 |
| [20031016]古代アフリカ・エジプト史への疑惑Vol.5 木村書店Web公開シリーズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.5 2003.10.16 ━━ ■■■『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』■■■ 近代ヨーロッパ系学者による“古代史偽造”に真向から挑戦! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 等幅フォントで御覧下さい。 出典:木村愛二の同名著書(1974年・鷹書房) ●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉● ┏┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┓ ┫ 序章:疑惑の旅立ち ┣ ┗┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┛ ◆(序章−5)ケメトの住民◆ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ エジプト学者の加藤一朗は、古代エジプト人自身が、自分達の国とその 他の地方をよんだ用語を、つぎのように説明している。 「古代エジプト人は、自国を《ケメット》(黒い土地、ナイルの氾濫の 及ぶ沖積地帯)とよび、《デシュレット》(赤い土地、砂漢)、《カセッ ト》(高い土地、丘の彼方の外国)と対照させた」(『神王の誕生』/エ ジプト王朝の成立』、p.85) また、自分たち自身に対するよび名については、こう説明している。 「エジプト人は、白分たちのことを表現する《レメッチ》(人びと)と いうことばを、決して異国人のためには用いなかった」(同前、p.91) エジプト人は、また、レムトゥ・ケメト(ケムトゥ)、すなわち、ケメ トのひと、というように、自分たちをよんでいた。ほとんどのエジプト学 者は、これを「黒い土地の人間」の意と解釈している。 ところが、ディオプは、このケメトは決して、黒い土に由来する用語で はなく、黒い人間の形容だ、と主張している。 エジプトの国名の起源を、土の色と関係させて論じたのは、『英雄伝』 の著者、プルタルコス(46-120)の著作、『イシスとオシリス』(33章) が初めてであって、エジプト人自身の記録には、そんな理由を論じたもの はない、という。そして、黒い人間についてこそ、この用語は使われてい る、ともいう(『黒色人文明の先行性』、p.57-59)。 これも大変なくいちがいである。ディオプが、古代人の証言を列挙して いる中にも、エジプト(ギリシャ語で“黒い”に発するという)の国名の 由来を、肌色に求めている例がある。プルタルコス以前、前1世紀のギリ シャの哲学者、アポロドレスは『イナクスの家族』の章、2〜3節で、つ ぎのように書いている。 「エジプト人は、彼らの国を黒い足で征服し、その国を彼ら自身の呼び 名にもとづいて、エジプトと命名した」(同前、p.37) この引用の紹介を含めて、こういう論旨を展開している本は、ディオプ のもの以外には見当らなかった。だから、ここでは、ディオプの論理を追 っていくしかない。しかし、これは非常に説得性があるといわねばならな い。 まず第1に、レムトゥ・ケメトという場合、ケメトは“黒い”という形 容詞でしかない。土とか、土地とか、国土とかいう単語は含まれていない。 黒い国土という場合には、ター・ケムトなどといっているようである。 だから、レムトゥ・ケメトを直訳すれば、黒い人間、黒色人としかなら ない。これも、論埋的にはその通りである。 さらに、ディオプは近代の例をあげる。 「白アフリカ」、「黒アフリカ」というよび方は、白色人、黒色人の意 味からでているのではなかろうか。たしかに、アラビア語の「ブレド・エ ッ・スダン」も、黒色人の国の意味であった。それは、土の色に由来した ものではなかった。 メラネシア(ギリシャ語のメラノから、黒い島々)というではないか。 これもオセアニアの黒色人地帯の名称である。 わたしもひとつ追加しておくと、「白人高地」(ホワイト・ハイランド) という例がある。ここは、ケニアの古くからの農地を、イギリス人が奪い、 ヨーロッパ系入植者を屯田兵がわりにしたところである。土地は肥沃で、 明らかに黒い。 はたして、ケメトは「黒い人」であろうか、「黒い土」であろうか。こ の件については、まだ、結論的なことはいえない。しかし、この謎ときも 面白そうだ。ディオプの著作、1955年の『黒色人国家と文化』に対しては、 ヨーロッパ系学者による、いくつかの挙足取り的批評が眼についた。しか し、彼の引用している古代人の証言についての、まともな反論は見当らな かった。これもまことに残念なことである。 ではこの点について、人類学者はどういう見解を示してきたのであろう か。 次回配信は、序章−6「ファラオの人種壁画」です。 (@_@;) (@_@;) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■このメールマガジンは、『まぐまぐ!』発行システムを利用しています。 http://www.mag2.com/ 配信中止 http://www.mag2.com/m/0000117236.htm ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■制作・発行■ 木村書店・木村愛二 mailto:altmedka@jca.apc.org (ご案内) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/shoten-afmag.html (木村書店) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/hanbai.html (憎まれ愚痴) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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