| ┃憎まれ愚痴入口┃木村書店┃戻る┃ | ┃メルマガ1の目次┃項目別案内┃ |
|
まぐまぐ メールマガジン 週刊『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
再録版 Vol.39 2004.06.10 |
| [20040610]古代アフリカ・エジプト史への疑惑Vol.39 木村書店Web公開シリーズ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.39 2004.06.10 ━━ ■■■『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』■■■ 近代ヨーロッパ系学者による“古代史偽造”に真向から挑戦! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 等幅フォントで御覧下さい。 出典:木村愛二の同名著書(1974年・鷹書房) ●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉● ┏┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┓ ┫ 第四章:鉄鍛冶師のカースト ┣ ┗┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┛ ◆(第4章−8)テラコッタの証言 ◆ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ ナイジェリアの南部地帯には、すでに紹介したように、多くの騎馬帝国 が栄えていた。ベニンとかイーフェとかは、黄銅美術でも有名だ。 ところが、この地帯のすこし北に、ノクという地名の錫鉱山があった。 そして、この鉱山の採掘現場から、大量のテラコッタ(焼き粘土の意)、 つまり土製の人物像(日本のハニワに似ている)が出土した。これはノク の小像文化ともよばれているが、このテラコッタには、鉄の鉱滓(カナク ソ)がこびりついていた。しかも、コルヌヴァンはこう書いている。 「いくつかの発掘地点では、通風管の破片、鉄の鉱滓、溶鉱炉の痕跡が、 実際に発見された」(『アフリカの歴史』、p.158) つまり、動かしようのない鉄生産の証拠がでてきた。そして、この事実 もわたしの考え方のヒントになったのだが、土器またはテラコッタの製作 と鉄の溶鉱との結びつきが暗示されている。同じカマをつかっていたため に、テラコッタにカナクソがこびりついたもののようだ。 ところで、このノクの鉄器文化の年代は、どういうことになっているの だろうか。わたしには、この地点に関するたった1ケ所のデータの研究方 法が、いかにも不可思議に思えてならないのである。一般には、このノク の鉄器文化の年代を、紀元前 300年ごろとする学者が多いのだが、わたし は、その年代のきめ方に、異論をさしはさみたい。そして、もっとずっと 早かったのではなかろうかと考えている。 というのは、ノクの一地点で4つの炭化した木片が採集された。そして、 カーボンテストの結果、紀元前約3500年、2000年、900年、紀元後200年と いう年代を示した。ところが、最初の2つの数字は除外されて、あとの数 字の中間が採用されている。しかも、丁度真中は紀元前 350年となるはず なのに、すこしけずって、紀元後 300年という仮説が発表され、それが「 定説」として取扱われている。これはどういうわけであろうか。しかも、 さらに奇妙な事実がでてきた。何冊かの本に、資料の取扱い方のくいちが いがでてきたのだ。 まず最初に、このノクの4つの木片を採集して、カーボンテストにかけ たのは、イギリス人の考古学者、ファッグである。デヴィドソンは、さき にあげた4つの年代測定の結果を書き、古い方の年代を捨てた理由につい て、こう説明している。 「『最初の2つの年代は』とバーナード・ファッグは注釈をつけている。 『ほぼ確実に、それ以前の沈澱物から生じたものだ』」(『古代アフリカ の発見』、p.50) なぜ「ほぼ確実」なのだろうか。「それ以前の沈澱物」とはどういうこ とだろうか。ファッグは、4つの木片を採集するときに、それぞれの状態 に、いささかなりとも差異を見いだしていたのだろうか。カーボンテスト にかけるまでは、同格に扱っていたのではないだろうか。論理的には、紀 元前3500年を示した木片の方が、鉄器文化と同時期のもので、ほかの3つ の木片の方が、あとから、その後の何千年のうちに新しく生え、くちてい った木の根の破片だったのかもしれない。しかも、このノクは、熱帯降雨 林、つまり、一番植物の繁茂がはげしいところなのだ。 ところが、この疑問を抱きつつ、コルヌヴァンの『アフリカの歴史』を よんでいたら、そこでは、木片の数が3つにへり、紀元前3500年に相当す る数字が、消え失せていた。コルヌヴァンは、フランスのアフリカおよび 海外研究・資料蒐集センターの所長である。彼は、あらゆる個所で、くわ しいデーターをあげている。そういう資料の活用者が、どこでまちがった のだろうか。 この「現代の謎」をとく鍵のひとつは、デヴィドソンが編集した資料集、 『アフリカの過去』の中にあった。そこには、ファッグ自身が書いた別の 文章、つまり、さきにあげたデヴィドソンの『古代アフリカの発見』に引 用されたものよりも、あとに書かれた論文が抄録されていた。 おどろいたことに、そこでは、紀元前2000年頃という数字さえ消滅して いた。しかも、注意して読むと、紀元後 200年、つまり一番おそい年代を 示した木片は、いわゆるノクの小像文化、または鉄器文化の最盛期よりは、 はるかにおそい年代のものだったのである。 ファッグはこう書いている。 「いままで小像を出したことのないようなそれこそもっとも若い推積層 のなかに、灰色の粘土にすっぽりつつまれた“もとのままの位置”[訳文 では傍点による強調。原文はおそらくイタリックであろう]で、しっかり した胴体の材をいくつか発見するのに成功した。これらの標本を分析した 結果、ほぼ紀元 200年ごろというのが適当な日付けであることがわかった。 小像の材が発見された下方の砂礫層から出たものは、ほぼ紀元前 900年を 示した」(『アフリカの過去』、p.66) これによると、紀元後 200年という数字は、小像文化期の、もっとも新 しい年代を示していることになる。しかも、胴体に木材が使ってあるよう に、若干、手のこんだものである。 それゆえ、紀元後 200年という数字は、ノクの小像文化という芸術的様 式が、この年代までつづいたということは示しているとしても、鉄器の発 生年代をきめる手掛りにはなりえない。この数字の方こそ、採用してはな らないものなのだ。 つぎに、なぜ紀元前3500年と2000年の数字が捨てられたのか、というこ とだが、まるで理由が記されていない。本人に聞いてみなければ、これ以 上のことはわからない。しかし、傍証としてあげることができる事実には、 すでにのべたように、イギリスの歴史・考古・技術史学者の頑強な、紀元 前1500年頃という年代のヒッタイト起源説がある。この仮説的主張を捨て て、新しい角度から見なおすことなしには、古い年代数字の評価はできな いわげである。 しかし、ノクのテラコッタは、まだまだ沢山、地中に眠っている。鉄の 鉱滓をつけて、カーボンテストに必要な木片をともなって、やがて新しい テラコッタが出現するであろう。 さて、わたしは土器製作の副産物として、鉄の発明を位置づけた。それ ゆえ、この発明がそれほどに困難なものだったとは考えていない。火によ って土を変えるわざを知っており、一方で、樹木の伐採などをしていた人 々、つまり、鉄の発明の主体的条件をもっており、固い金属、または固い 道其を必要としていた人々には、早くから、この発明をする必然性があっ た。しかも、すぐそばには、世界中でも稀にみる状態の粘土から岩盤まで の、すぐれた鉱石がころがっていたのである。 それゆえ、わたしは、紀元前6000年頃には、中央アフリカあたりで、鉄 の発明が行なわれていたと想定しておく。しかも、紀元前4000年頃には、 その鉄がエジプトにも到達していたのではなかろうかと思う。さきにあげ たゲルゼの先王朝の王墓からでた鉄のビーズ玉は、いまのところ、もっと も古い直接的な手掛りである。素直に解釈するならば、この鉄のビーズ玉 は、紀元前3600年頃、人々がすでに、円い小さな鉄の玉をつくり、それに 穴をうがつことさえ知っていたという事実を示している。 だが、エジプト周辺には、鉄鉱石があまりなかった。また、簡単に特殊 合金鋼をつくりだせる「古鉄土」の鉱床もなかった。オリエント方面に遠 征しても、そこの鉱山からとれる鉄鉱石では、軟鉄しかできなかった。炭 素鋼の発明以前のエジプトでは、どういう解決法が求められたであろうか。 次回配信は、第4章−9「ミルラの秘蹟」です。 ―――― 木村書店の新刊 ―――――――――――――――――――――― 噂の真相を超える徹底硬派の新雑誌・第2号 7月1日発行 ◆ 季刊『真相の深層』 2004・夏◆ http://www.jca.apc.org/‾altmedka/shoten-sinsou.html 「拉致と核と餓死の国・北朝鮮」の背後に潜む知られざる恐怖の国際利権 他 ◆ 季刊『真相の深層』2004・初夏別冊は6月1日発行!!◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■このメールマガジンは、『まぐまぐ!』発行システムを利用しています。 http://www.mag2.com/ 配信中止 http://www.mag2.com/m/0000117236.htm ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ■制作・発行■ 木村書店・木村愛二 mailto:altmedka@jca.apc.org (ご案内) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/shoten-afmag.html (木村書店) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/hanbai.html (憎まれ愚痴) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
|
|
メルマガ案内 2008.1.16