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まぐまぐ メールマガジン 週刊『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
再録版  Vol.10  2003.11.20

[20031120]古代アフリカ・エジプト史への疑惑Vol.10
木村書店Web公開シリーズ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.10 2003.11.20 ━━
 ■■■『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』■■■
     近代ヨーロッパ系学者による“古代史偽造”に真向から挑戦!
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                      等幅フォントで御覧下さい。
              出典:木村愛二の同名著書(1974年・鷹書房)


◆(第1章−4)探検者たち ◆ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

   サハラの真只中に、岩壁画・岩窟画が沢山あることは、実際には、19世
  紀の中頃からヨーロッパ人に知られ、文章化されていた。むしろ、その頃
  のヨーロッパ人の方が、アフリカ大陸の文化・文明について、素直な関心
  をよせていたともいえる。もちろん欲得づくの調査行が多いにしても、彼
  らにとってアフリカ大陸は、未知の世界だった。
  
   ドイツ人探険家、バルトは、イギリス人商人の依願を受け、1850〜55年
  にかけて、サハラと西アフリカの通商路の調査に当った。彼の報告書の中
  にもすでに、「牛飼い民」の姿が岩壁に描かれていることが記され、バル
  ト自身の仮説的解釈がそえられていた。
  
   サハラのその後の探険は、主にヨーロッパ列強による軍事用地図の作成
  を目的としており、考吉学的調査は行なわれなかった。
  
   1933年になって、フランスのアルジェリア植民地軍駱駝騎兵隊中尉ブレ
  ナンが、タッシリ・ン・アジェールの峡谷(サハラ高原の中心、現在のア
  ルジェリア南部)で、大量の岩壁画を発見し、簡単なスケッチをもたらし
  た。フランスの考古学者、地理学者が、現地におもむいた。その中には、
  すでに10数年間のサハラ探険の経験をもつロートも加わっていた。しかし、
  この調査は、戦争のために中断されざるをえなかった。
  
   1956年、すなわち、バルト以後1世紀、ブレナン以後4分の1世紀を経
  て、ロートの本格的な探険隊が、タッシリ遺跡調査に成功した。木村重信
  によれば、「タッシリとはトゥアレグ語で『水流の多い台地』の意味であ
  るが、もとより現在は渓谷に水流はなく、完全に乾燥しきった嶮しい山塊
  である」。
  
   ロ−トの探険隊には、専門の画家、写真家が加わり、岩壁の埃にかくさ
  れた絵画を、スポンジで洗い出し、その模写、撮影に成功した。1958年に
  は、パリで展示会が行なわれ、一大センセーションをまき起した。
  
   美術史上の価値は別として、この発見の意義を、つぎのように要約して
  おこう。
  
   第1に、アフリカの過去の気象、地理的環境についての、決定的な証拠
  をもたらし、研究を促進したこと。ロートは、それ以前にも、周辺各地の
  遺跡調査をしていた。すでに、相当数の証拠物件を提出していたらしいが、
  タッシリ遺跡の発見は、その決定打となった。「サハラの秘境」は、あま
  りにも鮮やかな姿で出現したのだ。
  
   第2に、岩壁画の分類によって、先史時代の区分が確立されたこと。ロ
  ートは、狩猟民の絵画を、16段階、約30様式にわけた。このあとには、牧
  畜・農耕民時代、ウマと二輪戦車の時代、ラクダ時代などがつづく。また、
  未解読のリビア文字もある。ここにも大きな謎がのこっている。
  
   第3に、サハラのみならず、アフリカ大陸の過去の、動物相が明らかに
  されたこと。とくに、ウシ、ヤギ、ヒツジなどの、家畜の野生種が、かつ
  てはアフリカ大陸にいたことがわかった。これは、のちに牧畜起源の章で
  ふれるが、決定的な重要性をもっている。
  
   さて、これらの材料をもとにして、コルヌヴァンは、農耕だけではなく、
  牧畜文化も、新石器文化も、サハラに起源をもっていると主張している。
  これも従来のオリエント起源説と、真向から対立するものである。このサ
  ハラ起源、つまり、ひとつのアフリカ大陸起源説が出ているだけでも、な
  かなか面白くなってきた。
  
   だが、わたしは、ホモ・サピエンスの起源を考える場合も含めて、熱帯
  降雨林と中央アフリカの大湖水地帯を重視する。そこには、自然環境のも
  たらす強力な必然性がはたらいている。また、ヤム(山芋)、ヤシ、バナ
  ナ、ウリなどの農作物を重視する。そして、以下、わたしの結論に到達す
  るまで、従来の学説の茂みをかきわけていかねばならない。
  
  
       次回配信は、第2章「ヤムのふるさと」です。

       (^。^)y-.。o○  バイチャ また見てね〜

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  ジャーナリスト・国際情報総合分析研究所代表 木村 愛二 氏

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