雑誌『憎まれ愚痴』1寸の虫の5分の毒針

Q2:ダイオキシンに食塩も関係?!

「既存の調査研究例でも、食塩はダイオキシン生成の塩素源とならないというものが多く、本追試はこれを追証する結果となっている」

(1999.5.14)

 本問題「Q1」mailに対して、pmn-ML,ombusmanjapan-MLと個人宛てmailで、意見が寄せられました。細部は省きますが、(スギ・ヒノキ等の材木を薄く削った)「経木」使用の復活と、川上の塩化ビニル等の製造禁止に関しては同意を得ました。

 下記のホームページを見て、転載されたしとの助言も得ました。「塩化ビニル等の製造禁止」を要求する市民運動も、最近は、増えているようです。次回までに詳しく見て、転載方法を検討します。

 本来ならば、できれば、pmn-ML参加の秋元さんの産業廃棄物問題HPなど、多くの先輩方の情報を見た上で、自分の意見を展開すべきところなのですが、私の古巣の民放(2019.1.23 表現が紛らわしいので追記:「私の古巣」は「民放」局の「日本テレビ」。テレビ朝日も「民放」局。「私の古巣の民放」と「民放のテレビ朝日」がうっかり合体短縮)のテレビ朝日が「所沢の葉っぱもの」という不明確な環境業界の便宜的分類用語を、不用意に使ってしまったために、ゴタゴタが始まったので、ついつい「岡目8目」、大変失礼しております。ともかく、御連絡のHPのみ、先行して、下記に御紹介します。

 http://www2.osk.3web.ne.jp/~mine2/link.html

 http://home3.highway.ne.jp/imashu/net21.htm(2007.12.12現在不通)

 その間、地元武蔵野市の市議会議員や政党本部に問い合わせた結果、やはり、どの党派も、「製造禁止」の要求を掲げて「いない」ことが確認できました。地元では唯一、元MPDの「市民の党」所属、山本ひとみ市議会議員が、党としては明確に掲げていないが、個人的には議会で製造禁止を含む方針を質問したとのことでした。

 武蔵野市中央図書館で、キーワード「ダイオキシン」の資料検索をしてみたところ、38点、資料は結構あることが分かりました。めぼしいのを借りてみると、唯一、『検証・ダイオキシン汚染』(川名英之、緑風出版、1998年)だけに、「塩ビの生産・焼却を禁止せよ」の章がありました。「新聞記事データベース」の副題が付いた『ダイオキシンと環境ホルモン』(編集:地球環境情報センター、メディア・インターフェイス、1998)によると、唯一、『毎日新聞』が「市民グループ、塩化ビニールおもちゃ廃止を求め行進……業界は『禁止の根拠ない』」(1998.7.8)という見出しの記事を載せていました。

 上記の「塩ビの生産・焼却を禁止せよ」の章がある本の著者は、元毎日新聞記者でした。現役記者時代にも環境問題を追及していましたが、毎日新聞そのものは、社論に「塩ビの生産・焼却を禁止せよ」を掲げていません。つまり、定年後、フリーになって初めて、長年の取材を通じて実感してきたことを、単行本に記したわけです。部数競争では、読売、朝日に、かなり水を開けられている毎日といえども、私も2 冊の単行本を出した零細出版社、緑風出版の「ウン千部」の単行本と比べれば、雲泥の差のウン百万部の日刊新聞なのです。社会的影響力では、到底かないません。

 さて、つい最近、近隣の国立市で、久々の「社民・共」までが共同で推薦する「生活者ネット」元市議が、「東京都で初の女性市長」になりましたが、このネットの基盤になっている「生活クラブ生協」の機関誌『生活と自治』(1999.5)に、「特集」と題する4頁の記事、「『ダイオキシン』の基礎知識」が載りました。旧知の「(本誌編集室・内野祐)」記者の署名記事です。ただし、生活者ネットも、生活クラブ生協も、「塩ビ生産禁止」の方針ではありませんから、そういう主張にはなっていません。

 しかし、「問題は原因物質」との指摘もあります。この点に関しては、私が少し電話取材し掛けていた問題が、以下のように簡略に記されています。

[前略]実験では、有機塩素系の農薬のDDTや塩化ビニールが燃えるとダイオキシンが発生することが分かっている。

 塩化ビニル業界団体は、「ダイオキシン生成の原因物質は塩ビだけでなく、食塩なども関係している」(塩化ビニル環境対策協議会)と繰り返して主張している。しかし、東京都が委託した「清掃工場から排出されるダイオキシンに関する調査報告書」は、この点についてこう記している。「既存の調査研究例でも、食塩はダイオキシン生成の塩素源とならないというものが多く、本追試はこれを追証する結果となっている」

 実は、この記事を見る前に、上記のような「塩化ビニル業界団体」の宣伝文句を聞き、すぐに「製造許可」という点から責任を追及するつもりで、通産省に電話を掛けてみました。「ダイオキシン担当」というだけでは、交換台が困るほど沢山の担当部局があるので、対策(といっても逃げ口上)立案の状況が明瞭に分かりました。担当者に聞いてみると、やはり、テレビ朝日報道の「所沢の葉っぱもの」が揉めて以後、忙しくなっているようでした。そこでさらに、上記の「塩化ビニル業界団体」の宣伝文句の確認を求めたところ、すぐに「小泉さんが国会で言ったそうですね」というのです。「えっ、それは何時?」と聞き返すと、「去年の秋頃……」とか、「予算委員会でしょうか……」などと記憶が不鮮明で、記録された文書もないらしいのです。

 この件、つまり、元厚生大臣でもあり、自民党総裁、つまりは日本国首相に立候補したばかりの「変人」こと、小泉純一郎が、「塩化ビニル業界団体」の宣伝のテープレコーダー役を買って出ているとすれば、これはもう聞き捨てならないのですが、わが経済大国では、かのバブル期においてさえ、そこらの公営図書館には国会議事録を備えておらず、電車賃と時間をたっぷり無駄使いして永田町の国会図書館まで出かけて、スーパーの数倍のコピー代金をふんだくられ、その上に、業者委託のコピーができ上がるまでに、2度と戻ってはこない貴重この上もない人生の残り少ない時間を、さらに何十分も強奪される仕組みなっていつのです。ああ、こん畜生!

 と、ここまで昨晩書いてから、ふと、もしやと、心配になって、送稿を留保。本日、電話で調べたところ、国会図書館がHP入力を始めていました。まだ昨年6月ごろの通常国会本会議と予算委員会だけからですが、人名などによる検索が可能だそうです。だから、もう誰か入手しているのかもしれません。

 というわけで、「変人」発言の詳細を、ご存じ、またはお持ちの方は、ぜひ教えて下さい。

 今回「Q2」は以上で打ち止め。次回「Q3」に続く。
2019.1.23 追記:続きませんでした。


『1寸の虫の5分の毒針』
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