電子手紙の送信日付け順・注釈付き一般公開文書館 2001年7月

真珠湾攻撃で『文藝春秋』記事紹介一部訂正と『パズル・パレス/超スパイ機関NSAの全貌』欠落指摘

送信日時 :2001年 7月 5日 木曜日 6:41 AM

件名 :[pmn 15471] 真珠湾の決着と『文藝春秋』記事紹介の一部訂正

 先に以下の電子手紙を送りましたが、「間違い無しに[中略]、ことでしょう」とした部分を訂正します。

Date: Fri, 08 Jun 2001 11:31:27 +0900
Subject: [pmn 15170] 真珠湾の決着と日米市民運動体験ヴィデオ上映報告

『文藝春秋』(2001.7)「今、歴史が変わる/真珠湾の決着/衝撃の書、ルーズベルトは知っていた!:中西輝政・西木正明/ハワイで見た米映画「パールハーバー」:かわぐちかいじ/黒澤明「もう騙し討ちとは言わせない」:田草川弘」

「衝撃の書」は、間違い無しに、私がすでに米軍放送傍受情報として伝えた『黄金の時代』(The Golden Age)のことでしょう。私は発音の違いと表記法にこだわるので、ローズヴェルトと記しますが、彼が、マジックの渾名の暗号解読により攻撃を知りつつ、現地司令官には伝えず、これを対日開戦、ひいては日独伊三国同盟を足掛かりに、本命の狙いのドイツへの宣戦布告に利用すべく世論操作の秘策を練り、実は、野党の有力議員には手紙で知らせ、挙国一致の世論作りを画策していたという「物的証拠出現」の歴史ドラマなのです。

 上記の電子手紙発信後、別件で追われて、図書館に行く時間がなく、上記の記事を複写したのは、25日後の一昨日のことでした。ざっと読むと、「衝撃の書」は、私が米軍放送傍受で知った本、上記の『黄金の時代』のことではありませんでした。どうやら私は、文藝春秋の情報収集能力を買い被り過ぎていたようです。

 目玉本の日本語題名は『真珠湾の真実/ルーズベルト欺瞞の日々』となっており、もうそろそろ日本語訳が発売されるようですが、原著の発表は「一昨年の暮れ」とあります。私の米軍放送傍受は、今年の春ですから、『黄金の時代』の方が新しいのでしょう。

 ついでに論評しますと、まず、この記事の後半の怠惰ン(対談なのに一発変換はこうなりました。「ことえり」という柔物です。入れ替えを怠けている私も悪いのですが、お陰で駄洒落の種が増えます)では、湾岸戦争以後にわかに有名になった「歴史家」中西輝政が、「高度の諜報文書には政治家はサインしない、というのはヨーロッパ外交史でも古くからの常識」としていますが、確かに、「諜報文書」ではないにしても、ローズヴェルト直筆の手紙が出現したようなので、またまた、一波瀾となるでしょう。

 もうひとつは、暗号解読の話で、なぜか、すでに日本語訳がある『パズル・パレス/超スパイ機関NSAの全貌』(早川書房、1987)への言及がありません。この本によれば、日本の暗号解読は、すでに1921年の軍縮会議から成功していたのでした。

 ついでに、これも一緒に複写してきた『サピオ』(2001.7.11)「情報省復活なくして日本の復活はない」云々をも斜めに読むと、ここでも上記の早川書房刊への言及はなく、陸軍中野学校はあれど、満鉄調査部はなく、剽窃訳本で売り出した言論詐欺師の落合信彦程度に頼る「右」のいい加減さも、ここに露呈しているのでした。

 ああ、怠惰ン情報増幅中の日本劣等列島沈没間近か。呵々。


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