東裁判報告:第10回公判

1998年3月12日

                                              最終更新:1998年7月7日

いよいよ東さんの本人尋問

9日に帰国の3日後に東さんは元気に上京されました。今回は大阪・ 京都・山口・名古屋などから多くの支援者が東さんの応援に駆けつけました。 我々は12時には裁判所前に集合し、東さんを先頭に入門。 12時45分には東京の支援者を加えて1時からの裁判の前に50ほどの 席のほとんどを埋めてしまいました。当初の予定の偕行社の連中を廊下に 追い出す計画は完全に成功いたしました。
東さんは多くの支援者の前で 実に落ち着いて、堂々と証言されました。尋問は3部に分かれ、 1部は弁護団の主尋問、2部は相手方高池弁護士の反対尋問、3部は 裁判所から東さんへの尋問でした。
主尋問をされた中北弁護士によれば、 「いずれについても100パーセントあるいはそれ以上の出来」 でありました。また空野弁護士は「これほど見事に失敗した反対尋問は 見たことがない」と述べているように、主尋問の完璧さの前に反対尋問は 傍聴席の失笑を買うていたらくでした。東さんが「私はもし敗れて、 地獄まで戦争をひっぱていくことにでもなれば、無念きわまるという 思いであります」と述べたときには、私の胸も熱くなり、この裁判に 掛ける東さんの気持ちが良くわかりました。

記者会見

予定の4時をすぎて本人尋問が行われた後、裁判所内の司法記者 クラブで記者会見を行い裁判の目的・意義、進行状況、東さんの この裁判にかける気持ちなどを司法記者に訴えました。

報告集会

続いて6時過ぎから水道橋の全水道会館の大会議室で裁判の報告集会を 東京の「ノーモア南京の会」が中心に準備して行いました。弁護団や 地方から上京された方には忙しい集会でしたが大いに盛り上がりました。 法廷に来られなかった方、また駆けつけても席がなく入廷できなかった 方々も、東さんの決意に胸を打たれました。またそれぞれの弁護士からは 詳しい裁判の報告をしていただきました。
連帯のアピールでは、 「東史郎さんの南京裁判を支える会」の山内さん、東史郎訴訟 「南京虐殺裁判」を支援する会(山口)の高島さん、<ノーモア南京> 名古屋の会の平山さんからメッセージをいただき、会津65連隊の元兵士の 調査をされているいわき市の小野さんから大虐殺を具体的に明らかにしていく こともこの裁判に重要だとの発言をいただきました。最後に劉彩品さんから 「東裁判は今日の日本国・日本の司法・日本社会の歴史認識をテストする バロメーター」という発言をいただきました。集会参加者は、東さんの 「私はたった一人で戦っている」という状況をうち破り、東さんを孤立 させることなく支援していくことを誓いました。
                       (文責:芹沢 明男)

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