激動するタイの政局、政局の行方は?

バンコク滞在のTMさんからのレポート(続)

 

T・M@バンコクです。その後の動きです。 (以下、党名の表記を「プア・タイ党」に改めます。)

 第6報(12/12〜15)

民主党の勝利が確実

12月10日(水)

  ネウィン氏が民主党のアビシット氏を支持することを 表明。これで民主党の勝利がほぼ確実になったと思われる。但し、4つの要求がある。1、君主制を施行し ない。2、政策としてポピュリズムを続行する。3、 憲法を適宜改正する、4、国民的和解を最優先する。 かりに民主党政権が誕生したとして、これらの要求を受け入れた場合、PADがどう反応するかが問題である。 アビシット氏は、ネウィン氏にバラの花束を捧げて、 協力を要請した。(写真:新聞各紙は、この歴史的な 妥協をトップ記事で報じている。)

 現在のところ、民主党を支持しているのは、チャー ト・タイ・パッタナ党(旧チャート・タイ党)、ルア ム・チャイ・タイ・チャート・パッタナ党、プア・パ ディン党に加えて、解党したマッチマーティパタヤ党 の勢力、ネウィンの友のグループである。その一方で、旧PPP政権勢力の受け皿となっているプア・タイ党 は、依然政権をアビシット氏には渡さないと主張、政権を再び取る構えを崩していない。


 12月11日・12日(木・金)

  水面下で、激しい派閥争いが行われている模様。プア・パディン党が民主党と連合するか否か、微妙なところであるようだ。タークシン元首相が遠隔操作で工 作している模様。明日の夜、テレビ電話を通じて国外からNBT(国営テレビ放送局)の番組('Truth Today')でライブ演説を行うらしい。


12月13日(土)

  午後、政府庁舎の辺りに行ってみる。先週までPADが占拠していた首相府は、すっかり片付いて静まりかえっている。周囲の路上に破壊されたバスの残骸が並ぶ。門は警官が 警備している。(写真:政府庁舎とその周辺)

反民主党、反PADの民衆が数万人規模の集会


  夕方、国立競技場にタークシン元首相の支持者たち (UDD)を含む反民主党、反PADの民衆)が続々と集ま り、数万人規模の集会を催しているところを取材。東 北地方、北部地方からバスで続々と集まってくる。黄 色いシャツの大集会の次は赤いシャツの大集会であ る。ラマ1世通りの西行き車線は占拠されている。そこに集会用グッズを売る出店、食べ物屋台が並び、お祭り騒ぎである。スタジアムの中も外も赤いシャツを 着た大勢の人々が群がり、大画面に映し出されている UDDリーダーの演説を見ながら声援を送っている。(写 真)

反民主党の集会
 


  夜、8時半からタークシン元首相のテレビ電話による 演説を放映する番組が予定されていたが、キャンセルとなった。PADは、首相選びに関しては、どの政党も支 持していないが、タークシンの影響下にある政権が再び誕生した場合には、運動を再会すると警告している。

注 

PAD : Peoples Alliance for Democracy(黄色いシャツ、8月以来、首相府を占拠。11月末からスワンナブーム国際 空港を約1週間にわたり占拠。)

UDD : United Front of Democracy Against Dictatorship(赤いシャ ツ、タークシン派、現政権を支持し、PADの活動をテロ リズムであると糾弾する。)

PPP : People's Power Party(タークシン派の政権政党、憲法 裁判所の命令により他の与党とともに解党後、プワ・ タイ党が党員の受け皿となる。)


アビシット氏(民主党)が首相指名に勝利

 12月15日(月)

高幣さま、バンコクから続きです。

 12月15日(月)午前中、特別国会が開かれ、首相候補者の指名投票が行われた。タークシン派の推すプラチャ・プロムノーク氏と民主党のアビシット・ウェチャチワ氏の対決である。タークシン派の裏工作にもかかわらず、アビシット氏が勝利すれば、その意義は大きい。結果は、アビシット氏の勝利。アビシット氏は、イギリス生まれの44歳。民主党と連合政権を組むのは、チャート・タイ・パッタナ党(旧チャート・ タイ党)、ルアム・チャイ・タイ・チャート・パッタナ党、プア・パンディン党(但し、一部の議員はプラ チャ氏を支持している)、プーム・チャイ・タイ党 (旧マッチマーティパタヤ党)の4党とネウィンの友 の議員グループである。

 雇われた殺し屋(ガンマン) がタークシン派の政敵を暗殺するとの噂もあり、アビシット氏に投票する国会議員たちは前夜から厳重に警備された安全なホテルに泊まり込んで投票に臨んだ。タークシン元首相とUDDは、PADの首相府占拠・国際空港占拠から憲法裁判所による前首相を含むタークシン派の政党に対する解党命令、今回の占拠に至る一連の事件を「サイレント・クーデタ」であると非難している。バンコクポスト紙によれば、今後、各地で殺し屋の躍動が懸念されるとのこと。警察は南部(プーケッ ト島を含む7県)、中部(アユタヤを含む9県)、中南部(パタヤを含む8県)の3つの地域を危険地帯に 指定し、警戒態勢を敷く。

 工場を訪問し、労働者と交流

午後は、パラットさんたちとランシット地区にある工場を訪問し、労働者と交流してきました。インタビューの内容については、にちほど整理してお送りします。労働者たちは、概してこれまでのPADの運動に対 しては否定的であり、次の首相候補に決まった民主党 のアビシット氏に対してもあまり期待はしていないようです。イギリス生まれのインテリ首相は彼ら/彼女 らには疎遠な印象を与えるのでしょうか。元首相のサマック氏や前首相のソムチャイ氏よりはまだマシという程の評価のようです。


(写真:CENTACO(食品会社、鶏を加工している)の工場労働者との交流)

以上、取り急ぎ T・M

 

 

 


12月16日

民主党議員の自動車に投石する、暴徒と化したUDD支持者 たち

 16日の新聞は、アビシット氏の首相指名選挙での勝利(235 票 対 198票)を報じるとともに、UDDの民主党議員に対する攻撃を報じています。(写真:昨日、国会から出て くる民主党議員の自動車に投石する、暴徒と化したUDD支持者 たち。

16日(火)付 バンコクポスト紙より)


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