裁判報告

12月18日の訴訟で、2月に不許可になったMさん一家、2個人、全ての件で、国側が提出してきた、裁決書不存在に関する主張の全文が担当の児玉弁護士より寄せられています。

(詳細は在留特別許可一斉行動速報22をごらんください)

12月18日の国側の反論

1 被告らは、本件裁決に係る裁決書が作成されていないことについて、以下の通り主張する。なお、略称等は、従前の例による。

2 裁決書の不存在は、退去強制手続における法務大臣への異議の申出に対する裁決(法49条3項。以下「法49条3項の裁決」という。)の効力に影響するものではない。
 法は、法49条3項の裁決を行うに当たり、文書(裁決書)によって行うべきことを規定していない。そして、法が法務省令に委任する場合は、その旨明示されているところ(法2条8項及び法施行規則1条参照)、上記裁決の方式については、法は法務省令で定めるかどうかを含めて何らの定めもおいていない。
  そして、行政処分が行政処分として友好に成立したというためには、行政庁内部において単なる意思決定の事実があるのみでは足りず、その意思決定が何らかの形式で外部に表示されることが必要であるところ(最高裁昭和57年7月15日第1小法廷判決・民集36巻6号1146ページ)、法裏49条3項の裁決については、外部への表示は、主任審査官による容疑者の放免(法49条4項)又は主任審査官が容疑者似たいし、法務大臣が異議の申出は理由がないと裁決した旨を知らせること(法49条5項)によって行われるのであって、裁決はこれにより有効に成立しているのであり、法及び法施行規則においては、上記の放免又は告知に加えて裁決書を交付又は提示することは予定していないのである。
 そうすると、法施行規則43条においては、「法第49条3項に規定する法務大臣の裁決は、別記第61号様式による裁決書によって行うものとする」とされているものの、右裁決書の作成は、法49条3項の裁決にあたっての意思決定における内部手続きを定めたものにすぎないものと解すべきである。
 したがって、法施行規則43条の裁決書の作成の有無は、法49条3項の裁決自体の効力には何ら影響を及ぼすものではないものと解すべきである。


12月20日の冒頭陳述

 私は小学校6年生の****です。
 私は3才半のときに、親に連れられて、日本に来ました。
 親が日本に来た理由は、イランが不景気だったので、その時代、バブルだった日本に働きにきました。お父さんとお母さんは2人とも働いていたので、私は保育園に入りました。
 その時、私は日本語がわからなかったので、友達がいませんでした。
 でも、保育園の先生がちょっとずつ日本語を教えてくれました。
 それから小学校に入る年になった時、お母さんは小学校に入れないと思っていたけど、かんたんにOKされて、**の**小学校に入学しました。
 すぐにイランに帰るつもりだったのに、1年・2年・3年と年がすぎていき、私はもう12才になりました。
 でも昨年の3月にA.P.F.S.の存在を知りました。お父さんとお母さんは今までどおり、オーバーステイでかくれてくらすのはつたいので、出頭することになりました。私たちは12月27日、2番目のグループとして出頭しました。
 そして何ヶ月もまって6月30日に入管によばれて、2番目のグループみんなで入管に行きました。私はぜったいOKで在りゅうとくべつきょかがもらえると思っていました。
 それは1番目のグループに私と同じくらいの年で、ビザがもらえた子がいたからです。
 でも「法務大臣はあなたたちの在りゅうをみとめませんでした」と入管の人に言われたときは、「えっ」と思いました。
 ものすごいショックで、気がどうてんしてえなにがなんだかわかりませんでした。
 そしてすこしたってからお父さんがつれて行かれてしまいました。
 私はあんなふくざつな気分ははじめてでした。
 ビザがもらえなかったことはわすれて、こんどは、お父さんからはなれる事のかなしさになみだがとまりませんでした。
 それから3週間、十条に収容されて、それから牛久の入管にうつりました。
 それと私は日本の中学・高校・大学を出たいし、私の今の先生が私に、日本の小学校を卒業させたいと、言っています。あともう2000年がおわり、もうすぐクリスマスや正月など、いろいろ楽しい事があります。だから私は、お父さんお母さんと私で新しい年をむかえたいので、早くお父さんを出してください。
 私は今すぐビザがほしいわけではありません。早くお父さんが収容所から出てきて、ほかのビザがもらえなかった人と私とお父さん、お母さんとみんなでビザがもらえるまでガンバリたいです。
 よろしくお願いします。

彼女が8月に法務大臣あてに書いた手紙がこちらに掲載してあります。

在留特別許可一斉行動の詳細はこちらへ



   


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