「在留特別許可取得一斉行動」 (速報)No.22



●父親とともにクリスマスを、お正月を迎えたい!
 APFSからは昨年9月1日から本年7月12、13日までに17家族・3個人、64名が生活基盤が日本に形成されたことを、子どもが成長し帰国してもすぐには祖国の教育や習慣になじむことが出来ないことなどを理由として法務大臣の在留特別許可を求めて出頭しました。この行動は、将来の少子高齢化社会を迎えるなかで、移民の導入について本格的な議論が必要なこと、その前提として25万1千人とも言われる非正規滞在外国人その家族の処遇を曖昧には出来ない、と言うことから始められました。ここ2,3ケ月前から、法務省側からは坂中名古屋入管局長が、また経済人、学者たちが雑誌などで移民受入れの是非について議論を始めていますが、25万1千人の人々の処遇は21世紀までに解決しなければならない重要な問題です。
 そして、自らの行動をもって問題提起をした前述の64名の人たちは、法務省の文字通り自由裁量によって振り回されつづけています。本年2月2日に不許可となったビルマ国籍のMさんはいまも東日本入国管理センターに収容されています。また6月30日に兵庫県のペルー国籍マリオさん一家とともに一斉に不許可となったイラン人の3家族のうち父が、いまなお同センターに収容されたままです。小学6年生の子どもたちは父親のいない寂しい毎日を過ごしています。せめて、クリスマスまでに、お正月までには父親たちを子どものもとに返してあげたいと思っています。9月8日付けで提出された仮放免申請に対して同センター所長はいまだに回答をしていません。一方で、Mさんに対して所長が仮放免を認めなかったのは違法であるとの裁判を水戸地裁で行っています。この裁判には、わざわざ東京から訴務担当者やセンターの係長など10名余が出廷をしています。長期間収容される父親の人権、そして子どもの権利を保護する観点からもセンター所長が一日も早く4名の仮放免を認めるようさらに訴えていきたいと思います。
●第2次出頭者の裁判始まる
 昨年12月27日に東京入国管理局に在留特別許可を求めて自ら出頭し、本年6月30日に法務大臣の在留特別許可が認められなかった4家族のうち、裁判で争うことを決めた3家族の裁判が始まりました。3家族のうち2家族には小学6年生になる長女がいます。第1次出頭者について同様の家庭に在留特別許可が認められたにもかかわらず、第2次については認められなかったことは、入国管理行政の不透明性、自由裁量という名の恣意的な行政をくっきりと浮かび上がらせています。
 12月7日にはイラン国籍のA.Kさん家族の初公判が開かれました。いつものように東京地裁前ではAPFSの宣伝隊がオレンジの旗を翻して、道行く人たちに移住労働者の諸問題について訴えをしました。公判ではA.Kさんの長女(12歳)が意見陳述を堂々と行い、収容されている父親を早く返してください、と涙ながらに訴えていました。今後の裁判の日程と裁判の意義について弁護団の児玉晃一弁護士から報告をいただきました。

 12月18日(月) 午前10時 東京地方裁判所606号法廷
ビルマ国籍Mさん一家の退令発付処分等取消訴訟
イラン国籍 A.Gさんの退令発付処分等取消訴訟
バングラデシュ国籍 M.Aさんの退令発付処分等取消訴訟
上記3件の訴訟があります。
 これらを共通のテーマとして、国側が裁決書不作成につき、どのような言い訳をしてくるかが注目されます。
 すなわち、法務大臣が在留特別許可を認めないときには、その理由などを書いた「裁決書」を作らなければいけないことが、規則で決められています。
 けれども、訴訟でこの「裁決書」が国側から提出されていなかったことから、私達はどのような理由が書かれているか知るために、その提出を求めていました。
 ところが前々回(9月8日)の法廷で、作らなくはいけないはずの「裁決書」が作られていないことが判明しました。
 そこで、前回(11月22日)の訴訟で、それが違法だということを主張しました。
 12月18日には、国側がそれがに対して反論する予定になっています。
 その他A.Gさん、M.Aさんについては「国に帰っても満足な治療が受けられない」という証拠を提出することになっています。また、Mさんについては、ビルマの国情について追加の証拠を提出する予定です。

2 12月20日(水) 午前11時 東京地方裁判所606号法廷
  イラン国籍 M・Kさん一家の訴訟・執行停止
  第2次出頭者の訴訟では、12月7日にA.Kさん一家の第一回訴訟がありましたが、それに続いて、M・Kさん一家の第一回口頭弁論期日が12月20日に予定されています。
 当日は、原告となった本人達が、自分の言葉で意見を述べる予定です。

以上です。お時間のあるかた、ぜひ傍聴に足を運んでください。

2000年12月15日

ASIAN PEOPLE'S FRIENDSHIP SOCIETY(A.P.F.S.) 


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