自治労音協通信

 4面  NO45号/2001.8.15発行

第22回仲間の歌コンクール
6月1日、よみうりランド会館で仲間の歌の選考会がもたれました。
今回は14曲の応募がありましたが残念ながら入選曲には至りませんでした。

★ 佳作曲3曲
詩曲=桃井雅和(茨城町)「うたのちから」
詩曲=桑野 功(札幌市職)「ノーモアWAR」
詩=山口 透(釧路市職)、曲=山口真(自治労名古屋市職)、小川典子 「君の汗は宝物」

★ 紹介曲2曲
詩曲=小川典子「投票に行こうよ!」
詩曲=川上雅生(広島県福山市東光会職員労組) 「今日は気分のいい日だから」
◇◆◇選 評
    吉田 隆(日音協事務局)


◆「四月の追憶」
宮本雄一郎(大阪市職労)
これだけ楽曲が氾濫している世の中ですから、なにかに似ていると言うのはしょうがないとは思いますが、曲のイメージから作りはじめると音符やコード進行以前にどうしてもあれに似ていると言うことになってしまうと思います。詩の内容が現実的でないのでイメージ通りになってしまうのでしょうね。一度現実的な詩で曲を作ってみたらどうでしょう。とは言ってもこの手の泣き節は個人的には好きです。サビの「かすかに」「ささやく」「ことばの」あたりは泣かせるつぼをうまく捕らえています。
◆「投票にいこうよ」
小川典子(東京都本部直属支部)
メロディアスでなおかつリズム感もあり訴えたい内容と合致していい曲だと思います。
楽曲の構成としては「あなたの一票があなたの未来を変える」の部分は同じメロディか少し変えたメロディを繰返した方が次の「投票に行こう」にすんなり繋がると思います。「投票に行こう」の部分はたたみこむようで印象的ですが、こちらは繰返すとくどいかも。
◆「風よふけ」
磯野宏之(札幌市職労)
シンプルなメロディでいいです。これは!という注目は浴びないかわりに詞が生きてきます。ですから歌詞の中でクリーンエネルギーである風車が反原発にもう少し早くつながるといいと思います。
◆「君の汗は宝物」
詩=山口透(釧路市職労)、曲=山口真+小川典子
職場実態からの詞ということですが、どんな人の場合にもあてはまるようにするには、職場という言葉は他の言葉に置き換えた方がいいと思いますし、その職場の仲間に限定して訴えるのならもう少し具体的な言葉が欲しいですね。
コードづけですが、特別な意味がない限りフラット5は歌譜で避けアレンジ段階で採用する方がいいと思います。
◆「うたのちから」
桃井雅和(茨城町職労)
こまかいところでいえば色々とおかしいところもありますが、すべては「うたのちから」に集約すると思います。この歌には勢いというか、エネルギーがあります。何度も演奏している内に細かいおかしいところは自然に治っていくと思いますので、是非ライブでやり続けて下さい。
◆「政治を変えよう」
井加田まり(高岡市職労)
主旨はわかりますが、題名に「政治を変えよう」とあると聞く人はかまえちゃいますよね。我々は正当だと思っていても、他も皆正当だと信じて活動している訳で、結局目的が達成されないことになりかねないので題名に於いても直接的な表現は避けた方がいいと思います。詞のほうは「政治を変えよう」以外の部分はいいことを言っているのでちょっとニュアンスを変えるだけでいい歌になると思います。メロディとしてはABCとも同じ音階を組み合わせているので、変化に乏しいです。一番言いたいところ、この場合は「政治を変えよう」ですか?その音階にもっていくためにはABとも違う音階を使い、Cの盛り上げに繋げたいところです。
◆「原発NONOロック」
桑野 功(札幌市職労)
キャッチャーなメロディ&詩で反原発としての目的はほぼ達成している曲です。ちょっとしたユーモアも手慣れた感じがします。自分達で演奏するのですからどうでもいいと言えばそれまでですが、他の人たちにも歌ってもらう譜面としてはニュアンスが全然伝わってこないというか、書き方の問題です。
「NONONO」の部はライブを聞いた感じでは、16分、8分、16分+8分聞こえるのですが。
◆「ノーモアWAR」
桑野 功(札幌市職労)
「原発NONONOロック」と訴えている内容は同じですが、一転してブルーな仕上がりになっています。こういうところが幅広いキャラクターというところです。この曲はいつものハネリズムでなく8ビートで歌ってもかえってブルーな感じが強調されていいと思います。前曲と同じく譜面のほうで「ノーモアWAR」の部分は「ノーモア」が前の小節で「WAR」から次の小節のほうが自然ですね。この4パターンは個人的には大好きです。
◆「平和の風」
榊原隆子(札幌市職労)
残念ながら盛り上がりがないです。音階的にはサビで高音を使っているものの、ブリッジというべきものがなく、高い音に繋がっていかないところをもう少し考えた方がいいと思います。また4分音符に二つの言葉をあてはめていますが、特殊な言葉、たとえば二つ目に「ん」がつくとか、ひとことで言い表せるような、1番と2番が違う等の言葉以外は素直に8分音符にしたほうがいいです。メロディだけで聞くとニュアンスが全く違って響き、全然違う感じの曲になってしまうおそれがあります。
◆「プロローグ」
Baby★Baba(新潟市職労)
コード進行もメロディも全く違うのに「ありがとう」の部分だけが某曲に似ているので損をしていますね。それだけ某曲の存在感が強いと言うことですが、その某曲にしてもその昔ヒットした曲に似ていないとも言えないのでやりかた次第というところですか。オールデイズ風の曲と言うのは制約があって、どうしてもそうなりがちなので、そのなかでどれだけオリジナリティをだせるかが勝負でしょうね。
◆「鉄人ヘルパー」
詩=前田まゆみ(徳島県美馬町職労)、曲=山口+小川
私も年寄りを3人かかえヘルパーさんには毎度お世話になっています。メロディはまあありふれているけど、詞として最初は自分を卑下するような言葉をなげかけ、結論として素晴らしい仕事をしているんだと言うところに結ぶ構成は見事です。我が家の年寄りに言わせると、「家事の仕事なんてどうでもいいから話をまともに聞いてくれればいい」なんて勝手なことを言っています。1番だけで終わってしまうのはもったいないですね。
◆「今日は気分のいい日だから」
川上雅生(福山市東光会職労組)
詞はまああたりまえの詞ですが、メロディの狙いから言えばあまり詞に捕われるよりもいいかもしれません。のんびりした雰囲気とクロマチック進行がマッチして聞いてていい気分です。この雰囲気を崩さないためにも逆にサビではあまり盛り上がらない方がいいかも知れません。
◆「肩を組んでいこう」
飯開輝久夫(熊本県西郷市職労)
気持ちを鼓舞するような内容ですが、全編符点付きと言うのはサビがどこにあるのかという感じになってしまいます。どこかで4分あるいは8分の音がないと忙しいだけで落ち着きがなくなってしまいます。日音協ソングの「Let's Sing A Song」のようにのばすところでのばしてこそ符点が生きて来ます。
◆「自分で立って歩きたい」
詩=橋詰朝之(岐阜市職労)、曲=山口+小川
題名の問題ですが、すべてを語っているようでよく解りません。結局内容で訴えかけなければならないと思います。曲に入っても想像はつきますが解りません。構成もAメロだけで終わってしまい、発展性がないです。よけいな修飾を省いてでも、もっと本質にせまる、あるいは社会に訴えかけるものが欲しいです。歌と言うのは結局そこに同化した自分を見るとか、同じ境遇を分かち合うところに価値を見い出すものです。


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