編集長の辛口時評 2005年11月 から分離

NHK「政治介入」で魚住昭が月刊現代記事から急激なトーンダウン

2005.11.20(2019.8.15分離)

『創』2005年12月号の朝日特集記事、「NHKより深刻?朝日新聞が抱えた問題点」(魚住昭)には、以下の部分がある。


 1月26日頃は、NHKの予算審議が始まる直前でした。NHKの国会担当の職員たちが自民党右派の方々のところを回っていたら、番組が騒ぎになっているとわかり、そこから野島局長に情報が入り、野島局長は伊東番制局長や松尾総局長に伝えたという構図になっています。

 朝日新聞が最初に書いたような、直接的にNHkの担当局長・総局長らを呼んで圧力をかけたというのは、多少修正を要するわけです。実態としては、日本会議や右派議員が騒いでいるというのをNHKが聞きつけて、みずから"ご説明"に赴いたというのが近いと思います。でも番組を作っている現場から見れば、実質的にはNHK幹部が政治家に呼びつけられたように見えるわけです。そのような認識をもったのは無理からぬことで、これをもって誤報と決めつけることはできないと思います。


 魚住昭とは旧知の関係である。彼の著書『渡辺恒雄・メディアと権力』に関しては、取材の段階で彼が会いに来て、協力を求められ、最大限の資料提供をした。その際の資料収集の努力は高く評価している。

 ところが、NHK「番組改変」問題では、最初から朝日またはバウネット寄りの思いこみが強く、危惧を覚えていた。その危惧は的中した。上記の『創』記事のトーンダウンは、文章の上でも、「無理からぬ」どころか、「無理押し」の自己弁護になっている。

 しかも、「番組を作っている現場から見れば、実質的にはNHK幹部が政治家に呼びつけられたように見えるわけです。そのような認識をもったのは無理からぬことで、これをもって誤報と決めつけることはできないと思います」という部分は、自分の弁護なのか、朝日新聞記者の弁護なのか、位置づけが不明瞭であるが、どうやら、朝日新聞記者、本田雅和の擁護を通じての自己弁護と思える。

 いずれにしても、「番組を作っている現場」の感想、意見だけではなく、「NHK幹部」と「政治家」の方の「裏取り」取材をすべきところ、それをしていないのだから、本田雅和は、記者として完全に落第である。

 ところで、魚住昭の急激なトーンダウンに関しては、わが助言の効き目が顕れたかな、と思える節がある。私は、以下の集会に参加した際、開始前に彼に若干の意見を述べ、集会の会場質問でも、いくつかの問題点を指摘したのである。


VAWW-NETジャパン
政治家によるNHK番組介入問題について
2005年08月11日
8月11日 緊急集会「証言記録がものがたる政治介入の真相」
緊急集会
◇◆◇◆ 「証言記録がものがたる政治介入の真相」 ◇◆◇◆
       -NHK問題で問われたことー
 NHKの番組改変問題に絡む内部資料が流出した疑いがあるとして、自民党役員が朝日新聞に対し、会見以外の取材に応じないと決めました。

 私たちはこのような自民党の反応は「問題のすり替え」だと認識します。

 この流出事件の発端となった月刊『現代』の記事、「証言記録を入手―『政治介入』の決定的証拠」を書かれた魚住昭氏を招き、一体NHKと政治権力との間に何が起こったのか、この問題の背景および本質を語っていただきます。

 報道では知りえなかったことを聞く絶好の機会です。
 みなさま、どうぞご参加ください!!

 日時: 8月11日(木)午後6時半より(6時開場)

 場所: 文京区民センター 3階 3-A会議室

 内容:
   1 問題提起   魚住 昭氏(元共同通信記者、フリーライター)
   2 トーク    魚住 昭氏 VS 宮崎 学
   3 質疑応答

 参加費:700円(資料代、会場費)

共催
 NHK受信料支払い停止運動の会、放送を語る会、人権と報道連絡会
 日本ジャーナリスト会議、報道・表現の危機を考える弁護士の会

この集会についての御照会は、直接下記へ。
mail: shiharaiteishi@yahoo.co.jp
HP: http://www.geocities.jp/shiharaiteishi/


 この「政治介入」問題では、上記の「共催」団体はもとより多くの朝日寄り論者が、「政治介入」断定の論調である。

 時間の余裕がないので、未発表であるが、私は、朝日新聞の広報部に電話して、「女性国際戦犯法廷」のキーワード検索を依頼し、縮刷版から記事を複写した。2000年12月8日から九段会館で開催した「女性国際戦犯法廷」の前には、何回も「キャンペーン」記事が掲載されており、本田雅和の署名記事もあった。

「裁判官を務めたのは、国連旧ユーゴ戦犯法廷のガブリエル・マクドナルド前所長、ロンドン大のクリスチーヌ・チンキン教授、カルメン・アルヒバイ国際女性法律家連盟会長、ケニア人権委員会のウィリー・ムトゥンガ委員長の四人」(共同通信記事)という明白なユーゴ・バッシングのための「戦時性暴力」キャンペーンに、「正義を売る商店」朝日新聞が、率先協力したのであるから、これはまったく笑えない喜劇なのである。

 以下は、この重大な問題点を早くから指摘し続けてきた例証である。このメールの発信の日付は、今から4年以上も前の2001年4月29日である。


http://www.jca.apc.org/~altmedka/juugun-04.html
「従軍慰安婦」問題に見る「メビウスの帯」断章
(その04)「ホロコースト」「ユーゴ民族浄化」「百人斬り」
嘘の因果は巡るNHK戦争裁判メビウスの帯2

送信日時:2001年4月29日 日曜日 8:08 AM
件名 : 因果は巡るNHK戦争裁判メビウスの帯2

 昨日送った関連の電子手紙のように、「女性国際戦犯法廷」なる出し物の主催者代表、朝日新聞記者の経歴の松井やよりさんは、最初から、欧米諸国のユーゴ侵略「レイプ」のガセネタで支援し続けた怪し気な疑似平和運動に、「取り込まれていた」(ユーゴの被害者救援運動者の言)のでした。

 それほど具体的な経過を追わなくても、私自身が、このような俯瞰的な観測については、絶対の自信を持って断言できます。アメリカ人が関わる平和運動には、国際独占資本が金を出していたりして、実に怪しげなのが多いのです。遅れた半封建的な資本主義国、日本でさえも、戦前、朝日新聞記者などの言論人を総動員して、「宣撫工作」を展開したのでした。

 ユーゴ戦争の関係では、いわゆる「ユーゴ空爆」(私はKLAと称する麻薬マフィアのアルバニア系破落戸が「ドル」で集めた即製兵士に武器弾薬をふんだんに供給した地上戦の存在を指摘し続けました)に関して、ハーグで開かれた平和集会では、アルバニア系の動員、つまりはドルで旅費を供給した動員によって、空爆への反対決議すらが否決された事実を、最も重視します。

 ハーグの平和集会の仕掛人もアメリカ人ですが、その直後に私が自費で参加したニューヨークの「NATOを裁く独立戦争犯罪法廷」の主催団体、国際行動センターの代表者、ラムゼイ・クラークとは、いわゆる犬猿の仲だそうです。国際行動センターの方は、元司法長官でもあり、超有名人で、現在も弁護士事務所を開いているクラークの著書や、各種ヴィデオの販売によって、自前の活動資金を確保しているようです。

 私は、一昨年の上記集会で、クラークの現地入り場面を含む30分のヴィデオ、NATO TARGETSを買い求め、民衆のメディア連絡会の仲間と、元民放争議団の元ラジオ日本アナウンサー、元TBS声優の声の無償出演協力を得て、アメリカとも連絡を取って、版権の許しも正式に得て、日本語版『NATOの標的/ユーゴ空爆の実態』を完成することができました。今、このヴィデオは、NHKからは完全に無視されていますが、ユーゴの子供を救援する運動などによって、全国津々浦々の「貧者の一灯」運動集会で、上映され続けています。

 日本の従軍慰安婦問題に関わる人々の多くは、以上のような国際規模の怪し気な、はっきり言えばCIA謀略の構図を、まったく知らずに、いわば「利用された」のです。国際的な謀略の嘘は、「ホロコーストの嘘」「ユーゴ民族浄化の大量虐殺・レイプの嘘」ですが、日本国内の底流には、南京「大虐殺」と吠える言論詐欺師、本多勝一「百人斬りの嘘」報道のボロ隠し、さらにはその本多を文化大革命とやらの時期に 中国に送って、北京支局の存続、つまりは金になる情報源の確保を図った「似非紳士」こと元戦犯、朝日新聞「株式会社」の醜い嘘八百商売が控えています。

 朝日新聞が、上記の「ホロコーストの嘘」「ユーゴ民族浄化の大量虐殺・レイプの嘘」「百人斬りの嘘」、この三つのすべての唱導に熱心だったことと、「女性国際戦犯法廷」なる出し物の主催者代表、松井やよりさんが朝日新聞記者の経歴だとい うこととは、本人の自覚の程度は不明にしても、決して偶然ではありません。