インターネット週刊誌 “I.eye.愛” (aiaiai!)

『憎まれ愚痴』

1999.7.16.(金)発行:ユーゴ空爆状況下の特別・29号

目次


時事論説:「1寸の虫の5分の毒針」
ユーゴ航空戦争緊急特集(9)

バルカン半島を破滅に導くアメリカの誤算

 バルカン半島を破滅に導くアメリカの誤算 田中 宇
 ルービンは、しばらく前まで、タチと食卓を囲むことになるとは、想像もしていなかっただろう。ルービンはかつてKLAを「テロリスト」と呼んでいたからである。
 アメリカは昨年初めから、コソボ紛争を解決しようと動いていたが、最初はユーゴのミロシェビッチ大統領を説得して、コソボの自治を認めさせる方法を考えていた。そしてルービンは、ミロシェビッチとの会談で、KLAを「テロリストだ」と断定する発言をした。
 ところがミロシェビッチは、この発言を利用して、KLAの弾圧に乗り出した。コソボには、KLAを支持する人が多かったが、セルビア軍はKLA支持者とおぼしき人々も含めて攻撃したため、多くの死者が出ることになり、アメリカは急速にミロシェビッチを敵視するようになった。⇒全文を読む

ユーゴの次にロシア分解で狙うカスピ海底油田

 ユーゴの次の「分解」目標として狙われているのはロシアだと予測しており、その理由についての説明は、次のように要約されています。
「(ロシア共和国連邦の)加盟国の一つアゼルバイジャン共和国は豊富な石油資源を持っており、これに今西側の投資が集中しています。この輸送手段としてチェチェン自治区を通って黒海へパイプラインを通すのが西側にとって有利なので、チェチェンのロシアからの分離独立を西側が尻押ししてます」⇒全文を読む


新規緊急連載:ユーゴ人道介入の口実「虐殺」デッチ上げ

(その1)わが介入への逡巡と周辺徘徊の経過

 この間、映像メディアの方では、NHKが、5月14日、夜10時から45分間の3チャンネル「海外ドキュメンタリー」の枠で、BBCのユーゴ問題特集「コソボ紛争・その構図と歴史的背景/民族運動の起源」を、論評なしに、そのまま放映した。「ラチャク村の『虐殺』事件」に関しては、「アルバニア系住民」と言うだけで、事件の経過や犯人特定のコメントを避け、ただ単に、坂道に数人の死体が同じ方向に頭を向けて、ほぼ同じ間隔で行儀良く転がっているという、実に奇妙な状況を写し出した。
 この映像を見ただけで、私は、「ラチャク村の『虐殺』事件」はデッチ上げに違いないと確信したのである。⇒全文を読む