『亜空間通信』667号(2003/09/21) 阿修羅投稿を再録

英独仏[犬狐狸]首脳ベルリン会談ポチ不在[溝][一致][合意][せず][先送り]?化け物屋敷報道の真相?

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『亜空間通信』667号(2003/09/21)
【英独仏[犬狐狸]首脳ベルリン会談ポチ不在[溝][一致][合意][せず][先送り]?化け物屋敷報道の真相?】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 本日(2003/09/21)、大手紙の一斉報道の題材は、昨日(2003/09/20)の英独仏首脳ベルリン会談だが、以下の見出しだけ並べてみると、いったい全体、どげな結果だったのか、皆目分からない。会談というよりも、怪談めいた化け物屋敷の暗闇報道状況である。

---------- 引用ここから ----------
日経:英独仏首脳会談、イラク問題で溝埋まらず
朝日:英独仏首脳が会談、イラクの早期主権回復では一致
毎日:英仏独首脳会談:イラク人への主権移譲で合意 期限は先送り
読売:イラク問題で英独仏首脳会談、主権委譲時期で一致せず
産経(共同)イラク復興、早期の権限移譲では一致 英仏独首脳が会談
東京:統治権移譲時期で溝 イラク復興で英仏独首脳が会談
---------- 引用ここまで ----------

 この会談では、簡単に言うと、アメリカが国連に提出した「イラク新決議」に関して、イギリスが、ドイツとフランスと、アメリカとの、仲立ちをしようとしたのである。

 だから、現在の世界の明日を占う上では、決定的に重要な会談であった。だからこそ、日本の大手各紙の一斉報道状況となったのである。ところがどっこい、この論評の重点が、ばらばらだとすれば、ああ、もう、世界は、ばらばらなのである。ともかく、間違いないことは、世界第二の経済大国と「されている」日本の元首の姿は、まったく見えなかったのである。

 以下、それほど長い記事ではないので、全部、紹介する。じっくりと、見比べて頂きたい。

---------- 引用ここから ----------
日経
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030921AT2M2002520092003.html
英独仏首脳会談、イラク問題で溝埋まらず
【ベルリン=安藤淳】ブレア英首相、シラク仏大統領、シュレーダー独首相は20日、ベルリンで会談した。イラク問題を巡る米国と仏独との対立を英の仲立ちで修復する道を探った。会談後、記者会見した仏大統領はイラク国民への主権の移譲時期など「意見の違いは残った」として溝が埋まらなかったことを認めた。
 会見でブレア首相は「イラクの早期安定が必要との点で各国は一致している」と述べたが、シラク大統領は「民主化方法や時期を巡り我々の立場は少し違う」と指摘し「イラク国民への権限移譲を直ちに実施すべきだ」と主張。シュレーダー首相は国連の役割拡大を指摘した。
 国連総会に合わせて仏大統領は23日、独首相は24日にニューヨークでブッシュ米大統領と会談する。拒否権を持つ仏の出方次第では新決議は採択できなくなるため、妥協点を探る駆け引きが続きそうだ。 (23:04)


朝日
http://www.asahi.com/international/update/0920/012.html
英独仏首脳が会談、イラクの早期主権回復では一致

 ブレア英首相とシラク仏大統領、シュレーダー独首相は20日、ベルリンで会談した。記者会見で3首脳はイラクの早期主権回復については基本的に一致したとしたが、その期間や方法について意見の相違を見せた。独仏首脳は、国連総会出席のため週明けに訪米して行う予定のブッシュ米大統領との会談でさらに妥協点を探る模様だ。

 記者会見では、ブレア氏もイラク復興での「国連の中心的役割」で一致したと述べた。これに対してシラク氏は「イラク人への一刻も早い主権の移譲を成功させるのが我が国の希望だ。移譲は数カ月内に、国連だけによる管理の下で行われねばならない」と述べ、即時主権回復に固執する仏政府の立場を強調した。

 仏独首脳はブレア氏を仲介役に、イラクへの多国籍軍派遣に向けた国連安保理の新決議案を用意する米国との対立点を埋めようとしたが、具体策で意見の相違が埋まっていないことが浮き彫りになった。シュレーダー氏は会見で「国連安全保障理事会でさらに話し合う必要がある」と述べた。

 ただ、シュレーダー氏によると、3首脳は来年5月に欧州連合(EU)が25カ国体制になるのを前にした欧州憲法問題や共通安保の問題でも意見交換し、その面では「進歩があった」という。イラク戦争を進めた英国と、戦争反対だった独仏の間にできた亀裂を埋め、EU拡大に向けて主要3カ国が団結する方向でまとまったとの認識を強調した。

 また、シュレーダー氏はこの日の会談に先立ち、イラク安定化のためにイラク人警官や兵士を独国内で訓練することや、水道事業などインフラ復興で協力することを表明し、一定の対米協力を行う姿勢を示した。 (09/20 23:03)


毎日
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030921k0000m030091001c.html
英仏独首脳会談:イラク人への主権移譲で合意 期限は先送り

【ベルリン斎藤義彦】ブレア英首相、シラク仏大統領、シュレーダー独首相は20日、ベルリンで会談し、イラクの戦後処理について、イラク人にできるだけ早期に主権を移譲することで合意した。ただ、イラクに多国籍軍を派遣する米国の安保理決議案に主権移譲の期限を盛り込むかどうかなど、具体的な対立点は解消できず、来週予定されているブッシュ米大統領と独仏首脳の個別会談に問題を先送りした。

 3首脳は、イラク戦争をめぐる独仏と英国との対立を解消、イラク復興策で協調路線を打ち出すことで、弱体化した欧州の共通外交の立て直しを目指した。

 会談後、シュレーダー首相は「イラクに民主主義と安定をもたらすため、国連が重要な役割を果たし、イラク人にできるだけ早期に主権移譲する必要があるとの見解で一致した」と述べた。

 ただ、シラク大統領は「数カ月以内の主権移譲」との持論を再び強調。「主権移譲の方法や日程については完全には一致できなかった」と述べ、数年間の占領継続を主張している米英側との対立点が解消できなかったことを明らかにした。こうした対立点に関し、シュレーダー首相は「安保理の場で議論されなければならない」とした。

 ブレア首相はイラク復興で「国連が重要な役割を果たす」と述べ、独仏に歩み寄る姿勢を見せたうえ、「イラク問題で相違があっても、欧州の主要課題で共通の立場を見出したことが重要だ」と会談の成果を強調した。

 首脳会談では、米国の決議案に賛成している英国が、安保理に対抗案を出している仏独への説得を試みたとみられるが、仏独を納得させることはできず、既に安保理常任理事国内で合意している「早期の主権移譲」という大枠で合意を図ることにした模様だ。

 23日からニューヨークで国連総会が開かれるのにあたり、シラク仏大統領は23日、シュレーダー独首相は24日に米大統領との個別会談を予定しており、この場で決議案についての最終的な協議が行われる。
[毎日新聞9月20日] ( 2003-09-20-23:08 )


読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030920id28.htm
イラク問題で英独仏首脳会談、主権委譲時期で一致せず

【ベルリン=宮明敬】ブレア英首相、シュレーダー独首相、シラク仏大統領は20日、ベルリンで会談し、イラクの戦後秩序と復興などについて、4時間にわたって緊急協議した。

 会談後に記者会見したシュレーダー首相は「イラク国民への早期主権移譲、国連の役割強化」という原則で一致したと表明したが、シラク大統領は「相違点は残っている」と語り、主権移譲の時期や方法で対立が解消できなかったことを示唆した。

 緊急協議は、対イラク戦争に反対した独、仏と、参戦した英国が「過去の見解の相違を超えて、欧州共通の外交政策を探る」(独政府報道官)のが狙いで、戦後のイラク統治で苦しむ米国が多国籍軍編成を求めて国連安保理に提出している決議案について協議した。

 シラク大統領はこの日も、多国籍軍編成の条件として、イラク国民への主権移譲は「数か月以内」と強調、「実現可能な範囲で」とするブレア首相との溝は埋まらなかった模様だ。

 欧州連合(EU)の運営については、ブレア首相が歩み寄り、〈1〉(厳格な財政運営よりも)景気対策重視の政策〈2〉欧州独自戦力の強化――の必要性で一致した。
(2003/9/20/23:35 読売新聞


産経(共同)
http://www.sankei.co.jp/news/030920/0920kok102.htm
イラク復興、早期の権限移譲では一致 英仏独首脳が会談

写真:20日、ベルリンでの首脳会談後、記者会見する(左から)フランスのシラク大統領、ドイツのシュレーダー首相、英国のブレア首相(AP)

 ブレア英首相とシラク・フランス大統領、シュレーダー・ドイツ首相は20日、ベルリンで会談し、イラク復興における国連の役割拡大の必要性を確認、米英両国からイラク国民への「できるだけ早期の」主権移譲を目指すことでも一致した。具体的時期については合意できなかった。

 米国とともにイラク戦争に踏み切った英国、反対したフランスとドイツの3カ国首脳は、イラクの復興や治安回復の行き詰まりを踏まえ、戦争で生じた深刻な亀裂の修復を模索。今回、細部の対立点には立ち入らないことで「欧州の結束」を辛うじて演出した。

 しかし、シラク大統領は会談後、イラクへの多国籍軍派遣をめぐる国連安全保障理事会の新決議案の内容では「完全には一致しなかった」と述べ、国連の役割拡大の具体的方法などをめぐっては、立場の違いを埋めきれなかったことを明らかにした。

 ブレア首相によると、3カ国はこの日の会談結果を受け、国連安保理で対立点の協議を続ける。またシラク大統領は23日、シュレーダー首相は24日に、国連総会開催中のニューヨークでブッシュ米大統領とそれぞれ会談、新決議案修正をめぐる外交工作を活発化させる。

 首脳会談終了後の会見で、ブレア首相は「われわれはイラクの安定を望み、できるだけ早く民主的な政府を樹立するようにしたい」と強調。シュレーダー首相は、復興に当たっての「一層重要な国連の役割」と「できるだけ早期の」イラク人への主権移譲で3カ国が一致したと語った。

 フランスは国連の役割の大幅拡大とイラク人への「数カ月以内」の主権移譲を要求し、米国と対立。英国はフランス、ドイツ両国に新決議案での協力を要請し、今回の会議主催国のドイツが「共通の立場の確認」(首相府)に努めていた。(共同)

 ■イラク新決議案

 対イラク国連新決議案 国連憲章に基づく多国籍軍をイラクに派遣するため、米国が提示した国連安全保障理事会の新決議案。採択を目指し安保理で取りまとめに向けた協議が続いている。

 米国はこれまでイラクにおける国連の役割を人道援助分野などに限定し、その役割拡大を拒否してきたが、治安回復の遅れなどから国連を一定程度重視する方向に政策転換した。だが、米国の草案では米軍がイラクに展開する部隊の統合指揮権を持つとされ、米英主導の占領統治体制は継続する方針。国連の大幅な役割拡大を求めるフランスやドイツはこれを批判している。(共同)


東京
http://www.tokyo-np.co.jp/00/detail/20030921/fls_____detail__000.shtml
統治権移譲時期で溝 イラク復興で英仏独首脳が会談

【ベルリン20日井上喜博】英国のブレア首相、フランスのシラク大統領、ドイツのシュレーダー首相は二十日、ベルリンの独首相府で会談しイラクの占領統治問題などについて協議した。三首脳は米英両国からイラク人への統治権移譲を早急に行うことで一致したが、移譲時期や国連の役割をめぐり依然対立点を残す結果となった。

 米国とイラク戦争に踏み切った英国と、これに反対した仏独の三首脳が会談するのはイラク戦争後初めて。イラクへ多国籍軍の派遣を求める米国の新たな国連安保理決議案について妥協点を見いだしイラク戦争をめぐって生じた欧州内の亀裂を解消するのが会談の狙いだったが、溝を完全に埋めるには至らなかった。

 会談後の記者会見でシラク大統領は「われわれの意見は現時点では一致していない。専門的な事項やタイムテーブルをめぐり合意できなかった」と述べ、英国との意見調整が失敗に終わったことを明らかにした。その上で「イラクへの主権移譲は数カ月以内に行われなければならない」と従来の主張を繰り返した。

 一方、ブレア首相は「われわれは皆、イラクの安定とできるだけ早期の民主政府への移譲を望んでいるし、国連が中心的役割を果たすべきだということも知っている」と指摘。「どんな意見の相違も解消できると信じている」と語り、国連安保理での今後の議論に期待をつないだ。

 米国の新決議案に対し仏独は、これまでイラクへの主権の早期移譲と国連の役割拡大を求める修正案を提示。仏政府はその後、多国籍軍の統合指揮権を米軍が握ることについては認める方針を示したが、主権移譲時期をめぐっては「段階的な権限移譲」を目指す米国との間で大きく意見が隔たっている。
---------- 引用ここまで ----------

 イギリスの「プードル犬」の足下での報道は、実に冷淡である。

 タイムズは、「ブレアは手ぶらで戻ってきた」(Blair returned home empty-handed)

---------- 引用ここから ----------
http://www.timesonline.co.uk/
PEACE SUMMIT
Tony Blair returned home empty-handed after peace talks in Berlin on the future of Iraq with President Chirac, right, and Chancellor Gerhard Schroeder.
---------- 引用ここまで ----------

 ガーデイアンは、「ブレアは無視された」(Blair gets the cold shoulder)

---------- 引用ここから ----------
http://politics.guardian.co.uk/eu/story/0,9061,1046630,00.html

Blair gets the cold shoulder at Berlin summit
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 この間、アメリカでは、最有力紙のニューヨークタイムズの国際面コラムに、「フランスは敵になりつつある」(France is becoming our enemy)という記事が載った。

---------- 引用ここから ----------
http://www.spiegel.de/politik/ausland/0,1518,266162,00.html

The NewYork Times

OPINION
Our War With France

It's time we Americans came to terms with something: France is not just our annoying ally. It is not just our jealous rival. France is becoming our enemy.
[後略]
---------- 引用ここまで ----------

 しかも、このニューヨークタイムズの記事は、上記のURLが示すように、ドイツの『シュピーゲル』(spiegel)紙に、転載されているのである。

 かくして、英[犬]、独[狐]、仏[狸]、米[藪猿]、ああ、堂々の世界首脳陣の化け物屋敷「動物園」、乱立、どこへ行くのやら。日本のポチは「再選」とか、冴えない話だが、賽銭でも投げ与えてやるか。

 以上。


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