「G7広島サミットを問う市民のつどい」ニュース( no.4) 2023年1月31日

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         「G7広島サミットを問う市民のつどい」ニュース
                       NO.4 2023年1月31日
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Table of Contents


  1. 巻頭言:「アジア太平洋大規模戦争」の危険性をグローバルな視点からとらえる必要性
  2. 5月の集会準備状況
  3. G7に反対する広島のみなさんの運動に連帯して首都圏ネットワーク始動です!
  4. G7と時代認識について: 喜多幡佳秀(ATTAC関西グループ)
  5. 「つどい」の呼びかけ人のひとりでもある田中利幸さんがEntwined Atrocities: New Insights into the U.S.-Japan Allianceを出版しました。
  6. ブログ掲載記事から
  7. 政府の動向
  8. そのほか
  9. 賛同人(団体)になってください
  10. カンパのお願い
  11. 問い合わせ

1. 巻頭言:「アジア太平洋大規模戦争」の危険性をグローバルな視点からとらえる必要性

2022年2月にロシア軍のウクライナ侵略によって始まった戦争は、2年目
に入った。ウクライナ南東部の諸都市が壊滅的な状況となり、800万人近い
難民がヨーロッパ各地に流出し、戦闘員のみならず市民に多くの犠牲者が出て
いるにもかかわらず、「終わり」は全く見えない。NATO(その中心核であるG7)
は、引き続き膨大な額の軍事支援をウクライナに注ぎ込んで戦闘を煽り続け、
ロシアはそれに対抗してさらにウクライナ各地への無差別的攻撃を強めている。
G7は、東欧のそんな戦争泥沼化の状況を外交によって一日でも早く解決しよう
という努力には全く無関心である一方で、アジア太平洋地域でも中国と朝鮮を
あからさまに敵視し、この二国を文字通り軍事的に封じ込めようという様々な
戦略を米国の指導のもとに急速に拡大している。その「封じ込め構想」のカナ
メとされているのが、北の日本(とくに沖縄)、南の豪州(とくにダーウィン)、
その中間地点の「槍の先端」と呼ばれるグアムである。この2年ほどで、これ
らの米軍基地には、中国本土攻撃を想定した戦略を実施する上で必要な各種の
武器が続々と配備されている。しかも、その攻撃戦略がこれまでの海軍力中心
であったものに、中国や朝鮮の本土空爆を想定する空軍力の活用を大幅に加え
たものへと急速に拡大されていることが一つの特徴であるように思われる。そ
の戦略の一つが、核兵器搭載可能の大型爆撃であるB-52H「ストラトフォー
トレス」戦略爆撃機の運用で、グアムにはすでに4機が配備されており、ダー
ウィンには6機が配備される予定である。また、今年秋までに、B-52Hに
「ARRW(空中発射迅速対応武器)」と呼ばれる極超音速ミサイルを搭載し
て運用する計画も進められている。ARRWの射程距離は1600キロという
遠距離で、米空軍発表によると「以前より短い時間内に敏感な目標物を打撃で
きる能力」を持っており、「迅速な量産を考えている」とのことである。この
ミサイルを使えば、沖縄の宮古島などから北朝鮮の主要軍事施設だけではなく、
平壌(ピョンヤン)指揮部を打撃することができるし、中国本土や中国軍空母
も攻撃目標となる。かくして、アジア太平洋地域はいまや文字通り「臨戦態勢」
となっており、大規模戦争の危険性は、日本政府の最近の「敵基地攻撃能力」
保有や「安保関連3文書」閣議決定などからも、ますます高まっている。こう
した現況を考えると、私たちはG7の動きを世界全体の大きな武力紛争と軍拡の
ウネリの中で捉えなおし、いかにすれば私たち市民がこの人類自己破滅的な動
きをとめることができるような運動を展開できるのかを真剣に考え、実践行動
へとつなげていくことが緊急の課題である。(田中利幸)
)

2 . 5月の集会準備状況

 まだ決定されていませんが、実行委員会で話し合っている内容を報告します。
5月13日(土)の集会を以下のように考えています。まず、13時から17
時までの枠で、次の7つの問題提起と特別報告を受ける。
1 これまでのサミット反対運動の取組みの経過と問題提起。
2 サミットはなぜ、いらないのか。
3 絡みあった日米の戦争犯罪/戦争責任と歪められた民主主義
4 核兵器の「現代化」批判と原発政策批判
5 性暴力とジェンダー
6 アジア太平洋地域での大規模戦争勃発の危険性(岸田大軍拡・安保3文書
批判含む)
7 気候危機と環境破壊:軍事活動の徹底的批判の必要性
特別報告として、被爆者の立場、グローバルサウスの立場。
 18時から20時までの枠で、全国各地からの報告として、各大臣級会合批
判含めた、その他の課題についての問題提起を受ける。
気候危機、世界経済・金融、ウクライナ戦争、デジタル、治安・弾圧・・・。
5月14日(日)午後の屋外集会とデモの取り組み方としては、G7による
NATO、日米安保等の軍事同盟強化反対はもちろん、軍事同盟そのものに反対す
る訴え。反原発と切り離した核兵器廃絶をお題目とするのではなく、拡大抑止
そのものに反対し、核体制の解体をどのように展望するのかの訴え。岸田内閣
の大軍拡・大増税に反対する被爆地広島としての最大の結集を追求すること。
その際、「専守防衛」との訴えにとどまるのではなく、日本国家の非武装、東
アジアの平和を展望する訴えが求められると考えています。フィリピンのウォ
ルデン・ベローさんの参加をお願いしています。(久野成章)

3. G7に反対する広島のみなさんの運動に連帯して首都圏ネットワーク始動です!

「G7いらない!首都圏ネットワーク」発足集会へ

G7に反対する広島のみなさんの運動に連帯して首都圏ネットワーク始動です!

年末の安保3文書の閣議決定、来年度からの防衛費の信じ難い増大、敵基地攻
撃能力を持つなど、日本の安全保障戦略を大きく転換させることがらが、国会
での議論もされずに決定されると言う大変な年の幕開けです。

この国一体どうなるの?心配はつきませんが、みなさんといっしょに闘ってい
きます。

今年5月には、広島でG7サミットの首脳会合が開催され、日本が議長国になり
ます。

広島は岸田首相の地元であり、年明け早々G7の5カ国訪問に出発、鳴物入り
ですが、

支持率低下の不人気でも、5月まではしがみつきそう。

23日から始まった通常国会開会で野党にはしっかり問題追求してもらいたいで
す!

自らを「サミット(山の頂上)」と呼ぶ傲慢な人々が集まり、中でも米国はじ
め「核」保有国のお歴々が、広島で「平和」(私たちから見れば「戦争」の話
ですが!)を語るなどあり得ません。

広島では、首脳会合の一週間前に「G7サミットを問う市民のつどい」が準備
されており、12月にはキックオフ集会が開催されました。

G7は、首脳会合だけでなく、大臣級会合が全国各地 14 ヶ所で開催されます。
首都圏でも11月に茨城県・水戸市で「内務・安全関係閣僚会合」が開催されま
すし、政治の中心・官邸を抱える首都圏での取り組みは超重要だと思います。

と言うことで、「首都圏ネットワーク」を結成、2月4日に発足集会を持ちます。

大国間の政治で、民衆が翻弄されるなどまっぴらごめんです。

広島のみなさんと連帯して首都圏からも「G7はいらない!」の声をあげよう!
参加を!

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G7いらない!

首都圏ネットワーク発足集会

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日 時:2023 年 2 月 4 日(土) 18:00 開始

場 所:文京区民センター 3A

資料代:500 円

主催:G7 いらない!首都圏ネットワーク

メール:hang7metcom@proton.me

連絡先:ATTAC Japan( 首都圏 )

 2023 年 5 月に岸田政権は、G7 首脳会合を広島で、大臣級会合を全国各地
14 ヶ所で開催します。

 G7 は国際法上も何の正当性も持たないお金持ち国家の集まりで、世界中の
戦争・貧困・環境破壊などに加担し続けています。

 首都圏でも、G7 の問題性について声を上げ反対していく取り組みを行って
いきたいと考えています。ぜひご参加ください!

 解説:「なぜG7 はいらないのか?」 小倉利丸さん

 発題・議論 (それぞれにつき 15 分程度発題します)

 ■戦争:参戦国会議G7広島サミットに反対しよう!(池田五律さん)

 ■経済:グローバル化と経済安保(白川真澄さん) 

 ■治安・監視:デジタル化で進む監視社会(中森圭子さん)

 ■環境:Climate Warを終わらせるClass Warを~「G7気候クラブ」徹底批判
(稲垣豊さん)

 *その他、広島(首脳会合5/13~14)・札幌(気候・エネルギー・環境大臣
会合4/15~16)・茨城(水戸 内務・安全担当大臣会合12/8~10)・長野(軽井沢
 外務大臣会合4/14~16)から、また現在渋谷の再開発で公園封鎖、野宿の仲
間の追い出しと闘う仲間からのアピールを予定しています。(京極紀子)

4. G7と時代認識について: 喜多幡佳秀(ATTAC関西グループ)

1月7日の「国際平和フォーラム」(オンライン)に参加しました。スウェーデ
ンやフィンランドなど北欧の平和団体が中心になって、アジア、アフリカ、南
米など各地域、各世代の活動家がそれぞれ短い報告をして意見交流する3時間
半のプログラムで、参加者は60人余でした。日本時間で同8日午前0時から
だったので、私は最初の1時間半ほどしか参加できませんでしたが、共感する
ところが多かったので、5月の集会・デモへの私の提案を含めて書かせていた
だきます。

企画した北欧の活動家たちの間では、ウクライナをめぐるこの間の動き、特に
スウェーデンのNATO加盟問題やウクライナへの武器輸出と、国内の右傾化・極
右の台頭に対する危機意識が強く、アジアの活動家の間では米軍どころか英仏
の艦隊まで太平洋に押し寄せてくる歴史の逆行ともいうべき状況に苛立ちが増
し、若い活動家の間では「正義と悪」という単純な図式によって世界の分断が
進むことへの違和感が共有されているという印象でした。私も昨年から今年に
かけて、岸田政権の下での防衛3文書や「経済安保」に関連する一連の産業政
策(戦争経済への猛進)、メディアの論調が醸し出す「戦争モード」に焦りを
感じており、世界的に、直観的な時代認識として、共通の感覚が広がっている
ことを感じます。

メインスピーカーの1人のウォルデン・ベローさん(元フィリピン下院議員、
昨年の大統領選挙では副大統領候補として立候補)をはじめ何人かの発言者が、
核戦争の危機、気候危機、難民危機などの人間社会の存続にかかわる危機をど
の政府も国連機関もコントロールできない状況で、グローバルサウスを中心と
する国際的な市民社会の力、発言力を強めていくことが重要であることを指摘
しています。その中では、反戦・平和の運動、気候・環境の運動、フェミニズ
ムの運動、反貧困の運動、労働運動・農民運動が相互につながり、補完し合い、
大きな流れへとコンバージ(合流)にしていくことが必要で、そのためのいろ
いろな小さな取り組みをつなげていければいいと思うという発言もありました。

私の提案は、上記の観点から、5月13―14日の集会・交流会・デモで、い
ろんな方からの発信を①時代認識の共有、②歴史に学ぶ、③未来を語る(世代
間対話)の3つの柱に沿って関連付けてはどうかということです。講演だけで
なく参加型のスペースとしていくように、みんなで知恵を出し合うことが大事
だと思います。

5. 「つどい」の呼びかけ人のひとりでもある田中利幸さんがEntwined Atrocities: New Insights into the U.S.-Japan Allianceを出版しました。

以下は、ジョン・ダワーの「前書き」(推薦文)の翻訳です。

Entwined Atrocities: New Insights into the U.S.-Japan Alliance (『絡み
合った残虐行為:日米同盟への新たな洞察』)

Yuki Tanaka(田中利幸)は、第二次世界大戦中のアジア太平洋地域における
戦争犯罪について、英語と日本語の両方で、最も独創的で鋭い分析を行う一人
としての地位を確立している。1996年に出版された彼の鋭い分析の著書Hidden
Horrors: Japanese War Crimes in World War II(2018年に増補版として再発
行)は、日本の残虐行為に関する研究の古典的業績であり、米国ミリタリー・
ブッククラブで推薦された後、米国で幅広い読者を得ている。2002年には
Japan’s Comfort Women: Sexual Slavery and Prostitution during World
War II and the U.S. Occupationを出版した。この重要な研究書の副題からも
明らかなように、戦争犯罪を比較の視点に置くという新たな関心を示している。
この場合、戦時中の日本軍の性的搾取の分析を敗戦国日本を占領した米軍に応
用することによって、比較史研究が試みられている。2002年から2015年にかけ
て広島市立大学広島平和研究所に所属していた田中教授は、戦略爆撃や核攻撃
の政策と実践を分析することにますます力を注いだ時期であった。このような
知的活動に加え、敗戦国日本の戦争犯罪裁判や今日の日本の民主主義を蝕む病
理の歴史的根源など、刺激的な問題に鋭い比較分析の視点をもたらす著作を日
英両言語で出版した。これらはすべて困難で論争の的となるテーマであるが、
田中利幸ほど真剣かつ持続的にこうした問題に関心を寄せてきた歴史家はいな
い。田中教授の今回の著書は、これまでの彼の研究にとって重要な要素であっ
たいくつかの枢要な問題を密接に関連付けるという点で、真に独創的である。
一つは、日本の残虐行為と戦争犯罪である。もう一つは、米国の戦略的核攻撃
による民間人殺害の犯罪性である。第三は、天皇の戦争責任に関する戦後直後
の日米両国による隠蔽工作(そしてこれがアメリカの空戦の非道な性質の隠蔽
工作とどのように結びついているか)である。第四に、この二重の隠蔽体質が、
いわゆる平和憲法(1947年施行)に固有の矛盾を生み出し、それが現在も改正
されずに残っている。最後に、このダイナミックな連関を理解することで、現
在の日本の民主主義の欠陥と失敗をよりよく理解することができるという点に
焦点を当てる。このような複雑かつ密接な比較分析は、現代の日米研究におい
て前例がない。これは間違いなく、真剣に耳を傾けるに値する。

出版社サイトhttps://www.peterlang.com/document/1285366
購入
紀伊国屋
https://www.kinokuniya.co.jp/disp/CSfDispListPage_001.jsp?qs=true&ptk=02&q=Entwined+Atrocities%3A+New+Insights+into+the+U.s.%E2%80%93japan+Alliance
amazon
https://www.amazon.com/Entwined-Atrocities-Insights-U-S-Japan-Alliance/dp/143319953X/ref=sr_1_1?crid=UQ74NYE2CAZP&keywords=Entwined+Atrocities&qid=1668179658&sprefix=entwined+atrocities%2Caps%2C243&sr=8-1

6. ブログ掲載記事から

松村高夫:安保関連3文書批判: 広島G7サミットに反対する市民運動キックオ
フ集会(2022年12月17日)10分間スピーチ
https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/matsumuratakao_20221217/

札幌:「2030札幌オリ・パラ招致」問題
https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/library/

7. 政府の動向

1月14日:フランス、イタリア、英国、カナダ及び米国訪問等についての内外
記者会見
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0114kaiken.html
記者会見冒頭の説明の大半をG7に費やしています。

1月24日:(外務省)ウクライナのエネルギー分野支援に関するG7+外相会合G7
議長国として日米共同開催。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_001259.html

1月20日:ドイツのラムシュタイン米空軍基地でウクライナ防衛コンタクトグ
ループ(NATOが中心となり、米国が議長)の会議。日本も参加。50ヶ国が参加す
ると米国防省が発表。
https://www.defense.gov/News/News-Stories/Article/Article/3269846/austin-to-convene-ukraine-defense-contact-group-session/

岸田首相、施政方針演説の「外交・安全保障」でG7に言及
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2023/0123shiseihoshin.html

読売:ゼレンスキー氏 サミット参加意欲…駐日ウクライナ大使
https://www.yomiuri.co.jp/world/20230107-OYT1T50081/

日経:日本、G7議長国に ゼレンスキー氏のサミット招待調整
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2875S0Y2A221C2000000/

8. そのほか

共同通信の配信記事で、岩手日報、山梨日日、伊勢、デーリー東北、山陽新聞
(1月20日)で「G7広島サミット、地元から反対や意見」として紹介されまし
た。

9. 賛同人(団体)になってください

私たちは、「G7広島サミットを問う市民のつどい」の呼びかけに、多くの皆
さんが賛同してくださることを期待しています。呼びかけ文をお読みいただき、
是非賛同をお願いします。

呼びかけ文
https://www.jca.apc.org/no-g7-hiroshima/

以下の各事項を記載して、以下に記載してあるメールアドレスまでメールを送
信するか、ウエッブ上のフォームから送信してください

賛同人になっていただける方
おなまえ(必須)
連絡先のメールアドレス(必須)
所属あるいは肩書きなど(任意)
賛同団体になっていただける方
団体名(必須)
連絡先となる方のお名前とメールアドレス(必須)
送り先のメールアドレス

info-nog7-hiroshima2023@proton.me

ウエッブのフォームから送信する場合は以下にアクセスしてください。
https://cryptpad.fr/form/#/2/form/view/J6x6WbLoC7ike2uVBtzSa+i0uSYYhUHgfFGzS5rtdtY/

10. カンパのお願い

私たちの活動は、有給の専従や事務所を構えることなく、集会における発言者
も含めてボランティアベースを原則として、極力出費を抑えて活動する努力を
しています。しかし、会場の借り上げや情宣など、避けられない出費がありま
す。これらは、皆さんからのカンパで賄うことになります。カンパを是非お寄
せください。カンパについては特に金額についての規定を設けません。皆さん
の無理のない範囲でお願いします。

郵便振替口座 01320-6-7576

口座名義 「8・6つどい」

通信欄に「G7を問うカンパ」と明記してください。

11. 問い合わせ

問い合わせ先メールアドレス

info-nog7-hiroshima2023@proton.me

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