NGOレポートを作る会 Women 2000 - Japan NGO Report Preparatory Commitee
北京行動綱領の実施状況を報告する
日本NGOレポートにおける12領域の概要

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12章概要
メーリングリスト


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A 女性と貧困
 政府回答は母子家庭だけしか取り上げていない。たしかに母子家庭には貧困 層が多い。しかし、高齢女性、無償労働をしている農林漁業の家族従業者、障 害女性、被差別部落の女性、野宿者女性、アイヌ民族の女性、在日外国人、移 民女性、被災地の女性なども、より厳しい貧困の問題に当面している。当レポ ートでは、政府回答だけではなく、『男女共同参画2000年プラン』などでも全 く取り上げられなかったこれら女性たちの貧困問題に焦点を当てた。
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B 女性の教育と訓練
 日本の教育の実態は男女同一カリキュラムなど、制度的平等はある程度整備 されたと言える。また、男子が先とされる男女別名簿から男女混合名簿の実施 など徐々に教育環境の改善の様子がみられる。しかし、全体として持ち物、部 活動、学校行事、進路における性別による違いなど「隠れたカリキュラム」に よる男女別を基本とする学校慣行は依然として根強く残り、学校は女らしさ、 男らしさの性別特性論に基づく性差別の再生産の場となっている。学校を真の 男女平等の場にするためには、教員研修、教科書の編集、検定、採択などあら ゆる場面においてジェンダーに敏感な教育政策をとる必要がある。
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C 女性と健康
 女性NGOは、『男女共同参画2000年プラン』での女性の健康への言及、母体保 護法への改正による障害者関連部分の削除、日本政府の国際的取り組みおよび NGOとの一定の連携を評価する。しかし、厚生省予算は母子保健が中心であり、 地域間の受益格差も広がりつつある。また、生涯にわたる女性の健康に関する 法的整備は不徹底で、優生思想もいまだ根強い。さらに、患者や少女を含む女 性への不充分な情報提供、不妊治療の押し付け、女性固有の病気に対する政策 の遅れなど、女性の医療状況は脆弱である。高齢女性や障害を持つ女性に対し ても、行政の一層の取り組みが必要である。ほかに、労働問題や地球環境、出 生率、国際協力についても言及した。
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D 女性に対する暴力
 政府回答文書の最大の問題として、女性に対する暴力について実態を反映し ていないこと、総合的施策が欠如していることをあげた。特に公営シェルター の不足、警察の不介入が、ドメステイックバイオレンスを潜在化させた原因の 一つであること、性暴力犯罪の親告罪を外し、期限を制定しない、裁判は原告 の申し出があれば非公開にするなどを指摘した。警察、司法、福祉関係、教育、 医療関係者と民間女性団体との連携を深め、女性に対する暴力防止・禁止法の 制定などを提起。また、「国民基金」は、元従軍「慰安婦」と支援者を分裂に 追い込み、日本国内の女性NGOに助成金を出すことで、さらに女性たちを分 断している。 マイノリティ、障害者、アジア人などに対する暴力が増加して いること、日常に入り込む性の商品化、メディアが流す暴力シーンの問題性に も触れた。
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E 女性と武力紛争
政府回答は国際機関への協力と国連平和維持活動への女性参加を述べるだけ で、重要テーマに触れていない。一つは「慰安婦」問題で、戦時性暴力不処罰 の循環を断つべきと、賠償だけでなく加害者の刑事責任訴追・処罰を勧告し、 「国民基金」は法的責任を果たすことにならないとした、98年マクドゥーガ ル勧告の完全実施を強く求める。もう一つは、沖縄を始め全国の(米軍)基地・ 軍隊における女性への暴力の問題をジェンダーの視点で捉え直し、女性・子ど もの受けた暴力を軍隊の構造的暴力として捉え直すこと。特に海兵隊の撤退を 求める。日米防衛ガイドライン関連法、日の丸・君が代を国旗・国歌とする法 律、通信傍受(盗聴)法、憲法調査会設置法成立など、戦争のできる国に向かわ せる政府に、平和への意志を見出せない。
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F 女性と経済
 政府は男女雇用機会均等法を改定して、雇用の分野における均等取り扱いを 実効あるものにした、賃金格差の原因は職務、勤続年数、学歴だと国連に報告 している。しかし、オルタナティブレポートでは、労働基準法の改定や労働者 派遣法、つまり労働法制の規制緩和によって、女性が不安定雇用に追いやられ、 働きつづけることが困難な状況が生まれてきていると指摘した。また賃金格差 についても、同一労働同一賃金が適用されていないために格差があることや、 募集・採用・配置・昇進などでの間接差別の禁止がないと実質的な男女平等が 確保されないとして、20近い男女差別賃金是正裁判が現在行われていること を指摘した。女性起業、無報酬労働、農村女性、自営業等の家内就業について も言及した。
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G 権力及び意思決定における女性
意思決定レベルにおける女性比率を1995年までに30%にするというナイロビ 将来戦略の実現や北京行動綱領に示された具体的な方策は、日本政府、政党、 経営者団体,労働組合などでは取り組まれていないに等しい。このレポートで は日本の現状を報告分析し、これらを変えていくために、政府を始めあらゆる 機関が女性の参画なしに行われるいかなる意思決定は公正ではなく、豊かな社 会を実現しないことを認識し、ポジティブアクションを取り入れる事が急務で あると提言している。今国会で審議されようとしている衆院の比例代表枠を50 議席減らす法案は、ますます女性候補の進出を減らすことになり、定数削減は むしろ選挙区で行われるべきである。また意思決定への女性を増やそうと活動 している民間団体などには、財政的援助をすべきである。
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H 制度的仕組み
 2001年の男女共同参画会議の発足や男女共同参画室の局への格上げは、具体 的内容が明らかにされていないがある程度の評価はできる。男女共同参画社会 基本法の制定は前進だが、具体性に乏しく、「女性の人権」でなく「男女の人 権」と繰り返しているなど、現実の問題を反映していない。このように仕組み が改善されても、次のような大きな問題が残されている。
a.情報提供を中心としたNGOとの連携はパートナーシップとは程遠い。b.無償 労働の評価に関する研究などに政府内の連携が見られない。c.地方の女性政 策を進める体制には域差が見られるものの専管部局の設置、総合調整機能、行 動計画の策定率、NGOとの連携などに大きな遅れが見られる。d.中央政府およ び地方自治体ともに、官僚のセクショナリズムがジェンダーのメインストリー ム化を進める場合の大きな障害、ジェンダーの視点を持った女性官僚の登用が 必要。
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I 女性と人権
  政府の回答に沿って,レポートをまとめた.法識字(リーガルリテラシー) として,識字率が100%ならば,法識字率も100%をめざすべきである. 国際人権基準である女性差別撤廃条約をはじめとする国際人権条約や北京行動 綱領などの国際人権文書をもっと尊重し国内でも活用すべきである.1985 年に採択されたナイロビ将来戦略のレベルの問題(夫婦別姓などの民法改正や 世帯主という呼称の廃止など)を日本はいまだにクリアできない「人権後進国」 であることを見直さなければならない.
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J 女性とメデイア
 マスメディアや新しい情報メディアは、男女平等社会の実現を促進する上で 大きな役割を果たしうるし、そうでなければならないが、政府・マスメディア 組織ともその認識が不十分である。マスメディアは、女性にとり重要な情報を 十分に伝えていないし、女性を差別する性・暴力表現、性別役割分業を前提と した女性・男性のステレオタイプ的表現などで、性差別を助長している。問題 解決には、上からの規制ではなく、なによりもマスメディアや多様な情報メデ ィアを通じた女性の発信の拡大が必要である。日本の放送局・新聞社の女性比 率は高まってきたといっても1割前後と世界最低レベルである。2005年までに 30%とすることを重点目標の一つとする。
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K 女性と環境
 今回の国連の質問状に対す政府の環境分野解答は、「NGOの活動を支援する」 という域にとどまり、積極的態度がみられない。種々の環境問題を抱える昨今、 女性の視点から環境問題を考えていくことは不可欠である。国内の環境問題と して沢山あるが、的を絞り、化学物質と生命倫理、国土の環境を守る、データ ーベースの継続的蓄積と情報の公開、女性の人材育成・環境運動の支援・環境 教育の充実をあげる。又、国外に対して、環境問題は今や国境を越え、地球規 模で考えなければならない時期に来ている。明日のより良い未来を作るため、 世界の女性たちが専門的知識をもっと身につけ、連携をはかる。国際問題とし て5つの提言を挙げる。
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L 女児
 よい例として児童買春・児童ポルノ禁止法の内容と問題点を述べた。障害と しては国の女性プランに女児の別立ての項がないことからくる様々な差別的社 会慣行是正の難しさ、性教育(特に女性の人権を尊重する男児のための)の不 備、科学・技術系分野に進む女児の指導の問題点、近親姦等性虐待を含む児童 虐待、拒食症とその原因、コミック・ポルノの野放し状態と今後の対策を述べ た。将来へのヴィジョンではあらゆる意思決定に女児の参画を図ることを述べ た。


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