【書籍紹介】『徹底批判 G8サミット』

洞爺湖サミット(7/7〜9)——
今、世界の人々が「NO!」を突きつけている
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■■『徹底批判 G8サミット
    ——その歴史と現在』■■
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ATTACフランス編 コリン・コバヤシ/杉村昌昭訳
国際法の根拠がまったくない、“非公式な会議”であるにもかかわらず、国連の役割を奪い、世界の新自由主義化を推し進め、人々を貧困や飢餓に追い込み、地球環境を悪化させている——

【目次】
日本のみなさんへ、洞爺湖で会いましょう
 ……スーザン・ジョージ
はじめに——G8は、非合法の存在である!

■第1章■
いかにG8サミットは、
新自由主義的グローバリゼーションを
推進してきたか?——G8サミットの歴史

1)サミットの誕生
  ——彼らは何のために集まり、
    何をやってきたのか?
2)ドルショックから、
  新自由主義的グローバリゼーションへ
3)新自由主義政策への歴史的転換
  ——一九七九年一〇月の衝撃
4)世界の「自由と民主主義」の前進のために
  ——政治化するサミット
5)素晴らしき「公式声明」は、
  行動によって否定されている

■第2章■
G8サミットは、
どのように世界を変えているのか?
——サミット「公式声明」と現実との乖離

1)途上国の開発と貧困削減
  ——立て続く金融危機、深刻化する飢餓
2)国連
  ——奪われる権限、無効化される国連憲章
3)雇用と社会保障
  ——「労働市場の改革」と「社会保障の適正化」
4)地球環境
  ——史上最悪の公害としての「地球温暖化」
5)世界の治安問題
  ——組織犯罪とテロリズム、腐敗との戦い?
6)食糧と保健衛生
  ——知的所有権が保護する多国籍企業の利益

■第3章■
いかに世界の人々は、G8サミットに抵抗してきたか
——反対運動の歴史

1)一九八四年、イギリス・ロンドン
2)一九八九年、フランス・パリ
3)一九九六年、フランス・リヨン
4)一九九八年、イギリス・バーミンガム
5)一九九九年、ドイツ・ケルン
6)二〇〇〇年、日本・沖縄
7)二〇〇一年、イタリア・ジェノヴァ
8)二〇〇二年、カナダ・カナナスキ
9)二〇〇三年、フランス・エヴィアン
10)二〇〇五年、イギリス・グレンイーグルズ
11)二〇〇六年、ロシア・センクトペテルブルク

[日本語版付録]
虚構の帝国を支えるG8サミット——日本とサミットの関係を考えるために……小倉利丸
二〇〇七年、ドイツ・ハイリゲンダム・サミット……栗原 康

【本書の趣旨】
今年のG8サミット(主要8カ国首脳会議)は、北海道・洞爺湖で行なわれる予定です(7/7〜9)。しかし今、サミットは、世界で隆盛をきわめる反グローバル・反戦平和を求める市民運動の中心的ターゲットとなっており、2001年のイタリアでのジェノバ・サミット以降、世界から10万人を超える人々がサミット会場近辺に押し寄せ、抗議行動がくり広げられています。では、なぜ世界の人々は、サミットに反対するのでしょうか?
「G8サミット」は、国際法に何の規定も根拠もなく、また国連など国際機関から何の権限も与えられていない“非公式な会議”にすぎません。そして意見を反映できるのは、招待された多国籍企業経営者などだけです。それにもかかわらず、サミットは世界の指導者を自称し、国連がなすべき役割を奪い、この34年間、新自由主義的な経済政策を世界に押し付けてきました。その結果、途上国は重い債務を負い、貧困と飢餓に追い込まれ、先進国でも非正規雇用者や失業者が大量に生み出され、格差化が進んできたのです。
本書は、このサミットの34年にわたる歴史を追いながら、経済、安全保障、環境、途上国開発、治安警察、食糧問題などの各分野にわたって、いかにサミットが世界を変えてきたかを徹底検証し、日本ではほとんど報道されていないサミットの歴史と実態を、初めて明らかにしたものです。
★A5判・並製、総頁220頁、定価:1800円(税別)、
5月30日刊行

■著者紹介■ 
ATTAC フランス
1998年にフランスで創設され、現在、世界50カ国以上に設立されているグローバルNGO。現在、世界を揺り動かしている「オルター・グローバリゼーション運動」の世界的牽引役。本書は、TTACフランスに協力している気鋭の経済学者・政治学者・ジャーナリストがまとめたものである。

訳者/杉村昌昭(Sugimura Masaaki)
龍谷大学教授。専攻:フランス文学・思想。
訳者/コリン・コバヤシ
美術家・著述家。パリ在住。主な著書に、『ゲラン
ドの塩物語』(岩波新書、渋沢クローデル賞現代フ
ランス・エッセイ賞)など。

刊行:作品社
編集担当:内田眞人
uchida@tssplaza.co.jp
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