TKOPEACENEWS
  3面 NO.10号/00.9.1発行

「核兵器廃絶」を否定する「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議し
教科書申請の撤回を求める決議


 私たちは、戦争と殺戮の世紀であった20世紀から核も戦争もない21世紀を築いていくために、核兵器廃絶の実現をめざして、被爆55周年原水爆禁止世界大会を行っています。
 「核兵器廃絶」は私たちの願いであるだけではありません。被爆国日本の主張です。また、先のNPT(核不拡散条約)再検討会議でも、核保有国の義務として明確にされました。
 21世紀を「核なき」世界にしていくには、いま生きる世代がその役割を果たすとともに、21世紀に担う若者や子どもが、核兵器のもつ危険性や、もたらした悲惨な結果についての正確な歴史を理解することが重要です。その際、教育や教科書の果たす役割がきわめて大きいことはいうまでもありません。
 ところが、現在、文部省で検定中の中学校の公民と歴史の教科書のうち、「新しい歴史教科書をつくる会」が申請した「教科書」が「核兵器廃絶」を否定していることが明らかにされています。その記述の内容は、「核兵器には戦争抑止力がある」と核兵器保有を肯定しています。そればかりか、「核兵器廃絶が表面的に合意されたとしたら、そのときが世界の秩序にとって、もっとも危険な瞬間だともいえる」と核兵器廃絶の国際的合意を危険視したものです。また、「核兵器廃絶を絶対の正義とするのは、その廃絶法に違反するものはいないと想定しているという意味で、人間を性善なるものと安易にみなしているのではないだろうか」と、「核兵器廃絶」に向けた日本はもとより世界の人びと、いわば人類の努力に水を差すものです。
 私たちは、「核兵器廃絶」をないがしろにするこの主張を認めることはできません。まして、21世紀を担う子どもたちの教科書にするなどけっして許すことはできません。この本の編集者・出版社に反省と撤回を厳重に求めます。
 また、このような本が登場する政治・社会の環境自体が問題です。私たちは、核保有国をはじめとした世界各国の政府・日本の政府がタテマエや形式的なものではなく、核兵器廃絶に向けて、実際に、かつ確実に核軍縮を進めることを求めます。日本の政府・文部省が、憲法・教育基本法に基づき、被爆国日本の核兵器廃絶の姿勢を明確にした施策を行うことを求めます。
 私たちもまた、改めて核廃絶の運動を世界の市民・NGOと連携した大きなうねりとし、核も戦争もない21世紀を必ず実現していく決意を表明します。
 以上、決議する。
  2000年8月6日
被爆55周年原水爆禁止世界大会・広島大会

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