STOP!ブッシュ・小泉 2003年7月
アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな
◆◆有事立法が成立してしまいました。平和憲法を打ち砕くような暴挙です。◆◆
しかしこれで全てが決まってしまったわけではありません。
●私たちは、戦争準備の一つ一つの動きに反対して、有事法制を発動させず、再び日本が侵略戦争を行う国にならないよう平和の取り組みを強めていかなければなりません。

●これまでの「やめろイラク攻撃!STOP!ブッシュ・小泉」のコーナを、「STOP!ブッシュ・小泉!アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな」コーナに変更して、引き続き戦争への危険な動きに警鐘を鳴らして行きたいと思います。
イラクでの植民地支配の実態、日本やアメリカによる北朝鮮への戦争準備の動きと
それに反対する動きなどを伝えてゆきます。

 2003年6月のページへ


 7/31

米景気回復?雇用は置き去り。 突出国防費GDPを押し上げ

ブッシュ再選に立ちはだかるのは、イラク戦争泥沼化と雇用問題

 米商務省が31日発表した4〜6月期の国内総生産(GDP、実質)は、前期比年率換算で2.4%増(速報値)だった。1〜3月期の1.4%増を上回り、昨年7〜9月期(4.0%増)以来の伸びとなった。個人消費、国防費が伸び、これまで不調だった企業の設備投資も予想外の伸びを示した。とくに国防費は前期比44.1%増と突出した伸びを示し、その伸び率は朝鮮戦争以来だという。

 しかし、深刻な雇用問題は一向に好転しないばかりか、むしろ悪化し続けている。6月の失業率は6.4%と9年2ヶ月ぶりの高水準。企業は猛烈なペースで雇用を切捨てながら、生産性を高めて業績回復を果たしているのだ。景気後退が始まった2001年3月以来、210万人が職を失った。失業者総数は920万人で、やむなくパートタイムで働いている人たちは480万人(2001年以来46%増加)。
 「景気がよくなっているなんて、とても思えない。同時多発テロ以降、多くの金融機関が人を減らし続けている。」「2年も(職業紹介所に)通っているが、まだ見つからない」等など、深刻な怒りの声が報道されている。
 この「雇用なき回復(ジョブレス・リカバリー)」が、イラク戦争泥沼化と共に、すでに始動している来年の大統領選でのブッシュ再選に大きく「待った!」をかけようとしている。米国一国主義で軍事冒険主義のブッシュとネオコンたちを米政権から放逐するためには、世界の反戦平和運動は、米国の雇用問題の行方にも目を離してはならない。

 7/31

「戦闘、非戦闘地域分けられぬ」 イラクの米軍司令官

 イラクの駐留米軍のサンチェス司令官は7月31日の記者会見で、イラク全土を戦闘地域と非戦闘地域に明確に線引きすることはできないとの見方を示した。小泉首相や日本政府が自衛隊を「非戦闘地域」に限定して派遣しようとする計画が、イラク現地の実情といかにかけ離れているかを現地から暴露するものとなった。
 サンチェス司令官は質問に答える形で、「イラクを戦闘地域と安定支援地域(非戦闘地域)に分けることはできない。テロリストはどこであれ攻撃を仕掛けてくる」と語った。イラクの現状について「北部のモスルや南部のバスラは治安が保たれているが、中央部の北側(バグダッド北部)では、米軍に対する攻撃が続いている」との見方を示した。

 7/29

シャロン・イスラエル首相、米大統領に分離壁建設続行を表明

「分離壁」建設の狙いは、さらなる大規模な土地収奪、領土併合だ

 訪米中のシャロン・イスラエル首相は29日、ブッシュ米大統領との共同記者会見で、イスラエルがヨルダン川西岸地区に建設中の分離壁について、「パレスチナ人への影響を最小限にしながら建設を続行する」と述べた。米政府は和平に逆行するとして建設停止を表面上求めてはいるが、継続協議の対象としているだけで実質的に放置している。
 パレスチナではこれに対し反発が広がっている。 アラファト自治政府議長は29日、米イスラエル首脳会談前に記者団に対し「分離フェンスは新たなベルリンの壁となる。パレスチナの土地を分断し、西岸をゲットー(強制居住区)にしてしまう」と警告した。パレスチナ自治政府のアムル情報相は29日夜「フェンスの建設継続は事態を複雑にし、前向きな雰囲気をこわす」と批判している。

 「ロードマップ」による和平を表向き支持しながら、シャロン政権が現在最も力を入れているのは、この「分離壁」の建設である。これは、当初はグリーンライン(1967年の占領以前の国境線)に沿って建設するということで、イスラエル労働党が熱心に提唱し、リクード党は冷ややかであったが、昨秋以降、シャロン政権は積極的に取り組み始め、現在急ピッチで建設中。ところが、シャロン政権が力を入れて取り組みはじめたときから、この「ウォール」はグリーンラインからかなり西岸地区へ食い込み、入植地をすべてイスラエル領内にとり込むものであることが明らかになりはじめている。
つまり、シャロン政権は、パレスチナ国家樹立前に国境線を一方的に確定する既成事実を作りあげようとして、西岸地区のごく一部の地域に将来のパレスチナ国家の領土を限定しようとしているのだ。これは、さらなる大規模な土地収奪、領土併合を意味する。

 7/29

イラク派遣のオランダ軍、猛暑と感染症で1割が病状

 朝日新聞報道によると、40度をこえる猛暑が続くイラク南部に派遣されたオランダ軍兵士約100人が次々に感染症による下痢と吐き気を訴え、29日、4人の兵士が熱射病による脱水症状で一時入院したという。
 オランダ軍が展開する予定の南部アルムサナ一帯は砂漠地帯。オランダ海軍によると、ここ数日前から屈強な海兵隊員らも体の変調を訴え始め、1100人の兵士のうち感染者は29日、105人に達した。オランダ軍の医療部隊が治療にあたっているが、30日時点でなお65人が病状を訴えているという。

 7/29

国連に左右されず関係国要請だけで海外派兵可能な法体制へ 恒久法で政府方針

イラク戦争も「復興支援」ではなく、最初から参戦できるようにするつもりだ
   自衛隊をイラクに派兵させない・恒久法を国会に上程させない闘いに
              今から全力をあげて取り組もう


 政府は29日、自衛隊の海外派遣に向けた恒久法の制定について、国連決議がなくても国際機関や関係国の要請などを根拠に派遣できるようにする方針を固めたという。国連決議がないまま米国が武力行使に踏み切ったイラク戦争のようなケースを想定し、国連の動向に左右されずに海外で米軍を支援できる枠組みの常備が必要と判断したという。

 これは大変なことである。
イラクへの自衛隊派兵についても、形式上の根拠を国連決議においていた。今政府がたくらんでいる恒久法は、国連を無視して国際法に違反して米国が始めた戦争にも参戦できるようにするというのだ。イラク戦争の最初から参戦できるようにするというのだ。とんでもない話である。
 日本の反戦平和運動は、この秋から来年にかけて、自衛隊をイラクに絶対派兵させない闘い、恒久法を絶対に国会に上程させない闘いのために、全力をあげなければならない。

 7/29

米国防総省がテロ、戦争の将来予測に「賭け」 反発受け中止

米国防省にとっては、戦争も殺戮も、ゲームや賭け事なのだ

 毎日新聞報道によると、米国防総省はオンライン上で将来の中東地域での戦争、テロ、暗殺などの可能性予測に対して投資家の賭けを募るウェブサイトの新設を計画したが、米議会の反発を受け29日、中止すると発表した。市場原理を利用して中東地域のテロ情報を入手しようとの試みだったというが、民主党などから「死の取引」と猛反発を呼び、撤回に追い込まれたようだ。

 「政策分析市場」と名づけられたサイト新設を計画したのは、同省の研究開発部門「国防高等研究事業局」(DARPA)。エジプト、ヨルダン、イラン、イラク、イスラエル、サウジアラビア、シリア、トルコを対象に、軍事、経済、市民社会の将来や、米国の影響などを予測し、例えばヨルダンの君主制がいつ崩壊するかといった予測に対して、投資家に賭けさせる計画だった。
 8月1日から投資家の登録を受け付け、10月1日から取引を開始する計画で、当初経費として800万ドル(約9億6000万円)を見込んでいたという。
 民主党のダシュル上院院内総務は29日「同時多発テロ犠牲者の家族たちに謝罪するべきだ」とテロを賭け事にしたことを痛烈に批判し、米政府に計画中止を要請。批判の高まりを受けてウルフォウィッツ米国防副長官は同日の上院外交委員会で、同サイトについて「あまりに想像力に富み過ぎたようだ」と述べ、中止を表明したという。

 7/28

イラク戦終結宣言後で、戦闘での米兵死者50人 増加の一途

 ブッシュ米大統領が5月1日にイラクの戦闘終結宣言をして以降、襲撃による駐留米軍の死者が28日で50人に達した。過去10日間の死者が16人にのぼるなど、犠牲者はむしろ増加の一途。ティクリートなど旧政権支持派の多い地域だけでなく、これまで米軍と良好な関係にあったとされる地方にも、襲撃は広がりをみせている。
 28日の襲撃は、バグダッド市内の石油省に近い立体交差点で起きた。下を通過していた米軍車両に、高架道路の上から手製爆弾が投下され、米兵1人が死亡した。米軍によると、容疑者が使用した車両や逃走方向など、手がかりは全くつかめず、周到に準備された巧妙な手口。

 なお、50人というのは直接戦闘で死亡した数で、実際の米軍の死者は107人。
 (参照)

    5月以来の米兵死者数は正式発表の3倍−−メディアは低めに伝えている

 7/27

攻撃対象にされないためと、二転三転・右往左往 自衛隊の派兵場所

イラクへの自衛隊の派兵を絶対許してはならない!

 石破防衛長官は27日のNHK報道番組で、イラク特措法に基づく自衛隊のイラク派遣について、「スタートは人道復興支援に比重がかかると思う。『日本が(イラクに)来てくれて良かった。水がある。電気もある。医者にもかかることができる』ということを示すことで、(イラク国民の)米国への支持を支えることになる」と述べたという。
 この発言は、防衛庁が同法に基づく陸上自衛隊の活動を、イラク南部での医療施設への電気や水の供給とする方向で検討を始めたため。イラク国民向けの「人道支援」の側面を強調することで、攻撃対象とされる危険性を少しでも抑えたいという狙い。

 自衛隊の派遣場所を巡って、防衛庁は二転三転している。当初は戦闘の少ないと見られていたイラク南部への派兵を想定していたが、英兵6人が殺害されたのに驚き、米軍が厳重に警備するバグダッド国際空港を拠点に、米軍への給水活動をする計画に急遽変更した。しかし、バグダッド国際空港の輸送機C130がミサイル攻撃を受けるに及んで防衛庁内は大きく動揺した。そこに米側から給水のニーズが高い地域として、激しい戦闘地域であるバグダッド北方の都市バラドが挙げられ、防衛庁は困り果てていた。攻撃対象にされないために、今度はイラク南部の医療施設への派遣計画に再々度変更しようとしているようだ。
 しかし米軍のニーズはそれほど甘いものではない。1年近い過酷な気候での長期駐留と、24時間ゲリラ攻撃にさらされての極度の緊張で、米兵は耐え難い状態にあり不満が欝積し士気は極端に低下している。にもかかわらず、世界に派兵し過ぎて米陸軍の交代の兵力はなく、他国軍に肩代わりさせるしか道がなくなっている。米軍が自衛隊に要求するものは、人道支援とは全く違って、後方支援でもなく、自分たちの肩代わりにイラク民衆を殺戮・弾圧することなのである。

 7/27 米軍のイラク市民殺害が相次ぐ

米軍銃撃でイラク人5人死亡 日本人記者も暴行受ける

 バグダッドの高級住宅地マンスール地区で27日夕、駐留米軍が乗用車に銃撃し、英国放送協会(BBC)電子版によると5人のイラク人が死亡した。この時、現場で取材していた日本人ジャーナリストでジャパンプレス代表の佐藤和孝さん(47)が米兵に暴行され、カメラを取り上げられて軍用車両の中で約1時間拘束されたという。

 BBCによると、米部隊はサダム・フセイン元大統領の親類が潜伏しているという情報で、家宅捜索をしていた。逮捕者はなかったが、外に出た兵士が近づいてきた乗用車を止め、運転手らが出てきたのを銃撃したという。死者の中に子どもが含まれているとの情報もある。佐藤さんによると、現場では乗用車2台が黒こげになり、別に2台が銃撃を受けて止まっていたという。

中部カルバラで連日の市民デモ 米兵発砲、2人死亡 

 ロイター通信によると、イラク中部にあるイスラム教シーア派の聖地カルバラで27日、反米デモの市民が米兵やイラク人警官と衝突。米兵の発砲で市民1人が死亡し、3人が負傷したという。
 26日に、「米兵がモスクに侵入した」と非難するデモがあり、この際、市民1人を米軍が射殺。27日の発砲は、前日の事件に抗議するデモ隊が、米軍に対して投石を始めた直後に起きた。

 7/26 米軍への攻撃がさらに活発化 26日だけで米兵4人死亡、6人負傷

 米中央軍によると、イラクの首都バグダッドの北方バクバで26日午前、小児病院を警備していた米兵が手りゅう弾による攻撃を受け、陸軍第4歩兵師団の兵士3人が死亡、4人が負傷したという。
 バクバはフセイン元大統領の支持者が多い地域とされ、周辺一帯は米兵への襲撃事件が頻発している。

 26日午後、イラク・バグダッドの西の高速道路10号線を走行中の米第3歩兵師団の車列が小火器やロケット式りゅう弾、手製爆弾などで襲われ、1人が死亡、2人がけがした。この襲撃でイラク人3人も負傷した。

 米軍との戦闘で22日に元大統領の長男ウダイ氏と二男クサイ氏が死亡後、24日には北部カッヤラへ向かう途中の米兵が襲撃され3人が死亡するなど、米兵の死者は8人になった。2人の死亡で米軍が沈静化を期待していた米兵への襲撃は逆に活発化している。

 7/26 イラク特措法の成立、韓国・中国は警戒。 アラブ・欧州メディアも批判的

アラブTV、大きく報道
 カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは26日、イラク復興支援特別措置法の成立を約10分間かけて大きく報道、野党は「正当化できない戦争」のために危険地域に部隊を出すことに激しく反対している、などと伝えた。
 ロンドン発行のアラブ紙アルハヤトも、国会のもみ合いの模様の写真を1面に大きく掲げ、論評抜きで報道した。

韓国、平和憲法と専守防衛に基づくことを期待
 韓国外交通商省はイラク復興特別措置法の成立について「自衛隊の海外派遣に対する周辺国の国民の憂慮を勘案し、自衛隊の活動が平和憲法と専守防衛に基づき行われることを期待」という論評を発表。同時に「日本は国連安保理の決議に従いイラク再建支援に参加すると理解した」とし、自衛隊派遣を冷静に見守る姿勢を示した。

中国、日本に「専守防衛政策の順守」を求める
 中国外務省の孔泉報道局長がイラク特措法成立について「日本が専守防衛政策を順守して平和・発展の道を進むことは日本自身の利益に合致し、さらに地域と世界の平和・安定に役立つ」と「専守防衛政策の順守」を日本に求めるコメントを発表。

第2次大戦後初めて、戦闘地域への日本の軍隊派遣 AFP通信
 AFP通信は東京特派員電で「第二次大戦後初めて、戦闘地域への日本の軍隊派遣に道が開かれた」と伝えた。

伊国営テレビが速報 
 イタリア国営テレビRAIは25日(日本時間26日未明)、日本でイラク復興支援特別措置法が成立したことを速報で伝え、復興や治安維持のため情勢不穏なイラクに部隊を派遣する同じ立場の国として関心の高さを示した。
 野党の中道左派連合「オリーブの木」は以前から、国連や北大西洋条約機構(NATO)など国際機関の傘の外での部隊派遣に反対。国民の間でも部隊の中から犠牲者が出るのは必至と懸念する声が高まり始めているという。

英メディアは、「非戦闘地域」への派遣に懐疑的
 しかし、活動範囲が「非戦闘地域」に限られ、自衛以外では発砲しないなどの制約付きの派遣について英各メディアは「不思議の国のアリスのような空論」(フィナンシャル・タイムズ紙)と懐疑的に紹介。タイムズ紙は「小泉内閣にとって最悪のシナリオ」として「日本の部隊が武装集団に出会い、行動をためらっているうちに攻撃されて死傷者が出て、内閣は辞職する」との可能性を指摘した。

 7/26 イラク特措法案、与党が強行成立。 厳しく糾弾する!

これから本当の「イラクへ自衛隊を派兵させない」運動がはじまる!

 イラク特措法が26日未明、参院本会議で与党によって強行成立させられた。これに先立つ25日夜の参院外交防衛委では、野党の審議終了反対にもかかわらず、与党は審議打ち切り動議提出で議場大混乱のなかで強行採決した。
 私たちは、政府・与党のイラク特措法強行成立を断固糾弾する。
 (7/4本コラム参照)
   「イラク特措法」衆院本会議可決に強く抗議する!
         参議院においても廃案をめざして運動を続けていこう!

 
このイラク特措法成立が、自動的にイラクへ自衛隊を派兵することになるのではない。イラク民衆による米軍への抵抗・ゲリラ戦は日増しに激しくなり、自衛隊をどこに派遣するかについても政府・防衛庁は困り果てている。小泉首相は「非戦闘地域へ送る」と言いながら「どこが非戦闘地域か、私が知るわけがない」とふざけた答弁でごまかすしかないほどである。派遣時期についても、総選挙前にはとても出来ない状況である。与党内にも「法的枠組みを通すことと、実際に派遣することは別」という声も出るほど矛盾がでてきている。
 イラクへ自衛隊を派兵させないための運動はまだ始まったばかりである。イラク戦争の実態、イラク民衆の闘いの実態を広く知らせていく活動、そのなかで派兵反対の声を掘り起こして政府にぶつけていく活動などの積み重ねによって、イラクへの自衛隊派兵をやめさせることは可能である。そして、政府がいま準備している「恒久法」のたくらみをも吹き飛ばすことができるのではないだろうか。

 
 
 7/25

イラク法案成立阻止へ 野党が24日、25日と徹底抗戦

野党はイラクへの自衛隊派兵阻止のために徹底抗戦せよ

心ある民は、見ているぞ。

 野党4党は、イラク特措法の廃案をめざして、24日の官房長官、外相、防衛庁長官の問責決議案に引き続いて、25日内閣不信任決議案を提出し、午後衆院本会議で記名方式により採決され、与党3党の反対多数で否決された。その後、首相の問責決議案の提出も予定している。
 与党は不信任案否決を受け、イラク特措法案を25日夜に参院外交防衛委員会で可決したうえで、参院本会議に緊急上程して可決しようとしている。

 野党の抵抗で中断していた参院外交防衛委員会は25日午前、一般質疑を再開した。質疑では、イラクの大量破壊兵器(WMD)の未発見問題について、福田官房長官は「WMDを見つけることは難しい。それに比べれば、フセイン大統領を見つけることはたやすい」と述べ、最後の最後まで国民と国会を馬鹿にした答弁を行った。

 7/24
 7/23

イラクで米兵襲撃が北部に拡大、2日間で5人死亡

 フセイン元大統領の長男ウダイ氏と二男クサイ氏の米軍による殺害が確認されたばかりのイラクで、23、24の2日連続で米兵襲撃事件が起こり、米兵計5人が死亡した。

待ち伏せ攻撃が相次ぎ、米兵2人死亡
 イラク駐留米軍を標的とした待ち伏せ攻撃が相次ぎ、米兵2人が死亡した。
イラク北部のモスル近郊では、米軍の車両2台が地雷を踏み、米兵1人が死亡、7人が負傷。 また、首都バグダッド西方のラマディでは、米軍の車列が襲撃され、米兵1人が死亡、2人が負傷した。

イラク北部で米兵3人が死亡 掃討作戦に参加の師団
 イラク北部で24日、米軍の第101空挺(くうてい)師団に属する兵士がライフル銃や手りゅう弾による攻撃を受け、米兵3人が死亡した。詳しい発生場所などは不明。同師団は22日、北部モスルの民家で、フセイン元大統領の息子2人を殺害した掃討作戦に参加した。

 7/23

小泉首相「分かるわけがない」、非戦闘地域の地名問われ居直る

こんな無責任発言を連発する「傲慢コイズミ」を許すわけにはいかない!

 小泉純一郎首相は23日午後の党首討論で、イラク特措法案が自衛隊の派遣先として規定している「非戦闘地域」の具体的な地名について、「わたしに聞かれたって分かるわけがない」とまるで他人事のように居直った。

 民主党の菅直人代表は「イラクにいる米軍司令官が『組織的なゲリラ戦が行われている』と言っている」と指摘。「非戦闘地域がどこなのか、1カ所でも言えるのか」と首相に迫った。これに対し、首相は「民間人でも政府職員でもイラク国内で活動しているグループはあり、非戦闘地域は存在している」と強弁したが、具体名を挙げることはできなかった。
 さらに菅氏は、首相がイラク戦争支持の根拠とした大量破壊兵器が発見されていないことを取り上げ、「疑惑を誇張して大量破壊兵器があると言い切った。情報操作ではないか」と追及した。しかし、首相は「イラクには大量破壊兵器があると今でも思っている」と根拠もなしに強弁した。

 7/22 イラク特措法案、24日参院委員会・25日本会議採決へ 民主党、廃案めざす方針

野党は、与党の「解散」脅しに屈せず、あくまで廃案をめざして頑張れ!

 参院外交防衛委は22日午後の理事懇談会で、イラク特措法案を24日に採決することを委員長職権で強引に決めた。与党3党は同委員会で可決し、25日の参院本会議で成立を目指す方針。これに対し、野党4党は廃案に追い込む方針で一致。委員会での採決前に、内閣不信任決議案や閣僚の問責決議案などを提出して成立を阻止する構えを見せている。

 民主党は22日午前の役員会で、イラク特措法案を廃案に追い込む方針を正式に決めた。成立を阻止するため、参院での採決前に内閣不信任決議案を提出することを確認した。
 イラク特措法案をめぐっては、与党が22日朝の参院外交防衛委員会の理事会で同日中の締めくくり総括質疑と採決を行う日程を提案したが、野党は拒否した。

 7/22

5月以来の米兵死者数は正式発表の3倍−−メディアは低めに伝えている

 ブッシュ米大統領が事実上の戦闘終結を宣言した5月1日以降の米軍死者は、22日現在で39人となったとメディアは伝えている。しかし、米軍の正式記録では、5月1日以来イラクで死亡した米兵は戦闘以外での死亡者を含めると94名だという。銃撃による死亡者以外に車両事故での死亡、手榴弾攻撃での死亡、手榴弾の暴発での死亡、ヘリコプター墜落による死亡、味方の銃弾による死亡、溺死など。自殺と思われる死者もいる。戦死者と何ら変わりなく、メディアは米軍死者数を意図的に少なく報じている。
 (参考)イラク同盟軍死亡者統計(英語)というウェブサイトではイラクで死亡したすべての米同盟軍側兵士の数を追跡している。

バグダッド近郊で米軍車列にロケット弾、米兵1人死亡
 イラクの首都バグダッド近郊で22日午前、米軍の車列がロケット弾などで攻撃され、兵士1人が死亡、1人が負傷した。 米軍の声明によると、車列はラマディとバラドを結ぶ道路を走行中に攻撃を受けた。現場は、バグダッドから北方と西方までを囲んだ、いわゆる「スンニ・トライアングル」の中央に位置。 スンニ派イスラム教徒が多く住むこの地域では、米軍部隊を狙った攻撃が多発している。

 7/22 イラク大量破壊兵器情報、豪国民の67%が「政府のミスリード」

 オーストラリア政府がイラク戦争参戦前に示したイラクの大量破壊兵器(WMD)に関する情報について、3人のうち2人は「国民を誤った理解に導いた」と受けとめている──豪の全国紙オーストラリアンは22日、民間調査会社による世論調査結果を報じたという。

 調査は18日から20日にかけ、全豪の1200人を対象に行われた。計67%が「政府によるミスリード」と回答。特に36%は「意図的なミスリード」と強い不信を示した。与党の保守連合支持者の間でも、半数が「ミスリード」と答えている。
 豪政府は、米英に追随する形でイラクのWMD開発の可能性を強調、対イラク参戦の最大理由にしてきた。戦後、その裏付けとされた情報に疑問が出ているが、ハワード豪首相は20日のテレビのインタビューで「私の見解は変わっていない」と居直っている。

 7/21 イラクへの自衛隊派遣反対が55% 朝日新聞世論調査

 朝日新聞社が20、21の両日実施した全国世論調査(電話)によると、イラクへの自衛隊派遣について、反対が55%で、賛成の33%を大きく上回ったという。賛成46%、反対43%とほぼ二分された前回の6月調査に比べ、反対が急増している。テロ対策特別措置法改正による自衛隊艦船の派遣の延長についても、反対が半数を超えた。

 自衛隊のイラク派遣の反対理由では「まだ危険だから」が最多の25%で、前回(16%)より増えた。賛成理由では、前回29%の「国際貢献になるから」が17%に減っている。
 「戦争の正当性」に対する見方も厳しさを増している。米国が大量破壊兵器の開発・保有をイラク攻撃の根拠にしたことに関し、60%の人が正当な理由があったとは「思わない」と答え、前回(57%)より増えた。
 インド洋への自衛隊派遣の延長については反対が55%で、賛成の32%を上回った。

 7/21 米軍への攻撃は激化の一途

車両攻撃で米兵と通訳の2人死亡 バグダッド北部
 米中央軍は、バグダッド北部のスライフ地区で21日、走行中の米軍車両1両が爆発物による攻撃を受け、米陸軍第1機甲師団の兵士とイラク人通訳の計2人が死亡し、米兵3人がけがをしたと発表した。AFP通信などによると、ロケット砲か手投げ弾で攻撃を受けた可能性が高いとみられる。

米軍車両に砲撃、米兵2人死亡 イラク北部
 イラク北部モスル西方にあるタルアファールで20日早朝、米軍車両がロケット砲や小銃などによる攻撃を受け、米兵2人が死亡、1人が負傷した。米軍が同日発表した。
 これまでの米軍に対する攻撃は、首都バグダッドのほかは、イスラム教スンニ派信者やバース党支持者の多い西部のラマディ、ファルージャなどに集中していた。この日攻撃のあったモスル一帯は、キリスト教徒やクルド人が多く、これまで米軍にとっては比較的安全な地域と見られていたという。

 7/21
いつでも、どこへでも自衛隊を海外派遣できる恒久法の骨格固まる

まずイラク派兵を阻止することによって、「恒久法」のたくらみを吹き飛ばそう

 日経新聞報道によると、政府が検討している自衛隊の海外派遣のための恒久法の骨格が21日、明らかになったという。
 自衛隊を派遣するごとに原則として国会の事前承認を義務づける。現行法では自衛官の武器使用権限は正当防衛などに限られているが、任務の遂行を妨害する人への威嚇射撃ができるように拡大する。現地の停戦合意を必要としないで派遣できるようにする。そのほか、文民の警察官や民間専門家の派遣も盛り込むという。
 年内にも基本方針を定めた「大綱」を策定し、早ければ2004年に国会提出する。

 7/20 米メディア、ブッシュ政権批判を強める 情報操作疑惑で
     英国では「ブレア政権を信頼できぬ」7割近く 英紙世論調査

バクダッド陥落3ヶ月、世界はブッシュ・ブレア糾弾へ流れを変えた

 イラクの大量破壊兵器(WMD)を巡る情報操作疑惑で、米メディアがブッシュ政権批判をさらに強めている。根拠のないことが露呈した「アフリカからのウラン輸入疑惑」のほかに、確かな情報源がないのに「ある」としたことなど、疑惑の指摘が広がりを見せている。

 ブッシュ政権は戦争直前まで、「(イラクの)人々が命がけで情報提供している」(ウォルフォウィッツ国防副長官)、「信頼できる情報源がある」(テネットCIA=米中央情報局=長官)など、WMDの脅威を強調していた。しかし、20日付のニューヨーク・タイムズ紙は「国連査察団がイラクを去った98年以降、WMD情報がなくなったことをブッシュ政権の高官や情報当局者は知っていた」と報じた。国防総省関係者は同紙に対し「査察団の退去はGPS(全地球測位システム)を失うようなもので、我々は推測に頼らざるを得なくなった」と証言。
 20日付のワシントン・ポスト紙は、ブッシュ大統領が昨年9月、「イラクは生物・化学兵器を45分で発射できる」とラジオ演説などで指摘した際、CIAが演説内容を事前に点検していなかったと暴露した。

 一方英国では、ブレア政権への支持が急落している。21日付の英紙デーリー・テレグラフは、イラクの大量破壊兵器疑惑をめぐって科学者の遺体が見つかった事件の世論調査で、ブレア政権が「正直でなく信頼もできない」という意見が70%近くに達するなど、政府要人への信頼が軒並み低下していることが分った。そして「ブレア英首相は辞任すべきだ」という意見が39%に達し、「留任すべきだ」の41%にほぼ並び、情報操作疑惑のカギを握る官邸のキャンベル報道・戦略局長については65%が「辞任すべきだ」と答えたという。

 7/20 イラク特措法案、与党強行採決の構え 22日委員会・23日参院本会議で

自衛隊派遣に反対し、廃案を要求する市民らデモ 東京・渋谷

 イラク特措法案について、与党は「22日の参院外交防衛委員会の採決、23日の参院本会議での成立」を強行しようとしている。
 この緊迫した状況のなかで、20日午後、「ワールド・ピース・ナウ」が主催して「WORLD PEACE NOW 7.20 ピースパレード《わたしたちは自衛隊をイラクに行かせません》〜 イラク派兵法に反対します 〜」が東京・渋谷で開催され、イラクへの自衛隊派遣に反対する市民ら約600人が参加した。デモでは、「もう戦争はいらない」「イラク派兵法に反対」と書いたプラカードを掲げ、自衛隊ではなく民間人による医療・教育支援の必要性などを訴えた。

 主催の「ワールド・ピース・ナウ」は「◎米英軍はイラクから撤退すべきです。 ◎自衛隊ではなく文民による医療・食糧・教育・インフラ回復の支援を! ◎日本政府は米・英占領軍に加担すべきではありません ◎イラクはイラク人の手に!」と訴えている。

 7/19 追い詰められたブレア首相、「正当性」を小泉首相とも確認

ブッシュ・ブレアへの国際的追及を、小泉「戦争支持」責任追及へ

 小泉首相と来日中のブレア英首相は19日夕、神奈川県箱根町のホテルで約2時間会談した。両首脳は、焦点となっているイラク戦争の正当性について、大量破壊破壊兵器で追及されている問題からは逃げ、国連決議による「正当性」を主張した。また、大量破壊兵器をめぐる脅威でっち上げ疑惑に関連したとされる英科学者が遺体で発見された問題について、記者会見では英記者の質問が集中したが、ブレア首相は「十分調査する」などと答えるのみであった。
 ブッシュ大統領との会談に続いて、小泉首相との会談でも「イラク戦争の正当性」を確認し合うことで
ブレア首相は国内での窮地を切りぬけようとしている。しかし、英国内での疑惑追及はそれほど甘いものではないであろう。

 ところで小泉首相だけが、自分はまるで関係ないかのように振舞っている。そして野党と国民がいまだにそのことを許している。ブッシュ・ブレアにたいする国際的な追及を追い風に、小泉首相の戦争支持責任を追及していくのは、日本の反戦運動の役割であろう。

 7/18

英のイラク脅威でっち上げ疑惑で、ついに英科学者が犠牲に

ブッシュに尻尾をふって従ってきた「ドック・ブレア」、いよいよ窮地に

 英政府がイラクの大量破壊兵器の脅威をでっち上げた疑惑をめぐって、フーン国防相からBBCの「情報源」と名指された科学者の遺体が18日、発見された。報道では自殺によるものという。でっち上げ疑惑逃れの英政府の圧力が科学者を死に追いやったことになり、ブレア政権はいよいよ窮地に陥ったといえる。

 亡くなったのは、国防省顧問の微生物学者で国連査察の経験もあるデービッド・ケリー博士(59)。17日午後、オックスフォード近くのアビンドンにある自宅から散歩に出たまま行方不明になった。18日朝、2キロ離れた場所で遺体が見つかった。
 今年5月、BBCのギリガン記者は、「英政府はイラクの脅威を誇張するため、イラクが45分以内に大量破壊兵器を実戦配備できるという情報を報告書に盛り込ませた」と報じた。政府はこの報道を否定してBBCに謝罪を要求。BBCが断ったため、全面対立の様相を強めていた。
 フーン国防相は今月9日、ケリー博士がギリガン記者の「情報源」だと名指しし、BBCへの圧力を強めた。国防省は、ケリー博士をスケープゴートにしてBBCを守勢に追い込み、この問題の決着を図ろうとした、との観測が出ていた。

 7/17 情報操作疑惑を必死に打ち消し、自らを正当化 米英両首脳が会談

イラク戦争の泥沼化、大量破壊兵器情報操作疑惑で、
       ブッシュ・ブレア両政権は窮地に立たされている


 ブレア英首相は17日、米国を訪問し、ブッシュ大統領と会談した。イラク戦争の大義とされた大量破壊兵器(WMD)開発の脅威をめぐる情報について、ブレア氏は共同記者会見で「真正な情報と信じている」と強弁し、ブッシュ氏も「説得力のある論拠を持っていた」と自己弁護して、イラク戦争の正当性を強調した。

 バクダッド陥落から3カ月。「米英の圧倒的勝利」は音を立てて崩れ始めている。占領統治のデタラメと日々高まる民衆の不満・抵抗・攻撃。毎日のように伝えられる米軍兵士の死。兵士のなかに急速に広まっている厭戦気分、不満、そして戦争そのものへの疑問・批判。兵士家族の疑問・批判。戦争の最大の口実であった大量破壊兵器保有の未発見。つぎつぎと暴露されるブッシュ政権のでっち上げ。CIA長官をトカゲの尻尾切りにしても逃げきれなくなった米国内の追及。深まるブレア政権の窮地と下がり続ける支持率。再び始まった国際的孤立。等など。
 世界をだまし、国際法に背き、イラク国土を破壊し、イラク民衆を虐殺した軍事冒険主義は、いよいよ罰を受ける段階に入った。ブッシュ・ブレア両政権はいま窮地に立たされている。1000万人を超えるデモを組織した世界の反戦運動は、残念ながら戦争を止めることはできなかったが、イラク民衆の英雄的な闘いと連帯して、ブッシュ・ブレア両政権に戦争責任をとらせるための闘いを徹底させていくに違いない。

 
 7/17

イラク戦後、子供1000人以上がクラスター爆弾などで死傷

米英軍の爆撃は、いまでもイラクの子供たちを殺し続けている

 朝日新聞報道によると、国連児童基金(ユニセフ)は17日、イラク戦争で米英軍が投下したクラスター爆弾の不発弾や、イラク軍が公共施設や住宅地に隠した数千トンの備蓄弾薬などにより、戦後に1000人以上の子供が死傷したと発表した。

 ユニセフのイラク事務所によると、クラスター爆弾が地上に残した光る金属やボール状の不発弾などを子供たちが拾って遊んでおり、「自然な好奇心が犠牲を増やしている」という。
 また、子供たちは備蓄弾薬庫から貴金属類をあさって売ったりしている。2週間前には、バグダッドの北東260キロの弾薬庫をあさっていた少なくとも30人が死亡したとの報道もあるという。
 イラク北部の都市キルクークでは、4月後半だけで133人の子供が死傷した。モスルでも、1日当たり20件の事故が報告されている。

 さらには劣化ウラン爆弾の放射能被害は今後何年か経過して現われてくるであろう。湾岸戦争時の被害に加えて、これから長い期間、子供たちを殺し苦しめていくことになろう。
 米英は、これらの被害すべて対して、全責任を追わなければならない。

 7/17

「ホワイトハウスが演説に盛り込むことに固執した」 CIA長官

「ウラン購入計画」情報操作で、ブッシュ政権ますます窮地に

 イラクのウラン購入計画という疑わしい情報が大統領演説に盛り込まれた問題で、米中央情報局(CIA)のテネット長官が上院情報特別委員会の聴取(非公開)に対して、「ホワイトハウスの担当者が問題の一節を演説に盛り込むことに固執した」と名指しで指摘したことが分かった。17日、民主党のダービン上院議員が明らかにしたという。ブッシュ政権は、この問題でもますます窮地に陥ってきた。

 ブッシュ政権は、この問題についてCIAに責任を負わせて決着させようとしてきたが、長官がホワイトハウスの圧力を認めたとすれば、同政権はさらに苦しい立場に立たされることになる。
 同議員は、4時間半に及んだ16日の長官の聴取に委員会メンバーとして出席した。同議員は「長官はホワイトハウスの誰が問題の一節を演説に盛り込むのに熱心だったのかを説明した」とABCテレビの番組で述べた。長官は実名を挙げた模様だが、同議員は人物の特定は避けた。ロイター通信によると、国家安全保障会議(NSC)のロバート・ジョセフ不拡散戦略上級部長だという。

 7/16

国際空港で米輸送機へ地対空ミサイル、日本政府に衝撃

いまのイラクに非戦闘地域などない  自衛隊のイラク派兵をやめよ!

 バグダッド郊外の旧サダム国際空港で16日、着陸しようとした米軍のC130輸送機が地対空ミサイルによって、命中はしなかったが攻撃されたという報道は、すでにC130輸送機をアンマンに派遣し、同国際空港周辺への派兵を想定していた日本政府・防衛庁に衝撃を与えている。

 「イラク南部が安全」と派遣先に想定していた防衛庁が、南部バスラ付近で英兵6人が殺された事件を受けて、バクダッド空港をにわかに派遣先に挙げた。今回のミサイル発射で、防衛庁では「やはり安全なのは南部」との声が出るなど、混迷を深めているという。

 米側のニーズは米軍が現に厳しい任務についている場所での後方支援にあり、今回米側から自衛隊の派遣先候補地としてバラド近郊を打診してきたという。この地では米軍が掃討作戦を重点的に展開し、米軍への攻撃が頻発している。福田官房長官は「自衛隊が行けるかどうか、今の状況では難しい」と認めざるをえない場所。

 7/16

米中央軍新司令官、米兵内の国防長官ら批判に警告

イラク駐留米兵内に、政府への批判・不満・疑問が急速に広まっている

 「制服を着たものが国防長官や大統領をおとしめるようなことを自由にいうことがあってはならない」――イラクを管轄する米中央軍のアビゼイド新司令官は16日、米国防総省での記者会見で、駐留米兵の一部がラムズフェルド国防長官らを批判する言動をしたことを強く戒めた。
 陸軍第3歩兵師団の兵士が米テレビの取材に、「ラムズフェルド長官がここにいたら、辞任を求めるだろう」、「人々を助けたいと思っていたが、もうどうでもいい」などと発言したことについて、「軍人の職業規範に反する」と批判したという。中央軍新司令官があえてテレビの取材に対して、米兵へラムズフェルト批判をきつく戒める発言をしなければならなかったほど、米兵の中にイラク駐留への不満、さらにブッシュ=ラムズフェルトへの批判が強まりつつあるを示している。

 米軍へのゲリラ的な攻撃が激化するなか、任務の長期化に兵士や残された家族の不満が高まっている。歓迎されない占領地の暑熱の中であせりと怒りをつのらせている。精神異常が発生しているという。
 また、イラク人が苦しんでいるのに米軍が何もしていないことへの疑問も高まっている。「かかって来い」というブッシュ大統領の言葉は、駐留軍兵士にショックを与えた。「自国の大統領ともあろうものが、ぼくらをわざわざ攻撃にさらすような発言を したことに、ぼくを含めて部隊は一人残らず深く心を傷つけられました。あんな無責任な言葉を吐いたために、ブッシュ大統領はぼくが話しかけたどの兵士からも敬意を失ってしまいました。あの言葉は燎原の火のように全部隊に広がりました。」

 7/16

米政権皮肉った反戦トランプが米国で人気 大統領は「独裁者」

 朝日新聞報道によると、米カリフォルニア州の予備校教師が反戦トランプを考案して市販し、人気を呼んでいるという。スペードのエース−−ブッシュ米大統領の写真の下に「世界の独裁者」と見出し、等など。

 イラクのフセイン元大統領をスペードのエースにして米軍が作ったトランプに対抗した。トランプの名は「マル秘作戦」。裏は国防長官のラムズフェルド氏が過去にフセイン氏と握手した時の写真。クラブのジャックは同国防長官で、見出しは「自由のだらしなさ」。「イラク戦争の1日」と書いたダイヤの6には「1日で11億ドルが使われた」との説明も。
 考案したのは同州サンノゼの社会科教師キャシー・イーダーさん(42)。イラク戦争関係者の発言を新聞から拾い、デザイナーを雇って制作したという。
 インターネットで発売すると、過去3週間に3千組が売れた。イーダーさんはあわてて5千組の印刷を発注した。地元の書店では、「ハリー・ポッターと肩を並べるくらい」の1100組が売れたという。
 とはいえ店に置くのを断る書店もあり、イーダーさんは脅迫すら受けた。それでも「この戦争に私の税金が使われた。何かする義務が私にはある」と意気軒高とのこと。

 大量破壊兵器が発見されないこと、「イラクのウラン購入計画」情報操作疑惑などで、アメリカ国内においてブッシュを批判する声が高まっている。各地での創意工夫をこらした批判の運動とそのやり方に注目していこう。

 7/15 米財政赤字が4550億ドル、過去最大。 イラク戦争の戦費総額480億ドルに

ブッシュ政権は国家財政を食いものにし、軍産複合体、石油独占体に貢いでいる

 米政府は15日、03会計年度(02年10月〜03年9月)の財政赤字が約4550億ドル(約53兆円)に達するとの予測を発表した。2月時点の予測の3040億ドルを、約5割も上回る急増で、過去最大。イラク戦争の戦費などで歳出が膨れあがる一方、景気の停滞や大型減税が始まったことによる税収減が響いた。
 米財政は01年度まで4年連続で黒字だったが、02年度に約1580億ドルの赤字に転落した。03年度は赤字が一気に3倍近くに膨れあがる。04年会計年度の予想は4750億ドルの赤字で、来年、財政事情は一段と悪化する見通しだ。

 米国防総省当局者は15日、イラク戦争の準備から戦闘段階を経て今までに要した軍事的費用の総額が480億ドル(約5兆6640億円)に上ると明らかにした。
 同省の会計担当次官の概算に基づくものだといい、3月20日から5月1日までの大規模戦闘段階に投入した戦費は約50億ドル。イラク周辺への兵員、装備の移動や関係施設の設営、整備など開戦前の準備に約300億ドルかかった。
 ゲリラ攻撃に苦しみ15万人近い占領軍を減らせずにいる現状では、1カ月当たり39億〜40億ドルを消費しており、9月末までの今会計年度中のイラク戦争関連軍事費の総額は580億ドル(約6兆8440億円)に達する見通し。

 7/16 米軍司令官が「古典的なゲリラ作戦が展開されている」 米軍死者数は湾岸戦争超す

米ブッシュ政権は、あの悲惨な「ベトナム戦争」を再現しようとしている
     小泉政権は、その米国と運命を共にするつもりか


 今月に入ってフランクス司令官の後を継いだアビザイド米中東軍司令官は16日、イラクの戦闘状況について、地域ごとに組織化された「古典的なゲリラ型の作戦」であると明言し、「ゲリラ戦」が展開されているとの認識を示した。
 ラムズフェルド米国防長官は6月末の時点で、米軍への襲撃は散発的であり組織化されていないと指摘し、「ゲリラ戦」という表現を用いるのを拒んでいた。事態が深刻であることを米軍が自ら認めたものであり、アビザイド司令官はこれに合わせた戦術転換が必要だとの判断を示したもの。

 イラクではブッシュ米大統領が大規模戦闘の終結を宣言した5月1日の後も米軍への攻撃が続き、連日のように死傷者が発生しているが、ロイター通信によると、開戦以来の米兵の戦死は16日までに、91年の湾岸戦争と同じ147人に達したという。

 7/15 イラクへの仏軍派遣「考えられない」 シラク大統領

 フランスのシラク大統領は15日、イラクへの仏軍派遣について「現在の枠組みでは考えられない」と語った。パリを訪問したチェコのクラウス大統領との会談で言及した。フランスは、国連安保理の決議なしに行われたイラク戦争を合法的とは認めておらず、戦後の治安維持活動への参加にも国連の枠組みが必要だとしている。
 ドビルパン外相は、10日付仏フィガロ紙との会見で、「イラクの体制移行は国連の責任で行われるのが適当だと考える。それが効果的に行われるための条件でもある。したがって、派兵は国連安保理の決議に基づかなければならない」と指摘している。

 現在米は、イラクの戦後統治と復興に関して、インド等のように米への協力を拒否する国が出ているため、いまより国連の役割を強めた「新たな国連安保理決議」について、すでにアナン国連事務総長などと協議を始めているという。フランスはこれに妥協する可能性はありうる。仏政府に米への批判的態度を貫かせるのは、フランスの反戦平和運動の力であろう。

 7/16

「みどりの日」を「昭和の日」にする法案を衆院内閣委可決。社民・共産反対、民主賛成

「昭和」前半は、天皇の名の下にアジア諸国に侵略していった「血塗られた時代」
      それを「昭和の日」としてたたえる祝日法案に反対する


 4月29日の「みどりの日」を「昭和の日」に改称し、5月4日の「国民の休日」を「みどりの日」にする祝日法改正案は16日午前、衆院内閣委員会で与党3党と民主、自由両党の賛成多数で可決された。共産、社民両党は反対した。17日に衆院を通過する見込みだが、審議日程が窮屈になっていることから、参院で継続審議となる見通し。同改正案は00年に提案されたが、当時の森喜朗首相の「神の国」発言などの影響で廃案となったもの。

 昭和天皇の誕生日である4月29日を、国民の休日「昭和の日」とすることは、昭和天皇をたたえ、昭和の時代をたたえることを意味する。しかし、「昭和の時代」前半は、天皇の名の下に日本が朝鮮・中国をはじめアジア諸国に軍事侵略していった「血塗られた時代」ではなかったのか。この昭和の時代をたたえるということは、過去の侵略戦争を肯定することを意味するのではないか。われわれはこの法案に絶対反対である。

 この法案に与党3党、自由党だけでなく、民主党まで賛成していることを憂慮する。今回賛成する理由について、菅代表は15日の記者会見で「皇室を尊敬していくという我が党の基本的な姿勢と矛盾があるとみられないように、という政治的配慮からの判断だ」というわけのわからない説明を行なった。

 7/15 政府、「武器使用可能」をエスカレーション。 米軍の宿営地警備も可能と表明

自衛隊はイラクへ戦闘しに行くつもりだ
     米侵略軍を支援し、イラク民衆に銃口を向ける自衛隊イラク派兵を許すな!


 イラク復興特別措置法案の参院審議で、政府は、自衛隊の武器使用を積極的に肯定する答弁を乱発している。石破茂防衛庁長官は15日の参院外交防衛委員会で、不測の事態での武器使用は「正当行為だ」と繰り返した。また、他国軍の宿営地の警備について、自衛隊の宿営地と同一地域にあれば可能との見解を示し、米軍宿営地への攻撃に対して警備する可能性を表明した。

 石破長官は、自衛隊が発足以来、領空侵犯機や不審船への警告射撃は行ったことがあるが、危害射撃の経験はないこのことを強調し、危険に直面した自衛官が「逡巡(しゅんじゅん)なく遅滞なく適切に武器の使用ができる」よう、さまざまなケースを想定した部隊行動基準(ROE)を整備する考えを示した。それに従って人を殺傷しても「正当行為」として罪には問われない。自衛官がイラクで人を殺傷する場合もあるという認識が「正当行為」答弁の連発につながっている。

 また、政府は15日の閣議で、イラク特措法案に基づきイラク国内で活動する自衛隊の武器使用基準などに関し、具体的なケースについての見解をまとめた答弁書を決めた。見解は、これまで武器使用が可能かどうか明確でなかった〈1〉第三者に誘拐された自衛隊員の救出のため〈2〉業務を妨害する行為を排除するため〈3〉他国軍と共同活動中に戦闘が起きて、他国軍を守るため――などのケースについて、一定の要件を満たす場合は、武器使用が可能としている。
 ただ、日本などのNGO関係者が誘拐された場合については、「自衛隊の部隊救出活動を行うことは予定されていない」とした。

 さらに政府は、イラク特措法案に基づく自衛隊の活動のうち、他国軍の宿営地の警備について、自衛隊の宿営地と同一地域にあれば可能との見解を答弁書で示した。イラク特措法案には、自衛隊の活動として他国軍の宿営地の警備は盛り込まれていない。答弁書は、「自衛隊の部隊の宿営地と他国軍の宿営地とが同一の区域に設置され、警備が不可分であるケースもあり得ないわけではない」としたうえで、その際は「他国軍の宿営地の警備を行うことも排除されない」とした。 これは攻撃を受ける可能性の高い米軍宿営地の警備も考えていることを示す。

 7/14 米軍への攻撃続く

米英軍本部近くで自動車爆発 バグダッド中心部
 
 バグダッド中心部にある米英軍本部やイラク統治評議会の置かれたビル近くで14日午後、自動車が爆発した。軍当局が爆発の原因を調べているが、負傷者はいない模様。ロイター通信によると、車には外交官用のナンバーがつけられていたという。

ロケット弾で米兵7人死傷 バグダッド中心部
 米中東軍司令部は14日、バグダッド中心部のマンスール地区で同日午前6時ごろ、移動中の米陸軍第3歩兵師団の車列がロケット弾などの待ち伏せ攻撃を受け、米兵1人が死亡、6人が負傷したと発表した。

バグダッドの警察署付近で爆発 2人死傷
 バグダッド市内西部の警察署付近で13日午後、大きな爆発があった。ロイター通信が現地の米軍の話として伝えたところでは、イラク人1人が死亡し、1人が負傷した模様だ。

米兵襲撃、2人死亡

 10日午前0時過ぎにはバグダッド西方ファルージャで、パトロール中の米兵や米軍の拠点に対してロケット砲などによる攻撃があったと、AFP通信が伝えた。
 9日夜、米軍に対する襲撃が再び相次ぎ、少なくとも米兵2人が死亡。1人が負傷した。米軍を狙い撃ちする動きは、地方都市にも広がっている。米軍によると、バグダッド南方のマフムディアで午後6時半ごろ、米軍に対して小火器による攻撃があり、米兵1人が死亡した。死者は2人との情報もある。フセイン元大統領の出身地ティクリートでは午後10時半ごろ、米軍トラックに向けてロケット弾が発射され、米兵1人が死亡、1人が負傷した。

 7/13
 7/14
自民の江藤氏発言に、韓国政府・中国政府が厳しく批判

 自民党江藤・亀井派の江藤会長が12日、福井市内で開かれた党支部定期大会で講演し、日中、日韓の過去の歴史問題について、「南京大虐殺(の犠牲者)が30万人などというのは、あれはでっちあげのうそっぱち」と語り、さらに1910年の日韓併合について、当時は国際連盟の発足前にもかかわらず「両国が調印して国連が無条件で承認したものが、90年たったらどうして植民地支配になるのか」と語ったことについて13日、韓国政府と中国政府は厳しく批判した。
 さらに、江藤氏は、不法滞在の外国人について、「どろぼうやら、人殺しやらばかりしているやつらで、いっぱい日本にはいる」と暴言を吐いている。これらの発言は、会場に報道機関の記者がいることを知った上で続けたもの。

 韓国外交通商省は13日、江藤発言に対して、「与党、自民党の責任ある政治家が誤った歴史観をもとに時代逆行的な発言を繰り返し、いつも問題となることに深く失望し、嘆きを禁じ得ない」とする論評を発表した。外交通商省の論評は「過去への正しい歴史認識なしには真の韓日関係発展が難しいという点を、もう一度強調したい」とした。
 一方、韓国主要紙も14日付で「江藤元総務庁長官がまた妄言」などと報道。有力紙、東亜日報は江藤氏の発言を引用する形で「韓国人不法滞在者は強盗、韓日併合は植民地支配ではない」との見出しをとり、「植民地支配を正当化し、日本にいる韓国や中国出身の不法滞在者を露骨に見下した妄言」などと伝えた。

 また、中国外務省の孔泉(コン・チュワン)報道局長は13日、自民党江藤・亀井派の江藤隆美会長が南京大虐殺を否定する発言をしたことについて「南京大虐殺は、日本の軍国主義が中国への侵略戦争中に犯した残虐な罪悪であり、動かぬ証拠がある。国際社会でも早くから定説となっている。歴史の事実を歪曲(わいきょく)したり否定したりするいかなるたくらみも、その目的を達成することはできない」と批判するコメントを発表した。国営通信・新華社も同日、日本国内の報道を引用する形で江藤氏の発言を伝えた。

 7/13

イラクで「統治評議会」が発足。ブレマー行政官に評議会決定却下の権限あり

「イラク人による統治」と無縁。米英軍による占領のイメージを薄めるため

 米軍政下に置かれているイラクで、立法・行政権限を持つという「統治評議会」が13日に発足、初会合を開く。イラク人政治勢力と米英暫定占領当局(CPA)との協議終了後に発表。

 米軍主導の連合軍暫定当局(CPA)によると、統治評議会に立法権など幅広い権限を認めたということだが、米軍が全メンバーを任命し、そのうち親米の亡命組が半分を占めていること、CPAのブレマー行政官は同評議会の決定を却下する権限を持っていることなど、「イラク人による統治」とは無縁であり、米占領に何ら変わりはない。米軍に対するイラク国民の不満を和らげるため、イラク人による統治機構を早期に発足させ、自らの「占領軍」との印象を薄めようとするもの。

 「外国で豊かな生活をしていた連中が発言力を高めるのは、勘弁してほしいね」「米国の意向に沿うような人しか選ばれなかったのだから」「ブレマー代表は、イラク人の多くが評議会をブレマーの操り人形にすぎないと分っている---」などの声があがっているという。

 7/13

インドはイラクへ派兵せず 米要請を拒否

イラク民衆の願いに反し、派遣兵士の危険を無視し、
      国民の反対を押し切って、米に追随する小泉政権

 インドの有力英字紙ヒンズーは13日、インド政府が米国から要請されていたイラクへの派兵を行わないと決定したと報じた。14日の内閣安全保障委員会で正式に決定する。

 インド政府は米国の要請に基づき、イラクでの治安維持活動のための派兵を検討。(1)インド兵士が攻撃の対象になる危険性(2)イラクの将来について明確な見通しがない(3)推定で年間約1億3000万ルピー(約3億3000万円)の派兵費用の負担―などを考慮。与党のインド人民党(BJP)を含む各政党や世論に反対の声が強く、国内の合意が得られていないと判断した。決定が対米関係に悪影響を与える可能性も織り込み済みという。
 イラク派兵問題の浮上後、インドでは街頭や新聞紙上などで相次いで反対のキャンペーンが行われた。有力週刊誌の最近の調査では、国民の約70%が派兵に反対。理由として、イラク戦争が国連決議を経ずに行われたことや、インド兵士への危険などが指摘された。

 国民の反対、派遣兵士の危険、イラクの将来に見通しなし、で米の要求を断るインド。国民の反対があっても、危険は承知の上で、イラク国民の願いに反して米軍事占領を支援する小泉政権。イラク特措法、最後まであきらめずに、その問題点、危険性、平和憲法を踏みにじるもの、という訴えをしていこう。

 7/13

米軍とイラク人警官との間でも対立が激化

バグダッド北部で警察官と米兵が銃撃戦 警官側に複数の死者
 アラブ首長国連邦の衛星テレビ、アルアラビーヤによると13日、バグダッド北部でイラク警察官と米兵が銃撃戦となり、警官側に複数の死者が出た。死者数は明らかになっていない。イラクでは連日のように米部隊への襲撃事件が起きているが、米兵と警官の銃撃戦は異例。現場は米軍が設けたとみられる検問所で、双方が車の中から撃ち合った。

ファルージャでは、イラク人警官の要求で米軍が治安権限を移譲
 イラク駐留の米軍当局は12日、首都バグダッドの西方約50キロにある同国中部の町ファルージャの治安維持をイラク人警官に任せると発表した。米軍が治安維持の役割を地元のイラク警察に移譲するのはイラク戦争後初めて。
 ファルージャ周辺では米軍襲撃が頻発しており、ファルージャ西方約40キロのラマディでは5日、米軍政当局による訓練を受けたばかりのイラク人警官7人が襲撃され死亡する事件が発生。同様の事件に巻き込まれるのを恐れたイラク人警官らが米軍に警察署内から立ち退くよう要求、11日から一部で米兵らが立ち退いていた。

 7/12

「イラクのウラン購入計画」情報操作疑惑で、ブッシュ政権窮地に

 「イラクのウラン購入計画」という誤った情報が1月の一般教書演説に盛り込まれた問題で、ブッシュ政権の説明と矛盾する事実が相次いで明らかになっている。ホワイトハウスが昨年秋の時点で同計画の怪しさに気付いていたことを示す新事実も表面化。ブッシュ政権に対する追及は強まる一方で、CIA長官の自責声明では逃げきれない事態となってきた。

 12日付のワシントン・ポスト紙とニューヨーク・タイムズ紙の報道は、昨年10月の時点でCIAから事前に指摘を受けて、「ウラン購入計画」への言及が見合わせられたことを報じたもので、「誤りを知ったのは1月の一般教書演説の後」というホワイトハウスの釈明に強い疑問を投げかけるもの。
 「ウラン購入計画」に関する米主要メディアの報道では、CIAが英政府に「計画には疑いがある」と昨年9月の時点で指摘していたことや、国務省情報調査局が同計画の存在を疑問視していたことも次々に明らかになっている。
 ホワイトハウスは今月8日、「ウラン購入計画」を示す文書が偽造だったことを認め、これをきっかけに、「ブッシュ政権は同計画が怪しいことを知りつつ、イラクの脅威を国民に印象づけるために演説に盛り込んだのでは」という情報操作疑惑が浮上していた。
 ブッシュ政権や与党共和党は、テネットCIA長官が11日、「すべては私の責任だ」という声明を出したことで今回の情報操作疑惑を決着させたい考えだが、民主党の大統領候補たちはこぞって「真相究明のため調査が必要だ」と訴え始めており、疑惑の火は収まりそうにない。

 7/12

航空自衛隊がC130を3機派遣、米軍の武器・弾薬を空輸する方針

やっぱり米占領軍支援のための自衛隊派遣
     国会で追及しイラク特措法を廃案にさせよう


 防衛庁は12日、イラク特別措置法案の成立後、航空自衛隊のC130輸送機を最大3機、自衛隊員約200人とともにイラクと周辺国に派遣し、米軍の物資や兵員などの空輸を実施する方針を固めた。武器、弾薬の空輸も想定しており、米軍支援が派遣目的であることは明白。
 航空自衛隊の活動拠点としては、イラク国内ではなく米軍基地のあるカタールやクウェートなどを候補地に検討する。事実上米軍基地となっているバグダッド国際空港については、施設の状態が完全ではなく拠点とするには適当でないと判断。イラク国内が依然厳しい治安情勢にあることから周辺国に拠点を置くことにしたという。C130輸送機のパイロットや整備要員を常駐させる。

 7/11

米大統領の支持率急落 同時テロ以降最低水準

 米ABCテレビとワシントン・ポスト紙が11日発表した共同世論調査によると、イラク戦争で米軍犠牲者が相次いでいることやイラクの大量破壊兵器をめぐる疑惑を反映し、ブッシュ大統領の支持率が9・11同時テロ以降、最低水準の59%に落ち込んだという。

 52%がイラクでの米軍犠牲者数は「受け入れられない」と回答、初めて半数を超えた。犠牲者が出てもイラク戦争を継続する価値があると回答した人は4月下旬の70%から57%に急落、「イラク戦争は戦うに値しない」と疑問を示した人は7ポイント増えて40%に達した。
 また、大量破壊兵器の問題に関して、50%の人が「大統領は意図的に証拠を誇張した」と回答、「誇張していない」(46%)を上回り、情報操作疑惑が一般国民に拡大していることをうかがわせている。
 調査は7月9日と10日、成人1006人を対象に実施されたという。

 7/11

防衛庁、MDをさらに早めて05年度導入へ 2年間で2000億円

北朝鮮に対する軍備拡張反対!
   米の戦争挑発政策と一線を画し、徹底した平和交渉を進めよ!


 防衛庁は11日、日本へ向けて発射された弾道ミサイルを迎撃するためのミサイル防衛(MD)システムを05年度から自衛隊に導入する方針を決めた。04年度予算の概算要求に導入経費を盛り込み、05年度までの2年間で約2000億円を投じて海上自衛隊のイージス艦4隻と航空自衛隊の1個高射群に迎撃ミサイルを配備するという。将来的には国内6カ所に置かれている空自の高射群(対空ミサイル部隊)すべてに導入する構想で、総事業費は1兆円を超える見込み。8月に安全保障会議を開き、政府方針として決定する見通し。
 6/21付の本コラムでは、07年度からの配備開始予定と紹介したが、さらに2年早めたことになる。

 防衛庁が導入を決めたのは、米国が04年から配備するイージス艦発射型の対空ミサイル「SM3」と地対空ミサイル「パトリオットPAC3」を組み合わせる2段階システム。日本に飛来する弾道ミサイルが大気圏外を飛行中(ミッドコース段階)にSM3で迎撃し、撃ち漏らした場合は大気圏に再突入後の着弾前(ターミナル段階)にPAC3で迎え撃つ。
 防衛庁は05年度までに、海自が保有するイージス艦4隻のレーダーやミサイル発射装置を改修し、SM3を発射できるようにする。またPAC3の導入には、弾道ミサイルより低速の戦闘機などを迎撃するパトリオットPAC2のシステムをPAC3用に改修する必要がある。2段階システムを連動させるため各自衛隊の指揮・通信システムの統合も進めるという。
 戦車や戦闘機などの大型装備品を削減してMD導入費に充てる予定で、防衛力整備の根本的な改革につながるため、年末にも現在の防衛大綱を見直す方針。

 7/11 イラク自衛隊派遣、危険手当過去最高の日額3万円へ。殉職の弔慰金は2−3倍

戦闘行為=「交戦権行使」=憲法違反を折り込み済みで派遣

 防衛庁は11日、イラク復興支援法案に基づいてイラクに派遣する自衛隊員への特別手当と、殉職した場合の賞じゅつ金(弔慰金)をいずれも過去最高額とする方針を固めた。(1)「危険手当」の性格をもつ特別手当は、これまで日額2万円が最高だったが、3万円程度まで引き上げる(2)一律6000万円の賞じゅつ金も2―3倍にする――方向で調整するという。

 自衛隊の特別手当は、派遣先の気候や治安、衛生状況、へき地性など勤務環境を基に計算する。活動の厳しさや危険度を示す指標ともなるもので、これまでは1992年のカンボジアと、94年にルワンダ難民支援のためザイール(現コンゴ)での国連平和維持活動(PKO)に参加した自衛官への日額2万円が最高だった。

 7/10

イラク占領の米軍費用は月39億ドル 事前見通しの2倍
              占領軍の「国際化」で負担軽減を狙う


自衛隊イラク派遣は占領軍「国際化」の1つ。長期化・泥沼化は必至

 ラムズフェルド国防長官は、9日の上院軍事委員会で証言し、米軍がイラクで消費している予算は1カ月平均約39億ドル(約4600億円)に上り、アフガニスタンでは月額7億ドルだと明らかにした。7日に退役したばかりのフランクス前中東軍司令官は、現在イラクに展開している15万人近い兵力は「予測しうる将来」まで必要だと語った。

 10日付の米紙ワシントン・ポストは、戦前の国防総省の予測では戦後の治安維持に必要な兵力は4万〜6万人だったが、好転しない治安情勢のため展開規模縮小は計画通り進まないと報道。月額39億ドルの支出が続く場合、事前の長期見通しの2倍近くにあたると伝えた。
 フランクス前司令官は10日も下院軍事委員会の公聴会に出席し、イラク駐留軍を「国際化」させる方向で動いていると証言。米軍の駐留が「2年になるか4年になるかは分からない」と長期化を示唆した。

 米政府の自衛隊への支援要求は、イラク占領軍の「国際化」の動きに合致するもの。長期化し泥沼化するの必至。自衛隊のイラク派遣を止めさせよう。

 7/10 政府、自衛隊海外派遣の「恒久法」制定の方針決める

恒久法は、いつでも、世界のどこでも、
   国民と国会にしばられず、自衛隊=日本軍を派兵できる法律


 政府は10日、自衛隊の多国籍軍支援を可能にする「恒久法」を制定する方針を決めた。福田官房長官は同日、今後、半年程度をかけて大綱をつくる考えを表明した。政府は、自衛隊に限らず公務員や民間人の活動も含めた包括的な国際貢献のための法律にしたい考え。早ければ来年の通常国会への法案提出をめざし、今国会閉会後に準備室を作って本格検討に入るという。

 福田長官は10日の参院外交防衛委員会で、恒久法の制定について「日本が国際社会で生きていくために、どうしてもしていかなければならない」と強調。「自衛隊だけでなく、地方公務員にも民間にもお願いする。相当大きな法律になる」と語った。
 政府はこれまで、92年に制定された国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、自衛隊のPKO派遣を重ねてきた。一方で、多国籍軍への支援については01年の米国の同時多発テロを受けたテロ特措法、今回のイラク復興支援特措法案と、新たな事態が起きるたび時限立法で対応してきた。こうした対応に、自民党総務会はイラク特措法案了承の条件として「恒久法の早期整備」を求めていた。

 7/10

小牧基地のC130輸送機がイラク周辺国へ

イラク支援が国会で論戦中なのに、別のPKO法で先行派遣

 PKO協力法に基づいて、イラク向け物資を輸送するため、航空自衛隊のC130輸送機2機が10日、自衛隊員計41人を乗せ、ヨルダンのアンマンへ向けて小牧基地を出発した。
 イラク戦争の復興支援をめぐり自衛隊員が派遣されるのは初めて。参院で審議中のイラク特措法案が成立すれば派遣の根拠を同法に切り替え、バグダッドを中心に活動する計画。

 7/9

決定的証拠ないままイラク先制攻撃、米国防長官がついに“居直り”発言
       イギリス政府高官も「恐らくみつからないだろう」


ウソとデタラメの開戦口実で、イラク国民数万人が殺され、国土は破壊された
     世界は、ブッシュ政権とブレア政権に責任をとらせなければならない


 ラムズフェルド米国防長官は9日、上院軍事委員会の公聴会で証言し、「米英軍が行動したのは、イラクが大量破壊兵器(WMD)を追求していることを示す劇的で新たな証拠を見つけていたからではない。我々は同時多発テロの経験というプリズムを通して、新たな観点からすでにある証拠を見たのだ」と開戦の理由を説明した。この証言は、イラクが大量破壊兵器を保有している「決定的な証拠」をもっていないにもかかわらず、「保有している」と世界をだまし続け、国連査察継続を拒否して、攻撃に踏み切った事実を確認するものである。

 一方、英BBC放送は9日、英政府高官が「イラクで米英軍が探している大量破壊兵器は恐らくみつからないだろう」と語った、と報じた。同高官は、今後の調査で大量破壊兵器の開発計画が存在したとの書類や研究者の証言が出てくる可能性はあるが、実在の兵器は出てこないと指摘した。

 7/9 米元国務省部長、米の情報戦略を批判
   英政府は、「イラク兵器の脅威誇張」問題でBBCへの圧力強める

 朝日新聞報道によると、イラクの大量破壊兵器(WMD)に関するブッシュ政権の情報戦略について、グレッグ・シールマン元国務省情報調査部長は9日、「(開戦という)欲しい考えに沿った情報ばかりを集めていた」と厳しく批判したという。米国が武力行使に踏み切った際、イラクのWMDの脅威は、実際には存在しなかったという認識を示した。シールマン氏は昨年9月まで部長を務めた。
 シンクタンク主催に記者会見に出席したシールマン氏は「イラクの問題に関して、ブッシュ政権は『我々は答えを持っている。それを支持する情報を集めろ』という姿勢だった」と述べた。
 また、現場から上がってきた報告書の言い回しを微妙に変えるなど、政府高官が適切に情報を取り扱わなかったとも指摘。「米国がイラク攻撃に踏み切った3月の時点で、イラクに脅威はなかった」と述べたという。

 一方、英政府がイラク兵器の脅威を誇張したと報じたBBC(英放送協会)に対し、ブレア政権が圧力を強めている。ブレア首相やストロー外相が報道の訂正と謝罪を求めたのに続き、フーン国防相は9日、情報源を明らかにするよう迫った。
 政府が執拗(しつよう)に批判しているのは、BBCラジオが5月末に伝えたニュース。昨年9月にイラク兵器の文書を作成した際、情報機関の反対を抑え、「イラク軍が45分以内に化学・生物兵器を使用できる」とする記述を政府側が盛り込んだと、政府高官の話として報じた。
 ブレア政権の狙いは、BBCを屈服させることで、「戦争を強行するために国民を誘導した」という疑惑を解消することにある。

 7/9 米軍の劣化ウラン使用について、政府は認めず、無責任答弁

政府はイラクでの劣化ウラン弾の大量使用の現実を認め、
      自衛隊のイラク派兵をやめよ!


 川口外相は9日の参院連合審査会で、イラク戦争で米軍が使用した劣化ウラン弾について「米軍は今回使ったかどうか明らかにしていない」「政府としてさらに問い合わせをしている」などと無責任極まる答弁をした。イラク特措法をめぐる審議で、社民党大田氏の質問に答えたもの。

 この問題は、6月25日の衆院特別委で社民党今川氏が「(NGOなども援助に入っているのだから)放射能をもった劣化ウラン弾がどこで使われたのか明らかにすべきだ」と迫ったのに対して、川口外相が「米軍は、今回イラクでそれを使ったかどうかということについては何も言及いたしておりません」とデタラメな答弁をし、さらに6月27日に社民党阿部氏がブルックス准将のブリーフィングをもとに追及したのに対して、川口外相は「我が国として、実際に米軍が今回の作戦で劣化ウラン段を使用したかどうかについての確たる情報はもっておりません」と、ヌケヌケと答えている。

 何よりも現実にイラク各地に劣化ウラン弾が転がっており、その残骸や破片から強い放射能が測定されている。日本の専門家やフォト・ジャーナリストが何人も現地調査でこのことを確認している。劣化ウラン弾の使用は否定しがたい事実である。また、3月26日のブルックス准将のブリーフィングでは、劣化ウラン弾の使用をはっきり認めており、政府の「米軍は劣化ウラン弾をほんのわずか保有をしている」と言っただけというのは全くのウソである。

 7/9

自衛隊員「救出」に必要なら武器使用も可能 石破防衛庁長官が発言

憲法違反の発言、従来の政府見解にも反する

 石破防衛庁長官は9日、参院連合審査会の審議で、イラク特措法に基づいて派遣した自衛官が武装勢力などに連れ去られた場合の対応について「拉致された人間の捜索はできる。そこで実際に自己を守る必要があれば、(正当防衛などを認めた)法案17条による武器使用権限が生じる」と述べた。
 従来の政府見解は「武器を使って(拉致された隊員を)救い出す行為は、武器使用を自己または自己とともに現場に所在する隊員の防衛に限定している趣旨から、行えない」(88年当時の政府答弁)というもの。今回の法案審議でも「奪還作戦」での武器使用は憲法に抵触する可能性が高く、他国部隊などに救援を要請すると説明してきた。

 7/9

鳥取県が有事法整備を先取りし、全国初の「有事マニュアル」
        ある国からの上陸侵攻を予想し、県の組織を有事体制に移行

アジア諸国への不信と恐怖心を県民にあおる
          有事法整備先取りに断固反対する!


 有事関連3法の成立を受け、鳥取県は9日、有事の際に自衛隊や警察などと連携して住民を避難させるための県独自のマニュアル(研究案)や避難シミュレーションをまとめ、関係機関に提示した。自治体が有事に関するマニュアル案を作成するのは全国初だが、現行法の解釈拡大などでは実施できない項目もある。
 国民保護法制が整備されるまでの間、起こり得る緊急事態に対処するためで、関係機関と協議を重ね、法整備までの期間に限定して運用したい考えだが、自衛隊や県警からは「マニュアルとしては高く評価するが、出来ることと出来ないことがある」などの反応が出ているという。

 マニュアルは、日本に弾道ミサイルが着弾、「武力攻撃事態」と認定されるか、ある国で上陸用舟艇など多数の艦船が集結し、(鳥取県などへの)上陸侵攻が予想された場合を想定。鳥取県知事は首相の指示で市町村に避難するようさらに指示し、県の組織を有事体制に移行させ、対策本部を設置。避難先となる地域は県が確保し、市町村が主体となってバスなどで住民を避難誘導する。
 自衛隊は避難誘導の支援や県への情報提供、警察は交通規制や騒乱防止などに当たり、いったん避難した住民の帰宅防止やゲリラ活動の阻止のため、両機関共同の検問所を設けると定めているという。

 7/9

米は日本政府に大型ヘリ派遣を要請 武器・弾薬や兵員の輸送を想定

米が自衛隊に要求するのは、占領軍=侵略軍への軍事支援

 自衛隊のイラク「支援」活動について、米国が日本政府の訪米団に対し、武器・弾薬を含む物資や兵員の輸送を想定、陸上輸送に加え空輸用に自衛隊の大型輸送ヘリコプターCH47をイラクに派遣するよう要請していた。米国が自衛隊に対しイラク国民への人道支援よりも軍事支援に重点を置いている実情が鮮明になった。
 また、米側は事実上の米軍基地となっているバグダッド国際空港を自衛隊の活動拠点とする日本の構想に同意、宿営施設や浄水車の収容スペースなどについて米軍内部の調整に着手したという。

 7/8

米一般教書演説の「イラクのウラン購入疑惑」は偽情報が根拠

続々と暴かれるブッシュ政権やブレア政権の偽情報

 米政府は8日、ブッシュ大統領が1月の一般教書演説で言及した「イラクのウラン購入疑惑」が、偽情報を根拠にした内容だったことを公式に認めた。政権内でも[情報]を疑問視する声が上がっていたが、ホワイトハウスは反対を押し切って大統領演説に盛り込み、大量破壊兵器に関する「証拠」のひとつとしていた。

 7/8

劣化ウラン弾の速やかな生産・使用停止を勧告 米のシンクタンクが調査報告
     米軍内部の研究でも生体への影響を認識


 米軍が湾岸戦争やイラク戦争で使い、環境汚染や健康被害への懸念が高まっている劣化ウラン弾について、米軍内部での研究でも生体への影響が指摘されていたとする調査報告書を米国のシンクタンク、核政策研究所が8日発表した。
 報告書は「劣化ウラン弾――危険評価の科学的論拠」と題し、湾岸戦争(1991年)以降の政府機関による研究や動物実験のデータの分析をもとに、「イオン化したウラン酸化物による突然変異の誘発など、住民や兵士、とりわけ子供にとって有害なことが確認された」と結論づけ、米政府に対して速やかな使用停止を求めている。作成には同研究所の理事長でもあるヘレン・カルディコット博士やトーマス・ファシー・マウントサイナイ医科大教授(病理学)ら専門家が加わった。

 報告書は、湾岸戦争の際に劣化ウラン弾が大量に使用されたとされるイラク南部のバスラでの15歳以下の子供の悪性腫瘍発生率が1990年から2001年の間に3倍に増加した、などのデータを確認。これが劣化ウラン弾の影響を受けたものかどうかを科学的視点から追跡した。
 その結果、吸引で体内に入り込んだ三酸化ウランの微小粒子はほぼ全量が肺などに蓄積するのをはじめ、経口の場合も10%程度が腎臓などの臓器や骨格に残留。アルファ線などの影響で遺伝子に不安定な状態をもたらすことが確認されたという。特に、イオン化したウラン酸化物(ウラニル・イオン)は突然変異の誘発性が強く、がんやDNAの損傷による先天異常を引き起こす要因になる、としている。

 報告書は、米軍放射線生物学研究所と国立衛生研究所(NIH)のマウスを使った共同研究のデータなどを参考に、「ウラニル・イオンは母親の胎盤によっても阻止できない」と胎児に対する危険性を指摘するとともに、米政府は劣化ウラン弾の人体への影響を過小評価していると警告している。
 この上で、報告書は米政府に対し、(1)速やかに劣化ウラン弾の生産・使用を停止し、タングステンの利用など代替策を検討する(2)今回のイラク戦争で劣化ウラン弾が使用された地域の住民や兵士の尿のサンプルを採取し、調査する(3)イラク国内での被害の拡大を防ぐため、占領当局は放置された戦車などへの住民の接触を避ける措置を早急に講じる――などを勧告している。
 また、米軍の環境政策研究所の研究者は、劣化ウランには放射線の影響以外に、重金属としての腎臓への悪影響や、化学的な毒性があることを指摘。環境中では一部が水に溶けて地下20センチ程度にまで広がり、地下水や土壌を汚染することを論文にまとめた。

 7/8

イラクでの抵抗闘争続く

米英軍への攻撃だけでなく、米軍に協力するイラク人へも
 イラク南部バスラで8日までに、パトロール中の英軍兵士が何者かに銃撃され負傷した。首都バグダッドでは7日夜から8日未明にかけイラク人の警官への襲撃が発生、2人が負傷した。首都郊外では米軍車両が攻撃を受け、2人が負傷した。
 米軍への攻撃を続ける抵抗勢力の標的はイラクにいる外国人や、米軍に協力するイラク人にも向けられている。

パイプラインまた爆発
 イラクの石油当局者は北部のトルコ向け石油パイプラインが8日までに何者かによる破壊行為を受け爆発したと明らかにした。復旧には2週間程度かかるという。
 また、南部でもパイプラインに穴を開ける事件などが多発しており、7月半ばの生産は日量80万―90万バレルにとどまるとの予測。
 連合国暫定当局(CPA)は、今月半ばまでに日量150万バレル程度を生産し、うち日量100万バレル程度を輸出に回す算段だった。

 7/8

英でイラク戦争支持急減

 8日付の英タイムズ紙が掲載した世論調査結果によると、対イラク攻撃は「正しかった」とする英国民は47%で、前月の58%、4月の64%から急減した。
 これに対し、イラク戦争は「正しくなかった」とする人は4月の24%、6月の34%から急増し、今回は45%に達したという。

小泉首相にイラク戦争支持を撤回させ、イラク特措法を廃案に追い込もう

 7/8

ハワイに米空母配備へ 北朝鮮有事想定で即応部隊

 米国防総省は、北朝鮮有事への米国の軍事的対応を強化するために、空母、最新鋭戦略輸送機などからなる大規模な「即応部隊」を新たにハワイ真珠湾に配備する計画を明らかにした。即応部隊は「より早く、より機動力を」を目的に陸海空、海兵隊の4軍統合部隊として創設されたもので、1空母戦闘群(空母、駆逐艦、巡洋艦などで構成)、C17輸送機などで組織される。ハワイへの初配備は米国が北朝鮮有事への緊急対応を進めていることを物語る。

 7/7

イラク法案が参院審議入り 政府・与党は18日にも成立の構え

さらなる戦闘激化で、反対世論が高まる前に、成立させるのが政府・与党の狙い
    イラクで起こっている真実を広く知らせ、イラク特措法を廃案に追い込もう!


 参院は7日午後、小泉首相らが出席して本会議を開き、イラクに自衛隊を派遣するイラク復興支援特別措置法案の趣旨説明と質疑を行った。
 8日は参院外交防衛委員会で趣旨説明があり、9日の外交防衛委員会と内閣委員会の合同審査から本格審議入りし、政府・与党は、早くも18日から23日の間での成立を狙っている。衆院と同様、問題点はすべて逃げと先送りでごまかすつもりである。

 世論調査では国民の大半が自衛隊のイラク派遣に反対している。与党が審議を急ぐのは、自衛隊のイラク派遣反対の声が高まることを恐れているから。いまこそイラクで何が起こっているかを多くの人々に知らせ、反対の声を高めて、イラク特措法を廃案に追い込んでいこう。

 7/7

4月の米軍兵士による略奪で、イラクの国際空港に120億円の損害

米軍によるイラク占領は最初から略奪と破壊だった。
   米軍占領下での「秩序」や「治安」回復など、できるはずがない!

 7日発売の米タイム誌によると、4月に米軍が占拠して以来、バグダッド国際空港の施設、免税店、旅客機などを米軍兵士らが略奪・破壊し、推計で最大1億ドル(約120億円)の損害を与えたとのこと。

 同空港は、イラク特措法成立の場合、派遣される自衛隊の活動拠点となるとみられている。
 同誌によると、米第3歩兵師団が4月3日に空港を占拠して以来、空港ターミナルで寝起きする兵士らは免税店の酒、たばこから香水、高級腕時計まで略奪したという。また、空港に残っていたイラク航空機10機のうち、5月初めの米国側の検査ではボーイング727、737、747の計5機が運航可能だった。しかし、数週間後には米兵が座席などを取り外し、操縦室の装置類を破壊、「どれも飛べない」状態となったらしい。

 7/5

国民の大半が自衛隊のイラク派兵に反対

政府・与党は国民の声に耳を傾け、「イラク特措法」を廃案にせよ!

国民は、小泉首相の「イラク攻撃の理由」(=「大量破壊兵器保有」)を信じていない!
     イラク戦争支持をただちに撤回せよ!

 ヤフーと共同通信社のインターネット投票で、回答者の68%が自衛隊派遣そのものに反対していることが5日、分かった。また、TBSで4日放送のニュース23では、「あなたは自衛隊のイラク派遣に賛成か、反対か。」の問いに、「賛成23%、反対77%」の調査結果が示された。
 「国民が間違っている」としてイラク戦争支持を表明した小泉政権は、再び国民を無視して自衛隊をイラクに派兵する法律を衆院で可決し参院に送付している。この法律を許してはならない。

 また、同番組では、「あなたは米英が示したイラク攻撃の理由を信じますか、信じませんか。」の設問でも調査を実施、「信じる15% 信じない85%」という調査結果を伝えた。圧倒的多数が小泉首相を信じていないという結果である。真摯であるならば小泉氏は、「イラク大量破壊兵器保有」というでっち上げによる戦争支持を謝罪し、撤回すべきである。そして、自衛隊の派兵でなく、米英軍の撤退要求とイラク国民による「真の復興」への支援を問題にすべきである!

 7/5
防衛庁、自衛隊派遣で恒久法検討を明記へ。「「防衛計画の大綱」全面改定で

いつでも、世界のどこでも、
      自衛隊=日本軍=侵略軍を派兵できる体制を狙っている


 日経新聞報道によると、防衛庁は5日、防衛政策の基礎となる「防衛計画の大綱」を8年ぶりに全面改定するのに伴い、国連決議に基づく多国籍軍への自衛隊の後方支援を可能にする恒久法制定の検討を打ち出す方針を固めた。新大綱はテロやミサイル攻撃などの新たな脅威に対応できる国家への移行を目指すことも盛る方針で、12月に閣議決定するという。
 新大綱では日本の軍事面の役割について「従来の国の防衛に加え、アジア太平洋域内の秩序維持にとどまらず世界的な規模で協調することが重要」と全世界での国際貢献を掲げる。

 7/5

イラクで戦争は続いている−Part4−

@ブッシュ大統領が、「戦争状態」認める!

 ブッシュ米大統領が4日、オハイオ州デイトンの空軍基地で行った独立記念日の演説で「我が国はまだ戦争状態だ。敵は我々に対して陰謀をたくらんでいる。我々の仲間が遠くの地で任務を果たし、犠牲となり、危険に直面している」と発言。戦争状態であることを認めるとともに、イラク民衆の抵抗で占領政策がうまくいっていないことを認めた発言といえる。しかし、侵略軍へのイラク人の抵抗を「敵の陰謀」というような、全くのデタラメを私たちは許してはいけない。

A侵略軍=米軍が養成中の「警察署」で爆発 47人死傷

 バグダッドの西約100キロのラマディで5日午前11時ごろ、米軍が新たに養成中の警察署付近で大きな爆発があった。現地に駐留する米軍当局者によると、爆発で7人のイラク人警官が死亡し、約40人がけがをしたという。ラマディに駐留する米軍は、新規採用されたばかりのイラク人の警察官に対して訓練を実施している。

Bイラク国立博物館付近で装甲車の米兵1人撃たれ死亡

 3日、バグダッド中心部のイラク国立博物館を警備していたとされる米陸軍第1機甲師団の兵士1人が午後8時半ごろ、銃撃により死亡した。この米兵は装甲車に乗っていたという。

C3日にも交戦のあったバラドで4日も交戦状態

 バグダッド北方約100キロのバラド近くの高速道路で、米軍とイラク人の間で交戦状態に。イラク人11人が殺害された。

Dキルクークでは、米軍とトルコ軍が交戦?

 キルクーク(イラク北部)のクルド人組織の情報では、イラク北部のスレイマニヤで4日、トルコ軍兵士11人と現地の支援者6人が米軍に拘束されたとされる。トルコ紙によると、4日、約100人の米軍部隊が、トルコ軍特殊部隊の建物を急襲し、同隊員らを拘束してキルクークに搬送したという。

 7/4 「イラク特措法」衆院本会議可決に強く抗議する!
      参議院においても廃案をめざして運動を続けていこう!

 イラクへ自衛隊を派兵するための「イラク復興支援特別措置法案」が4日午後の衆院本会議で、与党3党の賛成多数で可決、参院に送付された。この衆院本会議可決に強く抗議する。

(1)この法律の中身は、「イラク復興支援」という看板とは全く無関係で、自衛隊を派兵して米英の軍事占領を支援しようとするものである。米英軍は「復興」などには関心はなく、生存と生活を脅かされたイラク民衆の抗議行動やゲリラ戦による抵抗を、武力で抑えつけている。自衛隊はその米英占領軍を支援するために派遣されるのである。

(2)米英は、「大量破壊兵器保有」のウソを口実に、国連と国際世論の反対を押し切ってイラクに先制攻撃を仕掛けた。このイラク戦争は紛れもなく「不法な侵略戦争」であったし、その後の米英の軍事占領も国際法違反の不法なものである。自衛隊はこの不法な軍事占領を支援するために派遣されるのである。

(3)米英軍に対するイラク民衆の抗議行動・ゲリラ戦は、日増しに激化している。米英軍の死者は毎日のように報道され、その地域もイラク全土に及んでいる。今やイラクは全土が戦闘状態になりつつある。このようなイラクへ自衛隊を派兵したならば、イラク民衆と戦闘状態におちいる可能性は極めて高い。憲法の「交戦権禁止」を踏みにじり、イラク民衆を武力攻撃することとなる。

(4)自衛隊が他国民に対して地上戦・民衆弾圧をやる−−これは戦後はじめてのことである。日本の軍国主義化の全く新しい段階である。「イラク特措法」はそれほどとんでもない法律なのである。

(5)これほど重大な法案が衆院で審議開始されたのが6月24日。わずか10日足らずでの衆院通過である。その間の審議過程では、野党の質問にたいして、逃げ・はぐらかし・先送りで全くまともな議論になっていない。まさに「自衛隊派遣が先にありき」である。あまりにも国民を愚弄した衆院可決であると言わなければならない。

(6)民主党は、最終的に反対したものの、あいまいな態度に終始した。民主党が、早くから反対を明らかにし、野党が結束して徹底抗戦すれば、政府・与党の多くの弱点をあらわにさせ、廃案も可能であったろう。

(7)参議院での闘いのなかで、本法案がどれほど危険で反動的なものかを国民の前に明らかにしていく活動が重要である。そして「イラク戦争反対」の国民多数の声を「イラク特措法反対」につなげていこう。

(8)10月に予定されている本隊派遣までには、イラクの戦闘はさらに激化し泥沼化していくであろう。たとえ法案が成立したとしても、この「イラク派兵」にはいくつものハードルがあるに違いない。そして派兵を阻止できるチャンスもまた生まれてくるに違いない。

  
7月5日 街頭でのイラク法案反対の宣伝と署名行動 & 「イラクの子どもたち」路上写真展の様子
 7/3

PKO協力法に基づき、まず輸送機と自衛隊員を10日に派遣

「イラク特措法」が参院でまだ審議されていないのに、
         なし崩しで米英占領軍支援を始めようとしている


 政府は3日夕の安全保障会議で、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、10日にイラク周辺国へ人道救援物資を輸送するため空自のC130輸送機2機と100人規模の自衛隊員を派遣する実施計画を決めた。計画期間は3カ月間で、4日に閣議決定する。輸送機はヨルダンとイタリアを拠点に、欧州諸国からクウェートなどへテントや医薬品を運ぶ。イラク特措法案の成立後は、イラクと周辺国間の物資・人員輸送に任務を切り替えることも想定している。

 政府はすでに米英以外に13カ国の軍隊がイラク国内で活動している現状を重視。まずPKO法による支援活動を行い、そのうえで特措法に基づく本格支援に入る二段構えで臨む方針。具体的な活動内容や派遣地域を絞り込むため、8月をめどに自衛官を含む調査団をイラクに派遣。米英軍などによる治安維持活動を後方支援する「安全確保支援活動」を想定して米国主導の暫定占領当局(CPA)などに情報提供を求め、派遣のニーズや現地の治安状況を見極める考えという。

 7/3

イラクで戦争は続いている−Part3−

   イラク側の侵略軍への反撃は激化の一途。米兵の発砲で住民も多数死傷

 バグダッドとその周辺で3日、米軍に対する攻撃が相次いだ。
@バグダッド中心部のハイファ通りでは、午前10時ごろ、走行中の米軍車両が攻撃を受けた。米兵4人が近くのビルまで逃げながら、周囲に向けて自動小銃を連射したために、イラク人の男性1人が死亡し、子供を含む12人がけがをしたという。現地の米軍は、米兵3人が負傷したと発表した。
A3日未明には、バグダッド北西部のカドゥミヤ地区で巡回中の米兵が狙撃される事件が起きた。米中央軍によると、発砲したとみられるイラク人男性1人が米側の反撃を受けて死亡、一緒にいた6歳の少年1人もけがをした。
Bバグダッドの西約100キロのラマディ付近でも同日、米軍車両が攻撃を受け、米兵6人がけがをした。
C同日夜には、バグダッド北部バラド近くにある米軍の前線基地周辺で、米軍が砲撃を受け19人の米兵が負傷した。
Dまた、首都西部では米軍車両が襲撃を受け、乗車していた米兵1人が銃弾に当たって死亡した。

 7/3

「攻撃するならかかってこい」ブッシュ発言に非難相次ぐ

 「かかってこい」。イラクで米軍への攻撃が続いている問題で、ブッシュ大統領の発言が波紋を広げている。民主党の有力議員らが3日、「思慮に欠ける」「分別がない」と相次いで手厳しく批判したという。大統領周辺は「米軍の兵力を信じているからこその発言だ」と防戦している。

 民主党の大統領候補の一人、ケリー上院議員は声明を出し、「イラク国内の情勢が悪化しているいま、(米国が)威張らないでいるのが大事だ。思いやりや立派な態度が求められている」と大統領の発言を批判した。
 やはり民主党の大統領候補の一人、ゲッパート下院議員も「我々に必要なのは、イラクの戦後処理をまじめに考えることだ。衝動的にふるまうべきではない」という声明を出した。
 CNNによると、ホワイトハウスのフライシャー報道官は3日、「大統領は、米軍の能力を信じていると言いたかっただけだ」と弁明。共和党議員の間にも「兵士へのメッセージにすぎない」という声があるという。

 7/2

ブレア首相の人気が急落。大量破壊兵器見つからず信用失墜

小泉首相がイラク戦争を支持した根拠は「大量破壊兵器保有」
     日本でも国会内外で小泉首相を徹底して追い詰めよう!

 フィナンシャル・タイムズ紙が掲載した世論調査結果によると、「今年初めまで首相を信頼していたが、今は信じない」という回答を選んだ人が38%に達し、「なお、首相を信頼する」と答えた31%を上回った。首相は国民の支持を失いつつあるか、との問いには、66%が「そう思う」と応じた。
 大量破壊兵器の実存を立証できない英首相は、「何のための戦争だったのか」という戦争の大義をめぐる国民からの批判から逃れられなくなっている。

 7/2 与党、イラク特措法案を修正せず4日に衆院可決方針

民主党は、修正案の提出という「あいまいな反対」ではなく、
        野党の先頭に立って、政府・与党と徹底して闘え!


 与党3党の幹事長、国対委員長が2日午前会談し、イラク復興支援特別措置法案について政府案を修正せず、与党の賛成多数によって3日の衆院イラク復興支援特別委員会、4日の衆院本会議で可決する方針を決めた。
 会談では、11月1日に期限が切れるテロ特措法を2年間延長する改正案については、今国会を延長する際の3党首合意に基づき、「イラク特措法案と一括で採決するよう努力する」との方針を確認した。ただ、民主党はテロ特措法改正案の審議は不十分だとして、「一括採決なら徹底抗戦だ。日程協議には応じない」(野田国対委員長)と、強く反発している。このため、与党内では今後の参院での審議の混乱などを避けるため、テロ特措法改正案の採決は先送りすべきだとの意見が強まっているという。

 民主党は7/1のコラムでも記したように、(1)国連安保理決議を法案の「目的」から削除する(2)自衛隊の活動を削除し「イラク復興支援職員」など文民による支援活動に限る(3)4年の時限立法を2年に短縮する、という修正案を提出した。修正案提出の狙いは「イラク国民のための復興支援には賛成」(菅代表)の立場を示したいため。
 しかしこの立場は根本的に誤っている。米英は、国際法も国際世論も無視して何の正当性もなくイラクを攻撃し侵略し、そのうえでいま軍事占領し植民地化している。これらを不問にして「復興支援」することは、攻撃・侵略・占領を承認し、加担協力することに他ならない。民主党はイラク戦争に反対した態度を最後まで貫徹させ、現在の軍事占領にも復興支援にもはっきり反対しなければならない。そして、わずか一週間余りでこんな危険な法案を採決しようとする政府・与党と徹底的に対決しなければならない。

 3日には、私たちピースニュースはいくつかの市民グループの皆さんと国会請願行動を行ない、緊急署名を提出し、特別委の民主党議員を中心に、上記したことなどを訴えて回るつもりです。
    7月3日(木)2時〜4時 議員への要請行動 (2時 衆議院第一議員会館ロビー集合)
            4時〜6時 交流会
*参加される方は、事前にピース・ニュース(p-news@jca.apc.org) までご連絡下さい。

 7/1

イラクで戦争は続いている!−Part2−

米軍発表でも、ブッシュ戦闘終結宣言後に米英兵31人死亡178人けが
 イラクに駐留する米軍当局者が1日、ブッシュ大統領が戦闘終結宣言をした5月1日以降で、米英軍を狙った攻撃は73回、計31人の米英兵が死亡し、計178人がけがをしていたことを明らかにした。死亡が50人を超えるという別報道もある。

バクダッド周辺で米軍にロケット砲
 バグダッド北東のムスタンシリヤの路上で1日朝、走行中の米軍車両がロケット砲の攻撃を受けた。軍用車両の米兵ら3人がけがをした。また、この数時間前にも、バグダッドの国際空港近くで、走行中の米軍の車列がロケット砲で攻撃を受け、米兵3人が負傷した。

米軍は、米軍に敵対するイラク人を殺し、拘束し、略奪する軍事作戦を続行中
 米軍は占領軍に敵対し抵抗するイラク人を殺し、拘束し、略奪する軍事作戦を続行している。米中央軍は29日、イラク中部で、大規模な作戦の第3弾として、同日未明から「ガラガラヘビ作戦」を開始したと発表した。61人の身柄を拘束したほか、自動小銃14丁などの武器を押収したという。
 米軍は先月中旬から、イラク中北部で「半島の攻撃作戦」と「砂漠のサソリ作戦」を相次いで実行している。実行直後からバグダッド周辺を中心に米兵を狙った攻撃が急増し、連日のように米兵に死者が出ている。米軍は、新たな大規模作戦を展開することでイラク民衆の抵抗を武力で押さえつけることを狙っている。砂漠のサソリ作戦は15〜29日に実行された。米中央軍によると、同作戦で計1330人を拘束し、さらに497丁の自動小銃や235発の手投げ弾、124発のロケット砲弾などを押収したという。その他に、米ドルの現金で約946万ドル、1071本の金の延べ棒も押収したという。これは、侵略軍によるイラクからの略奪行為ではないのか。

 7/1

米軍のイラク駐留の長期化を示唆。ブッシュ大統領がイラク支配の困難認める

軍事占領と戦うイラク民衆を殺すな!米英軍は即刻撤退せよ!

 ブッシュ米大統領は1日「イラクを穏健で民主的な国家として建て直すのは、巨大で長期にわたる作業だ」と述べ、米軍のイラク駐留を長期化させることを示唆した。また、国防総省は7月中旬までに当面の駐留規模を確定するとして、当初は先月末に概算を出す予定だった。イラク民衆の抵抗が予想を越え、判断を2週間遅らせたようだ。
 ホワイトハウスの式典で演説したブッシュ大統領は、「われわれは敵に対して攻撃的な立場をとり続ける。米英軍を攻撃する者には直接的、決定的な武力で立ち向かう」と強い口調で表明した。これは、米軍がイラク民衆の強い反撃にあっていることを認めたものである。米英軍が解放軍として歓迎されていないことがますます明白になってきている。 米英占領軍は即刻撤退せよ。

 7/1 民主党、「国連安保理決議と自衛隊活動」を削除する修正案提出
        イラク特措法案に反対は確実に

 民主党は1日午前に党外務・安保合同部門会議を、午後続けて「次の内閣」の会合を開き、イラク復興支援特別措置法案について、自衛隊の派遣を認めず、文民派遣だけを容認する修正案を同日中に国会提出することを決めた。同法案の根幹を否定する修正案であり、与党側は強く反発、実質的な修正協議に入ることはできず、民主党が同法案に反対することが確実となった。

 修正案は(1)米英が戦争の根拠とした国連安保理決議678、687、1441を法案の「目的」から削除する(2)戦闘地域と非戦闘地域の峻別が困難であることなどから自衛隊の活動を削除し「イラク復興支援職員」など文民による支援活動に限る(3)4年の時限立法を2年に短縮する――との内容。
 部門会議では、このほか(1)自衛隊の活動を物資の空輸など人道支援に限る(2)自衛隊派遣を認めたうえで武器使用基準の緩和、武器・弾薬の陸上輸送の除外などの条件をつける――を加えた計3種類の修正案を提示。しかし、、「占領行政は違法だ」「戦争の大義名分だった大量破壊兵器が発見されていない」など、自衛隊派遣への反対論が噴出したため、自衛隊の活動分野を人道支援部分も含めて一切削除する修正案を決める一方、修正案を提出しないで反対するとの対応も加えて「次の内閣」に判断を委ねていた。
 民主党の野田国対委員長は記者会見で「問題は復興支援に自衛隊派遣のニーズがあるかどうかだが、党内の多数がそうではないと認識している」と説明。政府・与党が同法案との一括採決をめざすテロ対策特措法案について「全く審議されていない。一括採決になれば衆院審議が混乱する」と与党側をけん制した。