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2007年06月26日

第225回 刑事裁判の危機・犯罪被害者の裁判参加と報道

 人権と報道・連絡会の第225回定例会が6月18日、水道橋の東京学院で開かれ、約40人が参加した。テーマは「犯罪被害者の刑事裁判参加と報道」。
 日弁連でこの問題に取り組んできた山下幸夫弁護士、「被害者と司法を考える会」の片山徒有(ただあり)さんから、「被害者参加制度」を盛り込んだ「刑事訴訟法改正案」について報告を受けた。
 この制度は、重大犯罪で被害者や遺族が「当事者」として裁判に参加し、被告人や証人に質問したり、求刑したりできるようにするもの。「加害者」に対する損害賠償請求を刑事裁判で付随して審理する「付帯私訴」制度も「改正案」に盛り込まれた。山下さんは「この制度は近代刑事司法のあり方を変え、法廷を復讐・仇討ちの場にする重大な制度転換なのに、ほとんど議論もなく導入され、厳罰化に利用されようとしている」と指摘。片山さんは、「法廷に出られない被害者もいる。被害者が真に救われる内容ではなく、かえって被害者に大きな負担をかける制度」と批判した。(刑訴法「改正」案は例会2日後の20日、参院本会議で可決・成立した)。今後も裁判員制度と併せて問題点を広く議論して行きたい。

投稿者 jimporen : 2007年06月26日 19:40