« 第186回 裁判員制度導入と報道の責任 | メイン | 第187回 長崎少年事件の報道を検証 »

2003年09月26日

第19回シンポジウム 公正な裁判とメディア報道

 「公正な裁判とメディア報道」をテーマに、人権と報道・連絡会主催の第19回人権と報道を考えるシンポジウムが9月26日夜、中央大駿河台記念館で開かれ、約100人が参加した。
 刑事裁判に市民が参加する「裁判員制度」導入など、現在進行中の「司法改革」。その中には、裁判員に事件への予断を与える「偏見報道禁止」を名目とした新たなメディア法規制も盛り込まれているが、メディアは依然、犯人視報道を改める姿勢を見せていない。こうした中で開かれた今回のシンポジウムは、ゲストに英国報道苦情委員会(PCC)のロバート・ピンカーさんを招き、PCCが報道被害防止と報道の自由擁護に果たしてきた役割など「英国メディア責任制度の現在」について講演していただいた。
 それに続くパネル・ディスカッション「裁判員制度と犯罪報道」では、「松本サリン事件」報道被害者の河野義行さん、新聞労連委員長の明珍美紀さん、日弁連司法改革実現本部事務局次長の西村健さん、それにピンカーさんも加わり、連絡会世話人・浅野健一さんの司会で、裁判員制度をめぐる議論の状況、犯罪報道の問題点、メディア責任制度実現に向けた課題などを討論した。会場参加者も加わった質疑・討論では、報道の人権侵害にも「報道の自由の危機」にも鈍感なメディア業界への批判、報道評議会の早期設立を求める意見が相次いだ。

投稿者 jimporen : 2003年09月26日 00:00