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2001年06月11日

第165回 仙台「筋弛緩剤事件」と報道検証

 人権と報道・連絡会の第165回定例会が6月11日夜、中央大駿河台記念館で開かれ、約60人が参加した。テーマは「仙台・筋弛緩剤事件と報道検証」。今年1月、宮城県警泉署は、仙台市の「北陵クリニック」で点滴に筋弛緩剤を混入したとして、准看護士・守大助さんを殺人未遂容疑で逮捕した。警察は以後4回の再逮捕を繰り返し、5件の殺人・殺人未遂で起訴、メディアは守さんを「悪魔の点滴男」「無差別大量殺人犯」など と断定報道した。
 しかし、逮捕直後、過酷な取り調べで「自白」させられた守さんは弁護人がついた後は、一貫して無実を訴えている。例会では、守さんを支えてきた弁護団の阿部泰雄弁護団長が、事件の経過と捜査・報道の問題点、さらに医療過誤や病院経営の破綻など「事件」の背景などについて報告した。阿部さんは「事件が起きて守さんが逮捕されたのではなく、守さんの逮捕で事件が作られた」と指摘、警察情報を鵜呑みにした報道を厳しく批判した。なお、この事件では守さん自身、名前を出して冤罪を晴らしたいとして近く冤罪を訴える本も出版する予定であり、ニュースもその意向にそって顕名にした。

投稿者 jimporen : 2001年06月11日 00:00