要 請 書

アメリカ大統領 ジョージ・W・ブッシュ様

 9月11日、貴国で起きた、民間人をも撒きこんだ無差別虐殺にも等しい同時多発テロに対し、強い衝撃を受けました。犠牲になられた方々に対し、心からの哀悼の意を表明すると共に、負傷された方々の早期の回復、行方不明者の方々の安否が一刻も早くわかる事を心から祈念しています。

 私たちは、いかなる理由があろうとも、不特定多数の何の罪も無い市民を巻き込んだ卑劣なテロ行為を断じて支持しません。

 今回の同時テロ事件の真相は究明され、責任者は処罰しなければならないことは当然ですが、それはあくまで平和的に国際法にのっとった方法でなされなければなりません。

 報道によれば、イスラム指導者オサマ・ビンラディン氏をテロの「主要な容疑者」とし、また、「テロ組織を支持するいかなる国も犯人と同列」と規定し、すでに上下両院で武力行使を承認し、アフガニスタンへの報復攻撃の準備を進めていると聞きます。泥沼の戦争になるのではないかと深い憂慮を抱いています。武力による報復は決して平和をもたらさず、新たな憎悪を作り出すのみでテロ事件の再発防止の根本的な解決にはなりません。私たちは力による報復は支持しません。

 重ねて言います。今回の同時多発テロは、決して容認できるものではありません。しかし、なぜ、「自由と民主主義」を標榜する貴国が、かくも壮絶な憎悪の対象になるのか、そのことをまずもって考えなけらばならないでしょう。貴国は二つの海に囲まれ、本土への直接の攻撃は真珠湾以後二度目です。しかし、朝鮮戦争下で米軍に虐殺された多くの朝鮮民衆、今も緩慢に続くイラク空爆と経済制裁により多くのイラク民衆が命を失っているという事実、ユーゴ空爆など、貴国が行った暴力行為によって命を失った罪も無い民衆は枚挙にいとまがありません。結局「武力による報復」は強大な軍事力を持つ国の特権でしかありません。

 今回の事件で犠牲になったアメリカの人々を始め、各国の犠牲者に真に報いるのは、暴力の連鎖を断ち切り、テロの根本的な原因である貧困と抑圧の構造の解決を目指すことであると確信します。

自由と民主主義を標榜する貴国の賢明で冷静な対処を切に願うものです。

2001年9月18日

不戦へのネットワーク

恋民の会

名古屋市昭和区白金1−13−10 


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