不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

岐阜基地へのPAC3配備に抗議し、配備拡大を行わないことの申し入れ(2009年2月27日)

航空自衛隊岐阜基地司令  森本 哲生 様

 2月26日岐阜基地第4高射群第13高射隊にペトリオットPAC3が強行配備されました。

 私たちの再三にわたる配備反対の要請を一切無視し、周辺住民の抱く不安や危惧にも情報を開示もせず、説明もないまま強行配備したことに強く抗議します。

 昨年5月の浜松基地への配備に際しては地元浜松市に対して配備終了まで市民に明らかにしないよう要求していたことが明らかになっています。今回も同様の口止めをおこなっていたのでしょう。地元自治体が市民生活の安全に必要な情報を開示することを封じる行為は戦前の軍部と同じです。軍事秘密の名目ですべての情報を統制しながらアジア侵略から世界大戦へとつき進んだのと同じ道をたどることになります。深夜、数百人の警官を動員して搬入したのも市民の目にふれることを恐れたものです。

 市民の前に本当の姿や情報を明らかにできないPAC3の配備やミサイル防衛というのはいったいどのようなものなのでしょうか。反対運動に恐れながら秘密裏にことをすすめるということは何を意味するのでしょうか。

 防衛省は専守防衛とか市民の安全を守るといいます。しかし昨日の搬入のあり方をみれば、市民の安全とはまったく関係ないというほかありません。

 北朝鮮によるミサイル発射の準備がすすんでいるとマスコミを通じて危機を煽っているのにあわせた搬入、配備はその意図しているところをはっきりと示しています。

 ミサイル防衛とは日米一体となった戦争準備にほかなりません。このシステムの構築を通じて日米両国の東アジアでの軍事的優勢を確立することが第一の目的なのです。しかしながら、より一層の軍拡競争と軍事的緊張を東アジア地域にもたらすことになるのは明らかです。現実はそのように進行しています。私たちがPAC3配備に反対する第一の理由はここにあります。

 PAC3配備は地域を広範に軍事基地化し、市民生活を脅かすものです。PAC3の射程距離はわずか10数キロです。「防衛」対象の周辺に展開することが必要条件です。市民生活の場に恣意的に突然「軍事基地」が出現することになります。二番目の反対の理由です。

 三番目は多額の税金が無駄に費やされ、軍需産業や利権に群がる政治家や官僚を潤すことにしかならないということです。当たるかどうかも定かでないミサイル防衛システムに6兆円も使い、PAC3は一発5億円です。さらに改良を口実に青天井で増やし続けることになっています。三菱をはじめとした軍需産業を肥大化させ日米両国一体となった軍産複合体の暴走をはじめさせることになります。

 世界中で大量の失業者が生み出され、日本でも100年に一度ともいわれる経済危機の中で多くの人が路頭に迷っています。さらにほとんど全てと言っていいほどの人々が明日の生活に不安をいだいています。巨大な無駄金を利権にどっぷりつかったミサイル防衛に投ずるのは国家をあげた犯罪行為です。

 日米一体となった戦争準備でしかないミサイル防衛は、日本の国是である平和主義を投げ捨てる行為です。軍事力によらない平和実現への貢献をうたった憲法を足蹴にする許されないものです。平和のうちに生活する権利を持っている市民への真っ向からの挑戦です。

 防衛省―自衛隊は憲法を遵守する義務があります。戦争準備のミサイル防衛は直ちに中止する義務をもっているのです。

 政府は軍事力に基づかない平和構築の努力をするべきです。粘り強い対話による外交と本当に相手の望む協力体制の構築による国際貢献こそが東アジアから世界の平和を発信する唯一の道筋です。

 ミサイル防衛とPAC3配備は直ちにやめるべきです。PAC3が全く役に立たない代物であることは実際にあつかう現場の自衛官の皆さんはすでにわかっていることでしょう。

 今回の配備に強く抗議するとともに、第15高射隊への配備を中止すること、白山、饗庭野基地配備を中止することを強く申し入れます。同時に自衛隊は情報統制をただちに止め、市民にすべての情報を開示することを申し入れます。

2009年2月27日  パトリオットミサイル配備に反対する東海交流会

(構成団体)
不戦へのネットワーク
各務原基地へのPAC3の配備の中止を求める会
NO!AWACSの会浜松
戦争をしない・戦争協力もしない三重ネットワーク


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