不戦へのネットワーク 有事法制反対ピースアクション

相次ぐ小牧基地(空中給油機、C130 輸送機)の事故に対して
防衛省ー航空自衛隊の徹底した対処を求める申し入れ
(2008年12月15日:不戦へのネットワーク)

防衛大臣  浜田 靖一 様
航空幕僚長 外薗 健一郎 様

 12月12日小牧基地に配備されている空中給油機が試験飛行中給油管を格納できず、岐阜基地に緊急着陸し、着陸時には火災を起こすという事故を起こしました。

 小牧基地は重大な事故を連続して起こしています。
C130輸送機は滑走路の逸脱、緊急着陸、部品の落下と相次いでいます。
 事故がおこるたびに地元市町は安全確保を小牧基地に申し入れてきました。にもかかわらず今回の事故が起きました。小牧基地の安全確保の約束がまったくデタラメであることが今回明らかになったのです。小牧基地のいう安全確保というのはその場しのぎのごまかしです。
地元自治体、住民の安全を願う気持ちを逆なでする行為です。

 空中給油機については私たちも小牧基地の機能強化とあわせて安全性の問題も県営名古屋空港の設置管理者である愛知県に再三申し入れてきました。
 愛知県当局は「給油輸送機」と「輸送」の言葉がはいっているので輸送業務という小牧基地の役割に変化はないと言い張り、最後には「給油もできる輸送機」という珍回答を行いました。
 今回の事故はF15戦闘機との給油試験をおこなっているときに起こしました。この飛行機は空中給油機そのものなのだという証明です。空中給油以外にも輸送などにも使用可能だというのが「給油輸送機」の内容なのです。航空自衛隊は給油機がほしいために本機を導入したはずです。

 今回の事故の給油装置はボーイング社が新規に開発したものです。その安全性の問題などで納入が一年間延期されました。アメリカ航空当局も安全性の問題で型式証明をスムーズに出しませんでした。
 安全性や機能が十分に検証されないままに、納入されたのではないかという疑問が残っています。
 2月に配備された空中給油機1号機は配備直後のエンジンカバー損傷、空調機器異常などでまだ一度も飛行できない状態です。
 再三にわたる不具合での納入延期と相次ぐ事故。KC767空中給油輸送機は欠陥航空機といわざるを得ません。欠陥機を巨費を投じて導入した防衛省の責任は重大です。

 今年度中の3号機、来年度の4号機の配備はただちに中止すべきです。安全性への疑惑が払拭されない給油機ーKC767の導入はさらに大きな事故につながります。

 小牧基地の自衛隊機は県営名古屋空港の滑走路を使用しています。
 度重なる事故を起こした小牧基地所属の自衛隊機は危険そのものです。
 滑走路の逸脱や着陸時に火災をおこすような事故を頻繁におこす小牧基地の整備、管理能力は徹底的に検証されなければなりません。
 現在の小牧基地には安全管理能力、航空機の安全な飛行、運用を行う能力は完全に欠如しているといわざるを得ません。
現状のままの小牧基地のあり方を容認していては地域住民を生命の危険にさらし続けることになります。
 私たちは防衛大臣、航空幕僚長に以下の申し入れを行います。

1) 小牧基地所属の自衛隊機の飛行などの安全性が確認できるまですべての飛行を中止すること
2) 小牧基地所属の自衛隊機の徹底した検査と整備をすること
3) 小牧基地の整備部門の徹底した作業内容の検証、見直しすること
4) 小牧基地の飛行、運用部門にも同様3)と同様のことをすること
5) 安全確保のための小牧基地の過去の対処を全面的に明らかにすること
6) 今後の安全対策を具体的、詳細に公表すること
7) 飛行再開にあたっては、県営名古屋空港滑走路使用許可は現在の前月末の一括申請方式を改めること。個別の飛行、滑走路を使用しての訓練などの詳細を申請し安全を設置管理者の愛知県と確認すること
8) 事故原因の調査、安全性の検証は防衛省―自衛隊の内部調査の報告ですまさないこと。外部の専門家と市民による調査委員会による検証を行うこと。情報はすべて開示すること。
9) 空中給油機3号機、4号機の配備を中止すること

 自衛隊機の事故原因と安全策は防衛省―自衛隊内部の調査で行われてきました。しかし相次ぐ事故をみれば内部調査は意味をもたないことは明らかです。航空機事故調査委員会などの専門的な調査機関の調査、検証が必要です。愛知県、地元市町さらに広範な市民参加と徹底した情報公開が再発防止の最善の道です。
 防衛大臣と航空幕僚長は、小牧基地が県営名古屋空港の滑走路を使用している事実にふまえ、相次ぐ事故に不安を抱く地域住民に対して自衛隊機の徹底した安全確保を行うことを求めます。

2008年12月15日

不戦へのネットワーク


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