有事法制反対ピースアクション 不戦へのネットワーク

イラクからの撤退を求める申し入れ書(2007年12月22日)

第1輸送航空隊司令 兼 小牧基地司令 空将補 石野 次男 様
隊員の皆さまへ

 本日もイラクからの撤退を求める申し入れにやってまいりました。2007年最後の申し入れです。この度の石野司令の着任で私たちの申し入れも溝口司令、上田司令、浮須司令と続き4人目の司令への申し入れとなりました。来年こそ、イラクからの撤退が実現し、申し入れをしなくとも済むことを願っています。また、石野司令におかれましても、これまでの司令同様、私たちの申し入れについて誠意ある対応をお願いしたいと思います。

 航空自衛隊の皆さま方がイラクに派遣されて4年が経とうとしています。派遣当初より充分予見されていたものとはいえ、イラクの復興支援とは、およそかけ離れた任務となっていることはとても残念なことです。政府は国連の人員、物資の輸送が主たる任務であるかのように言っていました。しかし、実際は、その8割がイラクにおいて掃討戦を繰り返しイラク市民を何度も巻き添えにしている米兵とその物資であることが、この1年で明らかにされてきたと思います。もし、米軍への協力をイラクの復興支援であると言い張るのであれば無理があります。イラク国民の多くが治安の悪化は米軍の駐留にあると感じ、米軍の撤退を望んでいます。米軍への協力はイラクの復興支援とは相反するものです。航空自衛隊の皆さまが命をかけてやるべき任務ではないはずです。

 福田首相を始めとする自民、公明両党は、未だブッシュ大統領のイラク政策を支持しています。とても残念です。ブッシュ大統領のイラク攻撃、イラク占領についてはアメリカの共和党内部、軍内部からも批判が出ています。ポーランド、オーストラリアは2008年中の撤退を表明しました。イギリスも兵員の削減を明らかにしています。

 先日、参議院において民主党の提出したイラク特措法廃止法案が可決されました。衆議院において自民、公明の与党によって否決されてしまうのでしょうが、たとえ、参議院においてとはいえ可決されたことは航空自衛隊の撤退に向けての大きな前進であると思います。

 私たちは、この4年間で日本が、実は踏み入れてはいけない領域に踏み込んでしまったことを心配しています。米軍の要請のまま戦地派遣が続けられることは本当に日本の安全、平和にとって、役に立つのだろうかと心配しています。私たちは、この日本という国が安全で平和で世界の人々から信頼される国になってほしいと願っています。少なくとも軍事力で他の国を攻撃したり、占領したりということがあってはならないと思っています。またそうしたことを行うことに加担してもならないと思っています。これは20世紀の戦争の大切な教訓であると思っています。イラクにおける米兵の死者は3800人を超えています。軍事力を使うということは結局、使う側に取っても若者の死を強要することとなります。再三の申し入れではありますが、どうかイラクからの撤退を上申してくださるようお願いします。

2007年12月22日
有事法制反対ピースアクション(名古屋市昭和区鶴舞3−8−10 労働文化センター内2階)


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