靖国神社参拝を中止する要請書

内閣総理大臣 小泉純一郎様

 小泉首相は、就任以来、靖国神社への公式参拝を表明しています。曰く「参拝することは憲法違反だとは思ってはいない」「国のために亡くなった人をお参りしてなぜ悪い」「日本国民・日本国総理大臣として当然の行為だと思っている。総理大臣である小泉純一郎が参拝する」「第二次世界大戦を美化したり正当化するものではない。心ならずも戦地に駆り出されて、命を犠牲にした方々に敬意と感謝の誠を捧げるために参拝する。毎回毎回、靖国神社に参拝することを非難する心情が私は理解できない」とくりかえしています。

 言うまでもなく、靖国神社は、東京招魂社から始まり、1879年に靖国神社と改称され、陸・海軍省の管轄下におかれました。そして、侵略戦争の過程で、天皇に忠誠を誓い、命を捧げた軍人や軍属のみを「英霊」としてまつり、民衆を侵略戦争に加担させていく精神的支柱である国家神道の中核的存在としてありました。まさに天皇の神社であり、アジア侵略に精神的支柱でした。

 戦後、一宗教法人として存続を図り、1978年には「昭和殉難者」としてA級戦犯である東条英樹以下14名を合祀しています。

 このような靖国神社へ参拝することに対し、侵略と植民地化で辛苦を味わった中国・韓国から当然にも批判の声が上がっています。これに対しても[A級戦犯はすでに死刑という現世で処罰を受けている。死者を選別してはいけないのか」などと開き直っています。

私たちは、首相の靖国参拝は、憲法二十条の政教分離に明確に違反していると考えます。そればかりか、日本の侵略戦争・植民地化への反省など微塵もない行為です。この動きは、「国旗・国歌」法の成立、扶桑社の「新しい歴史教科書」採択に見られるような、侵略戦争を肯定、美化し、新たな国家主義への動きとも連動していると考えます。 一昨年、新ガイドラインに基づく「周辺事態法」が成立し、日本は「戦争ができる国家」へと大きく転換しました。そして、今、集団的自衛権の行使容認、有事立法・憲法「改正」と、靖国神社の新たな「英霊」、すなわち国のために死ねる体制作りが始まろうとしています。

 私たちは、再び殺す側の立つことを拒否するとともに、心ならずも「国のため」に死ぬような新たな犠牲を作ることを拒否します。

 小泉首相のいかなる形での靖国神社への参拝の中止を要請します。

不戦へのネットワ−ク (代表 水田 洋)  名古屋市昭和区白金1−13−10   052−881−3573

東海民衆センタ− 052−871−3508

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