抗議・要請文

アメリカ合衆国大統領 ジョージ・W・ブッシュ様

 2月10日、ハワイ・オアフ島沖で発生した米海軍攻撃型原子力潜水艦グリーンビルによる、宇和島水産高校の漁業実習船えひめ丸の衝突事故、また、今年に入って続発している女子高校生への強制わいせつ事件・キャンプハンセン所属の海兵隊員による連続放火事件など沖縄駐留米軍による重大な事件・事故は基地・軍隊の存在自体が平時においても、生命や人間の尊厳を脅かすものであることを如実に証明しました。

 今年1月の女子高校生への強制わいせつ事件で、沖縄県議会は全会一致で「海兵隊の削減決議」をおこないました。それに対して、在沖縄米海兵隊の最高責任者であるアール・ヘイルストン四軍調整官は「頭の悪い腰抜けども」という、常識では考えられないようなひどい中傷を行いました。沖縄の基地被害の実態や歴史をまったく理解しているとは思えず、最高責任者としての資質を疑わざるを得ません。95年に起きた少女暴行事件の際、綱紀粛正・兵員に対する教育の徹底や、日米地位協定の運用見直しが行われましたが、教訓は何ら生かされていません。そもそも、日米地位協定は不平等なものであり、運用の見直しなどで解決できるものではありません。事件・事故が起きるたびに「日米関係の重要さ」を理由に謝罪は行われますが、その実態は全く形式的・儀礼的なものでしかないといわざるを得ません。

 また、今回の原子力潜水艦の事故は、横須賀・佐世保など米軍基地があるところはもちろん、周辺事態法成立以後、米艦船が北海道の各港湾に頻繁に入港している状態では、また起きる可能性も危惧されます。以前行方不明の人々の家族の心情を思うと、行方不明者の捜索と原因究明を徹底的に行い、このような事故が二度と再び起きないよう最善を尽くすべきです。

 私たちは、基地・軍隊は戦時は当然、平時においても人命や人間の尊厳を脅かすものであると考えます。一連の貴国の軍隊による重大な事件・事故に対し厳重に抗議するとともに以下のことを実行されるよう要求します。

1、米海兵隊は全面的に撤退すること。

2、日米地位協定の改定を行うこと。

3、アール・ヘイルストン四軍調整官の更迭を行うこと。

4、事件・事故の再発防止のため徹底的な事実究明と被害者に対する補償を行うこと。

以上

2001年2月16日
不戦へのネットワーク
東海民衆センター
名古屋市昭和区白金1−13−10 代表 水田 洋


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