抗議・要請文

内閣総理大臣 森 喜朗様

異議あり!サミット 沖縄に新たな基地をつくらせない7・16集会参加者一同


 本日7月16日、私たちは「異議あり!サミット 沖縄に新たな基地をつくらせない7・16集会を行いました。ここに参加者一同の総意によって、日本政府に対し抗議・要請を送ります。

 7月21日から、沖縄名護において サミット(先進国首脳会議)が行われます。そもそもサミットは強大な軍事力をもち、大半が武器輸出を行い、軍事力に頼って世界秩序を維持しようとする「先進国」が利害調整を行い、世界の枠組みを決めるものです。このようなサミットが沖縄で行われるということは、戦後一貫して「基地の島」としてあった沖縄の存在を先進国に認知させるという意味があります。

 沖縄は「鉄の暴風」と形容された沖縄戦で20数万人の命が失われました。戦後は占領した米軍によりまさに「銃剣とブルドーザー」で強制的に土地を奪われ、米軍基地が次々と建設されました。そして、数々の事件・事故により人命が奪われ、人権が無視され続けてきました。95年におきた海兵隊員3名による少女レイプ事件に大きな抗議の声があがったにも拘わらず、7月3日、またしても安全であるはずの屋内に海兵隊員が侵入しレイプ未遂事件を起こしています。ヘルストン四軍調整官の謝罪にもかかわらず、すぐあとにはひき逃げ事件も起こっています。基地・軍隊の存在が、住民の安全を守らないばかりか、人権や財産はもちろん生命までも奪ってしまうということを、沖縄戦とその後の基地の存在は示しています。そればかりか、沖縄の基地は朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争などの出撃基地として機能してきました。基地軍隊の存在は、沖縄の人たちに被害をもたらすだけでなく、アジアを始めとして世界に展開するアメリカの軍事による支配の拠点として機能しています。

 にもかかわらず日本政府は97年名護住民投票で示された「基地NO!」の意思を無視し、年間100億円を10年間という「振興策」と引き換えに、普天間基地の代替えとして、名護市のキャンプシュワブ沖辺野古海域に新たな基地建設を進めています。しかも作られようとしている基地は最新鋭の垂直離着陸機MV22オスプレイの配備に見られるよう、市街地にあり危険で老朽化した普天間基地に変わり、より機能強化したものに代えようというものです。また辺野古海域は、絶滅危惧種で国際保護動物にもなっているジュゴンが生息しており、基地建設が進めば貴重な自然が破壊されます。

 私たちは沖縄戦の歴史的な教訓と、その後の基地・軍隊の存在から軍事では決して人の日々の平穏な生活も、人権も生命さえも守られないということを強く訴えます。

 私たちは、新ガイドライン関連法などの成立により、戦争ができる国家への道を進むことを断固拒否します。平和は、一部「先進国」の首脳が集まり決定するものではなく、日々人権や生命を脅かされる事なく平和的に生存できる条件が整ってこそ実現できるものです。沖縄に過重な犠牲を強い、「思いやり予算」などという何の根拠もない税金の支出によって、米軍基地を維持し、新たな基地建設を進めることに断固抗議するとともに、これ以上沖縄に基地の負担をかけないよう強く要請します。


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