憎まれ愚痴入口木村書店戻る┃  メルマガ1の目次項目別案内

まぐまぐ メールマガジン 週刊『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』
再録版  Vol.22  2004.02.12

[20040212]古代アフリカ・エジプト史への疑惑Vol.22
木村書店Web公開シリーズ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Vol.22 2004.02.12 ━━
 ■■■『古代アフリカ・エジプト史への疑惑』■■■
     近代ヨーロッパ系学者による“古代史偽造”に真向から挑戦!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                      等幅フォントで御覧下さい。
              出典:木村愛二の同名著書(1974年・鷹書房)

  ●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●叉∞叉∞叉∞叉∞叉●

         ┏┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┓
         ┫  第二章:ヤムのふるさと  ┣
         ┗┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┛

◆(第2章−12)家庭菜園 ◆ ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

   すでに、川田順造の描写の中に、油ヤシが登場していた。この他に、コ
  ーラ、アキーなどという名の大きな種子をつける樹木性の農作物も、アフ
  リカ熱帯隆雨林の原産である。つまり、この地帯の野生種に発すると考え
  られている。
  
   その他に中尾佐助は、2種のウリの原産がたしかだとしている。そのウ
  リの1種は、ニワトリのタマゴ大の種子を食料にする。以上のものに、主
  食のヤムを加えた農作物の組合わせについて、中尾佐助は、オセアニアの
  組合わせと比較しながら、それよりも、「油科食物を含んでいる点で、決
  定的にすぐれている」と評価している。これに、狩猟動物による蛋白質を
  加えれば、栄養は満点である。
  
   面白いのは、バナナの利用法である。たとえば、ザイール(コンゴ)に
  派遣された外交官夫人、山本玲子によれば、大型の料理用バナナ、数種の
  デザート用バナナ、親指大のモンキー・バナナ、皮が赤くて中味がピンク
  の赤バナナといつたように、沢山の品種が栽培されている。
  
   ただし、バナナはやはり、または「まだ」、東南アジアからアフリカに
  つたわったのだと主張されている。ところが、まだ真の野生種は発見され
  ていない。しかも、中尾佐助によると、「西アフリカのバナナは、まだま
  ったく科学的に何人[なんぴと]によっても調査されたことがなく、いま
  にいたっている」。東アフリカ海岸のバナナは、少し調査されているらし
  いが、西アフリカ以外でも、熱帯降雨林のバナナは、全く調査されていな
  いらしい。わたしは、最低限必要な調査をしていない主張を、学説とは認
  めない。また、アフリカ大陸に、バナナの野生種がなかったとも考えられ
  ない。現に、エチオピア南部では、類縁のニセバナナ(エンセーテ)を主
  食にしており、これはアフリカ原産である。
  
   それゆえわたしは、バナナも最初からアフリカで利用されていたと想定
  する。もちろんわたしの想定が誤りであるという調査結果がでれば、それ
  にはしたがわざるをえない。しかし、それまでは、このわたしのバナナ栽
  培アフリカ起源説は、調査なき「学説」と同格である。
  
   では、以上のような農作物の栽培は、どのようにしてはじめられ、どう
  いう栽培方式を生みだしたのであろうか。
  
   まず、植物性の食料採集を受けもつ女たちは、せまくなったなわばりの
  中で、成長の悪い、もしくは未熟なヤム、バナナ、ヤシの実、ウリなどを
  も採集しなければならなくなった。そこで、植物の成長の条件に注目しな
  いわけにはいかなくなった。いささかこじつけめくが、ヤムのイモのよう
  な根っ子をほる作業をしていた女性たちは、字義通り、植物の生態を「根
  本的」に理解する機会にめぐまれてもいた。
  
   最初の農作業は、食用にならない植物をとりのぞき、食用植物の日当り
  をよくすることだっただろう。大きな木がじゃまになるときには、男性も
  手伝わされたであろう。しかしまだ、男性が完全に農耕文化にひきこまれ
  るのは早い。農作業は当分、女、子供、老人の仕事である。
  
   さて、ここで面白いのは、ヤムやウリのつるが、樹木にまきついて成長
  することである。これは、現在でも、各地で行われている方式なのだが、
  わたしは、最初から、樹木性作物と、つるをのばす作物とは、組み合わせ
  になって栽培されていたと考える。もともと自然状態でそうなっていたも
  のを、見逃がすはずはない。
  
   いったんこの方式が成功してしまえば、あとは急速にすすむ。不用な植
  物をとりのぞき、そこに幼樹を植える。もしかすると、このころからすで
  に、不用な植物を焼くこと、つまり、焼畑耕作の原型がみられたのかもし
  れない。灰がすてられた場所では植物の成育が早いことも、すぐに発見さ
  れたのではないだろうか。
  
   これらの農作物は、また、植物としての性質もあり、熱帯という条件の
  下では、つねに収穫が可能である。つまり、つねに新鮮で、しかも、貯蔵
  の必要がない。この点も、最初の農作物として、最適の条件をもっていた。
  
   熱帯降雨林の農業社会の「楽園」的様相については、中尾佐助の描写を
  紹介しておきたい。まず、つぎの参考図のようなオセアニアの方式である。
  
              耳 耳    耳 耳
     尾  豚豚豚豚豚豚●豚●    ●豚●豚豚豚豚豚豚  尾 
      尾尻豚豚豚豚豚豚豚◆      ◆豚豚豚豚豚豚豚尻尾  
        豚豚豚豚豚豚豚豚      豚豚豚豚豚豚豚豚 
         足足  足足        足足  足足 
  
   http://www.jca.apc.org/‾altmedka/afric-k.gif
            オセアニアのキチン・ガーデン
  
  「いまでも南太平洋の離島などでみられる裏庭型ともいうべき畑で、キチ
  ン・ガーデンともいわれる方式……何本かのパンノキやヤシ類が点々とあ
  り、ヤムイモの蔓がそれらにまといついている。樹の下には半日陰でもよ
  く育つタローイモの各種があちこちに雑然と生え、バナナやサトウキビの
  幾株かがところどころに育ち、野菜になる雑草が残っている。豚がそのあ
  いだをときどき歩きまわっているといった風景である。畑といえば1種類
  の作物が整然と植えられている風景に見慣れた人にはキチン・ガーデンは
  畑にみえないかもしれないが、生産力は予想外に高い方式である」(『裁
  培植物と農耕の起源』、p.54〜55)
  
   こういう生産性の高い農業方式があればこそ、「南太平洋の楽園」が存
  在しえたのである。そして、同じ方式は、現在のナイジェリア南部にもあ
  る。中尾佐助は、ナイジェリアのヤム栽培農民が、「南太平洋の島で見ら
  れるキチン・ガーデンの植え込みを、大規模に行なっている」と説明して
  いる。
  
   残念ながら、こういう生産性の高い「楽園」は、熱帯隆雨林地帯、また
  は赤道地帯でしか成功しない。また、石器による伐採では、ジャングルの
  奥深くまでは切りこめない。
  
   しかし、人口は増えつづけた。人々は次第にサバンナへも進出し、それ
  までは、種子の採集ですませていた雑穀をも、栽培するようになった。農
  作物の種類はふえていった。方法も多様になった。こうして、新しく進出
  していった土地の条件に応じて、新しい栽培方式が工夫された。わたしは
  このように、農業文化の一元説を考えている。
  
   紀元前8000年、アフリカ大陸に湿潤期が訪れた。農耕民族も、相変らず
  狩猟をつづけていた民族も、サハラへ、ナイル河流城へ、そしてオリエン
  トへと流れだしていった。
  
   では、これらの民族、とくに農耕文化をきずきあげた中心的な民族は、
  その苦難の歴史を語りつたえてはいないだろうか。すでに双分氏族性の社
  会構造をつくり、指導者、つまり、長老の教えを受けついでいた人々は、
  それまでの歴史を教訓としなかっただろうか。
  
  
      次回配信は、第2章−13「アフリカの神話」です。
----------------------------------------------------------------------
 ★木村書店の新刊★緊急出版★
    『外交官惨殺事件の真相と背景』    2004年1月30日発行
http://www.jca.apc.org/‾altmedka/shoten-diplom.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■このメールマガジンは、『まぐまぐ!』発行システムを利用しています。
 http://www.mag2.com/
 配信中止 http://www.mag2.com/m/0000117236.htm
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
■制作・発行■ 木村書店・木村愛二 mailto:altmedka@jca.apc.org
(ご案内)   http://www.jca.apc.org/‾altmedka/shoten-afmag.html
(木村書店)  http://www.jca.apc.org/‾altmedka/hanbai.html
(憎まれ愚痴) http://www.jca.apc.org/‾altmedka/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Vol.23へ


メルマガ案内   2008.1.16