秘密日記 秘書の独り言
10月31日(木)今日もよく晴れて寒い
今日こそ発送する。そう確約した筈だ。なのに朝からぼーっとした面持ちで愛松君相手に電子手紙ごっこ。お昼を食べれば、食後のひと休みをずるずると夕方まで持ち越して、疲れたとのたもうて狸寝入り。やる気あるのかこのタヌキ、と秘書がつい柄にも無いお下品な言葉を口走りたくなっても無理はない。
罵倒しまくりたいのをぐっとこらえて、「今月中に発送しないとまずいのではありませんか」、とやんわり申し上げれば、帰ってくる言葉は、「働き過ぎで過労死しそうだ。あーあ、鬼ばっかりで恐いなあ」
秘書の目がつりあがるのも髪の毛が逆立つのも口が裂けるのもみーんな誰かさんがボケまくるせいだ。愛松君がボケた、変換が出来ない、とさんざん騒いでくれたけど、王様はおうさまって読むのだよ、おおさまって読むんじゃないよ。愛松君のせいにするんじゃない! この大○○!
む、いかんいかん秘書の人格が破綻し始めてきた。編集長の影響を受けちゃいけない。どんな逆境にあろうとも志は高く保たねば。秘書は真っ当な人間なのだ。
10月30日(水)晴れ
本ができてから何日になるだろう。あろう事か、予約して下さったお客様にまだ発送していない。秘書が悪いんじゃない。営業部長でもない。総務部長でもない。みんなあのお方のせいだ。
予約リストは、と言って探し出し、宛名印刷は、と言って打込みをはじめ、書籍用の封筒はどこだ、と言って発掘にでかけ、挨拶状を作ってない、ついでに出版案内も入れよう・・・ 秘書にできることならワープロでも印刷でも梱包なんでもやってやるから、さっさと原稿書かんかい!
10月29日(火)晴れ
新宿はロフトプラスワンで本を売ってくる、と編集長が出かけて行った。カートに積んで引っ張ってくのだけれど、今まで使ってたのは大分年季がはいっているので、自分でも(こんなにボロくては、間違えられる)と気づいたらしく、新しいのを買いに行った(何に間違えられるのかは、皆さんが想像したもので多分あってます)。こういう時の編集長の動きは迅速だ。多分世の多くの人と一緒で、お金を使うのが楽しいのだろう。秘書だってお金使うのは好きだ。使うお金がないだけの話だ。
ちらっと見たら、エロエロみたいな変態なんとかとか銘打ったイベントだった。ほんとに本を売りにいくのだろうか。そう言えば、今回は秘書に声がかからない。お友達の有名なパロディ作家の人の本の紹介のついでに紹介してもらうみたいだ。
そりゃそうと、先日の講演会で本が売れてたな。あの代金、どうしたんだろ。経理部長は「知らない」ときっぱり言ってた。
10月28日(月)晴れ
何でか忙しい。社内は狸の皮が山積みになってるところへ、白熊化した編集長がうろうろするので、息苦しい。ああ、鬱陶しい。
10月27日(日)晴れ
日曜学校がない。気分がうつろだ。近所でフリーマーケットをやるというので、自転車漕いでえっちらおっちら行ったら、空き地にちらほらと、秘書の欲望とはてんでかけ離れた物ばかりが並んでた。出品者の責任では全然ないのだけれど、何にも買えないので腹を立てて帰ってきた。ふん。みんな貧乏が悪いんだ。
10月26日(土)雨
本はできた。今日は編集長主催の、講演会という名前の独演会もある。この二つをかけ合わせると、すなわち、朝からハイテンションの御仁が社内に出現する事になる。
わたくしわぁ、この事件につきましてわぁ・・・と、狭い社内をうろつきながら、いちいち語尾に力を入れて、いかに自分が頑張って事態を分析また予見してきたかをぶち上げて、つまり、はた迷惑な予行演習が展開される。ちょいと野暮用あって、必死にキーボードひっぱたいている秘書がどんな思いで聞き流しているか、千年たっても気付くまい。秘書の不幸は永遠に続く・・・
さて、いつも土壇場になってじたばたするのが好きな編集長、今回も出かける直前になって、あれが無いこれが無い、と言って、社内総動員で、販売用の釣り銭集めに行き事務用品買い出しに行きやっとこさっとこ本も講演会会場まで運搬して開演。1、2分といえども主催者側の関係者が全員遅刻したので、参加者のみなさん、あきれておいでだったろうな。編集長の事務処理能力を信じちゃいかん、と反省。
講演会そのものは、今回は熱いメンバーが集まったようで、誰が講師か分からないくらい発言が飛び交っていた。その熱気はそのまま懇親会の会場まで持ち越されて、酒飲んで口角泡を飛ばし、挙げ句コンビニで色々買い込んで我が社に上がり込んで宴会やったらしい。全くいい歳こいてなんと言う連中だ。
10月25日(金)曇り時々雨
待望の本ができました。どんな仕上がりになるか、バッタもんになるんではないかとヒヤヒヤしておりましたが、まあそれなりにできました。一安心。
と、眺めまわしていたら、ギクリ。ぐっ。言わなきゃ分からないでしょうが、表紙に手違いがありましたがな。第2刷で直す予定ですので、この初版本は将来コレクターズアイテムとして高値がつきますぞ。今買わなきゃ損ですぞ。
10月24日(木)雨
今日も秘書は、先日社内を駆け抜けた突風被害の後始末で、掃き掃除、拭き掃除にせいを出しました。
10月23日(水)曇り?
裁判があるとかで編集長お出かけ。また何をやらかしたのかと思っていたら、傍聴であった。もう何年も続いているそうで、いい加減にせい!、とかぶつくさ言っておった。怒り心頭に発したかどうかは知らないが、傍聴席でヤジを飛ばして来たらしい。
いつかと同じような状況なので、まあまあと秘書はなだめてやった。また血管を詰まらせられてはかなわない。しかし秘書のたわごとは耳に入らなかったようで、その後も電話でどなたかとお話しして切れまくっていた。くわばらくわばら。
10月22日(火)晴れ?
一夜明けて秘書は頭が痛い。三日酔いではない。一応改装はしたものの、瓦礫が山のように積みあがっていて、社内は混沌きわまりなく、巨大迷路になってしまった。秘書は帚とちり取りと雑巾もって、一日中社内をさまよっていたのである。
10月21日(月)曇り時々雨?
不覚にも二日酔い。思考も歩行もカメさん状態で、ボケ−っとしております。会社に顔出したら、皆さん冷たい視線を向ける・・・かと思ったら、社内が大騒ぎになっていました。
いきなり改装することになったそうで、大勢人が出入りして、こっちをトントンギコギコ、あっちをバリバリベキベキ、そっちを拭き拭き塗り塗り、どっちを向いても、材木は積み上げてあるは、瓦礫がほうり出してあるは、足の踏み場もない状況です。秘書はペンキの缶に蹴つまずいて、ぶわーっと社内に極彩色をぶちまけてしまいました。
すると、オラオラねえちゃん邪魔だよ、どっか遊びに行ってな、とのお言葉。う、セクハラだ、と思ったものの、言いかえす言葉がありません。
ふん、といじけて隅っこで指をくわえていたら、職人さん達がチビ黒サンボのトラみたいな超速で動き回りはじめ、やがて、あれま、神風でしょうか何風でしょうか、凄まじい突風が社内を吹き飛ばします。あれえ、助けてえ、と叫んで秘書は必死に柱にしがみつきました。生きた心地がありませんでした。
やっとおさまって、辺りを見回すと、なんと憎まれ愚痴新装開店の金ぴか文字が忽然と宙に登場。玄関の看板にはなんと編集長の似顔絵とにやついた写真。新たな悪夢が始まりそうな予感、いえ悪寒がします。
10月20日(日)曇り時々雨
春からずっと一回も欠かさず通った日曜学校が今日でお終いです。ですので、お別れ会と称して学校の地下のビアホールで飲み会です。もとい、学校の地下ではありません、学校があるビルの地下です。学校は飲み屋を経営してません。
明日からはもう学生ではありません、ただの失業者です。久し振りに酔っぱらいとなりました。明日からまた辛い人生が始まります。
10月19日(金)曇り時々雨
とても忙しかったのでしょう、記憶がございません・・・
10月18日(金)曇り時々雨
ホームページね、ほら右と左に別れてて別々に動くの。あれ、いいね。
と、お気楽に言ったのはどこのどなただったろう。その道の専門家ではない秘書は、市販のマニュアル本片手に頭を捻り無い知恵を絞り脳味噌ツイストさせて片頭痛に悩みながら、“フレーム”とやらを作り上げて、御希望通り右と左が別々に動くようにしてやった。
断っておくが、秘書が作った時は、それなりのページだった。あっと言う間に、とっ散らかったゴテゴテ趣味にしたのは、編集長だ。
昨日アメリカのなんとかいう人のホームページを見て、今度は、こういう風にシンプルで分りやすいのがいい、って思ったのだそうだ。つまり、また作り直してシンプルなページにしてくれ、と。
シンプルとは程遠い自分の性格を把握してるんだろうか。
秘書が初め落ちついた色にしておいた文字は、気がつくと一年中クリスマスみたいに赤と緑のごちゃ混ぜカラーになっていた。しかもやたらと大きい文字が好きで(メガネを買い替えるべきだ)、しかもやたらと太字が好きで、文字が枠から溢れ出してレイアウトは原型をとどめなくなる。
繊細な秘書の苦労をいつもいつもぶち壊しておきながらシンプルだって。
いっそ文字だけのホームページに戻したろか。
いや、ここでふて腐れては人間進歩がなくなる。秘書がすたる。人生何ごとも他山の石。枯れ木も山の賑わい。人を見たら編集長と思え。
10月17日(木)晴れ
なんでか毎日暑い。10月もなかばだというのに、夏日が続く。記録的なことらしい。夜中暑くて布団を剥いで窓を開けて、明け方寒くてまた布団にもぐり込む。なんだか寝苦しくて睡眠不足だ。こんな時は勤勉な秘書だって大あくびくらい出るわい。そんな時に近くに寄ってきて頭を突き出し、わわっ吸い込まれる、とか変な冗談をいってると、後ろから大きなゴミ袋かぶせて不燃ゴミの日に出してやるぞ。
10月16日(水)夜中に雷
あったふったと、編集長がでかけて行く。どこへ、と問うまでもない。毎月高齢いえ恒例の老人会の定例会である。老人会ではない、年金者組合だ、と編集長は力説するが、どこが違うのか秘書にはわからない。だって、年寄りばっかじゃないか。その中に混ざると、自分は若い、と編集長が錯覚を起こすような集まりを世間様は老人会という。青年部長に立候補する、と確か半分は本気で言ってたはずだ。
それはともかく、本の宣伝もしてくるから、チラシを30枚用意せよ、とおっしゃる。30枚位訳ない、と言いたいが、印刷するのは最近お疲れさんのメビ君だ。じーこーじーこーと印刷始めたが、案の定途中でストライキ。へっ、はて?とあちこち調べてプリン太のインク切れ、と判明。
思えば、このプリン太もこき使われ組だ。じゃかじゃか葉書を突っ込まれて息切れし、ノズルが詰まりっぱなしになり、秘書が何度もクリーニングしてやったもののマトモに作動しなくなり、編集長に「捨てる」と見放され、新しいプリンタに場所を奪われ廊下の隅っこに転がされていた。
その物悲しげな姿が不憫で、もしや、と秘書はぐちゃぐちゃの編集長関係の書類の山に分け入った。山崩れの恐怖と戦いながら、捜索すること1時間。あった!プリン太の保証書だ。なんとまだ4カ月も保証期間が残っている。捨てたら祟りがあるで、と編集長を脅かして、お出かけする時についでに持たせて修理に出した。今から2週間ほど前のことだった。5日位でプリン太は全治して戻ってきた。戻った途端にまたこき使われてインクが切れてしまった訳だ。
そんな事情が秘書には他人事には思えず、身につまされる。秋は切ない。
10月15日(火)晴れ
アドビのイラストレーターは立ち上げるのに時間がかかる。アイコンをクリックしてから編集画面が現われるまで、お茶を入れに席を離れてても何の差しつかえもないのだが、今日はぼーっと画面を眺めてしまった。イラストレーターのアイコンは御存じボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」の女神様だ。物憂気なこの女神様、目の焦点が定まっていない。つまり目が「行っちゃって」いるので、昔模写をした時苦労したのを覚えている。
が、今日ジッと見ていて別のことに気づいた。なんで昔は気にならなかったのだろう。女神様、目の下にクマがくっきり。クマというより皺だろうか。とにかく夜遊びが過ぎたよな顔してる。そう思ってしげしげ眺めると、この女神様、人生投げちゃってるよ。いや、神様だから神生か。誕生したばっかでそんなに希望がなくてこの先どうする。あんたが生まれた時にはまだ人間は律儀で健気で、「神は死んだ」などと口走る不届き者が出てくるのはずっと後の時代だよ。
10月14日(月・体育の日)晴れ?
見事に風邪引きました。一日中寝てましたが、寝ても寝ても眠いこと。
本日インドネシアでテロ?爆発がありました。大勢の人が犠牲になったようです。本日は夕刊ありません。明日の朝刊もありません。昔どなたかが言ってました。災害は休刊日知らずにやってくる、と。
10月13日(日)晴れ
眠いぞえ。朝もはよから団地内の一斉草むしりで足腰が痛くなってるところへ、メビが言う事を聞かん、今日中に印刷したいのだ、という号泣したい程有り難いお電話。お家の中とっ散らかしたまま急いで駆けつけてメビを立ち上げてやった。
何故言うことを聞かないのか、という御質問があったが、理由はただ一つ。休日にこき使うからです! 愛松君だって、この間ストライキしましたでしょうが。メビ君だって日曜くらい休みたいんです。最近、イラストレーターを駆使していろいろ作るようになったので、メビ君はずっとしゃかしゃかじーこじーこと印刷担当で働きづめでしょうが。
秘書だって日曜は学校に行く日だい。会社に来る日じゃないやい。
10月12日(土)晴れ
本日は家出気分です。しかし家を出たところで劇的な変化が訪れるわけでもなくお腹がすけば戻ってくるしかないので、同居人とお買い物に行って憂さ晴らしをすることにしました。目指すは隣町の吉祥寺。
あっちをふらふらこっちをふらふら、いっぱいお店を回ったけど、いざとなると人間度胸がなくなるものですな。これ以上カードを使うと間違いなく首がまわらなくなる、つまり自己破産にリーチがかかっておりますもので、行く先どの店もほとんど地雷原、うっかり踏んだら最後の自爆ツアー、買うふりしてさんざん冷やかして買った積もりになって、結局、キハチのソフトクリームなんぞを小銭かき集めて出して(カード出したら怒られるだろうな)買って束の間の幸せを楽しむことにあいなりました。人間身の程を知らなくっちゃ。
さて、と帰路についた所にそれは出現しました。住宅街にある小さな公園で、地元の無認可保育所が運営資金稼ぎのバザーをやっておりました。フリーマーケットの類いが大好きな秘書が素通りする訳がありません。さっそく自転車を止めて、会場に入り込みました。秋冬物のお洋服がいっぱい、雑貨がいっぱい。まあ、なんて素敵な光景でしょう。
ふと見ると少々大きめの急須が200円。漬け物の瓶みたいな模様がちょっと難ですが、我が社の注ぎ口の欠けてるのよりマシです。実は秘書がお茶を入れた後洗おうと触ったらぽろっと口の先が取れたのですが、元々ヒビが入っていたもので、たまたま秘書が触った日に急須が力尽きただけであって、秘書には何の責任もないのですが、それでもやっぱり気分が悪く代わりを探していたのですが、世の急須はお高くて・・・ とにかく今日まで買えませんでした。即、買い、です。
それから他の売り場を見て、また雑貨コーナーに戻ってみると、なんと他にも急須がありました。二つもいらん、と思いつつ手に取ってみると、おお、それは・・・ なんと、蓋が子狸の頭でした。
昔の秘書なら、ふん趣味が悪い、の一言で片付けていたでしょうが、諸般の事情により我が社がほとんど狸御殿と化しつつある今、眼前に出現したお狸様にすっかり見入られてしまいました。先ほどのより小振りですが、なんの差し支えもありません。聞けば二つセットで300円だといいます。合計三つもいらん、ことはありません。これも即、買い。
よき週末でありました。
10月11日(金)晴れ
印刷屋さんに持っていく準備はできた。いろいろ聞かれても困らないように、懇切丁寧に説明書きをして、念入りにデータを確認して、では、編集長ちょいとおいで印刷屋さんで言う口上を伝授してあげるから、という段になって、わしゃ行かん、と、この御仁はお抜かしになった。む、自分の本じゃないか、自分で行かんでどうする。
睨み合って火花が散った。そういうのは編集長の仕事じゃない、というが、秘書の仕事でもない。じゃ誰の仕事だ!
とそこへ折よく通りかかるは営業部長。お茶を入れにきたらしい。素知らぬ顔で通り抜けようとするが、そうは行くか。これは、営業の仕事だ!
と言うわけで、なにやら言いたげな風情で、打ち出し見本とデータと代金を車に積んで、営業部長が出て行った。
無事入稿が済んで帰ってきたらお茶入れてあげよう、と秘書はかいがいしくお菓子などを準備して待ってたのに3時過ぎても帰って来ない。
日課のプールに行った編集長も夕方になっても帰って来ない。
珍しくひょこっとやって来た輪転堂のおっちゃんが教えてくれた。駅前のパチンコ屋の駐車場に営業部長の車があったよ。市の水道部の前に編集長の自転車があったよ。あの大きな声が庁舎から聞こえてたよ。市民の通報だとか、針金がひくひく、だとか。
どいつもこいつも秘書に心配ばかりさせおって。
10月10日(木)晴れ
待望の本が出来つつあるので、編集長は楽しくてたまらないらしい。うきうきニコニコそわそわ、狭い社内を相変わらず白熊状態であっちに行きこっちに行き、そのたび、誰かから鬱陶しがられている。秘書は冷たくあしらうことにしたので寄って来ないが、代わりに最終校正中の編集者にちょっかいだすので、ついに秘書が切れて、奥の院に閉じ込め外から突っかい棒をしてしまった。校正が遅れたらしわ寄せが来るのは秘書なのだ。
一通り終わって呼びにいったら、机に向かってしんと大人しいので、(言い過ぎたかな)とちょっぴり反省しつつ声をかけると返事がない。むむっ、一大事か、また血管が詰まったか、とどっきりしたが、なんのことはない、居眠りしていたのであった。大仕事を達成した疲れで眠くてたまらないんだそうだ。秘書なんかいつだって眠くてたまらないぞ。
10月9日(水)雨だったっけ?
地元の話で思い出した。近頃編集長は趣味の陳情をさっぱりしなくなった。忙しくてそれどころじゃない、と言うが、飽きてしまった、というのが本音であろう、と秘書は思う。何度か、「今日陳述の日じゃないですか?」「あ」という問答を繰り返して、秘書も気にするのをやめてしまった。
担当のお役所の職員の精神衛生のためにも、早くこうすべきだったかも知れない。
(陳述の迷演説を)「期待している観客がいるからなあ」と編集長はいうが、お笑い芸人なら、この不況の世相に反比例して増殖中である。そろそろ編集長にはシリアス路線に戻ってもらいたい。天然ボケの塩爺は案外食えない食わせ者だとか人は言う(全然話の流れと関係ないな)。おたくの変な編集長、と言われるのはいい加減飽きた。秘書だって、否書だとか疲書だとか悲書だとか、ゲテモノ扱いは嫌だい。
10月8日(火)雨、寒いです
夏、お母様の入院で秘書が田舎に帰っていた時の話である。1日1回病院に見舞に行って後は炊事洗濯掃除買物を済ませればすることはない。つい疲れが出て、寝っ転がっては手当たりしだいに本を読んでいたが、まあ、はっきり言って変な本ばっかしだった。雑学だの裏話だの豆知識だの、およそ体系だった学問とは程遠い。だから秘書は散漫に育ってしまったんだ。幼少時代の環境はその後の人格形成に大いに影響する。秘書が今人生を踏み外してしまったのはそのせいだ。ううう・・・
という恨みつらみの話ではない。読んだ本の中に、オカルトだか不思議現象だか超能力だかの本があった。何冊も読んだのでごっちゃになってるかもしれない。ミステリーサークルなどに混じってダウジングというのがあった。L字形の棒状のものを2本握ってそろそろ歩くと、地下の水脈のあるところでくるくる回り出すんだそうで、そう言えばテレビで見たことがあった。それがどうした、と言われれば、どうもしないのだが、問題は本の記述であった。
東京の○○○市の水道局が地下の水道管を探すためにこれをやって、住民に「市の職員が変なことをしている」と通報されて取り止めになった、と書いてあった。○○○は秘書が伏せ字にしたのであって、本にはちゃんと漢字3文字+市で書いてあった。つまり、地元のM市なのである。編集長がいつもお世話している地元なのである。
つい思い出したので、編集長にしかじか、かくかくと話してやった。反応は言わずともお分りであろう。秘書は、いつ編集長が水道局に押しかけるか、楽しみにしている。それにしても、ダウジングしている現場を見たかったものである。
ところで、またお詫び
過去の日記を点検しようとしたら、早速9月分がどこにもつながらなくなっていました。すみません・・・(^^;
10月7日(月)雨、低気圧通過
ミニ台風みたいなのが通り過ぎていった。三寒四温でもあるまいに、冷秋になったり蒸夏になったり、そのたび気分を切り替えるのが大変だ。
毎日が日曜日生活に入ってもう半年過ぎた。最初の頃は平日町中をふらふらうろつくことに後ろめたさを覚えたが、今では、土日は混むから嫌っ、とか、ほざいている。人間、順応する生物である。
そんな訳でついつい今日が何曜日かを失念する。
今日は月曜日であった。
それに気が付いたのは、朝風呂に入ってほっかほっかにあったまり、バスタオルにくるまって汗の引くのを待ってた時だった。いけね、ゴミださなくっちゃ、と着替えてついでに御出勤。(ついでに行くような出勤先である。はよ、堅気に戻らなくては。)
とりあえず秘書のお仕事はお勉強である。昔よく言われたなあ。学生の本分は勉学である・・・ そうか、その頃から秘書は労働に向いていなかったんだ。絵を書くのが好きだったんだよな。芸術家に労働させちゃいかんよなぁ・・・ その頃のバチだかツケだかが回ったんだろうか。
社内はなんだかぐうたらだらだらムードである。秘書もぼけっとしているが、編集長も気が抜けている。諸部長はぬるま湯に漬け過ぎたもので、ふやけて正体がなくなりかけている。一人営業部長が、絵に描いた餅のような売上げ目標グラフを作って眺めて溜め息をついている。なにせ景気のいいのは編集長のセリフだけだもんなあ。
ふっと振り向けば、あちゃーいよいよ社内にタヌキが座っとるぞ。と思ったら、運動不足か栄養過剰かはたまたお狸様の祟りか、近頃とみにふくよかになられた編集長であった。
10月6日(日)曇り
日曜は自転車に乗って学校へ。ペダルも軽くらんらんらん。ついでにちょこっとお買い物。今日もカードで買いまくり、現金使いません、現金持ってません、お家にも現金ありません。決済の日が恐いです。
ここのところずっとInDesignのマニュアルひっくり返しては、はてなふむおよよぐえっ、と悩み続けているもので、先生の言う通りにやってれば出来ちゃうQuarkXPressはとっても楽しいです。現実の仕事もこんなんに至れり尽せりの指示書があるんでしたら、もう極楽商売ですな。
思えば秘書は長いこと苦労しました。落書きみたいな割り付け渡されて、写真こんだけあるけど5枚くらい選んで入れて。見出し大きめで全体ゆったり組んでね。原稿変なとこあったら直しといて。ここ囲んでフォントちょっとシャレた感じで。ページ増やさないでよ・・・ って、編集までやれってか。文字の大きさくらい決めろよ。明朝かゴシックかくらい言えよ。原稿全部変だよっ。内容がダサイんだよっ。後からぐだぐだ言うんでねえや・・・ とぶうたれる気持ちが分っていただけますでしょうか。もうこれでは、お客様は厄病神様です。
いえいえ、そんな忌わしい過去を振り返っていてはいけません。秘書は技術を身に付け輝かしい明日に向かって努力するのです。今日も太陽は秘書の前途を照らすのです。
・・・学校帰り、雨に降られました。
10月5日(土)晴れ、暑いです
朝、台所の流しで歯を磨いて顔洗ってたら、洗面所で顔洗って歯を磨いてた同居人が言った。
マウスパッドいる?
口にパッドしてどうする? いらん、と答えたら、今日買ってきてやろうと思ったのに本当にいらないのか、と言う。この間欲しいって言ってたじゃないか。
何するんだそんなもの、と言いかけてようやく分った。マウスじゃなくてマウスだった。違う、mouthじゃなくてmouseだった。カタカナで書くとみんなおんなじになってしまう。(シットイン、て何のことかね。)
マウスパッド欲しい。可愛いのがいい。あんぐり大口開けて歯をむき出しに喉の奥まで見えそうな猫の顔のなんかあったら最高だ。
10月4日(金)晴れ、やっぱり暑い
印刷屋さんと打ち合わせがあった。用紙を決め費用と工程を確認しデータも確認して、話が現実的になって来た。本文の校正用の打ち出しもして関係者に渡した。
ではこれで一段落、お茶でも入れて、と秘書くつろぎムードに入る。お湯を沸かしてとっておきのビスケットを出して・・・
待っていたように邪魔が入る。明日、編集長がどっかにいくのだという。なんとかなんとかのなんとかの集まり、だと言うが、秘書の思うに、一言居士連の敬老同窓会。(昔は現役で若かった。今でも気だけは若い。)
ついては本の宣伝もしてくるので資料を100部用意せい、とのこと。ぶっ。目次を圧縮した内容紹介と、色刷り表紙に申し込み方法を付け加えたものと、しゃかしゃかとインクジェットプリンタで印刷開始。3時間かかりましたがな。
明日浮かれて羽目を外さないように。
10月3日(木)晴れ
今日もよく腫れて熱い。ではない、よく晴れて暑い。膨れて熱があったら、おできだ。ふとした弾みで踏み外すのは出来心・・・
今日も秘書の頭の中はごちゃごちゃ。パソコンの画面をじっと睨んではマニュアルひっくり返して、あっちをいじりこっちをいじり、そのたびだんだんファイルがおかしくなっていくので、用心のため作った予備ファイルがその1その2その3と増え続けて、はて、一番まともなのは何番だったっけ?
そんな苦労を知ってか知らずか、もう気分はすっかりベストセラー大増刷売り上げざっくざっくになってる編集長、御機嫌ハイテンションで、狭い社内をうろちょろ白熊運動。今までしこしこ原稿まとめてたストレスが吹き出したのか、まあ喋りまくること。
打ち合わせで、人が出入りする。そのたび、ニッコニコと御高説を並べて殆ど独演会。とっても気持ちよさそうである。編集長がひっひっと笑うたび、社内のあちこちにタヌキの毛皮が積み上がる。秘書の周りはもう天井までびっしりタヌ皮で息が苦しい。
校正の筈があちこちに追加原稿を突っ込んでくれたので、ページが増えてセクションがずれて、さてセクションマーカーはドラッグ移動できるのか見開きに1ページだけ突っ込むとフレームグリッドが合わないし追加追加で溢れ出しちゃったテキストはいちいちフレーム作って連結せんといかんか(この辺の文、なんのことやら分りますか?)なんて時、隣で喋りまくられたら出るものも出なく、じゃない、出来るものも出来なくなる。(秘書が生返事しとったのが分りますかな。)
桃から桃太郎が生まれる。口から編集長が生まれる。
只今、憎まれ愚痴社編集長、各種講演会講師用に格安貸し出し中。お問合せ・御注文はEメールにて。
10月2日(水)台風一過、秋晴れ
灼熱の残暑が過ぎていきなりストンと涼しくなって寒くなって、秋が来たと実感して、大急ぎで扇風機を片付けホットカーペットとストーブを引っぱりだし、やれやれ、と一安心していたら、どかんと真夏がぶり返す。彼岸過ぎたぞ話が違う、と言ったところで対話の成立する相手ではない。どっかの国と帰せ戻せ知らぬ存ぜぬと埒のあかぬ交渉をしているみたいだ・・・ 何の話だったっけ。
近頃訳の分からない話が多い。この間も編集長がなんかごちゃごちゃ言ってた。ほら、象印のジャーについててお湯を出すと連絡が行って・・・って、何のことでしょう。サルにも理解できる説明を編集長は秘書にした積もりらしいが、さっぱりわからない。ユビキタスってなあに、と聞いた時の話である。
新手の犯罪集団かと秘書は思った。だって、指来す・・・人さし指がひくひくと勝手に動き回って満員電車の中などでつい人様の懐に手を出して、あーまたやっちまったと反省する、かしないかは知らない。ラテン語だとか言われても、日本語だけで秘書は手一杯だ。もちっと適切な説明をして欲しい。
スーパーカミオカンデってのも不明だ。神の尾が噛むのか神の尾が神の手で、いや神の母上つまり「おかん」で、いや神は「おかん」でつまり母上で・・・ アホの堂々巡り。
神尾神手だと思ってみよう。尻尾付きのゴッドハンズである。遺跡を丸ごと捏造して特売していそうだ。本日のお買得!仁徳天皇陵が破格の2,980円!!とか。買わないぞ。
新聞記事によると、ニュートリノ関係らしい。ふーん、近頃のニューファッションはミラノじゃなくてトリノが本拠地か・・・(この辺りで秘書、自分のバカさ加減の救いがたさに気付く)
なんでこうも脱線するのかというと、1日中、マウスをぐりぐり握りしめキーボードをひっぱたきパソコンとにらめっこをしていたからである。誰か言っていた。しこしこワープロをやっていると、とめどなく嫌な事を思い出して反芻してしまう。そんな時幼い子が、おかーたん、と寄って来ようものなら即座に蹴散らしたくなる、と。
編集長の本が仕上げ段階に入っている。あの、断末魔のミミズがのたうちまわっているような赤字を解読して修正するのは、まともな人間には荒行に等しい。
10月1日(火)台風直撃
愛松君が土気色をして、息絶えそうになっていた。編集長はさんざん世話になったことを忘れて、さんざんこき使ったことを忘れて、あたらしいMacを買う、とか言った。
(そんな無慈悲なことは出来ない)と秘書は愛松君にワクチンを注射して予防薬も投与して抵抗力をつけてやった。少しの間良かったが、また顔色が悪くなった。どうもこっそり忍び込んで悪さをする輩がいるらしい。そこで秘書は愛松君の周りに防火壁を巡らしてやった。今度はずっと顔色がよい。よしよし。
と、思わぬ伏兵あり。愛松君の戸締まりを頑丈にした、と言っておいたのに、開かない繋がらない、と騒ぎたてるのは例の御仁。そのたび秘書は、これはこうであれこれなんたらかんたら、と説明してやる。だからまったくもうオ○ヂは嫌だっ。家出してやるっ。
と、朝から秘書低気圧。むしゃくしゃするわい、とむくれていたら、本物の低気圧が日本上空を覆っていた。戦後最大級、だという。消滅したと思ってた「戦後」がまだこんなところに残っておった。
こんな時にタマちゃんがまた出て来た。前の時も大雨で増水して流されて行方不明になってたんじゃなかったっけ。帷子(カタビラ)川、だなんて、タマちゃん足無しの白装束で現れたんかいな。それは経帷子っていうんだっけ。
それはさておき、タマちゃん可愛い、とは皆さんおっしゃるが、そうだろうか、と秘書は思う。あなたの隣の家の末っ子のよちよち歩きが、つるっぱげのひげ面だったら、可愛いと言うだろうか。ぷは−、と水面に顔を出して息つぎする時、鼻の穴が目一杯全開して、そのまま演歌をがなりそうな気がする。
秘書は別に演歌が嫌いなわけじゃない。別にアザラシが嫌いなわけではない。その昔一世を風靡したゴマちゃんのチビ人形5個セットは今でも宝箱にしまってある。アゴヒゲだろうがゴマフだろうがゼニガタだろうがなんだっていい、とにかく、迷子のアザラシに大騒ぎするな。それより、失業率を下げてくれっ。預金金利を上げてくれっ。銀行だけ優遇するなっ。
・・・すみません。つい取り乱しました。台風のせいです。お外は雨がザンザン降ってます。今日は早くかえります。お家のベランダから暴風雨見物をいたします。映画のセット見てるみたいで結構わくわくします。不謹慎・・・