秘書の小部屋 2002.1-2


これ以前はバーチャルアルバイト秘書時代
(現実に勤務していたのは超ブラック会社。ひど過ぎて退職しました)

2002年2月28日(木) 曇り

2月も末であります。世も末であります。少なくとも秘書の世は。

本日秘書は(2002年当時勤務していたリアルな超ブラック会社の)パソコンの中身を大掃除し、秘書仕様の設定を初期状態に戻し、やりかけの仕事の引き継ぎをし、私物を片付けてきました(退職したんだよん)。即ち、予告通り今日限りで金欠の無間地獄に落ちたのであります。

あーあ、これからはこの半ちくな秘書業が本業となるのです。なにか前世に悪いことでもしたのでしょうか。

とは言え気分は軽い。(リアルな超ブラック会社の)長時間過密労働地獄とは縁が切れます。夕方には肩の痛みが幽体離脱みたいに抜けていきました。お気楽ライフの始まりだい。金はなくとも楽しく生きるぞ。乞う御期待。るんるんるん・・・

2002年2月12日(火) 晴れ

連休の後の出勤はつらい。ぐだぐだしていると眠くなります。気付け薬の代わりに口も曲がりそうな渋茶をすすって口をへの字にしていたら、あの口うるさい編集長がちらっと色気の欠如した流し目くれて茶々を入れるでもなく通り過ぎて行きます。

へっ? 塩振った小松菜みたいな顔です。どうしたんでしょ。

何があったのか、様子をうかがおうと、営業部長と鍵穴の前で押し合いへし合いしましたが、積み上がったガラクタが邪魔して見えません。ならば必殺ごますり茶にしけ煎餅の出前です。どっちが持って行くかでジャンケン始めたがアイコでしょで決まりません。つい夢中になって声が大きくなってしまいました。

うるさい! と当の本人に怒鳴られて我に帰った秘書と部長、はて、なんでジャンケンしてたんだか、思い出すのにひと手間かかって口がポカンとあいてしまいました。

さて本題。毎度お馴染みの花粉症は今年も編集長を襲いました。襲ったのが人間なら、命知らず、と形容・賞賛するところですが、相手が花粉じゃねぇ。蜂や蝶なら嬉しい悲鳴でもあげるでしょうがねぇ。昨年、一昨年と連続で重症化して日本脱出まで口走った編集長としては、万全の体制を取るべく、早々と耳鼻科に行って予防のお薬を飲み始めました。今年こそは快適な春が迎えられる、と期待に満ちてニコニコしてたのに、どうも調子がおかしくなって来た、といいます。眠いだるい目が回る、とその先は病気の問屋卸売り叩き売りバッタ屋状態。何ゆえに?

お薬の副作用らしい・・・ぞぞぞーっ、ぞっ。血の気も凍る厳寒の怪談。凍って滑るは玄関の階段。

2002年2月9日(土) 晴れ

●しゅいましぇん、1月分は中身がないので2月分と合体です。2月も中身がありましぇーん。●

うらうらとカエルも地中からはい出しそうな天気に誘われて(ホントはバイト料請求に)会社に来てしまいました。お金だけ貰ってさっさと帰る積もりでしたが、視力だけは猛禽なみの編集長にギロリと睨まれました。即、「ちょっとおいで」

何かいいもの呉れるのか。(そんな筈がない)。用心しつつ近付いたのですが、あっさりばちんと罠にはさまれました。

机の上にうずたかく積んだ紙を指し示して、編集長もっともらしく口上を並べました。曰く、今のこの御時世、ばちっと物を言うやつがおらん、ならば我が社が核心をついた資料を出してあっといわせてやるっ!!

ついては資金が必要である。ここに賛同を求める文書を用意した。これは、と思う人々に協力を要請する。ついては可及的速やかに発送するべし。

つまりは秘書に、この紙の山を折って封筒にいれるよう準備せよ、というのであります。

ぐじょ~、鬼、悪魔、モモンガ。秘書をなんだと思っておる。重病人だぞ~。と、ぶつくさ言ってたら、人でなしの編集長にやにやしておもむろに口を開きました。

「ほう、そうかね、この間の夜中に大通りの真ん中で馬鹿騒ぎしていた酔っぱらいのど真ん中でばちばち発火してたのはどこのどいつかねえ。」

2002年1月31日(木) 晴れ?

なにゆえ、6日の次が31日なのか。勿論深い訳があります・・・

7日に本格的に仕事(リアルの超ブラック会社の方)を再開した秘書はたちまち首の故障を再発させ身体全体が傾いたまま9日医者にかけこみました。相当重症である、と秘書自身は思うのですが、医者のみたては「ひどい肩凝り」。おのれヤブ医者、と思っても患者様は医者様には逆らえません。

とにかく仕事すると悪化するのであります。すなわち、朝は多少ましですが、夕方は後頭部から首から腕から手首まで硬直する。月曜はあーあと溜め息つきつつ御出勤遊ばすが、金曜日は激痛地獄と金欠地獄どっちがいい、と真剣に計りにかけています。

そんなこんなでバーチャルアルバイトもずっとお休みしてました。久し振りに様子を見に顔を出したら、へっ、編集長が変わっていました。そうか、憎まれ愚痴社も新機軸を打ち出して生き残りをはかろうというのですか。結構結構、しかし新編集長はどっかでみたような顔ですな、と思いつつ、どこかでお会いしませんでしたか、と訪ねてみたら、どやされました。休みボケで上司の顔忘れたかこの××っ(罵倒語です)。

あのヒゲがありませんでした。秘書がいない間に何があったのか知りませんが、かのビンラディンのふさふさヒゲ目指しつつどこまで行ってもヤギさんもしくは仙人のチョロチョロヒゲに留まり続ける御自慢のお髭がばっさりでした。ま、若返ったのは事実です。秘書は素直に喜んであげました。

●長い中断をお詫び申し上げます。どうやら秘書は金欠地獄に落ちそうです。するとアルバイトが本業に・・・ そげな恐ろしいことまだ考えたくありません。こき使われるのはコリゴリです。しばらくは楽して儲かる方法を模索します。●

2002年1月6日(日) 晴れ

絵に描いたような寝正月の1日でありました。(別名二日酔いの1日)。

2002年1月5日(土) 曇り少々雪

仕事始め。といっても今日からギンギンに仕事するよな我が社じゃありません。

おめでたそうな顔突き合わせて、でろでろとクダまいて、松も取れてないのに不粋なことはなんだから、とか、なし崩しにつまみが出て酒が出て、やがてどんぶり鉢が浮かれ始めてチャンチャカチャンチャカ、年に何度かの無政府状態に陥ります。社長んところのお節の残り物セットはカズノコやら海老やら上等のハムやら豪勢で、やっと秘書に本格的なお正月が来ます。今に見ていろ秘書だって伊勢海老一杯詰めたお重やらを積み上げて年代物のワインをぐびぐび飲める身分になってやる。

2002年1月4日(金) 晴れ

休み続けて曜日の概念がなくなり、いわば毎日が日曜日。金の心配さえなければ極楽であります。

さて、行きつけのスーパーが本日初売りです。散歩がてら出かけてお餅と小豆を仕入れてきて、やっと少々正月気分になりました。最近は三が日がお休みでない所が多いです。便利、という人もいるが、秘書としては、働き過ぎの日本人の唯一の救いであるお正月をもっと尊重してもらいたい。死ぬまで働く、なんてどうかしてるよ日本の人は。正月にこき使った人にはちゃんと代休与えろよ。

2002年1月3日(木) 晴れ

寝正月、と口で言うは易しいが、実行は結構難航します。

メシは、と同居人に言われて、朝食に麻婆豆腐を製作。冷ややっこにするつもりの豆腐だったが、賞味期限を過ぎていました。なんだこれは、とか口走ったら、自分でおやりと言ってやるう、と待ち構えていましたが、うまい、とあらかた食べられてしまいました。色々な意味で思いやりにかけるやつであります。

食後お薬飲んでひと休みすればよいものを秘書はつい洗濯物を干し始めます。イテテ、上向いて干すにも首が回りません。干し終わったら休むぞと思いつつ、年末大掃除をしそびれていたので、玄関開けて盛大に埃を掃き出しました。さっぱりしましたが、福もついでに掃き出してしまったかもしれません。貧乏人の行動は無意識のうちに貧乏を呼び寄せるのでありましょう。怒濤の1年の予感がします。

2002年1月2日(水) 晴れ少々曇り

はて、初夢は何だったかしらん、と頭をひねりましたが思い出せません。縁起物が登場しなかったのだけは確かです。ま、何だっていい、と投げやりなのが自分でも情けないのですが、夢見くらいで人生変動しません。それより・・・

昨日エツ子さんが電話してきました。新年の賀詞と首のお見舞いとひそひそ話。自分ちの電話で喋るのに声をひそめることはないのですが、ついあたりをうかがってしまいました。

ちょっとぉ、とエツ子さんが言った。出たわよ。何が。何がってあれが。あれがって何が。

昨日エツ子さんは初詣でに井の頭公園の弁天様に行ったそうです。去年秘書も行きました。カップルで行くと嫉妬されて別れることになる、と噂されるインド出身の女神様です(お陰で秘書は昨年一年散々な目に合った気がします)。

女神様の最寄りの駅はJR吉祥寺。お詣りの前に福袋をと思ったエツ子さんは北口に降り立ちました。とたん、あたりにひびき渡る聞いたような声。ひえーっと言いかけて慌てて口を押さえ連れの(彼氏の)手を引いて一目散にデパート方面に走り去ったそうです。気づかれて手でも振られるだけならまだしも拡声器で名前を連呼されてはたまりません。

そう、元旦お天気よかったら吉祥寺駅前で演説しちゃうかも、と公言しまくってた憎まれ愚痴社の編集長、お約束通りドラム缶携えて一発かましてたそうだ。さぞかし良い年になることでありましょう・・・

エツ子さんが今年厄年でないことを秘書は祈ります。

2002年1月1日(火) 晴れ

明けましておめでとうございます。

目が覚めたら新しい年になっていました。首が回らぬまま世間と隔絶した時を過ごした秘書は紅白歌合戦はどっちが勝ったのか知りません。賭けはしておりませんでしたので、どっちでもいいんですが。

いつもなら田舎に帰ってコタツでぬくぬく上げ膳据え膳の極楽ライフなのですが、本年は自宅で安静です。お節はさほど好きでないので、元旦の朝からチキンのクリームシチューにキムチなんぞをいただいております。お昼のピザに味噌汁つけたりすると、味覚というものがあるのか、と同居人からそしられるのですが、味音痴といわれる覚えはありません。甘ったるい伊達巻き食べるよりはるかに健全だと自負いたします。

お正月のテレビというのは見るものがありません(秘書には)。溜め込んでいたビデオテープの在庫一掃のチャンスです。巴里の空の下セーヌは流れる、なんぞという古い映画ばっかり見てたら、ますます世間と隔絶した気分になりました。このまま正月休みが終わっても出社しないで隠遁生活に入ってしまい失業率上昇に貢献しそうです。

いけない、いけない、新年そうそう愚痴ってしまいました。元旦は、ウソでもいいから明るいことを言い合う日です。

秘書は今年も清く正しく人様のお役に立つべく我利我欲を忘れて正義の御旗のもと精進いたします。

何とぞよろしくお願い申し上げます。