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秘書室展示会場

秘密日記 秘書の独り言


9月30日(日) 晴れ

秋晴れ、である。青いお空が高い。空気は清澄。なんという良い日であろう。秘書は溜め息をつく。秘書にも詩心というものがあるのである。秋はそれだけで物悲しくて・・・バコッ。痛てて。いい加減にせい、と同居人にどつかれた。

秘書が悲しいのは事実である。心は土気色、横になってると平常だが、縦になるとうぷっ、目が回る。ベッドから離れられない。同居人が柿をむいてくれた。五臓六腑に染み渡る有り難い味である。

午前様、というものに昨日(正確には本日未明)秘書はなった。話せば長い。業務命令で編集長のお供をして都心に出張したのが昨日の午後、それからそれから色々うろうろ、記憶ははっきりしているが、全部忘れたことにしてしまいたい。要するに秘書は日頃嫌悪するところの酔っ払いの一員に成り果てたのである。その酬いが目が覚めての悪性の二日酔い。

向こう3年酒は飲みたくない。
どんなに命令されても編集長のお供はしたくない。ああっ、自己嫌悪。9月は最悪の事態で締めとなる。


9月某日(?) 寒い

寒くてカタツムリになりそうだ。お彼岸過ぎたからって、いきなり冬にならなくてもいいじゃないか。秘書は縮こまって背中丸めてすっかりバアさん気分だ。こんな日には熱い紅茶を入れて気付け薬をひとたらし、身も心も暖まるというものだ。どれ・・・

ない。

ないないない。

おフランスの提督の姿絵のついた高級ブランデーがない。この前の新事務所お披露目の時、編集長の知り合いらしからぬ気の効いたお客さんが持ってきてくれたブランデーがない。もったいなくて大事大事に棚にしまっておいたのに。

がさごそかき回していたら、出た。失せ物のブランデーではない。なんじゃいうるさい、とのたまう御仁が奥の部屋から出てきた。

かくかくしかじか、と秘書が訴えると、あごヒゲをねじりながら、編集長、しれっと言う。

飲んじまった。

飲んじまったぁ?

先日悪友集めて酒盛りした時に全部飲んじゃったという。あの連中に飲ませちまったのかぁ。泥沼にはまった酔っぱらいの愚伝愚伝どもに。どぶにぶちまけたようなものじゃないか。なんてことするんだ。この冬はチビチビやって少しは寒さをやわらげられるかと思ったのに。うわーん。酔っぱらいは嫌いだー。


9月22日(土) 晴れ。寒い・・・

お空はピカピカに晴れ上がっているのに、秘書はどんより曇ってる。寒さにやられて大当たり、風邪をひいた。

よって本日秘書業はお休み。1日中寝て過ごした。夜になってもまだ眠い。人間休養が肝要である。


9月21日(金) 晴れ。寒い・・・

寒気団がおいでだとかで寒い。室温が18℃しかない。寒がり編集長はもこもこ着込んで冬眠でもしそうな雰囲気だ。なのにクーラーなどつけおって、とぶつくさ。聞けば、今日市議会の傍聴に行ったという。陳情もしたことだし、少しは地元議会に敬意を表さなくちゃ、と珍しく殊勝な心掛けを発揮したら、お返しはクーラー責めだったとか。(来るな、って意味じゃないのかと秘書は思ってしまう。)

久し振りに議会が紛糾したもので、長時間つきあった挙げ句、つきあいきれなくて途中で帰って来たという。(後からさる情報筋から聞いた話では夜中過ぎまでやってたらしい。議員も大変な商売だ。)

米国で起きた「同時多発テロ」を糾弾する「決議」がもめた原因らしい。似たような議題が二つあるのを見て編集長、変だな、と思っていたらやっぱり紛争のタネになったようだ。少数派の議員のミスに盛大な物言いがついて、問責だ陳謝だと大騒ぎ。市議会にも派閥抗争(?)みたいなのがあるんだろうか。まさかイジメじゃないだろうな。市民の良識ある代表が公の場でそんなことする筈ないよな。


9月18日(火) 晴れ。暑い・・・

黒ずんだ顔した編集長が一人(何人もいたら恐い)、ぼーっと座って新聞広げてる。秘書思うに読んではいない。何もしたくないだけだ。すなわち重症の二日酔い。

昨日編集長は、陳述をする、と言って市の厚生委員会に出かけた。実はお笑い大会を演出したらしい。3時間喋る、と言って担当者を慌てさせ、それでも普通は10分のところを30分もやらかしたようだ。こういう時の編集長はやることが真面目なのか不真面目なのかさっぱりわからない。継続審議になったというから、それなりのことはあったんだろう。

さて、それからの編集長、とりあえず重しがとれたもので、糸切れ風船になってしまった。夕暮れて悪友集めて、先日のお披露目パーティで大量に残った酒で酒盛りだ。すっかり出来上がったところで夜の巷に繰り出して漂流そして沈没・・・

なのに、今日も夕方が近くづくとそわそわとお出かけの支度を始めた。会議、だという。なに、大した会議ではないが、つきあいってもんがあるのでね、云々。大したことないなら行くな、仕事しろ! と秘書が言いたげなのを察知したのか、ちょこっとよそ見した隙にいなくなってしまった。

アル中になっても秘書は知らん。冷蔵庫を大きくしたのは間違いだった。アルコールとつまみと氷がぎっしりでアイスクリームも入れられない。むあああ。


9月17日(月) 晴れ

引っ越し前、我が社の冷蔵庫は珍気だった。
お弁当やら麦茶やら入れるとパンパンになって、頂き物の水羊羹やケーキが入れられなくて、ついつい秘書が“片付ける”ことになる。嫌ではないが、おかげで後ろ姿がぽんぽこタヌキに近付いてきた。由々しき事態である。

そこで引っ越しを機会に、もっとでかい冷蔵庫にして欲しい、と社長に談判したところ、分った、と快諾された。あっさり決まりすぎてキツネに摘まれた気分だ。

騙されているんではなかろうか、と腑に落ちないまま仕事してたら、おほんごほんと勿体つけて編集長がやってきた。どんな冷蔵庫が欲しいか、と聞く。欲しいかって、編集長が調達するんか。秘書の怪訝な顔をよそに、まかせなさい、と編集長は安請け合いする。選り取り見どり、何だってあるぞ、市のシルバー人材センターには。

が、後刻、頭から湯気だして手ぶらで帰ってきたっけ。家電リサイクル法が施行されたせいで、冷蔵庫を扱わなくなった。なんと言うことだ。どこがリサイクルなんじゃ、とかぶつぶつうるさいことこの上ない・・・

それから引っ越し準備で忙しいというのに、編集長はお役所のあちこちをつついて回っていた。

そして本日編集長は市の厚生委員会で、陳述、と言うものをする。(そもそも、陳情、と言うものをしたらしい。)

どんな格好していくか、にやにやわくわくして衣装を選んでいた。係りの人にはネクタイして下さい、と言われたらしい。編集長の性格を把握していたら、そんなこと言わなかったろうな。しろ、と言われれば、しない、と決意するのが、この御仁の特性である。まさか短パンでは出席しないだろうが、足元はサンダルかも知れない・・・どんな格好か楽しみにしていたら、秘書の目が届かないうちに出かけてしまった。

それから数時間、とっくに陳述は終わっているはずなのに帰ってこない。どこでひっかかっているのやら。通信が滞っていると言うのに。

(ところで、珍気は、めずらしげ、ではありません。ちんけ、と読んでください。)


9月15日(土) 晴れ

狂牛病の疑いのある牛は、焼却処分された。筈だったぞ。肉骨粉にしたんだってぇ。そんなもん、鶏や豚にも食わせるなあ。諸々の摂理に反しているぞぉ。


9月12日(水) 晴れたり降ったり

昨夜から24時間体制の悪夢だ。新聞はでっかい見出しをふんだんに使ってニューヨークの惨状を伝える。テレビもどこのチャンネルでも飛行機が貿易センタービルに突っ込むシーン、ビルが崩壊するシーンを繰り返し流してる。

秘書は(秘書でなくとも)この手の出来事が苦手だ。新たな夜毎の悪夢のタネの1つになりそうで悪寒がする。

おかげで国内初の狂牛病のニュースが吹っ飛んでしまった。こっちも相当大変な出来事なのに。誰かに御馳走してもらうなら分厚いステーキ、という楽しみがまた遠ざかった。(安い)輸入牛はダメでも(お高い)日本の牛なら安全、とはもう言えないのだろうか。ああ、牛に牛骨粉なんてもの食わすからだっ。恥を知れっ、関係者。

ところで聞き齧りのお話の披露。
日本の牛には、国産牛と和牛とがいる。その違いはなーに?

答え:日本生まれの日本育ちの在来種が和牛。和牛以外の牛が国産牛(だったよな)。

日本滞在が3カ月以上なら、「国産」と名乗れる、という話も聞いたが、ほんとかどうか秘書は知らない。野菜でも似たような話を聞いた。輸入野菜を国内の畑にいっぺん埋めて泥付きにすれば、××県産になる・・・

ぐっ。と言うことは、(今頃気づいたが)秘書あたりに手の届く牛は、元外国牛の日本牛って可能性もありか。新たな悩みのタネが増えてしまった。

どなたか正確なことを御存じでしたら、秘書の安眠のため、編集長経由でお教え下さいませ。


9月11日(火) 台風のち晴れ

午前中の暴風雨がきれいさっぱり消えて晴れ間がもどった。台風一過。全ての邪悪が洗い流されたようで気分が良い。

と思ったら、とんでもない事態が発生していた。テレビを付けて目にした光景が初めはなんの事だかわからなかった。映画の特撮みたいに高層ビルにジェット機が突っ込むシーンは実写であった。そうこうしている内にビルが崩壊するシーンが「実況中継」されてしまった。「テロ」だという。

こんなもの見たくない、と思いつつテレビを消せなくなってしまった。
つい先日の新宿歌舞伎町の雑居ビルの火事を思い出した。
人が死ぬのはいやなものだ。


9月10日(月) 台風

宴のあとはけだるい。余韻につかりつつぼーっと仕事してよう、と思ったら、また台風がおいでだ。秘書はどうも度の過ぎた低気圧にアドレナリン分泌腺を刺激されるタチらしい。窓の外で木が吹き飛ばされそうに揺らぐのをうっとり見とれてしまった。いかんいかん。


9月8日(土) 晴れたり降ったり

本日は憎まれ愚痴社新装開店の日である。今日にいたるまで、思えば長い道のりであった。

夏の間の我が社の惨状を知る人なら、このピカピカに磨き上げられ機材がずらりならんだ社内をみて感歎の声を上げるであろう。秘書はよく働いた。骨を惜しまず身を粉にして、お片付けにお掃除に精を出した。特別手当てが出てもいいくらいだ。

今日もおさんどん(どんな字か分らない)だ。酒を出すのでつまみを作れ、という。メニューは、鶏の空揚げに烏賊下足揚げ(編集長の好物か)にあれやこれや。烏賊の下足(上足ってあるんか)はありそうで売ってなく、竹輪に化けた。開店と同じに人が押し寄せ、ああ、それから秘書はひたすら冷蔵庫のお守役。

大スクリーンにプロジェクターでビデオを上映し(これが本来の目的)、編集長は御満悦だったが、クーラーのない部屋はちょっとしたサウナ気分だった。それにしても編集長のお友達ってのは元気がいいなあ。昼酒くらって口角泡を飛ばしてた。秘書なんか眠かったぞ。


9月7日(金) 白露・・・晴れたり土砂降りだったり

気がつけば秋の入り口だよ〜ん。夏はどうしちゃったのでしょうか。(夏は、秘書がぐうたらこいてる間に過ぎ去ったのでした。)

あー、でも、ぐうたらこきたくなる程ほんと大変な夏でした。7月は憎まれ愚痴社の引っ越し騒動、8月はゴミの山と連日格闘、先は中々見えないまま台風もお出でになった。

8月の終わり頃、秘書はたった2日ぽっちの夏休みに鎌倉へ行った。

何故鎌倉かと言えば、悪夢のパターンの1つに、洞窟みたいなところに極彩色の仏像(みたいなもの)がひしめきあっている、というのがある。それのどこが気持ち悪いのか、と思う人はいっぺん夢に見てみるとよい。確実にうなされる筈である。隣に寝ている人あれば、優しく揺り起こすか力まかせに蹴飛ばすか(どちらかになるかはあなたの人徳次第)、とにかく必ず起こしてくれるであろう。

連日の疲れで秘書の夜毎の夢には仏像まがいが団体さんで出演なされる。この悪夢の原型はなんであろう、と思いをめぐらして、大仏の体内、と浮かんだ。確認ジャーニィである。

で結論をいうと、大仏の体内は空であった。どかっと疲れたのはそれで落胆したからではない。ノー天気な連れが、歩いた方が気持ちいい、とか言って、鎌倉駅から大仏まで歩かせてくれたからだ。(おかげでその夜はバタンキューで夢もみなかった)。後でガイドブックをみたら、それらしきものは長谷寺にあるらしい。しかし、しばらくはあっち方面は行きたくない。


御来訪ありがとうございました。またのおいでをお待ちしております。
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