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秘密日記 秘書の独り言


6月26日(火) 晴れ、やっぱり暑い

マニュアルなしのパソコンを与えられても嬉しくない。というよか迷惑だ、とそんな話を昔友人としたことがある。マニュアル人間、と馬鹿にするものでない、マニュアルは知恵の宝庫なのだ。

と、なんど言ったことか。この暴走中年に。マニュアル嫌い、ボクは当たってくだける主義なのだ、とかお抜かしになるのなら、秘書はもう知りませぬ。勝手に当たって勝手に粉微塵になっててくだされ。

なのに、また今日もお呼びがかかる。秘書とて暇な身の上ではない。翻訳がおかしいたって、へんなものせっせと辞書登録してたでしょ、さっさと抹消して下さい。データベースに未完成品を放り込んじゃったって、あああ・・・


6月25日(月) 晴れ、暑い

机を丁寧に拭いて引き出しの小物もきちんと並べて(留守中引っ掻き回された。鉛筆が全部消えて鋏が3丁入ってたりする。)、お茶入れてお団子を横において、さあお仕事だ。なんだかやることが一杯だ。梅雨も明けてないのに暑くてうんざりだなぁ・・・とか思いつつせっせと片付ける。少し疲れてお茶をすすってふと気が付いた。

ヒゲだ。

土曜日久し振りに編集長の面いえ御尊顔を拝した時、何だろなと思ってずっと魚の小骨みたいに脳味噌の端っこに突き刺さっていたのは、ヒゲ、だ。

あの長ネギの根っこみたいにひょろひょろ方向性なく生えてたヒゲが、お屋敷の生け垣みたいに刈り込まれていた。馬子にも衣装鬼のヒゲにもお手入れ。見習い仙人からどっかの市町村長に転身だ。

ところで秘書の留守中に、不動産会社の営業の人が出入りするようになったようだ。何の用か知らないが、あの足の踏み場に事欠くような奥の院で笑い声をあげてたりする。地上げの筈は無し・・・


6月24日(日) 晴れ

引っ越しが済んだ・・・のは1週間前のことであった。ならばさっさとアルバイトに戻らんかい、と言われてもそんな状況ではなかったのだ。(今でもそうだ。)

2DKから3DKへ、そしてまた2DK(これがまた元の2DKより2割方狭い)への引っ越しは、多分誰がやっても愉快なものではない。出て行く時、タンスやらピアノやら家具やらの大物から本衣服雑貨のこまごましたものをごっそり処分し、行った先で、帰る日に備えてまたごちょごちょ捨てて、さあ準備は万全、の筈だったのに、戻ってみたら食器棚の上が数cmつかえて入らない。ううーっ。泣く泣く運送屋さんに頭を下げて、苦労して運び込んだ食器棚を運び出してもらった。いま中庭で雨曝しのそいつは哀れ、粗大ゴミ、と呼び名が変わった。

そして今納まりきらないモノを持て余した秘書は並べた段ボール箱の上に布団を敷いて寝ている。おっベッド作ったか、と抜かす同居人(広い方の部屋を当然のように取りおった)、ほとんどはあんたの持ち物だよ、留守中に全部運び込んでやろうか。

昨日憎まれ愚痴社に顔を出しに行った。まだアルバイト開始の気分ではないが、席があるか確認したかったのだ。こんにちわー、と元気よく入って行ったら、営業部長が慌てて秘書机からいろいろモノを除け始めた。むっ、少し留守にした位でなんだこの仕打ちは。ゴミの山ではないか。

なんか含むところがあるのでしょうか、とやんわり詰問する秘書。しどろもどろの部長は、あのそのこれはつまりえーと、とますます慌てる。

そこへ、なんじゃい、と顔を出したのは編集長。秘書の顔を見るなり、おーグランドバカンスは終わったのかい、とのたもうた。(そんな優雅なもんじゃないわい)。

はみだしたものを置かせて貰ってたが、片づけにゃならんか、とヒゲをしごきつつ編集長呟く。ぐっ。このゴミ全部編集長のものか。そっと営業部長の顔を覗くと、意が通じたのか、そうだそうだと言わんばかりに首を激しく上下に振ってる。脳震とう起こさなきゃいいが。

結局自分の机を取り戻すために、がらくたの山と格闘するはめになった。悪い悪い昼飯おごるから、と言われたが、カレーライス一皿で編集長の部屋まで片付ける約束した覚えはないぞー、よくもこき使いおったなぁ。

ところで今日は都議選の日であった。どこぞの政党から、投票はお済みですか、と御丁寧な電話を頂いてはっと現実に目覚めて投票所に走ったが、遅れを取ったのかいつもの花の種やらの景品はなかった。

誰に投票したかは、昔試験の時に鉛筆転がしていた罰当たりな秘書になんぞ聞かないで下さい。


6月9日(土) 晴れ

新しもの好き、はいつの時代どこの国どの年齢層にも繁殖している。これらの人々の飽くなき消費欲が経済を刺激し文明の発展に一役買っているのだ。

我が社も例外ではない。この間ン万円もするソフトを買って経理部長を唸らせていた編集長、それよりもっと優れたソフトがあると聞きつけて、決済待たずに購入、涼しい顔して請求書を送りつけさせていた。我が社の経済を大いに刺激したが、果たして発展に寄与したのだろうか。

さて、目当てのモノを手にしたとき、すぐびりびりと包装を破いて使う人と、勿体ない訳でもないのにしばらく飾っておく人といる。秘書は後者。例外はモノが食べる物である時。編集長は前者以外にない。

と言う訳で自分でインストールして(出来るように進歩したのだ。)、ショートカットも作って(偉い!)、使い始めたのだが、埒があかないらしい。原文を読み込んで、翻訳せい、と命令したのに原文の隣に原文を並べる。こいつは手強いぞ、と言う訳で秘書にお呼びがかかった。へいへい、また鰻丼ですぜ、と秘書威張って出張する。

やってみると確かに手強い。どこをいじっても訳文が出てこない。おかしいな、と思った秘書、初めからやり直しましょうと、いったん終了させた。そして、へっ、これ違いますよ変酋長いえ編集長。日英じゃありませんか。英語を英語に直してどーするんですかぁ。

という話であった。その後は英日を立ち上げて無事に進行しているようだ。


6月8日(金) 雨?

やっぱり1週間が過ぎ去っていた。その間に梅雨入りした。大阪では精神安定剤を大量に飲んだ男が薬の趣旨に反して精神の安定を欠いて小学校に乱入、大勢の児童が犠牲になった。世の中の軋む音に心がじめじめしてくる。冥福を祈っても犠牲者が救われるわけではない。2度とこんなニュースを聞きたくない。


6月2日(土) 晴れ

ビデオの注文が舞い込んだという編集長、ほくほく顔で早速愛松君をこき使って完成させたが、いざビデオテープに移す段になって、???マークを大量に並べ始めた。メディアコンバーターを介してつないだビデオカメラにちゃんと新品のテープも入れてコード類もきっちり接続しているのに、カメラの準備が出来ていない、だの、テープが入ってない、だの、ツメが折れてねえか、だの、愛松君が御託を並べるのだという。またこき使い過ぎて愛松君をふて腐らせたのではないか。

うーん、と唸ってた編集長、なにやら道具箱をかきまわす。
はっとした秘書思わず止めにかかる。

駄目です、トンカチなんかで殴っちゃ。
(愛松君は精密機器だということがホントにわかってるのだろうか・・・)

じゃ、どうするったって、秘書に分る訳がない。しかし、可愛い愛松君を守らねば、と使命感にかられて、ジッと状況を眺めまわす。接続は本当に合っているのだろうか。赤白黄色の音声と映像コードはOUTからINへ、黒いのはそうかS-VHSコードか。この細っこいのはなんだ。LANC? 何に使うんだ。マニュアルはどこだ。なになに制御情報も伝える・・・ 一応合ってるみたいだ。

でも、と秘書ふと思う。映像コードとS-VHSコードは一緒につないでも仕方ないんじゃないか。えっ、もしかしてLANCってのも。

試しにLANCだけ残して他を外してみたら、愛松君すなおに言うこと聞くではないか。物事あるもの全部つなげばいいってもんじゃないんだ。ふん。

しかし、しばらくしてやって来た編集長、音が入っていないという。ぐっ。そういうことはビデオカメラのマニュアルに書いてあるんでありませぬか。マニュアルは? ないって? うーっっっっ(怒マークが並んでる)。


6月1日(金) 晴れ

月が変わると気分が変わる。
そう言ったら、単純で分かりやすい性格だ、と返ってきた。単純に割り切り過ぎるもので、しばしば事態がややこしくなる、とも。

それは、秘書の真直ぐな心根をひねくれて解釈する方が悪い。なんか付ける薬があったら付けたろか・・・

ともあれ、昨日までは春、今日からは夏、なのである。少なくとも秘書んちでは。(暦の上ではとうに夏らしい。)扇風機を出したいところだが、引っ越しに備えて段ボール箱に詰め直してしまった。

そう言えば今月中旬に引っ越しすることに決まった。別に引っ越しが好きな訳ではない。改装なってウサギの小屋からウサギのゲージに変身した元のお家へ帰るのである。いやだよーここに居たいよー広い方がいいよー、と言ってもかなわない。貧乏人に選択の余地はない。これぞ資本主義の重大な欠陥である。

と言う訳で、月初め早々にお詫びである。(偉そうに言うことではない。)

○お詫び
引っ越しすることになりました。準備の為、アルバイトは適宜手を抜かざるを得ず、よって編集長の行状報告は滞り勝ちになるかも知れませんことを御容赦下さい。


御来訪ありがとうございました。またのおいでをお待ちしております。
お帰りはこちらです。

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