秘密日記 秘書の独り言
7月31日(月) 本日も晴天。
昨日編集長は、またどこぞへお出かけしたそうだ。新宿山とか言ってたが、地下数(十?)メートルの所にあるという。海底火山かな? とにかく噴火、じゃない、怪気炎を上げて来たらしい。昨日の夜、二度も大きな地震があったのはそのせいだろう。
先日は本物の登山をしてきたということだ。本日は時間差でくる筋肉痛とかで、カニみたいに社内を横這いしてた。ちょっかい出してやろうか、と思ったが、ひっくり返ってギックリ腰になられたら大変、と思い、じっと我慢の子になっていた。今回秘書の態度が冷たいのは、編集長が名物饅頭を買ってきてくれなかったからだ。
7月30日(日) 青天、雲がほとんどない。
折無頼徒(漢字変換シリーズ第4弾)さんも多忙だ。ついこの間まで中東和平で骨を折ってたと思ったら、いつの間にやらバンコクにお出かけして、タイ外相とダンスなんぞしておられる。ディートリッヒそこのけの黒づくめのいでたちで痛烈な爆笑歌も披露したらしい。 ASEAN拡大外相会議はこの恒例隠し芸大会で有名とのことだ。このためだけに出席する大臣もいる、と言う話もある。それにしても元気なおばちゃんだ。クリントンさんが頭が上がらないのも分かる気がする。
秘書は日曜日は休養に努めることをモットーにしている。が、今日は町内の会合に呼び出されてしまった。歌って踊る会議ではない。すっぽかしたい気持ちが95パーセントなのだが、日頃色々世話になっているので、嫌といえない。人生はつらいことが多い。
7月29日(土) 薄晴れ。
冷房のない社内は、湿度の高い日にはサウナになる。
手紙を出しに行く、と表に出た。外の方が少しましだ。同じことを考えるようで、通りにはいろいろ出ている。風通しのよい日陰に中学生だか高校生だかぺったり座り込んで会談している。この暑いのにタバコなんか吸いおって。水ぶっかけてやろうか。(と、ぶつぶつ言いながら通り抜ける。秘書は小心者だ。)
猫がコの字に頭と尻尾をつけて伸びている。毛並みが良い。どこのシャンプー使っているのだろう。
ゴキブリがよたよたと道の真ん中を歩いていく。
日本は平和だ。
7月28日(金) 晴れ、少々雨。
編集長がいないと社内が平穏だ。いれば喧しいが、いないと少々物足りない。
と、つぶやいてはっと我にかえった。いけない、いけない。どうも編集長のペースに巻き込まれてきたみたいだ。
だいぶ誤解があるようだが、秘書は社長秘書なのだ。編集長の秘書ではない。楽そうだと思ったからバイトを始めたのに、かのお方は職域なんぞ無視してこき使ってくださる。
どこへいったか知らないが、ナントカ饅頭ぐらいは買ってきてくれるだろうな。
7月27日(木) 晴れ。
社内が伸びきっている。ははーんと思ったら、編集長が家出、じゃない遠出したという。それじゃま、というわけで、恒例のお茶け宴会の始まりだ。あっと言う間にお菓子がならび、どこに隠してあったのかハーゲンダッツのアイスクリームまで出てくる。
ところで、編集長は何処へ。
「とんでもない山の中に行くってたな。」
「里帰りか。」
「あれ、養子だったか。」
「いいや、近頃は男にも実家ってものがあるからな。」例によって、秘書には良く分からない会話が延々と続く。
7月26日(水) 晴れ。
結局、場楽さんと荒不後さんの交渉は、苦淋頓さんの努力の甲斐無く決裂した。苦淋頓さん、いい加減嫌気がさした、というのもありそうだ。
鼻先が故ド・ゴール大統領そっくりなコンコルドも落ちてしまった。
いきなり寒くなったりするもので、秘書は風邪を引くしで、世の中荒れ模様だ。それにしても、夏はこれからなのに、秋風のようなものが部屋を通り抜けてゆく。財布の中を貰ったばかりの給料が通り抜けてゆく。お陰で冷房は用がない。
最近、編集長の部屋にいろんな人が出入りする。大勢なので、名前が覚えられない。年輩の個性豊かそうな方ばかりで、イッカゲンというものをぶら下げてくるそうだ。食べられないものらしくて、秘書にはお呼びがかからない。
年輩の方は夏でも熱い飲み物を好むと聞いたので、お湯をぐらぐらに湧かして番茶を濃いめに入れてドンブリみたいな湯のみになみなみとついでお出しする。ほとんどの方がお帰りの頃にはお風呂上がりみたいな顔をされる。
それにしても若い男に縁のない会社だ。たまに来る宅配のお兄ちゃんもよく見るとおじさんぽかったりする。若ければいいって訳じゃないが。
7月25日(火) 雨、風。急に涼しくなった。
クリントンさんはそそくさとお帰りになって別荘に行ってしまった。例のお二人が居残りを続けているからだ。一国の元首とは忙しいものだ。秘書はつくづくと平民であることの幸せをかみしめている。(まてよ、大統領も平民だ。秘書は平民かつ凡人だ。)
場楽さんや荒不後さんも(つい変換してしまった)大変だ。何が大変かというと、エルサレムをどうするかで話がつかないらしい。キリストとユダヤとイスラムの3宗教それぞれの聖地だからだ。そんなら3つに分ければいい、というのは勿論問題外。3者で仲良く、というのも、できることならとっくにやってるわい、のレベル。要するに秘書の頭で解決のつく事柄ではない。
7月24日(月) 晴れ、風が強い。
暑い。けど結構風があるので、場所を選べば涼しい。我が家の天竺ネズミは昼間一人でお留守番をしてる。少しでも涼しい所を求めてあちこちうろつき回っているらしい。夕方家に帰ると痕跡が方々にある。警戒心ゼロなので死体のごとく伸びきってゴミ箱の横あたりに転がっていることもある。アルビノ種だから、まるで使用済みのモップだ。
いつぞやは、通風のため開けておいた窓から近所の猫が入り込んでいたことがあった。あの時は恐かっただろうな、といいかけて思い出した。あれは先代のネズミの話だった。幸い二人だったので、仲良く隅っこで固まっていた。あの猫めは贅沢な猫めで、食い物でつって外におっぽり出してやろうとしたのに、はなも引っ掛けず、あげく、お前が出てけと言わんばかりに威嚇をしてくれた。始末の悪い奴だった。
ところでサミットが無事終わった。森さんは中々たいしたものだったらしい。時間通りに会議が終わった、素晴らしい、とシラクさんが誉めていた。800億円かけた甲斐があったというものだ。他のところのサミットとは2桁位違ってたようだ。(ふーん、やろうと思えば、8億円でも出来たのか。)
おもてなしの中継をテレビで見たが、男ばっかりだった。いつもは来るはずのファーストレディ達が欠席だった。編集長のビデオではあるまいに、男ばっかではこちんこちんの話をしているみたいだ。
7月23日(日) 晴れ、とんでもなく暑い。
部屋の体温計、じゃなかった寒暖計を見たら、卒倒しそうになった。36度もあって、秘書の平熱より高い。燗暖計だ。こう暑くては頭も働かない。寝てしまえと思ったが、暖気のかたまり布団にくるまってるみたいで、息苦しくなってくる。いかん、熱中症の手前だ。
というので、近所のスーパーに避難した。自動ドアの向こうはこの世の天国だ。カラの買い物カゴを持ってしばらく店内をさまよった。いつもは駆け抜けるように買い物してレジに向うが、今日は涼むのが目的だ。端から陳列棚を見て回ると、普段は気づかずにいた実にいろいろなものがある。なになに有機栽培の紅茶だって。ふむふむ。しかし130グラムで730円は高いぞ。
ブルーベリージャムが特売で山積みになってる。大きめのビンで258円は安い。最近パソコンのし過ぎでおめめが痛い。買おうかな、と手にとって気づいた。今話題のあのブランドだ。問題になったのは乳製品だったが、つい、柳の下はドジョウだらけ、と支離滅裂なことを連想してしまった。
信用は若さと同じだ。あっと思った時には失っている。かな。
7月22日(土) 晴れ。
梅雨はやっぱりきっぱりと開けたらしい。毎日毎日茹で上がるように暑い。
けれど新聞を開くと、クーラーもお蔵になりそうな出来事で一杯だ。気の小さい秘書は出歩くのが恐くなる。家にいても背中がぞくぞくとする・・・我が子に毒茶を飲ませた親の話は未遂に終わって少しは救いがあるが、我が子を刺し殺して飛び下り自殺した親の話は悲惨そのものだ。中学生の子が荒れていたらしいが、その子一人残して父も母も姉も官舎を出て行ったという。この家族に何があったのか。あるいは何がなかったのか。脳が単細胞生物と散々言われている秘書にはどうしても理解できない。
ノストラダムスさんは幸いにして、フェードアウトして下さったようだが、近頃の数々の暗澹とする話は、新たな終末を予感する人々の底に流れる意識が吹き出し始めた証左だろうか。
と終末評論家の口まねをしてしまった。今日は終末だ。明日は休めるぞ。
7月21日(金) 晴天。
沖縄万博、じゃないサミットが始まった。
来るの来ないのと、気を揉ませたクリントンさんも来た。留守はオルブライトさんが引き受けてくれたそうだ。オルブライトさんは貫禄たっぷりだ。バラクさんやアラファトさんと並ぶと、恐い先生と出来の悪い生徒みたいだ。さっさと宿題すませて、早く家に帰りたいだろうな。あんまりグズグズしてると、帰る家がなくなってしまいそうだ。森さんは、みんなでこっち来たらとか、各国首脳の寄せ書き作ってキャンプデービッドに届けようとか、ニコニコはしゃいでる。
7月20日(木) 快晴、海の記念日。
お休みの日にポチポチと2本指でキーボードを叩いていると、今日がなんで休みなのか分からなくなってくる。早く10本指を使えるようになれと言われるが、勝手に覚えた秘書流をなおすのは結構むずかしい。
森さんは指1本だと言うから、今のところ秘書の勝ちだ。森さんには家庭教師がついて特訓してるらしい。頑張れ、森さん、パソコンは中年の天敵ではないぞ。メールも送れないで、ITうんぬんは恥ずかしいぞ。
けど出井さんだったかに、そんなことより他にすることがあるだろうと、面と向って言われたらしい。中年の敵は中年だ。
7月19日(水) お天気。
二千円札が発行された。引き換える人で銀行は賑わったらしいようだが、秘書には縁がない。だいたい円がない。両替えしたらその足で買い物に行って崩してしまいそうだ。せめて一晩、額にいれて飾ってみたい。小渕さんの力作だ。貧乏につける薬くらいの御利益がありそうだ。
7月18日(火) 焦げ天。
8日分の日記を書いてしまった。新記録だ。ワハハ。
実は秘書は本当にとても忙しかった。仕事を掛け持ちしてはいかん、とつくづく思った。どうせあがいても貧乏地獄から這い上がれそうにない。(しかし、あがかなければ、地獄の底体験ツアーに引き込まれてしまう。)昨晩まんじりともしないで考えた。森さんが頑張っても景気は良くなりそうもない。そごうのお陰で金利も上がらない。代議士の秘書になれそうもない。
とすれば打つ手は一つ。サマージャンボを買おう!
3億円なんて高望みはしない。2等のいっせんまんえんでいい。けちけちちびちび使えばしばらく遊んで暮らせる。
仕事なんかしない。会社に遊びに来て応接室で社長相手に優雅にお茶を飲んでやる。きっと編集長が締め切りでひいひい言ってるぞ。手伝ってやらないぞ。人生早く引退したもんが勝ちよ、と言ってやろう。
7月17日(月) ピカ天。
暑かった。体温に近い気温はつらい。満員電車の中で体格のよろしい蓄熱効果抜群のお方に密着されてるみたいだ。ええい、鬱陶しい。
梅雨が明けたらしい。らしい、のは、気象庁がはっきり言わないからだ。ここ数年梅雨明け宣言はチグハグだった。いつ明けたかわからないまま秋に突入したり、明けたと言ったのに降り続いて撤回したり。
仕方ない。天気予報は昔は大根と一緒だったもの。
7月16日(日) 晴れ、のち月食。
お月さまが欠けてしまった。満月だったのに、気づくと齧りかけのおせんベみたいになってる。
家出したテンちゃんのことを思い出した。おせんべが好きだったな。世間の荒波に押し流されてぐれてなきゃいいけど。
7月15日(土) 晴れ。
会社でシコシコ仕事していたらグラグラッと来た。本格的な地震だと思ったが、ここら当たりは震度3だった。震源地は東京都の島付近だろうか。そうなら島は大揺れだったに違いない。
秘書は昔、一晩中船に揺られてたっぷり船酔いして伊豆諸島に行ったことがある。降りてもしばらくは足下が揺れていた。感覚の錯覚だったが、今、島の人々は日々が揺れる大地だ。乗り物酔いする人には地獄の大地だろうな。
科学が発達して己の遺伝子の解読までするようになっても、人間にはまだ手におえないものがいっぱいだ。地震も雷も火事も親父(秘書のオヤジ)も健在だ。畏敬を忘れて浮かれていると思いがけないところでしっぺ返しされる。
ついこの間も、仕事サボって温泉に行ったことがばれて、親父殿に雷を落とされた。電話口で叱責の大声がゴロゴロ鳴り響いて、あまりの剣幕に受話器をしばらく放置してしまった。
7月14日(金) 晴れ。
そごうが潰れた。税金で救済するとか言っていたが、この御時世にあんまりだ、と非難が集中して、沙汰止みになったそうだ。そりゃそうだ。バブルの時、秘書みたいな貧乏人は忙しいだけで何もいいことなかった。さんざんいいとこばかり食い散らした奴が、金がなくなったから税金で立て替えてくれ、だと。そんなつもりで税金払ってんじゃねいやい。
しかし、潰した分税金丸儲けかというとそれも違うようだ。銀行と政府のお約束とかで、事と次第によっては、債権帳消しよりも沢山の税金を使わねばならないらしい。
誰だそんな約束したのは、と今さら怒っても追い付かない。政治家を信用した私がバカだったのよ、と一気に政治不信に落ち込んで行く、と絵に書いたアホそのものの反応をして見せる秘書。やっぱり難しい話は苦手だ。
ところで森さんはそごうについては面白い話をしてくれなかった。亀井さんが良きに計らうから、総理は何も言わないでくれ、と頼まれたらしい。実に残念だ。
ついでに今日は森さんの63回目のお誕生日だ。パリ祭と一緒だ。革命の子だ。
オフレコ騒ぎが祟ってか、恒例の記者からのプレゼントは貰えなかったらしい。
替わりに小泉さんが景気づけのケーキをくれたとか。何味だろう。秘書ならやっぱりブランデーづけがいいな。
7月13日(木) 晴れ。
いつだったか、森さんが、ミーちゃんハーちゃん、と口にした。何の話だったか覚えていないが、脳味噌に衝撃が走った。
人名だったのか。いままでずっと英語だと思い込んでいた。meとher、私と彼女。つまり、秘書のお友達達(おともだちたち)みたいな、半可通でしゃしゃり出てくるのが大好きな愛すべきバカ女ども。(これってセクハラか)
違うんだ、ミーさんとハーさんなんだ。そう言うと、少し高級そうに聞こえる。しかし、ヤーさんの変種みたいだな。漢字で書くと、三伊さん、波阿さん。どっかにいそうだ。軽さが取り柄のアホではなさそうだ。
7月12日(水) 晴れ。
書くな、って話を書いてしまったからと森さんがむくれてる。わかるな、その気持ち。ここだけの話だよ、って念を押したのに、次の日にはご近所に知れ渡っている。その度に秘書は決心する。私は貝になろう、と。しかしすぐ口がムズムズしてくる。そしてまた、今度は絶対言わないでよ、と口にしている。森さん節がこれで聞けなくなるような淋しい事態にはならないだろう。
7月11日(火) 晴れ。
駅前の一等地に幽霊ビルがある。お住まいの幽霊は秘書の知るところで3体。住み分けなんぞという優雅なことはしておられず、ゴチャゴチャに同居されている。
屋上には城南電機のでっかい電飾看板つまりネオンのかたまりがデンと乗っかっている。正面に面した各階の窓には売り場案内。それに負けじと、屋上から2階まで届くジャンボ築地の派手な特大垂れ幕。1階正面上には同じく相撲取りが踊っているような文字デザインのジャンボの看板。そしてシャッターを降ろすと、この前の市長選で事務所につかった候補者のシンボルのカエルが飛び跳ねている。
城南電機の宮地社長は晩年よくこの店に来ていた。店の前のガードレールに腰掛けては店の方を見ていた。話題の人を身近に見ると錯覚を起こしたような気分になる。だいぶ目も慣れたある時、ふっとその姿がフィルターをかけたように見えた。訃報を聞いたのはそれから間もなくだった。
空きビルになっていたところへ市長選の候補の事務所が入った。擦ったり揉んだりした挙げ句、5選目の現職市長に破れた。祝杯をあげる準備をしていたところへまさかの落選で相当ショックだったらしい。この辺の事情は編集長が詳しい。(ホームページに書いてあった。)
そして前宣伝が派手だったジャンボ築地。築地の場外市場みたいなのが来るのかと期待したのだが、店のコンセプトとかいうものを間違えたようであえなく撤退。テナント募集中、と告げる張り紙が幽霊屋敷の立て看板のようにみえる。
このビルからそう遠くない所に、編集長のいう100億円の駐輪場がある。整然として実に立派な駐輪場だ。1年間使って、学生なら3000円、一般なら4000円の筈だ。さすがは日本一裕福と言われた金持ち市だ。採算は度外視して住民のために使わせて下さる。住んでて良かった。
7月10日(月) ただの晴れ。
社長に耳打ちされた。経理部長の名前はカモシダさんだそうだ。鹿ではなく鴨だった。
一応謝っておきなさい、と言うので、一応で済むことなら二応でも三応でもと謝っておいた。
謝っているうちに昔話の花が咲いてしまった。鴨ねぎ話だ。ひまな会社だ。部長曰く、ねぎは嫌いではないが、自ら求めたりはしないとのこと。
子どもの頃畑仕事の手伝いをして収穫したねぎを山のように背負って家まで運んだものらしい。ある日余りの重さによたよたとしているところへ好きだった女の子が出くわし、目が合った瞬間女の子がプッと吹きだして駆け去った。以来、ねぎは向こうからやってくれば食すが、自ら出向きたくないという。そうか。悟りきったような顔してても、まだ虎と馬を飼っているのだな。秘書もミニチュアだが虎と馬を飼っている。たいていの人が飼っているらしい。
友だちのヨシコちゃんと、この話をした時はおかしかった。ヨシコちゃんは虎馬という馬だと思っていた。
「虎馬ってどんな馬なの!」
「だからさあ、虎みたいな縞模様のヤツで・・・」
「そりゃ縞馬でしょ!」
7月9日(日) 晴れ、夕立ち。
激動の1週間が過ぎた。投票日でもないのに耐え難く眠い。少し昼寝でも、の筈が1日が終わっていた。
7月8日(土) 台風後、晴れ。
台風一家がお通りになられた後は爽やかな青空だ。
今日も元気だ空気がうまい、と玄関脇の銀杏の木の下で深呼吸していたら、守衛のおじさんがニコニコやって来た。「台風凄かったねー。」
と言われても、寝てる間に通り過ぎてくれたので実感がない。おじさんは昨日も会社に泊まったそうだ。雨漏りが心配だったというが、ホントかな。(確かに安普請だけど)
夜見回りをしたら、編集長の部屋に灯りがついていたので、覗いたそうだ。恐い顔した編集長がキッと振り返って、「見たな〜」と睨んだ。おじさんドキッとして「見てません!」と叫んだ。
すると編集長、「あっ、そっ。面白いもの見せてあげる。」と手招きしたそうな。
なんでも編集長はビデオムービーとやらの編集をしてたらしい。おじさんが第1号の観客だ。面白かったの、と聞いたら、男ばっかり出て来るのはどうもねー、と笑っていた。昔おじさんは青い色した映画が好きだったらしい。
7月7日(金) 曇り後、台風。
七夕。牽牛氏と織女嬢の年に一度のデートだというのに、台風がおいでになる。この二人、よほど行ないが悪かったに違いない。秘書には晴れた七夕の記憶がない。特異日だ。
同居人がお出かけだ。どこへ、と聞いたら、七夕に、と答える。中止でしょ、と言えば、室内だから、と言う。一体どこの七夕だ。
つまりバーに行くという。
あろうことか、お金貸して、だと。そんな金ないわい、といったらあっさり引き下がった。一呼吸おいて、ふと気が付いた。やられた。豚の貯金箱がまっ二つになって、小銭ばかりが散らばっている。前に割れたのをセメダインで着けておいたやつだ。力いれるとぐらっとするので心配だった。
お前なんか天の川に流されちまえ、と叫んでも後の七夕、もとい後の祭り。
腹が立つので玄関のチェーンを掛けて寝てしまった。
7月6日(木) 晴天。夕立ちだった・・・と思う。
うちの牛乳は雪印ではない。三宅島に別荘はない。新大臣に身内はいない。それがどうした。
と、くだを巻いていたら、真面目に仕事をやれ、と横やりを入れられた。
そんなこと言われたって、ずーっと宛名書きだ。飽きてしまった。こんなたくさんの封筒どうするんだろ。昔読んだ本に、毎日手紙を書くのが仕事だという部長の話があった。借金の申入書だという。無駄なこと、と一蹴されそうだが、中に引っ掛かる人もいたそうだ。無論、返済しなかったろうな。確か、ヘラ鹿というあだ名の部長だった。貧乏物語という題名だったかな。
うちの経理部長はカモ鹿さんという名前だ。
7月5日(水) 晴天。夕立ちだった・・・
今朝の新聞に、首相に指名されて一礼する森氏の写真が載っていた。両手をついて前方を見たまま腰をかがめていた。
似ている。幸福の蛙だ。池の真ん中で踏ん張って背中に子蛙を乗せていた。ついこの間温泉でみたばかりだ。児雷也のガマだ、と友だちが叫んでた。写真では背中のあたりに宮沢さんの顔が乗っていた。副議長を誰にするかでも揉めたようだ。民主党から出るのがスジというものらしいが、民主党推薦の石井さんを、自民党の野中さんは余り好きではなかったようで、御破算になってしまった。昔言われたことを根に持ってるらしい。結局誰がなったんだろう。
7月4日(火) ピカピカ晴れ。夕方ドカ降り。
森さんが自前の内閣を作った。今までのは借り物だったんでサイズが合わなかったらしい。これでもう口が滑ったり足をとられたりしないだろう。秘書だって人の靴なんか借りるとけつまずいたり転んだり豆ができたりする。
大臣になられた先生方はあまり嬉しそうではなかった。運輸の森田さんは、やったぜい、みたいに全身でニコニコしてたけど、後は仏様の頂上のお面みたい(?)。
トコロ天だの在庫一掃だの言われるので、軽く見られてはいかん、と勿体つけたんだろうか。
扇さんにいたっては「貧乏くじ引いた」ことになってる。くじ引きという手もあったな。当たりくじのない富くじだったりして。夕方、記録的な大雨がふった。雨にも意志があって旧弊を洗い流すつもりで降った、わけはないが、赤坂あたりは川になったらしい。大蔵大臣の顔をみたら、不意に半魚どんのことが気になった。アラファト議長のアップを見た時も、砂漠で半魚人が生きていけるだろうか不安に思ったが、汚濁した赤坂川でも生きていけないだろう、と思った。
7月3日(月) ピカピカ晴れ。一時大雨。
幸いなことに伯母さんは持ち直しました。
せっかくなので、昨夜は付いて来てくれたお友達とのんびり温泉につかりました。
世間では、こういう友人を、悪い友と呼ぶらしいのですが、秘書にとっては、とってもいいお友達です。今後も仲良くしなくちゃ。
ところでこんがり日に焼けてしまいました。伯母さんのいる病院が分からなくてグルグル捜しまわったからです。たぶん。
7月2日(日) ピカピカ晴れ。夜中に雷がなった。
長らく入院していた伯母さんが急に容態が悪くなりました。
直ぐ帰ってこいと昨夜実家から連絡が入ったので、秘書は取るものも取りあえず田舎に帰ります。
喪服は実家にあるので、着替えを鞄につめて・・そうそう時刻表と地図も忘れずに。日射しが強そうだからクリームを多めに持って行こう。傘とカメラも入れなくちゃ。
7月1日(土) ピカピカ晴れ。
あちいでよ、と言ったら、編集長に怒られた。
我が社にはクーラーがない。編集方針なのだそうだ(?)。
編集長いわく、暑いと言ったことを怒ったのではない。その訳の分からん日本語をなんとかせいと言っているのだ。そう言われたって脳味噌もとろける暑さだい。巷の人間はプールとかに避難しているぞ。何が楽しくてパソコンなんかいじってるんだい。
と言うわけで秘書は避暑に行くことにしました。うふふ。1泊です。同居人には一生行ってろといわれました。お土産を買うのは勿体ないので、会社のみんなには内緒です。伯母さんが一人危篤になる予定です。