『亜空間通信』168号(2002/02/22) 阿修羅投稿を再録

厚生省の犯罪など裸の猿の悪業を全部暴くのは不可能で疲れるから部分恐怖のみ

送信日時 : 2002 年 2 月 22 日

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『亜空間通信』168号(2002/02/22)
【厚生省の犯罪など裸の猿の悪業を全部暴くのは不可能で疲れるから部分恐怖のみ】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 昨日(2002/02/21)、「抗ヒスタミン剤」の副作用追及警告連載ーーーーサンデー毎日「厚生省の犯罪」より抜粋ーーーー「救済しない救済機構」との記述に関して、以下のように記した。

 毎日新聞社に聞いても、倒産間際の事情を抱える同社ではデータベース化が遅れており、下記の「サンデー毎日」の発行日が分からないので、図書館へ行っても苦労する。出典の細部を明記するよう、広く訴える。

 しかし、図書館に行って検索する前に不精して、一応、電網検索をしてみたら、あった、あったの、大あり名古屋の金の鯱とか、どかーーんと単行本あり、が出てきた。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453558222X/250-7437549-1759401
『厚生省の犯罪』毎日新聞社会部

内容(「BOOK」データベースより)'官’中心に繰り返される薬害の構造。記者たちの周到な取材・執念の追及が見事に結実。

内容(「MARC」データベースより)「福祉」に注ぎ込まれる巨大な国家予算に群がる業者のカネが、絶対権限を握るエリート次官を蝕んでいた。「官」中心に繰り返された薬害の構造を、記者たちの周到な取材・執念が追及する。

 以上で引用終わり。

 うむ、うむ、あれ、あれ、と思い出した。薬害エイズが話題騒然の頃であった。私がまだ日本ジャーナリスト会議(JCJ)の運営委員とか企画部員とかをやっていた時期に、毎日新聞の薬害取材班に、JCJ賞を授与したことがあった。懇親会で新聞記者には珍しい「朴訥」な感じの若者と会話をした記憶も蘇った。

 しかし、なんで、こんな事件の記事が載ったことがある『サンデー毎日』の編集部の担当の新聞記者が、単行本にまでなった先輩の仕事のことを知らずにいるのだろうか、と世間一般では考えるであろう。しかし、これは不思議でもないでもない。大きな組織というものは、一種の魔力を発揮する。組織の大きさに圧倒されて、自分の身の回りだけを知っていれば、それで済むという、非常に退化した歯車の部分人間、または部分裸の猿を育ててしまうのである。だから、大組織の肩書きを振り回す連中を信用すると危ないのである。

 かくして、実は倒産争議を経た毎日新聞の内部においてさえ、いわゆる「本紙」(発行部数のウン百万は公称よりもかなり減っている)には載らず、せいぜいウン十万部の週刊誌の連載記事に止まり、その後は、せいぜいウン万かウン千部の単行本でしか世に出ていない情報は、膨大な当局とか業界とかの嘘だらけの発表記事の塵芥の山の中に埋もれてしまうのである。

 私としても、それを思い返せば、どっと疲れが出てくる。精神的に疲れるのだ。以下、別途、オムブズマン電子手紙広場でのやりとりを若干再録する。先方の個人情報は、その宣伝の電網宝庫を見れば分かることだが、一応、削除する。

Re: 副作用被害隠しの厚労省認可法人医薬品機構に13億3千1百万円の年間補助金!

 木村さん、厚労省認可法人医薬品機構にお怒りのようですが、私は厚労省認可法人日本歯科医師会に怒っております。

 公益法人日本歯科医師会は政治団体日本歯科医師連盟を作って自民党に何十億も献金しています。

 私は7年前に日本歯科医師会に入会しましたが、知らないうちに日本歯科医師連盟に入会したことになっており会費も年間数万円取られていました。

 で、この会費の出所はもともとは歯科治療を受けた患者さんのお金です。患者さんは治療費の一部が自民党の献金に使われていることを知ったら、怒りますよね。

 昨年日本歯科医師連盟を退会しようとして、退会届を出したら、なしのつぶて。その後も勝手に会費を引き去られました。

 そこで、昨年12月に日本歯科医師会、連盟らを相手に訴訟を起こしました。記者会見の模様です。↓
http://www4.ocn.ne.jp/~tfreej/soshou.html


差出人 : 木村愛二
件名 : Re: 厚労省認可法人日本歯科医師会に怒って

 御応答感謝。歯科医師会と医師会に関しては、某公認会計士から資料提供の申し出を受けながらも、余力なく、見送っております。そこらじゅうに溢れている裸の猿の悪智恵を全部暴くのは、おそらく同じく短命の同族の我々には不可能でしょう。しかし、意地でも、長命の宇宙人に期待して手掛かりの資料ぐらいは残したいものです。

 地元の武蔵野市の5選市長、土屋某に関しては、わが電網宝庫に戯画記事が入れてありますが、上記に加えて薬剤師協会まで加えた選挙道具(マシーン)を駆使しています。成人無料検診の議会決定の条例には書いてなくても、当局決定の「要綱」に基づく「契約」により、それらの「法人」が独占する仕組みになっています。つまり、欺瞞の法体系、運用の妙により、公費で選挙道具が維持され、自民党も含む保守政権が継続しているのです。

 それでもなお、地元に歯科医師会に加盟しない(仮名)歯科医がいたので、根性を買って、試しに奥歯の金冠が剥がれたのを直してもらったら、汚れを削り過ぎて後日、神経が化膿し、時間も経費も大変でした。

 思想と技術とは別物なので、[中略] 御努力下さい。

 以上で引用終わり。

 しかも事実は違う。「患者さん」の大部分は、「治療費の一部が自民党の献金に使われていることを知っ」てはいても、ほとんどが、まるで「怒」らないのである。

 今は昔、『暮らしの手帖』だったか、消費者の立場で商品の点検をする雑誌があったが、薬害の点検の運動は、いかがなものか。その後の『買ってはいけない』から『「買ってはいけない」は買ってはいけない」にまで至る偽善系左翼商売の堕落を思えば、上記のような私の絶望は、実に現実的な感想なのである。

 裸の猿の世渡りの智恵は、寄らば大樹の蔭、長いものには巻かれろ、であって、大はソ連政権の崩壊のごとく、経営能力のない「左翼」への信頼が無くなっている現在、体制の嘘を暴いても、世間一般には無力感しか残らないのである。

 最後の踏み止まりは、真相究明「魔」としての愉しみのみである。今回の副作用問題では、官僚作文の国語能力とそれをもっけの幸いして悪業の誤魔化しに利用する薬業界の実態解明である。部分的研究の一助として、私が副作用の激しさを実感した「アレジオン錠20」の添付書類の中から、(再審査申請時)とある部分の以下の文章を採点してみよう。

 臨床試験及び市販後の使用成績調査での調査症例8,443例中副作用が報告された症例は263例(3.12%) であった。

1. 8,443例の内、臨床試験が何例で市販後の使用が何例なのか不明。
2. 「報告された」というが、「報告」のもとになる調査の経過も、誰が「報告」したのかも、どこが「報告された」のかも不明。

 厚生労働省の電話の代表番号に掛けて、「再審査申請」の窓口、と注文すると、「審査管理課」につながった。上記の1.は、「分からない」。2.は、「薬の販売元が病院、薬局などで調査する」

 つまり、まったく科学的な調査の結果ではないのである。泥棒に自分の犯罪は軽いと報告させ、許してしまうようなことである。自覚症状が明確で無い副作用を受けた患者は水面下の氷山のように、まったく厚生労働省審査管理課の水面上、もしくは雲の上からの視野に入っていないのである。ああ、恐ろしい。ああ、真相究明「魔」としては愉しい。いっひっひのっひっ。

 以上。


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