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『女性学年報』のめざすもの
女性学は、既成の「学問」が女の視点を欠いた、ゆがみをもったものであることを告発する形でおこってきました。また、難解な学術専門用語で武装した、素人を寄せ付けない「学問」のあり方にも疑問を投げかけてきました。わたしたちは「女であること」にはプロもアマもなく、女性学の出発点はまさしくこの「女(わたし)であること」を問い直すことであり、この「わたしからのフェミニズム」こそが、わたしたちの運動の原点であると考えています。
わたしたちは、女性学を、女の状況を変革していくための一つの方法と考えています。ともに語り、考え、行動することによって、学問と日常生活、理論と実践といった価値の分断をなくし、そのいずれにも根ざした女の運動をつくり出していくことを、わたしたちは願っています。
『女性学年報』は、女性解放について発言することや「わたしからのフェミニズム」を発信する場が非常に限られていた時期に、女たちがみずからの声を発表する雑誌として成立しました。この出発点―「日本女性学研究会に所属し、活動するわたしたちが、わたしたちの見方を反映させたメディアを、わたしたちの手でつくる」という原則を今も大切にし、以下のことを実現できるようめざしています。
- 女性解放の視点から、いわゆる論文だけではなく、既成のメディアにのらないような性質の原稿を発表できる場、メディアにのる手段やノウハウをもたない人々に表現の機会を与える場であること。
- 合評制度を女性学的実践ととらえ、執筆者がコメンテーターと協力してよりよい原稿を作り上げていく過程を重視していくこと。
- 女性学の視点に立った鋭い問題意識や、新たな角度からの分析によって、それぞれの分野に対して影響を与え、読者とともにその変革をこころざすこと。