チェチェン総合情報

6 Mar 2015
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チェチェンニュース(転送・転載・引用歓迎)


 2月27日に、モスクワで、ロシアの政治家ボリス・ネムツォフ氏が暗殺され
ました。ネムツォフ氏は対ウクライナ戦争にも強く反対していたということで
す。過去にチェチェンに関しても、プーチン政権の高圧的なやり方に抗議してき
た人物です。

 これは2009年の記事ですが、彼の問題意識がよくわかる文章がありました
ので、和訳しました。

 このような立場の人物なら、現在のウクライナへの軍事侵攻にも反対するでし
ょうし、プーチン政権にも睨まれることでしょう。そしてこの15年間、ロシア
ではプーチン政権にとって邪魔な人物は、次々と消されてきました。チェチェン
だけでも、つぎのようなリストができています。

 「殺害されたジャーナリスト、人権活動家、政治家一覧」
 http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090913/1252944622

 いろいろな意見があるとは思いますが、やはり、ウクライナに対する今のロシ
ア政府の行いは、チェチェンと同様の非道な行いだと考えます。

 私自身は、西側の情報源に多くを負っていますから、認識にいくらかバイアス
がかかっている可能性も否定はしません。

 しかし、チェチェンへの不法な軍事侵攻をロシア政府が行ったこと、そして
「惨劇」としかいいようのない出来事が起こってきたことは、動かしがたい事実
です。ロシアで、これにはっきりと反対してきた人が、おそらくそのために暗殺
されたことに、悲しみを感じずにはいられません。(大富亮)


 関連:ニューズウィーク記事:ネムツォフ暗殺?でロシア野党は壊滅状態
  http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2015/03/post-3569_1.php



■コーカサスを覆う「戦争の雲」ーープーチンの政策は決して平和を呼ばない

 ボリス・ネムツォフ 「連帯反体制運動」代表/元ロシア連邦副首相:
 2009年8月26日、ウォール・ストリート・ジャーナル


 この10年間、ロシアを支配し続けているプーチンの最大の嘘は、「北コーカ
サスが安定化している」というプロパガンダだろう。これほど真実から遠い話も
ない。1994年、99年、そしていま、私たちは三度目のコーカサス戦争を目
にている。

 2009年6月22日に、イングーシのエフクロフ大統領が銃撃され、チェチェンで
は人権活動家のナターリヤ・エステミーロワや、ザレーマ・サドゥラーエワが殺
害された。先週も、ナズラニでテロが起こり、数百人が死傷する惨事となった。
それだけでなく、ダゲスタンでは毎日のように警察官が襲われ、今年前半だけで
128人もの死亡者が出た。

 チェチェンの人権状態もひどい。人権団体がまとめただけでも、今年74人が
強制失踪し、16人が殺害された。こういった事実は、北コーカサスに広がる流
血のカタログのたった1ページに過ぎない。

 「安定化」が失敗している理由はこういうことだ。プーチンは「地域の有力な
氏族」と連携してこの地域をロシアの支配下に置こうとしているが、それがまず
間違いだ。連邦予算と、白紙の小切手と引き換えに、腐敗した犯罪集団の忠誠を
買い取り、彼らが言うところの「選挙」を支援する。その結果、この地域は連邦
の法など通用しない地域に成り下がり、現地の権力者たちによる市民への抑圧は
さらに強まってしまう。

 ヒューマンライツ・ウォッチの報告によれば、親ロシア派のチェチェン当局
は、反対勢力に参加したと疑われた人の非合法処刑や、その家族の家を焼くな
ど、ひどい人権侵害を繰り返している。チェチェンで活動する人権団体「メモリ
アル」の活動家は、常に当局の監視を受けている。暗殺された活動家・エステミ
ーロワは、まさにチェチェンで起こっている「強制失踪」の問題を追っていたと
ころだった。

 一方で、プーチンが支援しているチェチェンの新ロシア派・カディロフは、こ
れこそ個人カルトとしか言いようのないものを作り上げている。その裏付けは、
現地の税収の7割から9割を占める巨額の金を、ロシアが彼に与えていること
だ。ところがそのために、この地域はほとんどロシアの法の埒外になってしまっ
ている。

 ロシア連邦政府ののコーカサス政策のもうひとつの誤りは、民主的手続きを排
除してしまったことにある。彼らにとって「選挙」とは、プーチンの政党が10
0%の支持率のもと、100%を得票することを意味する。チェチェン、イング
ーシ、ダゲスタンは、もはやソ連時代に戻った感がある。政府に対する市民の影
響力はすべて排除された。ロシアが頑迷にもイングーシで元KGB将軍のジャジコ
フ元大統領を支持し続けたことが、この地方での暴力的な反体制運動の原因にな
っている。

 一連の惨劇による教訓は、今のようなシニシズムや抑圧は、北コーカサスの政
治・経済と安全保障の問題に、何の解決ももたらさないということだ。これらの
問題は、民主的で法に則った政策と、そこに住む市民に対する十分な配慮によっ
てしか、解決されないのである。

http://fb.ilcannocchiale.it/?id_blogdoc=2321183

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