チェチェン総合情報

24 Apr 2009
チェチェンニュース No.287
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 パレスチナに関わっている研究者の早尾貴紀さんが、
 チェチェンの本をまとめて書評してくれました。
 短いながらも的を得た評だと思いました。ご紹介します。


  孤児で棄民で入植者で戦争体験者、
  そしてチェチェン人と「兄弟」となったロシア人少年の物語
  http://hayao.at.webry.info/200904/article_7.html

  暗殺されたロシア人ジャーナリスト、ポリトコフスカヤの三冊
  http://hayao.at.webry.info/200904/article_6.html

  チェチェン問題でもっともコンパクトな入門書——大富亮『チェチェン紛争』
  http://hayao.at.webry.info/200904/article_5.html

  チェチェンの人びとの伝統的倫理を理解するために——『チェチェン民族学序説』
  http://hayao.at.webry.info/200904/article_4.html


 「コーカサスの金色の雲」についての早尾さんの批評から、一部引用します:

>  ナチスへの「協力」の嫌疑からシベリアなどの追放されたチェチェン人の村
> に、さまざまな苦しい事情をかかえたロシア人たちが、「入植者」として送り
> 込まれてきます。土地と家を奪われたチェチェン人たちからすれば、彼らは侵
> 略者・加害者でしかありませんが、しかし、中央権力からすると、巨大な統治
> 手段として、あちこちと意図的に錯綜させた強制的住民移住の一側面。
> 
>  しかも郷土の奪還を目指すパルチザンたちの攻撃に怯えて暮らさざるをえな
> い、各地からチェチェンへの入植者たちは、社会から排除された「訳あり者」
> たちばかり。サーシカとコーリカもまた、孤児で盗みの常習犯。その周辺の登
> 場人物たちもまた、好き好んでチェチェンに来ていたわけではなかった。が、
> 必然的にチェチェン人たちの土地と財産を「収奪」もしていたし、にもかかわ
> らず自分たちが攻撃を「仕掛けられる側」の被害者だと思っていた。

 この部分を読んだときに、私の中でずっと宙ぶらりんになっていたサーシカ
とコーリカに、居場所が見つかったという気がしました。

 さて、話は少し変わりますが、じつは3月に刊行した「チェチェン民族学序
説」には、巻末資料として、チェチェン共和国憲法や、チェチェン・ロシア平
和条約などの重要文書も収めています。これについての解説を、私なりにまと
めていたので、次のサイトに掲載します。しろうとが書いたものですので、法
律を研究されている方からのご意見が伺えればうれしいです。

 まだお持ちでない方は、ぜひお買い上げ、または図書館へのリクエストをお
願いします。


 「『チェチェン戦争』という名のクーデター」
  http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090424/1240581553


 明日はパレスチナ関係の大切な集会があります。ぜひご参加ください。

                     (大富亮/チェチェンニュース)


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■イベント

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  4/25 文京:連続セミナー<ナクバ60年>を問う【最終回】
            パレスチナ難民の法的地位と選択権─ 現実をふまえた展望を考える

    パレスチナ難民の地位、国籍取得の可能性、移動する際に起こる問題を、
    一人一人の自己決定権の観点から検討する。
    パレスチナ人にひたすら後退を強いるような「現実的思考」とは違う
   〈現実〉を把握する可能性について考えたい。

    http://midan.exblog.jp/11224866/

    このメールの最後に案内を転載します。


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  4/25 千歳烏山:「つながる心〜パレスチナ・イラクそして日本」
       歌と演奏と朗読・現地取材報告で考えるガザ

    音楽家のヤスミン植月千春さん
   「占領下で生きる、とはどういうことなのか。
    兄弟・姉妹の思いを、歌と朗読で伝えたい。今も苦しみ、
    悲しみの中にいる彼らを、どうぞ忘れないでほしい」

    ジャーナリストの古居みずえさん
   「これから私たちにできることは、何が起こったのか、
    今、どうなっているのか、彼らのことをもっと知り、見続け、
    できることを探っていくことだと思います」

    http://huruim.com/notice/notice.html


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  4/26 広島:「ノー・モア核被害者〜チェルノブイリ原発事故から23年〜」の集い

    まもなく、チェルノブイリ原発事故から23年。
    今なお、多くの人たちが健康被害に苦しむ。
    人間の未来のために、広島から原子力利用からの撤退を訴えたい。

    http://hiroseto.exblog.jp/10056754/


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  4/29-5/8 鎌倉:「米原万里、そしてロシア」展

    幅広い文筆活動のなかでチェチェンの悲劇を訴えた、
    ロシア語通訳・作家の米原万里さんの回顧展。
    原稿や愛用品などとともに在りし日の米原さんを偲ぶ。
    井上ひさしさんらによる講演、シンポジウムも(一部要予約)。

    http://www.kamashun.co.jp/topics/2009/03/post.html


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  5/1,5/2 横浜,都内:自由と生存のメーデー 09---六十億のプレカリアート

    不安定な生を強いられる
    60億の仲間<プレカリアート>たちの想像/創造はすでに始まっている
    私たちは、あなたに呼びかける
    生きることはよい まともに暮らすために、全てをよこせ
    さあメーデーをはじめよう

    http://mayday2009.alt-server.org/article.php/20090407044851263


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  5/15 文京:孫崎亨講演会:なぜ日本は戦略思考に弱いのか、
                                   迷走する安全保障政策を検証する

    米国のいいなりの日本。
    戦略なき日本外交はどこに向かうのか。
    もと外務省国際情報局長が語る。

    http://apc.cup.com/


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  5/23 経堂:講演会 アンナ・ポリトコーフスカヤとロシアの陪審裁判

    ポリトコーフスカヤ殺害事件の容疑者に無罪を言い渡した
    ロシア陪審法廷。ロシアの陪審制の背景と将来は?
    小森田秋夫氏(東京大学社会科学研究所所長)による発表。

    http://www.t3.rim.or.jp/%7Eyuken/sub4.html


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  5/30 水道橋:広瀬隆講演会
 「二酸化炭素温暖化説はなぜ崩壊したか エネルギー消費の正しい解決のために」

    揺らぐ二酸化炭素温暖化説を科学的に議論する。

    http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20090412


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  5/31 御茶ノ水:スピークアウト for アクション:イスラエルを変えるために

    イスラエル製品/関連企業をボイコットするーー
    イスラエルの武器生産・取引・使用の実態を明らかにするーー
    指導者たちの戦争犯罪を裁かせるーー「歴史事実」の確認からはじめよう。
    占領をやめさせ、共生するためのシンポジウムと分科会。

    http://midan.exblog.jp/


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■映画・写真展・連続講座

  MediR講座
 『制作者との対話〜TVドキュメンタリーを通して社会を考える』
  5/10-8/9 高田馬場

    優れたドキュメンター番組を見、
    制作者との討論を通してメディアリテラシーの養成をめざす。
    スベトラーナ・アレクシエービッチに関する作品、
   「ロシア 小さき人々の記録」(2000年放送)についての講座あり。

    http://d.hatena.ne.jp/chechen/20090417


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  『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

    孫へのまなざし 平和への祈り ロシアの見たチェチェン

    http://www.chechen.jp/


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  『★CHEチェ 28歳の革命 39歳別れの手紙』

    カストロとともにキューバ革命を成功に導いた、
    チェ・ゲバラの生涯をソダーバーグ監督が映画化

    http://che.gyao.jp/


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 『ビリン・闘いの村』

    パレスチナ暫定自治区、ヨルダン川西岸のビリン村。
    若者たちは非暴力の闘いに立ち上がった。

    http://www.hamsafilms.com/bilin/


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  発行部数:1477部 発行人:大富亮

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【連続セミナー・第6回】 パレスチナ難民の法的地位と選択権
	
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    連続セミナー・<ナクバ60年>を問う(全6回)

   【第6回=最終回】 パレスチナ難民の法的地位と選択権
             ─ 現実をふまえた展望を考える

          問題提起:錦田愛子+板垣雄三

     主催◎ミーダーン<パレスチナ・対話のための広場>
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■問題提起:
錦田愛子(中東地域研究/東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
板垣雄三(西洋史・中東地域研究/東京大学名誉教授)

■日時:4月25日(土)18時開場・18時15分開始(21時終了予定)

■場所:文京シビックセンター区民会議室4階ホール  
 [所在地]文京区春日1ー16 ー 21
 [地図]
http://www.city.bunkyo.lg.jpsosiki_busyo_shisetsukanri_shisetsu_civic.html
 [交通]東京メトロ丸の内線・南北線後楽園駅徒歩 1 分
     都営地下鉄三田線・大江戸線春日駅徒歩1 分
     JR総武線水道橋駅徒歩8分

■参加費:800円

イスラエル国家のあり方が根本的に変貌をとげ、パレスチナの地で複数
の民族が対等に共存する。例えばそのような希望は手放さないが、他方、
限りある一生をできるだけ「まし」なものとして生きたいと、誰もが思
うようにパレスチナ人も思うだろう。

ホスト国におけるパレスチナ難民の地位、国籍取得の可能性、移動する
際に起こる問題等々を、民族全体の獲得目標との距離からだけではなく、
パレスチナ人一人一人にとっての自己決定権の観点から検討する。

そしてパレスチナ人にひたすら後退を強いるような「現実的思考」とは
違う〈現実〉を把握する可能性について考えたい。

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主催  ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉

郵便物送付先 〒162-0823
 東京都新宿区神楽河岸1 - 1 東京ボランティア・市民活動センター
 メールボックスNo.114
メールアドレス  midan_filastine@excite.co.jp
Webアドレス   http://midan.exblog.jp/
郵便振替  口座番号:00160-9-353912[口座名義:ミーダーン]
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Version: GnuPG v1.4.9 (GNU/Linux)
Comment: Using GnuPG with Mozilla - http://enigmail.mozdev.org

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