チェチェン総合情報

チェチェンニュース Vol.06 No.29 2006.12.31

http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0629.htm (HTML版) 発行部数:1657部

INDEX

■チェチェン共和国:はびこる拷問

(邦枝律/チェチェンニュース)

国際人権NGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチが、チェチェンで現在行われている拷問と違法な拘留に関する調査結果をまとめて、「チェチェン共和国:はびこる拷問」という報告書を11月に発表しました。2004年7月から2006年9月までに拷問を受けた被害者115名に対するインタビューを通じて作成された報告書から、チェチェンにおける人権侵害の最新情報を紹介します。

報告書は以下から全訳もご覧いただけます。ご自由にダウンロードして資料としてお使いください。

原文:(136KB)
"Widespread Torture in the Chechen Republic"
http://hrw.org/backgrounder/eca/chechnya1106/chechnya1106web.pdf

日本語版:(326KB)
「チェチェン共和国:はびこる拷問」
http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/dl/HRW_20061116_ja.pdf

●要約

とりあえず、要点をまとめると、こういうことだと思います。

(1) 現在のチェチェンでは以前のような大規模な「掃討作戦」はほとんど行われていない。しかし、ラムザン・カディロフ首相の私兵集団「カディロフツィ」およびロシア治安当局は、独立派戦士やその支持者を捕えるという名目で、一般市民に対する違法な拘留および組織的な拷問と虐待を繰り返している。

(2) 拷問の手法として一般的なものは、執拗な殴打や電気ショックといった身体的な拷問だが、これに加えて、殺害やレイプ、身内に対する暴力をほのめかす脅迫も広く行われている。

(3) 一方で、チェチェンにおける違法な拘留と拷問の規模に関して、信用できる統計は存在しない。この理由としては、多くのケースで加害者が被害者を脅迫して沈黙を強いていること、ロシアおよびチェチェン当局が国際機関やNGO、ジャーナリストをチェチェンから排除することで、チェチェンを密室化していることなどが挙げられる。

(4) ごく稀に被害者や家族が被害を訴え出る場合もあるが、ロシアおよびチェチェン当局が拷問に関与しているために、検察庁や裁判所が訴えに対して正当な法的手続きを取ることはほとんどない。ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、公職にある者が被拘留者に対して身体的な虐待を加えた罪で有罪になった事例は、たった一件にすぎない。

(5) 「チェチェンでは人権侵害など行われていない。なぜなら、チェチェンには人権そのものが存在しないのだから」(あるチェチェン人男性の言葉)

●事例1:ロシア治安当局による拷問

ロシア治安当局による拷問は、被害者から虚偽の自白を得る目的で行われています。そのため、被害者が犯罪容疑を捏造されて法廷で有罪判決を受けることで、事件が幕引きとなるのが典型的なパターンです。スリムとサラムベックの二人のチェチェン人兄弟は、ロシア内務省の諜報・捜査局であるORB-2という施設に拘留されて拷問を受けました。彼らは拘留中に拷問を受けたことを法廷で訴え、裁判では二人の負傷部位を記録したカルテも提出されました。にもかかわらず、裁判所が彼らの訴えを調査するために行ったことは、何一つありませんでした。

「拷問と殴打は数日にわたって繰り返され、彼らは、自白をしないなら、お前の妻をさらってきて目の前で犯した後に、お前も同じ目に遭わせてやろうと言って、私を脅迫しました。彼らは、太い棒を持ってきて、これをお前の尻の穴に突っ込んでやると言いました」

「こんな辱めを受けるくらいなら死んだ方がマシでした。チェチェンの文化では、こうしたことはまったく考えられないものでした。私は、バスの爆破について自白をすると言って、思いつく限りもっともありえないような脚色をして、話を作りあげました。私が自白を取り消そうとすると、彼らは隣の部屋にいる兄を拷問し、『聴こえるか?お前の兄貴が叫んでいるぞ』と言いました」

つづきを読む:
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061223/1166877364#seemore

●事例2:カディロフツィによる拷問

これに対して、カディロフツィによる拷問は、独立派兵士の家族や、チェチェン独立派への協力が疑われる人物を罰したり脅迫したりするために行われています。建設業者のハミッドは、食料と武器を独立派に供給しているという容疑で、自宅からカディロフツィの基地に連行されて拷問を受けました。

「彼らは私を蹴りつけて、『地獄の機械』にかけて電気ショックによる拷問を行いました。私はつま先に針金を巻きつけられ、電流を流され続けました。私は耐えられなくなって、『もうどんな自白調書でもいい。サインさせてくれ。どんな文書にもサインする』と懇願しました」

「ハミッドは、自分を拷問した人間を覚えており、その気になれば犯人を特定さえできるにもかかわらず、彼らに法の裁きを求めるつもりはないと語っている。なぜなら、『黙っている』ことだけが自分の身の安全を保障する手段であると、彼らに警告されているからだ」

つづきを読む:
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061224/1166886224#seemore

●事例3:後を断たない「失踪」

ロシアの人権団体メモリアルは、 2005年に316件の「誘拐」事件を記録していますが、そのうち150名は後に遺体で発見されました。ヒューマン・ライツ・ウォッチ報告書は、「チェチェンでの強制失踪は、その規模と組織性からして、人道に対する罪に値する」と結論づけています。

被害者の一人で、当局によって連行された後に行方不明となったメルカーエフの事件は、奇妙なものでした。なぜか検察庁が当初から彼の死を既定の事実として捜査を進めているからです。

「家族が手を尽くしたにもかかわらず、メルカーエフが殺害されたという証拠を検察庁が持っているのかどうか、また持っているとすればそれはなぜか、ということも含めて、彼らがそれ以上詳しい情報を知らされることはなかった」

つづきを読む:
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061226/1167113506#seemore

●私たちに何ができるか

そこで、私たちに何ができるかということですが、ひとつには、こうした問題がチェチェンで起こっているということを、それぞれができる範囲で広めていくことがあると思います。私たちが身近な人とチェチェンについて話したり、インターネットを通じてチェチェンの情報を発信したりすることの積み重ねが、最終的にはチェチェン戦争の平和的解決を求める世論の形成につながっていくのですから。

でもいきなり拷問の話はちょっと重すぎ・・・という人は、次に紹介するアムネスティ・フィルム・フェスティバルの『踊れ、グローズヌイ!』をぜひ観にきてください。チェチェン戦争をまた別の角度から捉えるきっかけにもなると思います。会場ではチェチェン関連書籍の販売も行う予定です。

拷問は決して私たちの外側で起こっている出来事ではありません。「アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館」では、2007年5月27日(日)まで、「東ティモール・戦争を生き抜いた女たち—日本軍とインドネシア支配の下で—」という展示会が開かれています。よろしければこちらにも足をお運びください。

「東ティモール・戦争を生き抜いた女たち—日本軍とインドネシア支配の下で—」展:
http://www.wam-peace.org/main/modules/tinyd1/index.php?id=9

■『踊れ、グローズヌイ!』を観よう

1月に東京 で開催されるアムネスティ・フィルム・フェスティバルで、チェチェン戦争を扱った映画『踊れ、グローズヌイ!』が上映されることになりました。この作品は、2003年のシカゴ国際ドキュメンタリー映画際でのグランプリを始め、多くの賞を受賞していますが、日本での一般公開は今回が初めて。ぜひお誘い合わせの上、会場に足をお運びください。

アムネスティ・フィルム・フェスティバルのサイトはこちら:
http://secure.amnesty.or.jp/film07/

以下、アムネスティのサイトより。

●『踊れ、グローズヌイ!』

ぼくたちは「テロリスト」じゃない。世界に伝えるため、子どもたちは踊る。

〇ストーリー
チェチェン共和国の首都グローズヌイ。民族舞踏家ラムザンは、戦争でバラバラに散っていた子どもたちを再び集め、舞踏団を再結成する。生活は苦しく、練習もままならない。

それでも希望を捨てない彼らは、チェチェン人の真の姿を知ってもらうためヨーロッパへツアー公演に向かうのだった・・・。

〇背景
チェチェン紛争の「テロ」報道から、世界中がチェチェン人を「テロリスト」とみなし、チェチェン側の被害を見てみぬフリをしてきた。ロシアの攻撃で、今までにチェチェン人20万人が殺され、30万人が難民となった。

最近も多数の民間死傷者が出て、各地の収容所では拷問・虐待が続く。終わりのない暴力の実態を自然に映し出し、各国の映画祭で高い評価を受けたドキュメンタリー。

〇上映スケジュール
日時:2007年1月27日(土)16:05-
場所:浜離宮朝日ホール
交通:都営大江戸線「築地市場駅」A2出口すぐ
地図:http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/access/index.html
チケット:前売2日券(一般3500円/学生3000円)、前売1日券(一般2500円/学生2000円)
申し込み:前売券のお申し込みはアムネスティ・フィルム・フェスティバルのサイトより行えます。

●全上映作品

その他の上映作品については、アムネスティ・フィルム・フェスティバルのサイトをご覧ください。

http://secure.amnesty.or.jp/film07/

■最近の報道一気読み

最近の報道の見出しと要約です。ほとんど編集者Tさんからいただきました(Tさんの背後にはMI6顔負けの情報員がいる。らしい)。いつもありがとうございます。

●「<露元中佐毒殺>石油大手元幹部が犯行指示の疑い 最高検」[毎日新聞12/28]

リトビネンコ事件に関して、ロシア最高検察庁は27日、ユコス元幹部のレオニード・ネブズリン氏が犯行を指示した可能性があると述べた。「リトビネンコ氏は11月23日にロンドン市内の病院で死亡する数週間前、イスラエルを訪問し、ユコスが巨額の追徴課税で経営破たんした真相をめぐりFSBに関する情報をネブズリン氏に提供したという」・・・って、読んでてよくわからないんですが。

●「ロシア元スパイに対するポロニウム暗殺。背後に見え隠れするチェチェンの影」[週刊朝日12/26]

朝日新聞の船橋洋一氏が 1、FSB説 2、ベレゾフスキー説 3、FSB内部の強硬派説 4、チェチェン説(親ロシア派) 5、プーチン政権中枢の内紛説 の可能性を紹介。「ロシア政府機関の高級官僚約3500人のうち旧KGB出身は77%に上るという。プーチン体制中枢は、いずれもシロビキと呼ばれる情報機関、軍、内務省などの暴力装置を背景にした人々である」

●「露保安局元幹部毒殺から1カ月 ポロニウム痕跡続々 捜査も欧州に広がり」[産経新聞12/22]

「ロシア人元スパイが12月16日、BBC放送で、英企業とロシア企業の契約を妨害する文書が存在し、リトビネンコ氏が昨年、英危機管理会社から10万ドルでロシア人実業家5人の調査を依頼されていた、と爆弾証言した」という。一方、リトビネンコの遺体からは致死量の10倍以上のポロニウムが検出され、複数の関係者からも続々とポロニウムの痕跡が発見されていることから、殺害にかかったコストは1億ドル以上にのぼる。

●「池上彰のBird's eye 反プーチン派が次々と殺害 大統領権限で誰でも暗殺が可能なロシアの闇」[週刊ポスト12/22]

元スパイは誰に殺されたのか? 子どもニュースでおなじみの池上記者のわかりやすい解説。「彼女のような人がロシアにいる限り、未来への希望が絶たれたわけではない」と書かれたポリトコフスカヤまでが殺されてしまった。

●「帝国への回帰<1> 旧KGB支配公然と 裏切りに血の報復を」[東京新聞12/13]

「裏切り者は必ず抹殺される。それがソ連からプーチン政権までの特殊機関の現実なのだ」と、元KGBの局長カルーギンが語る。旧ソ連圏での主な暗殺事件リストも。

●「帝国への回帰<2> 言論統制 政権の敵はスパイ」[東京新聞12/14]

ノーバヤ・ガゼータのムラートフ編集長は、「もう廃刊にしたい。どんなに価値のある仕事でも、命を失ってまで続けるべきではない」と漏らす。ロシア主要紙では軒並み「ポリトコフスカヤはアメリカのスパイだった」という根拠のない記事が載る。政権とマスコミ、市民の3者馴れ合いによる言論統制の現実。ノーバヤ・ガゼータが廃刊の危機に追い込まれている件については、以下の記事をご覧ください。

「ノーヴァヤ閉鎖か?」:
http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061211

●「女性記者殺害に露情報機関関与 元スパイ、資料入手予告」[読売新聞12/13]

リトビネンコがロシア人実業家らとロンドンの市内で面会する2日前、ロシアの野党系青年団体代表のシデリニコフ氏に「ポリトコフスカヤ殺害事件の真相を白日にさらす書類が近く手に入る」と話していたことが判明。同氏は情報を英当局に提供した。

●「ロシアの闇 反体制派暗殺ソ連時代から 旧KGBの活動今も日本で」[毎日新聞12/12]

「放射性物質の抽出、運搬、殺害工作などは複数の政府機関の調整が必要。大統領が関知していないはずがない」と、軍事アナリストのフェリゲンガウエル氏は語る。ロシア情報機関の日本での活動も、冷戦後むしろ活発化している。

●「元スパイ被爆死の恐怖 暗殺か、あるいは意外な黒幕の仕業か」[AERA12/11]

「何が起き、背後に誰がいるのかをつきとめたい」とブレア首相が意気込みを示す。犯人はロシア政府機関か、ベレゾフスキーか、カディロフか。すしバーitsuは閉鎖されているが、健康保護局には市民からの相談が殺到している。

●「潮流06=もう一人のリトビネンコ氏 権力と富をめぐる争い」[信濃毎日新聞12/8]

法政大下斗米教授の観測。ソ連崩壊後のロシアが資源の切り売りに陥らないよう、プーチン政権は資源の国家管理に重点を置こうとしている。急進改革によって肥え太ったベレゾフスキーなど大富豪たちはこれに反発している。事件の輪郭は「官僚民族主義資本」と海外に拠点を置く政治勢力の争い。

●「英国舞台 謀略の渦 国家機関関与説も 強権手法が復活 露による新冷戦」[毎日新聞12/5]

1、FSB説 2、チェチェン説(親ロシア派) 3、ベレゾフスキー説 4、自殺・過失説 をそれぞれ紹介。英のロシア研究者マーチ教授は、「ロシアの権力闘争がからんでいると思う。情報機関が絶対的存在であることを誰かが証明しようとしたか、プーチン大統領が情報機関をコントロールできていないことを大統領に示そうとしたかだ」と語る。

●「露大統領関与 元幹部の父語る」[産経新聞12/5]

被害者の父バリテル・リトビネンコ氏は、「プーチン大統領の許可を得て、ロシア特殊機関が息子を殺害したのは疑いない。息子はポリトコフスカヤさんを誰が殺したかや、(チェチェンなど)北カフカス地方でのロシア特殊部隊による犯罪について多くを知っていた。ロシア政権にとって息子は邪魔で危険な存在だった」と語った。

■ベスラン学校占拠事件報告書の不可解

ロシア議会のベスラン事件調査委員会(委員長トルーシン)の報告書が出ました。共同通信によると、「「地元治安当局による学校警備などの怠慢がテロを招いた」として、連邦保安局や内務省の幹部ら中央政府の責任は問わず、地元の警察など治安当局に全責任を転嫁することを意図した内容となった」[12/22 共同]

http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=HKK&PG=STORY&NGID=intl&NWID=2006122201000721

しかし。トルーシン委員長はこういうことも言っていて、よほど衝撃的。 「ベスラン事件にはロシア軍上層部の一部将官が関与していた。すでにうち2名は逮捕されている」と。「もうあと二人の人物が、これに関与していると考えている。彼らは少将より高位だ」

http://groups.msn.com/ChechenWatch/general.msnw?action=get_message&mview=0&ID_Message=1572

ベスラン事件はそもそも、ロシア政府の自作自演の可能性がある。

■イベント情報

●1/2 BS世界のドキュメンタリー: 「ロシア・ベスラン学校占拠事件〜なぜ犠牲者は増えたのか〜」
http://www.nhk.or.jp/bs/wdoc/

●1/6-2/9 東京: 六ヶ所村ラプソディー
http://rokkasho-rhapsody.com/pole2.html

●東京: 銃よりもビデオカメラを!ジョン・アルパートがやって来た!
http://www.asiapress.org/alpert_070107/J_Al_A3.pdf

●1/12 東京: ガザからの声〜選挙から1年、パレスチナは今〜
http://www.ngo-jvc.net/jp/event/20070112_palestine.html

●1/20 東京: 広河隆一報告会「2007年・パレスチナ・日本」
http://www.labornetjp.org/labornet/EventItem/1166586112634staff01

●1/27,28 東京: アムネスティ・フィルム・フェスティバル
http://secure.amnesty.or.jp/film07/

●1/27-2/9 東京: ヒバクシャ—世界の終わりに
http://rokkasho-rhapsody.com/pole2.html

■お詫びと訂正

前号のチェチェンニュースについて、いくつか訂正させていただきます。(CN編集部)

●「Vol.06 No.27 2006.12.15」→「Vol.06 No.28 2006.12.15」
 ●「http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0627.htm (HTML版)」
→「http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0628.htm (HTML版)」
です。タイトルから間違えていました。申し訳ありません。

●「ポロミウム」→「ポロニウム」
ご指摘くださったIさん、Mさん、ありがとうございました。

●チェチェン独立派の元大統領、ヤンダルビエフを暗殺したのは、FSBではなくロシアの情報機関GRUであるという指摘を、Oさんよりいただきましたので、該当部分を修正しました。

HTML版は上記を訂正し、公開しています。

チェチェンニュース Vol.06 No.28 2006.12.15
http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/0628.htm

■編集後記(一年のおわりに)

大富亮/発行人

今年もチェチェンニュースを読んでくださって、ありがとうございました。おおどかに1年を終えたいと思いながらも、やはり毎年、悲しいニュースに明け暮れています。

1月はストラスブルグで和平交渉を要求して断食したチェチェン人活動家のニュースから始まり、チェチェンの子ども達を襲った謎の疾病のこと、日本では共謀罪と教育基本法「改正」、独立派のサドゥラーエフ大統領殺害、バサーエフ死亡と続き、ついにアンナ・ポリトコフスカヤと、アレクサンドル・リトビネンコ暗殺で終わってしまいました。

いいニュースもあります。11月、待望されていた、チェチェンの外科医、ハッサン・バイエフさんが日本を訪問して全国で講演し、たくさんの人々に感銘を与えて日本を離れました。今も招聘募金が少しづつ寄せられています。みなさまのおかげで招聘基金は満額集まりました。本当にありがとうございます。

チェチェン戦争に反対する世論が、徐々に育っているのを実感します。来年も波乱の年になりそうですが、蟷螂の斧のようにチェチェンニュースを出していきたいと思います。物心両面でご支援くださった皆様にお礼申し上げます。

なお、1月2日には、NHK-BSで、90分にわたってベスラン事件のドキュメンタリーが放送されます。

http://www.nhk.or.jp/bs/wdoc/wdoc.html#yotei

番組を見てのご意見ご感想は、NHKサイトのフォームへどうぞ:

https://www.nhk.or.jp/plaza/mail_program/bs.html

それでは、よいお年を。

今年のチェチェンニュース一覧: http://www.jca.apc.org/tlessoor/chechennews/chn/index.htm


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▼ 編集人:邦枝律 発行人:大富亮