チェチェン総合情報

プレスリリース/駐日ロシア連邦大使館/2003.02.20

チェチェン情勢正常化に向けたロシア指導部の諸策

ロシア連邦指導部は現在、チェチェン情勢の正常化に必要なあらゆる策を講じている。

チェチェン問題の政治的解決に向けた動きはますます活発になってきており、その一環として、来る3月23日にチェチェン共和国では、同共和国の憲法草案、ならびに大統領および国会議員選挙法について国民投票が行われることになっている。この国民投票から始まるチェチェンでの立憲制確立プロセスは、まさに不安に怯える生活に疲れ果て、安定と秩序を強く求めるチェチェン国民自身の代表者により発議されたものだ。このような動きにより、チェチェンはロシア連邦の構成体として完全に復帰でき、国内では法の支配が戻り、そして権力は全て国民の手に委ねられることになるのだ。

チェチェン共和国憲法をはじめとする、今回国民投票にかけられるさまざまな立法草案は、すでにロシア法に合致するかどうかの審議、検討を経過しており、その審議の結果によれば、選挙基準や選挙権、そして投票の自由という面においても各法案はロシア法のみならず、欧州条約にも合致していることが明確に示された。

憲法草案は、同共和国は民主的法治国家であり、共和国の権限範囲内においてそこでの権力は全て、多くの民族から構成されるチェチェン国民にあると規定している。また、人間、そしてその権利と自由は、最も崇高なものとして扱われている。さらに、同憲法草案はこれらの権利と自由の保護を保障し、それを社会の民主的基礎を強化するものとして謳っている。

ロシア連邦ならびにチェチェン共和国の両国民投票管理委員会は、国民投票のスムーズな実施に必要な条件整備と、その参加者らの自由な意思表明権が保障されるよう大規模な作業を行っている。国民投票にかけられる草案類は、全て現地の報道機関を通じて公表され、チェチェンの住民はそれらをあらかじめ知ることができる。国民投票の説明パンフレットなどもロシア語とチェチェン語の両言語で作成され、その中で重要事項や問題点が明確に示されている。さらに、警察などの法保護機関も、国民投票の参加者やオーガナイザーの安全を守るべく、ありとあらゆる手段を講じている。

もちろん、国民投票を取り巻く状況は決して容易ではない。しかしながら、だからといって、国民投票を先延ばしにすべきだと主張している一部勢力の論理に従ってしまうのも決して正しい選択とは言えまい。同じように厳しい状況にある国は世界にはいくらでもある、そんな国々でも選挙や国民投票は実際行われているのだ。しかも、国民投票など様々な民主的アプローチを含む、このような政治的解決こそがチェチェン共和国における安定と安全への展望を開くものであるはずなのだ。

ロシアは常に、チェチェン問題の政治的解決を望む声に後押しされてきた。しかしながら、いざそのような正常化プロセスが具体的な像を結び始めると、西側の誰かしらかの影響力によって後退を余儀なくされてきたのだ。このような陰謀の真意は明確だ。すなわち、何かしらかの理由を挙げて国民投票を延期ないし中止させようとしている勢力は、テロリストの首魁との交渉を介して解決を図るべきという、全く逆向きのアプローチでチェチェン問題を解決させようと目論んでいるのだ。しかし、ロシアはそのような手に乗るわけにはいかない。この問題の政治的解決にあたり、多様な世界観の坩堝であるチェチェン社会の中にあっては、ロシアが手を組み話し合うべきは健全な諸勢力のみであり、武器を手に持ちいまだ死と破壊しかもたらしていない勢力は相手にすべきではないのだ。

ロシア指導部は、チェチェン共和国の経済、社会の復興のために多くのことをしてきた。2003年度も、同共和国の復興向けとして、約2000億ルーブルにおよぶ予算を支出する。今では既に、ガス供給や石油産業、エネルギー産業、鉄道、自動車道路網の整備、通信といった分野では目に見える成果があがってきている。社会基盤を成す施設などもますます多く建設されるようになり、国民の雇用率も上昇してきている。また、国民の給与や年金などの支払いも、適時に支払われるようになった。そんな中、住民の間には、未来への展望や安全で安定した暮らしへの希望や期待感が、徐々にではあるが芽生え、大きくなってきている。立憲制確立プロセスを成功裏に完遂させることは、同共和国に見え始めたポジティブな傾向を確固たるものにし、この国の正常な暮らしを回復するためにも不可欠なのだ。

以上

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