チェチェン総合情報

チェチェンにおける平和への道 (ロンドンメモランダム)

訳:2005.03.02

 このメモランダムは、チェチェン共和国政府とロシア兵士の母委員会連合(SKSM)(以降「両者」と称す)が2005年2月25日、ロンドンの欧州議会代表部において行った会談の結果、採択されたものである。会談はロシア国内で広範な社会的支持を集めている和平活動を行っているSKSMの発意で行われた。両者は、この会合を組織した欧州議会のメンバーおよび、この交渉のオブザーバーとなった欧州評議会議員総会のメンバーに対して感謝する。

 両者はロンドンでの会談が成功であり、全ての触れられた問題に関して今後検討を続ける事が不可欠と見ている。両者は、双方からなされた特別な諸提案について理解を深める。両者は、チェチェン共和国にとってもロシアにとっても等しく致命的な紛争の平和的解決に関して欧州諸機関の積極的な支援を期待する。

チェチェン側の提案:

 これらの原則の組み合わせにより、当事者双方が、互いの正当な政治的利益の保護と安全を保障することにより、軍事的難局からの脱却を可能にする。

第1段階: 停戦とテロルとの戦い
 紛争当事者双方が、特別代表を通して、前提条件のない速やかな停戦のメカニズムを構築する。チェチェン側は、テロリズムとの闘争について、相互的関係の枠組みおよび、国際的な対テロ連合において、協力する用意がある。

第2段階: 武装解除
 停戦協定の発効とともに、ロシア軍はチェチェン共和国から撤退し、同時に国家防衛部隊の武装解除を行う。そのさい、安全保障の役割は、臨時の特別平和維持団に移管される。

第3段階: 移行期間
 停戦期から選挙の時期まで、行政機能は国際監視の下での、合同の臨時政府によって果たされるものとする。安全保障に関して、臨時政府は特別平和維持団に依存する。
 チェチェン共和国(イチケリア)臨時合同政府の創設と活動の法的根拠は1997年5月12日締結の条約に基づく。

第4段階: 選挙
 1997年5月12日の条約に則り、国際機関の監視のもとに、臨時政府はチェチェン共和国のすべての政治勢力を含む直接民主選挙を、準備し、実行する。

第5段階: 経済再建
 チェチニア再建のため欧州同盟には広範且つ直接的な経済支援供与が求められる。

会談参加者:

兵士の母委員会連合から:
ワレンチナ・メリニコワ/イラ・クーリナ/ナタリヤ・ジューコワ/マリヤ・フェドゥーロワ

チェチェン共和国から:
 チェチェン共和国大統領ロシアチェチェン紛争平和交渉特別代表・アフメド・ザカーエフ/チェチェン共和国(イチケリア)外務省次官・A.サイーエワ/チェチェン共和国(イチケリア)文化省次官・Ya.アブドゥッラーエフ/

欧州議会から:
 サラ・ルッドフォード男爵夫人/ビタウタス・ランズベルギス/バルス・スタイス

欧州評議会から:
ジャッド卿/アンドレアス・グロッス

ロンドン 2005年2月25日

Лондон 25 февраля 2005 г.

チェチェンプレス 公式情報部 2005.2.26.

訳注:サラ・ルッドフォードは英国ロンドン地区選出で英国自由民主党員/ビタウタス・ランズベルギスは、リトアニア選出、独立回復時のリトアニア最高会議議長/バルス・スタイスは、ベルギー選出 この会議を昨年ブラッセルで開催しようと尽力した。/欧州評議会の2名は、いずれも同評議会の前・現チェチェン問題担当。 訳は大富亮が英語から、岡田一男がロシア語から行って、最終的に調整を行った。