イスラエル・シャロンのシリア空爆を糾弾する!
○ブッシュ政権、「テロとの戦い」を口実にこの蛮行を支持。
○拒否権をちらつかせ国連でのイスラエル非難決議採択をまたもや妨害。


1.イスラエルは10月5日、突如シリア領内に侵攻し空爆した。同時にガザ地区にも武装ヘリで攻撃した。イスラエルによるシリア攻撃は82年、あるいは72年の第4次中東戦争以来のことである。イラクとアフガンが混乱の中にある中でシリアにまで戦渦を拡大するとは。中東全体を戦争の渦に巻き込む蛮行である。

 前日の自爆テロを受けてシリア領内のパレスチナ過激派拠点を叩くというのが表向きの理由である。言うまでもなくこれは空爆の口実である。しかも、これはアラファト議長追放に代わる「新手の報復措置」だと言う。あいつが気に食わないから、腹いせでお前を叩く。こんなバカなことはない。今回の空爆は、シリアの主権と領土に対する軍事的侵害であり、国連憲章と国際法への重大な違反である。断じて許すことが出来ない侵略行為である。

2.シャロン政権の狙いは明らかだ。“空軍”というのがミソである。空軍をシリアに侵攻させることで空軍、更には軍全体の動揺を抑え込むことである。なぜならまさに今彼の政権は、空軍の将校達が軍務拒否を開始したことでイスラエル社会が騒然とし、かつてない窮地に立っているからである。

 それだけではない。とどまることのない対パレスチナ侵略と占領支配、軍事費の急増、拡大し続ける占領支配からくる財政破綻、こうした軍国主義的帝国主義的拡張主義の暴走と軍事経済の異常な肥大化の結果、社会的経済危機が急速に先鋭化している。イスラエル民衆は雇用不安・生活破壊、貧困の拡大の中であえいでおり、軍事を最優先させ侵略と殺戮に明け暮れるシャロン政権に対する民衆の不満と厭戦気分が着実に高まっている。9月29日には5万人の労働者が公務員の解雇、国営企業の民営化、リストラに反対してストライキを行い、港湾労働者もこれに合流した。労働総同盟はゼネストを計画している。
 要するに今回のシリア攻撃は、内政危機に陥った軍事政権の常套手段、「国民の不満を逸らす」「内政の不満を対外侵略でかわす」というまるで古典的な戦争挑発行為なのである。

3.ブッシュ政権の素早い動きは非常に不気味である。米政府は再びイスラエルに対する醜い支援・支持を即座に表明した。ブッシュ米大統領は5日、シャロンと電話で会談し、「テロとの戦いを継続する必要がある」と全面支持を与えたのだ。アフガニスタン、イラクに続き、シリアに対しても「テロとの戦い」なる口実で侵略戦争を引き起こすつもりなのか。言語道断である。

 更に犯罪的なのは、シリアがイスラエル非難決議案を提出、即時採決に入るよう求めたが、米国がこれに反対したことだ。ネグロポンテ米国連大使も、「(シリアは)反テロ戦争で誤った側にいる」と非難する始末。主権を侵され攻撃された側を逆に非難する本末転倒が、再び米国の名においてなされているのである。

4.シャロン政権は末期症状にある。今回の蛮行は、それがどこから見ても常軌を逸しているが故に失敗に終わるだろう。シャロンはアラファト議長の排除=殺害に失敗し、今回の攻撃で再び自ら墓穴を掘った。

 そしてブッシュもまた、ここで再びシャロンを支持することによって、自らの中東政策の行き詰まりと破綻を明らかにした。バグダッド陥落の勝利の余勢をかって押し付けた新中東和平=「ロードマップ」もとん挫している。
 今回のシャロンの蛮行は、すでにイラク戦争の抜け出せない泥沼化の中にはまり込んでいるアメリカ軍事=石油帝国主義による石油資源の略奪と覇権拡大の野望を挫折させる新たな引き金になるだろう。

  2003年10月6日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局



「表舞台に登場するイスラエルの核」
−−イラン原子力施設への攻撃も計画


紹介: 「星川 淳のピースウォッチ #3(03.10.15) for TUP」

 シリアだけではない。イスラエルが核兵器開発計画を推進していることが今回新たに暴露された。また、別の報道では、イラン原子力施設への攻撃を計画しているとも伝えられる。
 星川淳氏は、最新のピースウォッチ #3 で、それらの記事の翻訳をまとめて紹介されている。
TUP速報のサイト(http://www.egroups.co.jp/group/TUP-Bulletin)で、読むことができます。

 TUP速報194号 http://www.egroups.co.jp/message/TUP-Bulletin/200





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