新「防衛大綱」「中期防」閣議決定批判:シリーズその5
経済同友会イラク問題研究会・「恒久法」意見書−−−
武力を背景に企業の海外進出や「復興ビジネス」を目論む驚くべき提言
−−自衛隊警護の下、途上国で市場・投資拡大狙う日本型『民軍協力』(CIMIC,Civil-Military Cooperation)なる超危険な政策−−


【1】 はじめに−−財界の軍国主義化を表す「民軍協力」政策。自衛隊の海外派兵を背景にビジネス活動を目論む。

(1) 政府与党は、自衛隊海外派兵を「本来任務」とする、ミサイル防衛(MD)迎撃権限を現場指揮官に委譲する等々の自衛隊法改悪を今国会で強行可決した後、次に海外派兵「恒久法」を通そうと目論んでいます。しかし政府・自民党も、防衛庁や自衛隊も、この「恒久法」の中身について一切明らかにしていません。なぜか? それは本当の狙いを国民が知れば、反対することは必至だからです。政府与党は、何かのどさくさ紛れに国会を通してしまうことを狙っているのです。

 しかしそもそも「恒久法」とは一体何なのか。この3年間、ブッシュのアフガニスタン侵略、イラク侵略に加担するために強行してきた「テロ特措法」「イラク特措法」等の法律も憲法第9条違反でした。ところがこの「恒久法」、これまでの時限立法である「特措法」を単に「恒久化」しただけではありません。
 違憲も違憲、結論を先に言えば、軍事力を背景に企業進出と金儲けを目論む超危険な侵略法なのです。「日本の企業がそこまで落ちぶれるはずがない」「また大げさなことを」と思われるかもしれませんが、実際財界団体である経済同友会が昨年11月24日に出した意見書にはっきり書かれています。私たちは、新「防衛大綱」批判シリーズの第5回目の今回、経済同友会の意見書を批判する形で、この「恒久法」の危険極まりない内容を暴露したいと思います。


(2) 経済同友会の意見書は、『イラク問題研究会意見書 ―戦闘終了後の新たな安全確保・人道復興支援体制の構築に向けて― 恒久法の制定と「日本型 CIMIC」の創設』と題するもので、自衛隊の警護の下で「民間」が海外で「復興開発支援」に従事する「日本型CIMIC(民軍協力)」を構築するよう求めたものです。
 この聞き慣れないCIMIC(民軍協力) がミソです。意見書は、このCIMIC実現を口実にして、武器使用基準の大幅緩和の明確化と集団的自衛権の行使を禁じている政府解釈の変更を求めています。つまり文字通り憲法第9条が否定する武力行使、侵略行動を認めよと要求しているのです。まるで憲法改悪そのものです。
※経済同友会・イラク問題研究会意見書(本文) http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2004/pdf/041124_02.pdf 意見書(要旨) http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2004/pdf/041124_01.pdf

 小泉首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」は、昨年10月の報告書で、「世界的な相互依存の上に繁栄する日本が国際的な安全保障環境の改善に取り組む重要性」なるものを指摘し、「恒久法」の整備を提案していました。同友会の意見書はこれと歩調を合わせたものだと言えます。彼ら政府支配層は、「学識経験者」という支配エリートの仲間内だけで、メディアも大きく報じない形で、とんでもないこの法律の内容のツメをやっているのです。
※「安全保障と防衛力に関する懇談会」報告書(官邸)p.20 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ampobouei/dai13/13siryou.pdf


(3) 問題は、今なぜ財界の中から「恒久法」制定要求、「民軍協力」要求、つまり「軍事力による海外進出企業の防衛」という要求が出てきたのか、です。経済同友会の北城恪太郎代表幹事は、「中期的にはイラクの選挙が終わり、ある程度治安が回復した段階で、自衛隊による警護の下で、NPO(民間非営利団体)や民間企業が支援活動する態勢をつくる努力をすべきだ」と述べ、イラクからCIMICを開始するよう求めました。イラク情勢と絡んでいることは間違いありません。
 しかしどうもそれだけではなさそうです。産経新聞がこの「恒久法」紹介記事(11月24日)で述べているように、日本の政府支配層や財界の中に、「CIMICの態勢が整わなければ、外国企業が軍の保護の下、ビジネスチャンスでもある復興開発支援に乗り出している中で、日本だけが乗り遅れる恐れもある」との危機感を出していると思われるからです。これは全く新しい段階です。もし日本の企業が、軍事力を背景に市場確保や投資確保を求めるようになったとすれば、文字通りの帝国主義的軍国主義であり、日本帝国主義の新しい段階を意味します。その意味でCIMICとは帝国主義的・植民地主義的な「企業海外進出モデル」と言えるでしょう。本当に恐ろしいことです。
※自衛隊海外派遣「民軍協力」構築を 経済同友会が意見書 恒久法制定求める(産経新聞) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041125-00000005-san-pol


(4) グローバル化した日本の独占資本、多国籍企業が、目の前のイラクで「復興事業」=「ビジネスチャンス」を得たいという即物的要求のみならず、将来的にも日本政府が米の現在の軍事外交戦略に追随する限り、軍隊の庇護なしに経済活動は今後成り立たないと、財界が「腹を括った」ことの証明かもしれません。その際、その都度「対症療法的」な法整備の下での海外派兵ではお話にならない、「恒久法」の下での海外派兵しかない、全面的に対米従属の軍事外交戦略を選択する場合、海外進出する場合には軍隊の庇護下でなければ「企業の安全保障」を確保できないという選択をし始めたということでしょうか。

 そうだとすれば、最近の財界とグローバル企業の急速な軍国主義化の動きも辻褄が合ってきます。トヨタの奥田会長をはじめ最近の財界トップの発言はどれもこれもタカ派的で軍国主義的なものばかりだからです。新「防衛大綱」による日本の軍事外交政策の転換を推進した最大の勢力の一つも財界ですし、一斉に憲法第9条を破棄し憲法改悪を要求し始めました。偶然ではないはずです。
 実際、日本経団連は「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱に関する奥田会長コメント」の中で、新防衛大綱は「国際安全保障の変化や、今後わが国が国際社会において果たすべき主体的取り組みを踏まえた内容」と高く評価しました。年明けの1月18日には日本経団連の「国の基本問題検討委員会」が改憲案を提言しました。
 経済同友会は北城代表幹事の発言「新防衛大綱および武器輸出三原則に関する官房長官談話」を発表し、「わが国の安全保障環境や国際情勢を踏まえた内容となっており、今回の新防衛大綱を概ね評価したい」としました。また日本商工会議所も「新たな『防衛計画の大綱』の閣議決定に対するコメント」と称する会頭コメントで、近隣諸国の軍備拡大、とりわけ北朝鮮の大量破壊兵器開発疑惑、テロ、ゲリラなど脅威が多様化している実態を踏まえ、万全の防衛体制を準備しておくこと、災害派遣や国際貢献の観点から「新大綱はそれらの条件を満たす」と評価しました。
※日本経団連「平成17年度以降に係る防衛計画の大綱に関する奥田会長コメント」(経団連)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/speech/comment/2004/1210.html
※<日本経団連>憲法改正を提言する報告書を発表(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050118-00000101-mai-pol
※経済同友会「新防衛大綱および武器輸出三原則に関する官房長官談話について」(経済同友会)
http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/comment/2004/041210a.html
※代表幹事の憲法改正発言(経済同友会)
http://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/pressconf/2004/050118a.html
※日本商工会議所「新たな『防衛計画の大綱』の閣議決定に対するコメント
http://www.jcci.or.jp/nissyo/kaito/2004/com041210.html


(5) しかし、国民が騙されなければ、この「恒久法」ほど弱点だらけの法律はありません。「軍事力で脅して金儲けをする」「軍隊で経済圏・利権を確保する」といった時代錯誤の帝国主義的・植民地主義的な政策があまりにも露骨なので、そう簡単にイラクをはじめ途上国の現地民衆は言うまでもなく、日本の民衆の合意も得られるとは思えないからです。
 現に昨年秋の段階では、内閣官房と防衛庁の「恒久法」の検討は停滞していました。海外での武力行使や、集団的自衛権の行使をストレートに認めるよう政府の憲法解釈を見直しするのはそう簡単ではありません。
 米のイラク政策が行き詰まり、占領体制は泥沼化に陥っています。こんな状況下で日本だけがCIMICを実施するというのは、イラクの深刻な現実をまともに見ることができない者か、あるいは金儲けに目がくらんだ者かのどちらかです。私たちは、日本の政府・財界が米軍事戦略に追随しようとすることの愚かさ・危険性を暴露すると同時に、これをプッシュし、あまつさえ軍の庇護の下に経済圏・利権を得ようとする愚かしさ、汚さ、狡猾さを暴露しなければなりません。以下、経済同友会の意見書を具体的に検討していきましょう。



【2】 経済同友会意見書の現実から乖離したイラク情勢認識――米英のイラク侵略・占領支配も、自衛隊のイラク派兵も「成功」!?

(1) 同友会・イラク問題研究会の意見書は、全く現実離れしたとんでもないイラク情勢認識からこの意見書を編み出しています。
 まずこの研究会は「米英軍を中心とする有志連合によるイラク攻撃の正当性」(意見書p.1)「わが国のイラク攻撃支持の妥当性」(同上p.1)を肯定することから始めています。すなわち、米英のイラク侵略を支持し、自衛隊派兵の支持から始めるということです。
 そもそもイラク攻撃は米ブッシュ政権により、イラクの「大量破壊兵器の保有」と「脅威阻止」を大義名分に、国連憲章も国際法も踏みにじり開始された無法な侵略戦争です。「大量破壊兵器」が存在しないとみるや戦争の大義はいつの間にか「独裁者フセイン」の暴政と抑圧からの「イラクの解放」という名分にすり代わっていきました。しかしこの「イラク解放」の虚構もあのアブグレイブの拷問スキャンダルの発覚で完全に崩れ落ちたことは、今では明らかです。
 何のことはない、戦争の本質は、軍産複合体を背景とするネオコンたちがイラクの石油を目当てとして始めた資源獲得のための露骨な侵略戦争、中東を支配し世界の軍事覇権を確立するための侵略戦争だったのです。要するに圧倒的な軍事力を誇る米は、自己に従わない反米国家を力ずくで破壊する政策を先制攻撃も含めて開始したということなのです。反米的・抗米的な主権国家に対する内政干渉どころか、国家破壊を当然とする恐るべき政策を採用したということなのです。これを正当視・支持するということは、このような国際法違反の先制攻撃的な侵略戦争への加担・参戦を今後も繰り返すということに他なりません。同友会は、このような恐怖の政策によって世界中に混乱と恐怖を巻き起こすことを平気で支持しているのです。


(2) さらに意見書は、自衛隊のイラク派兵を支持し、成功と讃えています。研究会は「自衛隊派遣の意義と法との関係」(同上p.1)から検討を始め、自己の主張の正当性の拠り所を経済同友会全会員のアンケートに求めています。自衛隊派遣を支持する回答は多く、「国際貢献の一環として重要」、「同盟国への協力は重要」、「国益とも一致する」という意見が多数を占めたというのです(同上p.1)。さすがグローバル企業や多国籍企業を会員に抱える同友会会員の回答、一般の世論調査とは相反する結果が出ています。その上で会員のアンケート結果から、「イラク戦争の大義とそれを踏まえた自衛隊派遣の是非という本質論よりも、派遣後の現実論を重視した傾向が見られたと考えられる」(同上p.1)というのです。さすがどんな事態ででも「ビジネスチャンス」のみを窺う金儲けしか頭にない会員の体質をよく表しています。
 今回の自衛隊派兵が「人道復興支援」というのは隠れ蓑でしかなく、イラク人民へのわずかばかりの給水や「復興」事業の提供と引き替えに、イラク人民への虐殺・弾圧を繰り返す米軍主導の占領軍・多国籍軍の一員としてイラクの地に軍事的プレゼンスを作り出すためだけのものというのは、この間誰の目にも明らかになりつつあります。
 しかし結局、研究会の自衛隊イラク派兵に対する評価は「イラクの復興支援は国際社会全体が取り組むべきであるとした国連安保理決議1483に基づいており、概ね妥当な選択であった」(同上p.1)というものであり、従って「今回の自衛隊イラク派遣を日本が国際貢献活動の新しい分野に踏み出す起点となりうるものであると捉え、本意見書の主眼を今後の自衛隊による国際平和協力のあり方の検討に置」く(同上p.1)というものです。「今回の派遣で得られた経験と問題点」(同上p.8)は実に貴重なものであった、後述する「日本型CIMIC」の構築に向けた議論を深める好機となったと手放しで礼賛しています。

 意見書が以上のような現状認識ならば、またこれが意見書の主旨というならば、結局は現在のイラクのような大量破壊と大量虐殺しかもたらしていない侵略戦争の悲惨な現状、占領支配の泥沼の状態、内戦の危機をもはらむ破局的将来を、つまり現在のイラクのような悲劇的状況を世界中に拡大していくということ、それに日本と自衛隊が積極的に加担せよということを意味しているのです。現在のイラク、つまり大虐殺と廃墟の地獄絵の世界を世界中に拡大するとは一体どんな神経をしているのか。一般人民・庶民にとっては空恐ろしい提案という他ありません。



【3】「軍事力で国家再建する」という思想そのものの誤り――露骨な帝国主義・植民地主義の思想

(1) 意見書の根底に流れるもう一つの考え方、思想というべきものは、自衛隊=「軍隊」が、「国際貢献活動」「国際協力活動」「国際平和協力」「国家の再建、社会秩序の再構築」を担うというものです。端的に言えば「軍事力で国家再建する」というものです。しかし私たちはこうした思想そのものが誤りである、こうした情勢認識そのものが誤りであると断言できます。

 意見書は、「冷戦後の世界においては、内戦や武力紛争が絶えない状態が続き」とか、「冷戦後の内戦や紛争、テロ攻撃は、グローバル化の進展と相俟って、国境を越え広く世界を脅かしている」(同上p.8)とか、あたかも内戦や地域紛争、テロ攻撃で「自然現象」のように国家が崩壊しているように言い立てます。しかし、現実はどうなのでしょう。現実は内戦や紛争、テロリストの発生すら、米と主に西側帝国主義による侵略、略奪により国家や人民の統合を滅茶苦茶にされたことの、その経過であり結果なのです。今回のイラク戦争が現に証明していることです。内戦や紛争、テロは貧困が原因だと言われますが、貧困一般がそれらを生みだしているわけではありません。それはまさにイラクの現実が示しているように、結局は、米国、欧州、日本など西側帝国主義大国が地域紛争や国家分裂に介入し干渉した結果なのです。


(2) 米と西側帝国主義諸国は、資源を保有したり政治的・軍事的・経済的要衝にある地域や国家に、陰に陽に絶えず干渉したり、時には直接武力介入したりして国家崩壊や人民の分裂を絶えず生みだしてきました。そして分裂させればさせたで、今度は軍隊を送って占領・植民地支配しようというのです。私たちはこの数年、アフガニスタンでもイラクでもその例を見てきました。「テロリスト」をかくまったとの口実でアフガニスタンを実効支配していたタリバンは蹴散らされました。そして西側諸国は一致してカルザイ傀儡政権を支えています。イラクのフセイン政権は、ありもしない「大量破壊兵器の保有」を口実に打倒されました。米英主導のその後の占領支配に反対する抵抗勢力はファルージャに端的に見られるように徹底的なせん滅攻撃を受けています。多くの罪もない女性、老人、子どもたちが無差別攻撃で殺されています。その屍の上で、総選挙を何が何でもやりきろうというのです。
 二度の大戦、冷戦時代を経てようやく確立されつつあった民族自決権、国際秩序、国際法、ジュネーブ協定等はどこかに吹き飛ばされています。これが現実なのです。こんなやり方自体が間違っているのです。これこそまさに帝国主義、植民地主義の思想・政策に基づくやり方なのです。意見書はこのように根本的に誤った帝国主義的で植民地主義的な時代の復活を望んでいるのです。



【4】「恒久法」の本質:「日本型CIMIC」提案――軍事力を背景に企業海外進出――という帝国主義的植民地主義的政策。

(1) 集団自衛権の否定や武力不行使、いや海外派兵そのものを禁止した憲法9条の存在と現在の政府解釈の下では、テロ特措法やイラク特措法そのものやそれに基づく海外派兵が、反憲法的・非合法なものであり、政府が無理に無理を重ねてごり押ししたものであることは、同友会もよく承知しています。そうであるならば法に基づいて撤退せよというのではなくて意見書は逆に「対症療法的」(同上p.3)な法制定ではなく、「法による定義と現実との乖離」(同上p.3)を埋めるために「恒久法」を制定せよ、と要求するのです。
 既成事実をどんどん先行させ、現実に合わないから変えろ。これは憲法改悪のやり方そのものです。初めに派兵ありき。派兵された自衛隊は憲法や法律のおかげで随分その活動に制約を被っているではないか、実にけしからん、だから現実に法を合わせろというのです。危険極まる無茶苦茶な論理です。

 意見書は【恒久法制定の意義】と称して三点挙げています。一言すればそれは武器使用の基準もなく、法律や憲法の制約もなく、地理的制約もない無制限の海外派兵のことです。
@海外派兵の原則化:「国際社会が取組む平和と安定のための活動に、日本が自衛隊を派遣する際の基準、目的、従事する活動領域等を明確にし、原則化する。」
A海外派兵の迅速化:「迅速な派遣を可能とする。」
B海外派兵のグローバル化:「自衛隊の国際貢献活動に適用されている現行法(PKO協力法、テロ特措法、イラク特措法)では覆えない地理的範囲を補完する。」(同上p.3)
 要するに、「国際社会が取組む平和と安定のための活動」=世界の至る所で米が行う先制攻撃を含む軍事行動とその後の占領支配に、あらゆる形態で協力するために法を制定せよ、ということです。そしてことを迅速に運ぶためには、世論や国会を無視できるような法律に限るということなのです。


(2) これだけでも十分危険な発想なのですが、「論理的」には当然のことながら、こうした「恒久法」を制定していくために、憲法改悪や集団的自衛権の行使に関わる政府解釈の変更も迫っています。自衛隊には武力行使のフリーハンドを与えよというのです。そして「恒久法制定に向けて議論が必要とされる項目」の中に、「自衛隊と民間の役割分担」という項をちゃっかり忍び込ませています。「基本的には自衛隊が安全確保、民間が復興支援に従事」(同上p.4)というのです。軍隊に守られて私たちは「ビジネス」をさせていただきます、ということです。何とあきれ果てた浅ましい考えでしょう。しかし、これが次に述べる「日本型CIMIC」という発想につながって行くのです。

 今回同友会の意見書には二つの柱があります。一つは「恒久法」の整備。今一つが「日本型CIMIC」の構築を、というもので、こちらがいわば今回提言の真骨頂、本質というべきものです。こんな大それた提言は、戦後初めてのことです。曲がりなりにも日本国憲法下で、軍事行動を前に出すのではなく外交政策の下での経済活動を続けてきた財界の提言としてはきわめて特異で、その意味で「新しい」ものであると思われます。
 もちろん日本の戦後第一次高度成長は朝鮮戦争特需をテコにして、南北朝鮮人民の膨大な血を踏み台にして成し遂げましたし、第二次高度成長の時も、ベトナム戦争の特需が大いに関わったわけです。しかし朝鮮戦争の時も、ベトナム戦争の時も、直接的に日本の軍隊(自衛隊)が海外派兵して「勢力圏」を維持確保するといったものではありませんでした。今回の意見書のように公然と軍事行動で企業活動を「防衛」するといった主張は、戦後史の中でこれまで全くなかったことなのです。


(3) 意見書の特異さはいわばそうした大前提にとどまるものではありません。これまで日本ではCIMIC(民軍協力)を問題とする時、提言中にもあるように「軍事目的の遂行において民間を活用するため、あくまでも軍の指揮の下に民が従うもの」(p.5)といった発想で語られるケースが多かったようです(注1)。ところが今回の提言は「日本型」との形容を冠し、「軍と民のそれぞれの強みを活かし協力しあう」(p.5)「安全確保に関わる政府機関」と、「企業等の民間が持つそれぞれの強みを活かし、協同かつ相互補完的な活動」をする(p.2)、よりストレートに言えば「自衛隊による警護の下で、民間が支援活動を行」う(p.5)という、軍は「経済活動」を保証する存在というあくまで民間主体(財界主体)の提言、という意味でも特異な「初めて」のものなのです。
※(注1) 例えば、@「新しい時代の民軍協力」((財)DRC研究参事 遠山久人) http://www.drc-jpn.org/AR-6J/tooyama-j02.htm A「多国間合同軍事訓練(コブラ・ゴールド03)視察報告」(OPAC事務局長・主任研究員 上杉勇司) http://www.opac.or.jp/epublications/security_review/sr03.pdf 参照
 上@A二論文は共に、軍にいかに民が協力するかの観点から「民軍協力」を語っている。特に後者は、米とタイ等の多国間軍事演習で何と「民軍協力」が演習のテーマ(!)となっていることの見学記である。

 それでは、経済同友会は、ひいては財界は、具体的にはどういった企業の利益を念頭にこうしたCIMICを提案しているのでしょう。
 米によるイラク占領支配の事態を念頭にこの提言は作られていることから、すぐに考えられるのは、ハリバートンやケロッグなど、いわゆる民間軍事会社(PMCS)の利益です。しかし、これから「日本版PMCS」を作るためというなら別ですが、当然のことながら日本にはまだそのような企業は十分発達していません。従って直接そのような企業の利害を前面に出しているとは思えません。(注2)
※(注2) 周知のように、米のPMCSはいずれも軍隊の天下り先、外郭団体的な会社、軍需産業の別働隊であり、軍出身者、除隊者、現役軍人の引き抜き先です。日本では、自衛隊において民との関わりは、せいぜい後方支援業務や駐屯地の生活関連業務、訓練施設等の維持・運営業務等の分野で、部分的に民間委託があり、PKO等に際し緊急の所要を満たすため、民間通信システムのリースが行われている程度のものです。大規模なPMCSがあるわけではありません。
 しかし、今後中長期的には、自衛隊・軍事が今以上の「市民権」を得た中での軍事費削減で、米国での軍事費削減の場合と同様のアウトソーシングの発生、ひいてはPMCSの成立、さらには軍需産業の裾野の拡大、米国型の軍産複合体の形成・拡大が起こらないとの保証はどこにもないのです。私たちはこれを防がねばなりません。
※周知のように「戦争の民営化」「戦争の外注」と称されるごとく、今やアメリカは民間軍事会社(PMCS)の存在ぬきに戦争を遂行し、占領を維持することなどできなくなっています。イラク侵攻の場合、軍事サービスの20〜30%が、民間企業に依存していると言われています。中でもケロッグ社が目立っています。そしてこの社はハリバートンの子会社であり、ハリバートンは副大統領のチェイニーが5年間にわたって会長を務めていた大手石油企業なのです。
 ケロッグ社の最大のお客がペンタゴンです。兵站契約は実費が軍によって支払われる「費用支弁契約」によって、費用がかからず1%の利益が保証されます。さらに成功報酬が実費の1〜8%支払われます。だから、この社がペンタゴンとの契約では利益が確実に保証され、いかに膨大な利益を得ているかわかろうというものです。
 そもそもホワイトハウスは、イラク復興を国際機関にゆだねるのではなく、民間軍事会社にゆだねる比重を高めると公言し、その責任者にあのガーナーを使命しました。ガーナーは世界最大の軍事産業ロッキードの子会社であるL−3コミュニケーションズという民間軍事会社の会長でした。(ちなみにラムズフェルド国防長官はロッキードの社外重役です。)
 そしてアメリカは何とイラク侵攻の二ヶ月も前に、ORHA(復興人道支援室)を国防総省内に設置したのです。このORHAの室長に任命されたものこそガーナーでした。結局ORHAの人気は非常に悪く、ガーナーは解任されました。その時ORHAの全権限を引き継いだものがかのCPAであり、その長がブレマーだったのです。(以上「第20回『21世紀・日本の進路』研究会報告(その2) イラク侵攻と軍産複合体」参照)

 そうなると今回の提言を出した際に念頭に置かれているのは、第一には、日本の場合現に途上国等にもプラント輸出等に携わり、今後「復興ビジネス」にも関わる商社、各種メーカーの利害(注3)ということになり、第二に、将来的には多国籍企業の進出、条件整備のために軍隊が露払いとなれ、石油利権等を軍隊で守れ、ということになるのかもしれません。
※(注3) 提言の中に唯一具体的な事例が引用されています。それはこういうものです。「イラクには70年代後半から80年代初めにかけて日本から輸出された多くのプラントがあり、それらの改修、再稼働のための支援を要しているが、安全が確保されない限り、これらに応えることは難しい」というもの(p.5)です。これは端的な例です。
 
 イラク侵略戦争とその後に引き続く占領統治によって民間軍事企業がいかに巨大な利益を得たことか。経済同友会の面々にはそれがいかにも魅力的に映ったのでしょう。およそケロッグやハリバートンにはなれないが、その下請け位はさせてほしい、自衛隊は米軍の傭兵にさせますから、とでも言うのでしょうか。
 しかしそれとて占領統治が米軍なりに「成功」していることが前提であると言わねばなりません。そうだとすると現在のイラクの無茶苦茶な状態、米軍によるイラク民衆への虐殺・抑圧・弾圧、それに抵抗する武装勢力の反撃、といった事態を同友会の人々はいかに見ているのでしょう。それらを一切無視してイラク占領統治の「成功」、民間軍事企業の膨大な利益のみに幻惑されているとしたら、恐るべき現状把握、世界観の持ち主たちだと言わねばなりません。このように金儲けに目がくらみ大量虐殺や大量破壊も平気でやってのける企業家、現実を無視して自己の利潤追求のみに固執する財界人たちが大きな顔をして政治や軍事に口出しをするとはまことに恐ろしい由々しい事態です。しかしこれが日本の政財界、軍事を取り巻く現実なのです。奥田経団連会長の政治発言力の増大と小泉政権の行け行けどんどんの軍国主義を化が同時進行している背景には、財界のこのような軍国主義化の現状があるのです。


(4) 「日本型CIMIC」についてもう少し具体的に検討しましょう。まず意見書は、今回の自衛隊派兵が「日本型CIMIC」の構築に向けた議論を深める好機を作ってくれたと、派兵を礼賛することから始めます。すなわち、「今回、自衛隊がイラク・サマーワで行っている活動は、現地の人々との交流や協力を通じた信頼の醸成に基づく人道復興支援で、既にCIMIC的な活動を行っていると言える。よって、今後の安全確保・人道復興支援における日本の取り組みを考える上で、今回の自衛隊派遣は、実効性の高い『日本型』CIMICの構築に向けた議論を深める好機となり得る」。(同上p.6)
 ここには、自衛隊が米軍のファルージャ虐殺に加担している事実、その軍事的プレゼンスによって米占領軍の一部になっている事実への懸念や反省は微塵もありません。攻撃を恐れてひたすら陣地に逃げ込み、浄水・給水活動といってもそのほとんどの水を自らが消費してしまい、その残り水を、横柄にもイラクの人々に取りに来させる自衛隊。利権を一部部族にのみ振り分けるものだから、他の部族からは攻撃されても仕方がないと揶揄される自衛隊。仕事を与えてくれるものだと思っていたのに重武装で周囲を威嚇しながら道路を疾走していくだけの自衛隊――イラクの人々の自衛隊と日本に対する失望と批判の声は提言からは一切聞こえてきません。

 それでも意見書は「ビジネスチャンス」=「利権」を飽くことなく求め続け「日本型CIMIC(Civil-Military Cooperation、民軍協力)」の創設を提案するのです。「『日本型CIMIC』は、自衛隊、及び警察・海上保安庁等の安全確保に関わる政府機関と、国内のNGO、NPO、民生における専門家、企業等の民間がそれぞれの強みを活かし、協同かつ相互補完的な活動ができる枠組みである。これにより、完全に治安回復していない地域でも、より安全かつ効果的に人道復興支援が行えると考えられる」(同上p.6)と。

 さらに具体的に民間が「復興利権」に与れるものとしてその後に「従来のPKO活動に加え、(1)保健、食糧、水、消防等のライフ・サポート、(2)公共交通、水路、電気通信等のインフラストラクチャー、(3)地雷除去、難民キャンプ、難民の移動等の人道支援、(4)司法、地方組織、通関、金融等の制度構築といった民生における分野別の専門家を含めた組織による支援活動の展開」(同上p.7)だ、といった念の入れようです。

 おまけにこうした体制での「支援活動」を「戦闘行為終了」から「混乱期」を経て、さらに「復興開発支援期」に至るまで一貫して行えというのです。ただし、「派遣地域における治安情勢が悪化した時や占領体制から復興が軌道に乗るまでの移行期のように混乱が予想される場合は、自衛隊が人道復興支援も行い、本格的な復興開発支援までの過渡的活動を担うことが必要であろう」(同上p.5)として、軍隊に下駄を預けます。その上で「漸進的にでも治安回復が進むと、国際機関、NGO、NPO等の民間組織による支援活動が可能になる。この段階でも安全確保は必要だが、多方面に亘る民生の向上へと支援をより傾注できる」(同上p.5)というのです。さらに「治安回復と民生の向上を経て、経済、産業の復興の基盤が概ね整う」というのですが、「現実には、こうした復興開発支援の段階に至っても危険が伴うことが想定される。よって、そのような場合に備え、自衛隊による警護の下で、民間が支援活動を行えるような体制の構築が求められる」(同上p.5)とするのです。

 「自衛隊による警護の下で、民間が支援活動を行えるような体制の構築」(同上p.5)――ここが、今回の提言のキー・ワードであるように思えます。要するに軍隊と一体となって民間(主に財界の支持を受けた企業)が、混乱期(もっともその混乱そのものを軍隊自身が作り出したものですが)に「復興利権」にありつく、地域によっては石油はじめ原料資源の「利権」にありつくことかも知れません。

 端的に言えば、「恒久法」の制定、「日本型CIMIC」の創設とは、「復興利権」、経済利権、石油はじめ原料資源獲保、日本独占資本の勢力圏獲保のための軍民一体となった、主に途上国に進出するための、従来と形態を変えた帝国主義的植民地主義政策の発露というべきです。これが今回の経済同友会提言の本質なのです。



【5】「人道復興支援」を隠れ蓑にした「日本型CIMIC」のごまかし。「軍隊は人道支援を行うべきでない」――NGO、NPOの活動を一切理解せぬ提言

(1) 意見書にはもう一つ重大な問題が含まれています。それは「日本型CIMIC」に国内のNGO、NPOを取り込み、その「強みを活かし、協同かつ相互補完的な活動」(同上p.6)をさせようとしている点です。これは根本的に誤った発想です。のみならず現実のNGOやNPOの活動を否定し危険に陥れるものでさえあります。
 そもそも「日本型CIMIC」、すなわち“民間・軍事協力”の「民間」には、全く異質な2つのものが一緒くたにされているのです。@本来の人道復興支援に従事するNGO、NPOと、A民間企業(といっても海外進出する多国籍企業、巨大独占資本です)です。Aについてはすでに詳しく検討しました。ここでは@について検討します。
 結論から言えば、@とAをごっちゃにすることで、自衛隊に誰もが否定できない@NGOを警護させるという口実の下、実際にはA海外進出企業を警護させる論理を忍び込ませることで法律をごまかし、国会通過をさせようという策謀なのです。

 イラク侵略戦争とその占領支配に関連して具体的な話から始めると、日本の有力なNGOである日本国際ボランティアセンター(JVC)は、米英の戦争を支持した日本は人道復興支援の中立性と公平性の原則に真っ向から反する、正当なイラク政権作りを支援することこそが大事な仕事だとして、政府の自衛隊派兵に反対しました。それはなぜか。
 「軍隊は人道支援を行うべきでない」――これが、紛争地で支援活動をする国際NGOの間のコンセンサスであり、鉄則だからです。なぜなら軍隊が介入することにより支援の鉄則である中立性が損なわれ、結果としてNGOや国連機関の援助機関の活動も軍隊の活動と混同され、攻撃にさらされる危険が出てくるからです。
※日本国際ボランティアセンター(JVC)「イラク戦争/「復興」に関する国際協力NGOの緊急アピール」 http://www1.jca.apc.org/jvc/jp/notice/notice20031208_iraq.html

 昨年2月にイラクを訪問したJVCの熊岡代表理事は朝日新聞のインタビューの中で、イラクで活動する100あまりの団体で構成されるNGO調整委員会“NCCI”の代表世話人から、自衛隊派遣に関して、軍と人道支援との区別が不明確だとして懸念を表明されたと話しています。
 米英の占領下で数多くの民間NGOが撤退を余儀なくされました。米英と同様、日本も侵略者・占領者に成り下がったため、日本のNGOもまたイラク民衆から敵と見なされているのです。自衛隊派兵は人道復興支援をするどころか、逆に地道かつ真面目にイラク現地でボランティア活動を行ってきたこうした民間NGOを危険に陥れ排除するのです。サマワに関して言えば、浄水活動を進めてきたフランスのNGO活動を邪魔し妨害し潰すことにしかなっていません。
 「人道復興支援に武器は不要。」「非武装・非暴力が大原則。」−−真剣に継続的にイラク現地でNGO活動をやってきた市民グループは口々に主張します。「人道復興支援をやるなら軍服を脱げ」と。
※「陸自活動『非効率』と批判も JVC理事、帰国し語る」朝日新聞 http://www2.asahi.com/special/jieitai/TKY200402230166/html

 同友会の提言にはこうした事実認識が全くありません。それどころか、「日本においては、自衛隊と国際的NGO、NPOを含めた民間組織との接点が少ないのが現状である」、だから「国内における自衛隊、及び警察・海上保安庁等と民間組織との幅広い交流を増やし、相互のコミュニケーションを促進することが『日本型CIMIC』構築への布石となるであろう」(同上p.7)と寝言を言い出す始末です。
 真の人道復興支援を行おうとするNGOがどうして自衛隊という暴力装置と距離を置こうとするのか。それが自分たちの活動を最大限保証することであるということが全然わかっていないのです。軍隊と共に活動することなど本来のNGO活動でも何でもないことが全く理解できていません。結局軍隊であろうと何であろうと、自分たちの「金儲け」のパートナーとなってくれれば良いと考えているような輩に、本来の人道支援など分かりようもないのだと思います。


(2) 繰り返しますが、これまで詳しく検討してきた経済同友会の意見書のような、「恒久法」は、そう簡単に日本の民衆が認めるわけがありません。私たちは一人でも多くの皆さんに、この「恒久法」の内容と狙い目を知っていただき、知らせてほしいと思います。民衆が「恒久法」の真実を知ることこそが、法案の上程や国会での成立を阻止する原動力となるでしょう。

 同時に、同友会や日本経団連に代表される日本の財界が、小泉軍拡と日本軍国主義の復活を先頭に立って推進する段階に入っている、もしくはグローバル市場での競争で生き残りを図る日本帝国主義と独占資本の経済的利害が今や軍隊の海外派兵を求める段階に入っている、さらには日本帝国主義がその勢力圏や利権確保のためなら戦後の枠組みを作ってきた憲法を改悪し軍事力の行使さえ要求する段階に来ていることを端的に示しています。

 従って「恒久法」を阻止する闘いは容易なものではないかもしれません。しかし私たちは決してあきらめてはなりません。現に、イラク民衆の反米・反占領民族解放闘争は私たちを勇気づけています。イラク民衆の闘いが米のイラク占領を破綻させ、その軍事外交戦略そのものを追い詰めているのです。いずれ米軍はイラクから撤退せざるを得なくなるでしょう。日本の財界が夢想する「日本型CIMIC」は、イラク占領の成功と米軍の軍事占領の永続化を大前提にしたものです。つまり最初から「日本型CIMIC」は挫折に貧しているのです。
その意味で「恒久法」阻止の闘いは、日本の反戦運動とイラクをはじめとする途上国民衆の解放闘争との連帯の中で葬り去ることが出来るのだと思います。

2005年1月28日
アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局





新「防衛大綱」「中期防」閣議決定批判:シリーズその1
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新「防衛大綱」「中期防」閣議決定批判:シリーズその2
−−2005年度軍事予算案:「1%減」はごまかし、実際は1.7%増。


新「防衛大綱」「中期防」閣議決定批判:シリーズその3
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−−三自衛隊の統合運用整備、海外派兵「本来任務」化、海外派兵「恒久法」への弾みを狙う−−


新「防衛大綱」「中期防」閣議決定批判:シリーズその4
ミサイル防衛(MD)を突破口に、武器輸出三原則のなし崩し的緩和・撤廃へ
−−自民党・財界は武器輸出の全面解禁、対米下請け化で軍需産業の復活・生き残りを追求−−