リクルート過労死裁判を考える会(仮称)
〒136-0071 東京都江東区亀戸7-10-1Zビル5階
PHONE (03)3636-3882 FAX (03)3636-3881
E-mail: recruit-karoshi@jca.apc.org
1996年8月29日、故石井偉(いさむ)さんは29歳の若さでくも膜下出血で亡くなりました。
(株)リクルートの、インターネット・ホームページ媒体を利用した求人情報「デジタルB-ing」をその年の4月に事実上ひとりで立ちあげ、試行錯誤しながら週1回の画面更新のために深夜、時には明け方までの長時間不規則勤務を強いられていた中のことでした。
御両親は、偉さんの死は過労死であると確信し、「なぜ死ななくてはならなかったのか」を解明し、リクルートの責任追及と二度と同じようなことが起こらないようにという願いを込めて、1999年7月29日、損害賠償請求裁判を起こしました。
このウエブサイトは、この裁判を支援し、また、裁判を通じて企業社会、私たち自身の働き方を考えていくためにつくられました。
和解成立の御報告
その提訴から4年半が経過した2004年1月22日、東京地裁において和解が成立しました。
この間原告らに対してお寄せいただいた激励とご支援に心から感謝いたしますとともに、裁判の経過を十分にお伝えしてこれなかったことをお詫びいたします。
和解内容をご報告させていただきます。裁判の経過についても、以下に整理しておきました。
しかし、労災保険遺族補償給付の申請に関しては、行政による業務上認定をめざして、引き続き労働保険審査会に再審査請求中であり、今後ともご支援をたまわりますようお願いする次第です。
NEWSLETTER No.10 (2004.2) (PDF, 1.7MB)
和解条項
本件は,被告株式会社リクルートに従業員として在職していた原告らの子である石井偉が,平成8年8月29日,くも膜下出血の発症を原因として死亡したことについて,原告らが被告に対して,石井偉が死亡したのは被告における過重労働によって疲労が蓄積し,脳動脈瘤が自然的経過を超えて増悪し破裂したためであり,被告には安全配慮義務違反があるとして債務不履行等に基づき損害賠償を請求し,これに対して被告が,被告における過重労働は存在せず,石井偉の死亡の原因であるくも膜下出血の発症は,常染色体優性多発性嚢胞腎に合併した脳動脈瘤が自然的経過により破裂したことによるもので,業務と死亡との間に因果関係はなく,かつ何らの安全配慮義務違反も存在しないと主張してこれを争った事案である。
裁判所は,原告らと被告に対し,被告の法的責任の存在を前提とすることなく,本和解を勧告し,原告らと被告は,この和解勧告を受け,次の内容の裁判上の和解を行う。
1 被告は,石井偉が死亡したことに対し,衷心より哀悼の意を表する。
2 被告は,前項の趣旨にかんがみ,原告らに対し,本件和解金として,1200万円を支払うものとし,本日,本和解の席上において,この支払のために,UFJ銀行新橋支店振出に係る額面1200万円の自己宛小切手1通を交付し,原告らはこれを受領した。
3 被告は,今後も従業員の健康状態の把握に努め,労務内容等に応じ,従業員の安全管理・健康管理に十分配慮して,安全配慮義務を尽くすよう努力する。
4 原告ら,原告ら訴訟代理人,被告及び被告訴訟代理人は,本和解の内容及び本件訴訟の結果について当事者以外の第三者に知らせる際には,それぞれ以下の点を厳守する。
(1) 本和解条項の全文を知らせなければならない。
(2) 本和解の成立を理由として,相手方当事者が次の点について認めた又は認めなかった旨の主張ないし告知を行ってはならない。
ア 石井偉の被告における過重労働の存在又は不存在
イ 石井偉が被告在職中に死亡したことについての被告の法的責任の有無
(3) 本和解の成立を理由として,本件訴訟の結果が実質的勝訴である又は実質的敗訴である旨の主張ないし告知を行ってはならない。
5 将来,石井偉の死亡につき,労働者災害補償保険法に基づく支給決定がなされた場合,その給付金とは別に,被告が第2項の金員を支払ったものとする。
6 原告らは,被告に対するその余の請求を放棄する。
7 原告らと被告は,本件に関し,本和解条項に定めるほか,何らの債権債務のないことを相互に確認する。
8 訴訟費用及び和解費用は,各自の負担とする。
リクルート過労死裁判(石井労災損害賠償事件)の経過
1996年
8月25日―石井偉殿がくも膜下出血を自宅にて発症
8月29日―石井偉殿が死亡
損害賠償請求訴訟の経過
1999年
6月9日―東京地方裁判所に、株式会社リクルートを被告とする損害賠償請求訴訟を提訴
7月29日―第1回口頭弁論期日: 争点整理等のため弁論準備手続に付す
9月28日―第1回弁論準備手続
11月4日―第2回弁論準備手続
12月20日―第3回弁論準備手続
2000年
2月9日―第4回弁論準備手続
4月13日―第5回弁論準備手続
6月12日―第6回弁論準備手続
8月22日―第7回弁論準備手続
10月19日―第8回弁論準備手続
12月20日―第9回弁論準備手続
2001年
2月16日―第10回弁論準備手続
5月10日―第2回口頭弁論期日: 被告側証人三牧義明(デジタルビーイング上司)
6月14日―第3回口頭弁論期日: 被告側証人田中和彦(ビーイング編集長)
7月4日―第11回弁論準備手続(進行協議期日)
7月31日―第12回弁論準備手続(同前)
9月20日―第4回口頭弁論期日: 原告側証人渥美京子(フリーライター)
11月29日―第5回口頭弁論期日: 原告側証人増田結香(ビーイングにおける同僚)
2002年
2月21日―第6回口頭弁論期日: 原告石井淳子本人尋問
4月25日―第7回口頭弁論期日: 新宮正医師意見書、証人申請
6月28日―第8回口頭弁論期日: 原告側証人新宮正医師
9月20日―第9回口頭弁論期日
10月25日―第10回口頭弁論期日
12月5日―第11回口頭弁論期日
2003年
3月31日―裁判所から和解勧告
その後、裁判所を介して和解協議
2004年
1月22日―和解成立
労災保険遺族補償給付申請の経過
1998年8月25日―中央労働基準監督署長に労災申請
2000年3月31日―不支給処分決定
5月29日―東京労災保険審査官に審査請求
2002年2月4日―審査請求に対し、棄却決定
4月1日―労働保険審査会に再審査請求
NEWSLETTER
No.10 (2004.2) NEW! 和解報告 (PDF, 1.7MB)
No.3 (2000.9)〜No.9 (2003.1)
No.2 (1999.9)
第1回公判と次回の予定等―事務局
第1回公判を傍聴して―関口達也
原告意見陳述要旨―石井淳子(1999年7月29日)
原告ら代理人意見陳述要旨―弁護団(1999年7月29日)
資料/夕刊フジ記事(1999年8月3-6日
No.1 (1999.7)
発刊に当たって―渥美京子
提訴に当たって―石井淳子
弁護団からひと言@―小池純一
提訴記者会見資料(1999年6月9日)
資料/週刊ポスト記事
裁判関係文書
訴状
原告意見陳述要旨―石井淳子(1999年7月29日)
原告ら代理人意見陳述要旨―弁護団(1999年7月29日)