わたしの雑記帳

2010/3/15 第6回ジェントルハートコンサートを終えて

2010年3月14日(日)、ミューザ川崎で、NPO法人ジェントルハートプロジェクト主催第6回ジェントルハートコンサート いじめのない社会を創る「やさしい心」〜 やさしい心で・・・真摯な心で・・・いじめを考えるコンサート が行われた。
出演は、中西圭三さん西村由紀江さん中村幸代さん高木いくのさんカノンさんかえつ有明中・高等学校マーチングバンド ESTEAM。

今回は、プロのイベント会社・キャピタルヴィレッジさん(http://www.capital-village.co.jp/)に依頼した。
そのために、チケットの購入はコンビニで買えるなど便利になったものの、前年までのほぼ倍の値段にせざるをえず、今まで来ていただいていた方にはほんとうに心苦しかった。

理由は、ミューザ川崎シンフォニーホールのあの1000人は入る広い会場を、6人の理事が活動のほぼすべてを担っている小さなNPOが、ほかの活動をしながら、手売りで集客することに限界を感じていたから。
毎年参加してくださって、こういった私たちの内情を知っている、ミュージシャンのマネージャーさんがアドバイスをくれて、キャピタルヴィレッジさんを私たちに紹介してくれた。

最初に言われたのが、「自分たちの活動を支援してくれている親しい人たちが毎年、楽しみに来てくれればよいのか、この問題をまったく知らない、あるいは関心をもっていない人たちに来てもらってメッセージを伝えたいのか」ということ。
もちろん、両方捨てがたくはあるけれど、NPOの活動として、私たちがとるべきは後者。

当日は、招待客も含めて、来場者数約600人。はじめて、ミューザのあの広い会場に多少なりとも「埋まった感」があった。
じつは、この会場は今回で最後になるかもしれない。私たちが本物の音楽を子どもたちに伝えたいために選んだ会場は、クラシック演奏にはもってこいでも、歌手にとっては必ずしも使い勝手のよいものではないという。
もっと安くて、NPOの実力にあったほどほどの大きさの会場で、しかも出演するミュージシャンにとっても使い勝手のよいホールはいろいろあるとプロに指摘されて、再考することになった。
(今まで、ミューザの会場押さえは、コンサート開催前後、すなわち約1年前に押さえていた。それだけミューザは人気がある)

で、肝心の当日の様子。
今までは、慣れない予約のチケッ交換や販売を手伝いに来てもらった人たちで対応していたのが、今回は法人の招待客以外は全部おまかせ。
途中交代で部分的にしかきくことができなかったり、全く会場に入れない理事もいたが、今回はコンサートを最初から最後まで座ってきくことができた。

トップバッターは、私も大好きな高木いくのさん。そして、私たちのテーマ曲でもあるかのような、「抱きしめたい」。
それを今回、私たちの要望に応えて、前半部分をアカペラで歌ってくれた。
「うわぁ-」という感じで、もう感慨無量。なんと表現してよいかわからないけれど、心臓に直接届くような感じ。生ならではの素晴らしさ。
そして、新曲「和」(やわらぎ)。いくのさんを取り巻く素敵な世界が見えるような気がした。
今回は2曲だけ。主催者であっても、ええっ!という感じだったけれど、そこはプロが決断。「もっと聴きたい」という思いを残して、次のひとにバトンタッチ。

今までは司会もNPOの理事がしていたが、今回は、第1回からずっと関わってくれている中村幸代さんが全部、担当してくれた。
ミュージシャンのことはミュージシャンに。とても、息のあった紹介、やりとりになった。
幸代さんのピアノ、西村由紀江さんのビアノ、そして、歌いながらのカノンさんのビアノ。とても、贅沢な構成。
しかも、一人が2、3曲で、間に中西圭三さんが入ることで、聴いている側をあきさせない。

中西圭三さんの最初の歌は「風雅」(ふうが)。実は遺族からのリクエスト。「いつかあの世に行ったときに、子どもにお母さん、がんばって生きてきたよと話せるように、今を生きている」と話してくれた親の思いがそのままだった。
そして、明るい曲「ぼよよ〜ん」(?)。とても元気が出る歌詞と音楽。ちょっと辛い思いをしている子どもたちにぜひ聞かせてあげたい歌だった。中西さんのメッセージがたっぷりつまった曲だった。

打ち上げのとき、その中西圭三さんと少し話をさせていただいた。児童虐待防止のオレンジリボンの普及活動のほかに、海外のストリートチルドレンを支援するNGOの支援もしているという。「どこのストリートチルドレンを中心に支援しているんですか?」と聞くと、「フィリピンです」と教えてくれた。
いろんな思いを持っていて、そのメッセージを伝えるための手段が歌だったんだと思った。

それから、かえつ。少しずつメンバーが卒業してチェンジして、それでも変わらず引き継がれている、小森香澄さんが残した詩をもとにした「窓の外には」。そして、いじめに対する思い。
ピアノと歌とマーチングバンド。まったく異質のものが、ひとつになってのコンサート。共通するのは、いじめのない社会をつくりたい、もう亡くなる子どもを、被害者を、加害者を生み出したくないという思い。ほかにはちょっとない、いいコンサートだと自画自賛。

そして、毎年、コンサートを開くたびに、来年もぜひこのひとにお願いしたいと思う人ばかりで、どんどん期待と構想ばかりが膨らんでいく。
プロから学ぶことは多かった。たぶん、今年のコンサートが、ジェントルハートコンサートの変革の第一歩となるだろうと思う。いじめ・暴力の問題に関心がない人たちにも、「やさしい心の大切さ」をぜひ伝えたい。確実な手ごたえを感じた。
  


 HOME   検 索   BACK   わたしの雑記帳・新 



 
Copyright (C) 2010 S.TAKEDA All rights reserved.