わたしの雑記帳

2007/4/22 ジェントルハートプロジェクトの第3回ハートフルコンサート

昨日(2007/4/21)川崎ミューザ・シンフォニーホールで、第3回ハートフルコンサートが行われた。昨年の反省から、今回は大分前から準備をはじめ、プレイベントとしてシンポジウム(2/10)や横浜そごう9階の市民ギャラリーでのジェントルハートメッセージ展(3/29-4/2)を計画していた。
しかし、昨年9月以降のいじめ自殺の過熱する報道の取材や講演依頼、原稿依頼などが押し寄せ、結局はコンサートに向けての宣伝活動を着実に行うことができず、今年もまた集客に苦慮。あの大ホールに350人という客数になってしまった。

しかし、内容的にはきっと皆さんに満足していただけたのではないかと思っている。
第一部では、19人の天国の子どもたちからのメッセージの朗読。後藤裕子さんというプロの方とともに、演劇俳優志望の男の子、私の娘も読ませていただいた。
大画面に映し出される一人ひとりの子どもの笑顔。親が撮った愛情あふれる写真。幸せだったころの笑顔。その子どもたちが今はもう生きていないという事実。子どもたちの遺書や親の思い。会場からはすすり泣く声も聞こえた。
そして続いてフルートアンサンブル・Blitz Brass(ブリッツブラス)の4人が、千の風になってを含む素晴らしい音色を聞かせてくれた。メンバーのひとりは、亡くなった小森香澄さんの先輩。音楽を通じて、再びつながることができた。

そして、連続3回目の出演となる中村幸代さん。昨年までのイメージとはがらりとかわったテンポのあるミュージック。そしていつもながら多彩なゲストを引き連れてくれた。
兄弟で音楽活動をしているK.D earthのお二人。そして、ジャングルスマイルの活動を休止中の高木郁乃さん。郁乃さんは、昨年の第2回ハートフルコンサートでもサプライズゲストで参加してくれた。体調の関係で、昨年のコンサートから今年までの間、音楽活動はしていないという。それが、私たちのリクエストに応えて、再び出演してくれた。そして、昨年同様「抱きしめたい」という彼女の思いの込められた歌を歌ってくれた。
この「抱きしめたい」はまるで私たちのテーマ曲のような歌詞だとジェントルハートで話したことがある。苦しさを抱えた子どもたちへの同じ世代からのメッセージが込められている。
そして、みんなに元気と勇気を与えてくれる「風をおこそう」。私たちも今、風をおこそうと活動している。

最後に、こちらも3年連続出演してくれているかえつ有明中・高等学校 マーチングバンドESTEAM。昨年から男女共学になり、学校名が変わった。
小森香澄さんが9歳のときに父親のワープロに残していた詩に少し書き足し、メロディーがつけられた「窓の外には」を手話を交えて演奏してくれた。
そして、出演者全員と会場とで歌う「翼をください」で締めくくられた。

このコンサートはふつうのコンサートではない。テーマは「心」であり「命」。
私たちはこのコンサートが、講演以上に多くのひとたちに「やさしい心の大切さ」を伝えてくれることを第1回目で知った。それがあるから、毎年、大赤字を覚悟で、全国をまわっていただいた講演料や寄付を吐き出すような形で、続けてきた。

出演者は全員ボランティアで、かつ、私たちの活動を深く理解し、思いをひとつにしてくれている。亡くなった子どもたちの思いが、多くのひとたちの手を通して、肉体は失ってもよみがえる。肩の力を抜いて、無理なく、自然に伝わる。

子どもたちの感想を読むと、講演を聞いたときと変わらない。「やさしくったっていいんだと思いました」「もう、いじめをしない」。大人たちの感想は「『生まれてきてくれてありがとう』と言って、子どもを抱きしめました」「やさしい心をもつひとになってほしいと思った」などなど。

北海道や名古屋からも遺族たちが駆けつけてくれた。
子どもが亡くなったあとも事実を隠ぺいされ、たくさんの攻撃にさらされるなかで、少しは暖かい思いも感じてもらえたら、たった半日でも癒しになればと思う。

来年の会場はすでに押さえ済み。2008年4月5日(土)。来年こそはもっともっと多くのひとたちにこのコンサートを伝えたい。


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